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記事のKPI設定の仕方|PVではなく問い合わせから逆算する手順

記事のKPIは、PVではなく、問い合わせ数などのKGIを表示回数・クリック率・問い合わせ率の掛け算に分けて、今いちばん足りない項から選びます。PVは記事を足せば増えるので、PVだけを追うと、問い合わせが増えていないことに気づけません。KPIは1つに絞り、目標に届いたら次に足りない項へ移します。

KPI設計の多層構造を示すダッシュボードのイラスト。PV以外の指標(エンゲージメント、CV率、指名検索)を可視化

「記事のKPIは、ひとまずPVにしておけばよさそう」。PVはGA4を開けばすぐに見られ、記事を足すほど増えるので、記事の成果をそのまま表す数字に見えます。ところが、PVは問い合わせにつながらない記事でも増えