「税理士事務所のSEOは、狙うキーワードを決めて、税金のコラムを毎月書き足していけば上がりそう」。SEOの手順は、業種を問わずキーワード選びと記事の公開から説明されるのが一般的なので、税理士事務所でも記事の本数を目標に置きがちです。
ところが、検索品質評価ガイドラインには、税の申告書類をどう書くかの説明が、専門家に任せるべき情報の例として挙げられています。税理士が書いたことと、どの時点の法令に基づくかが記事のページから読み取れなければ、読者は記事を信じてよいかを判断できません。税金の記事は、書き手と法令の時点を示してから増やします。
本記事では、税金の記事に載せる3つの情報から、税制改正のたびの見直し方、税理士法と税理士会の決まりで注意する場面、外注するときの分担と費用まで、SEO対策と記事制作を手がける会社の視点で順を追ってお伝えします。
- Googleは、税の申告書類の書き方の説明を、専門家に任せるべき情報の例に挙げています
- 税金の記事には、書いた税理士、記事が基づく法令の時点、根拠の条文や国税庁の資料を載せます
- 税制改正のときは、記事ごとの税目と条文の一覧から、直す記事を選びます
- 顧問先の事例、不安をあおるタイトル、他の事務所との比較は、税理士法や税理士会の決まりにかかわります
- 外注しても、税額や手続きの説明が正しいかは税理士が確かめます
税理士事務所の記事がYMYLに当たる理由
税理士事務所が書く税金の記事がYMYLに当たるのは、計算や手続きの説明を誤ると、読者の納める税金の額が変わりうるからです。Googleは、人の健康や安全、経済的安定などに大きく影響する可能性のあるトピックをYMYL(Your Money or Your Life)と呼びます。YMYLのトピックでは、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が優れたコンテンツを特に重視すると説明しています。
Googleが検索品質評価者向けに公開している検索品質評価ガイドラインの2025年9月11日版は、税金をさらに具体的に取り上げています。税の申告の準備を、専門性が求められるYMYLのトピックの例に挙げ、税の申告書類の記入については、経済的な安定にかかわるトピックの例として次のように分けています。
税の申告書類についてのページの例 | ガイドラインでの扱い |
|---|---|
専門家でない人が、税金の申告の面倒さを語るユーモラスな動画 | 経験の共有として価値がある |
税の申告書類の書き方の説明 | 専門家に任せるべき情報 |
申告書類の書き方を説明する記事は、専門家に任せるべき情報の例に当たります。
ただし、Googleは、E-E-A-Tそのものは順位に直接影響する要因ではないとしています。ガイドラインに沿って評価する検索品質評価者の判断も、順位に直接は使われません。Googleは、ガイドラインを読めば自分のコンテンツを自己診断できるとしています。記事のページに何を載せるかは、ガイドラインを手がかりに決められます。

税金の記事に載せる3つの情報
税金の記事のページには、検索から来た読者がその場で確かめられるように、3つの情報を載せます。

書いた税理士の氏名と所属
書いた税理士の氏名と所属する税理士会は、記事のタイトルの近くに載せ、氏名からプロフィールのページへリンクします。Googleは、ページのしかるべき場所に著者名(バイライン)を載せ、著者の経歴や専門分野が分かる情報へつなぐよう勧めています。記事の構造化データ(検索エンジンにページの内容を伝える記述)でも、著者の名前とプロフィールのページのURLを指定できます。
プロフィールのページには、日本税理士会連合会の税理士名簿に登録した事務所名も書きます。日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトは、名簿に登録された事務所名を載せており、看板などに使う「○○会計」のような名前とは異なる場合があると案内しています。サイトの名前と名簿の名前が違っても、税理士の氏名と所属する税理士会が書いてあれば、読者は検索サイトで照らし合わせられます。
税理士の資格は、事務所の紹介ページに書いてあります。記事ごとに名前を出さなくてもよいのではないでしょうか。
編集部
紹介ページを読んだ人には伝わっています。ただ、検索から来た読者はトップページを通らず、記事のページから読み始めます。記事に税理士の名前がなければ、資格者が書いた記事かどうかを、読者は記事を離れて探すことになります。
記事が基づく法令の時点
記事が基づく法令の時点は、「令和8年4月1日現在の法令に基づきます」のように、本文の最初か最後に1行で書きます。国税庁のタックスアンサーも、ページごとにタイトルの下へ「令和8年4月1日現在法令等」と書き、どの時点の法令で説明しているかを示しています。
公開日や更新日だけでは、記事がどの年の税制で書かれたかを読者が判断できない点は、見落とされがちです。確定申告のように年分で扱いが変わる記事は、どの年分の申告の話かも本文に書きます。公開日と最終更新日は、Googleが勧めるとおり、「公開日」「最終更新日」のラベルを付けてページの目立つ位置に表示します。
根拠にした条文と国税庁の資料
記事の結論の根拠にした条文や国税庁の資料は、本文の該当する文にリンクで示します。タックスアンサーも、ページの最後に「根拠法令等」として、根拠にした法律や通達の条文番号を並べています。検索品質評価ガイドラインも、税の書類については、政府の税のサイトを権威ある情報源の例に挙げています。
Googleは、YMYLのトピックでは、内容の精度が高く、確立された専門家の見解と一致している必要があるとしています。事務所の見解を書くときは、条文や国税庁の資料が示す扱いを先に書き、事務所の見解はその後に分けて書きます。
税制改正のたびに記事を見直す手順
税制改正のたびに記事を見直す手順は4つで、記事ごとに扱う税目と根拠の条文を一覧にするところから始めます。

見直しで時間がかかるのは、直す作業より、どの記事が改正にかかわるかを探す作業だと見ています。
公開している記事ごとに、扱う税目と根拠にした条文、記事が基づく法令の時点を表にまとめます。記事を1本公開するたびに、表へ1行足します。
税制改正の内容が決まったら、改正された条文や制度の名前で一覧を引き、直す記事を選びます。
改正で変わった金額や要件、期限などの記述を直し、法令の時点と最終更新日を書き換えます。
改正前の年分の申告を説明する記事は、対象の年分を本文の最初に書いて残します。
改正で変わる箇所の無い記事は、最終更新日を書き換えません。Googleは、中身を実質的に変えずに新しく見せるためにページの日付を変えることを、コンテンツを自己評価するときの避けるべき例に挙げています。
税制改正のあと、直す記事をすぐに選べますか
記事が増えるほど、改正のたびに直す記事を探す手間も増えます。弊社のSEO対策は、1か月目に現状の分析と設計を行い、2か月目から実行に移ります。オンラインで全国に対応しています。
税理士法と税理士会の決まりで注意する3つの場面
税金の記事をSEOのために書くとき、税理士法と税理士会の決まりで注意する場面は3つあります。税理士会の広告の決まりは、所属する税理士会の規則で確かめます。例として引く四国税理士会の会員の業務の広告に関する細則は、広告を、電磁的方法を含む方法で自己や自己の業務に関する情報を開示する行為と定めています。
顧問先の事例を書くとき
顧問先の事例を記事にするときは、名前を伏せても、業種や地域、時期などの組み合わせから顧問先が分からないかを確かめます。税理士法第38条は、税理士が正当な理由なく、税理士業務に関して知り得た秘密を漏らすことを禁じ、税理士でなくなった後も同じとしています。四国税理士会の細則も、依頼者の氏名や名称、取り扱った事案は、依頼者の書面による同意がなければ広告に表示できないとしています。
E-E-A-Tのうち経験(実際に手がけて分かったこと)を示したいときは、顧問先が特定されない形で書きます。申告の手続きで書類がそろわずに止まりやすい箇所や、相談で多く受ける質問は、顧問先の名前を出さずに書ける経験です。
タイトルで読者を引きつけるとき
検索結果でクリックされるように書いたタイトルや見出しは、税理士会の細則が禁じる広告の種類に近づくことがあります。四国税理士会の細則が禁じる広告には、次の3つが含まれます。
- 誇大または過度な期待を抱かせる広告:「必ず節税できる」のような書き方
- 困惑させ、または過度な不安をあおる広告:「知らないと税務調査で追徴」のような書き方
- 他の会員や会員の事務所と比較した広告:「地域で一番安い税理士事務所」のような書き方
四国税理士会の細則は、解釈と適用に必要な事項を理事会が定めるとしています。例に挙げた書き方を使う前に、所属する税理士会の決まりと照らし合わせます。
外部のサイトに紹介を頼むとき
被リンク(外部のサイトから事務所のサイトへのリンク)を増やすために、外部のサイトに事務所の紹介記事を書いてもらう方法も、税理士会の細則にかかわります。四国税理士会の細則は、第三者が税理士の業務について行う情報の開示のうち、細則に反するものに、お金などの利益を渡したり関わったりすることを禁じています。
お金を払って、事務所を他の事務所と比べて上位に置くランキング記事を書いてもらう場合は、比較した広告を禁じる定めとあわせて確かめます。
税理士のSEOを外注するときの分担と費用
税理士のSEOを外注するときは、検索結果の調査や記事の下書きを外注先に任せ、説明が正しいかと決まりに合うかの確認を税理士が担います。
外注先に任せる作業と税理士が担う確認
外注先に任せる作業と、税理士が担う確認は、次のように分かれます。
- 狙うキーワードの検索結果の調査
- 税理士への聞き取りをもとにした記事の下書き
- タイトルと見出し、内部リンクの設定
- 順位と問い合わせの数の集計
- 税額や要件、期限の説明が正しいかの確認
- 法令の時点と根拠の条文の確認
- 顧問先が特定される記述がないかの確認
- 所属する税理士会の広告の決まりとの照らし合わせ
外注先が下書きした記事も、公開すれば事務所の名前で出る記事です。税理士が確かめてから公開する工程を、契約の前に外注先と決めておきます。
費用と進め方の目安
弊社のSEO対策を例にすると、費用は月額20万円〜(税別・6か月〜)です。進め方は次のとおりです。
時期 | すること |
|---|---|
1か月目 | 現状の分析と設計 |
2か月目から | 実行 |
毎月 | 報告と見直し |
オンラインで全国に対応し、彦根市とその周辺は訪問もできます。
税理士のSEOでよくある質問
税理士事務所のSEOで迷いやすい質問は、次の3つです。
職員が書いた記事は誰の名前で出す?
職員が書いた記事は、書いた職員の名前と、内容を確かめた税理士の名前を分けて載せます。Googleは正確な著者の情報を載せるよう勧め、架空の名前や虚偽の資格情報で専門家が書いたように見せることを、欺瞞行為の一種としています。税理士が書いていない記事で税理士を著者にすると、著者の情報が事実と食い違います。
古い年分の記事は消したほうがいい?
改正前の年分を扱う記事は、対象の年分を書いておけば、消さずに残せます。過去の年分の申告を見直す人が、その年分の扱いを調べることがあるためです。Googleも、サイトを新しく見せるために古いコンテンツを大量に削除しても、検索順位は上がらないとしています。
狙うキーワードはどう決める?
税理士事務所が先に狙うのは、業務の名前と地域名のキーワードです。「相続税申告 横浜」のように、依頼したい手続きが決まっている人の検索です。キーワードの選び方と業務ごとのページの作り方は、士業のSEO対策は業務の名前で狙う|業務ページの作り方と広告の決まりで解説しています。
まとめ|税理士のSEOは記事の本数より書き手と根拠
税理士のSEOでは、税金の記事を増やす前に、書いた税理士と記事が基づく法令の時点を記事ごとに示し、結論の根拠にした条文や資料へリンクします。税制改正のときは記事ごとの一覧から直す記事を選び、顧問先の事例や広告の書き方は、税理士法と所属する税理士会の決まりで確かめます。税金の記事は、読者が書き手と根拠を確かめられる形で出します。
私たち合同会社Writers-hubは、SEO対策と記事制作を手がけています。事務所のサイトの記事に、書いた税理士と法令の時点、根拠をどう載せるかから、ご相談いただけます。
事務所の記事に、書いた税理士と法令の時点は載っていますか
記事ごとに書き手と法令の時点、根拠が載っているかは、事務所のサイトを外から見て確かめられます。弊社のSEO対策は月額20万円〜(税別・6か月〜)です。ご案内するページは滋賀の事業者向けの「滋賀のSEO対策」ですが、オンラインで全国に対応しています。







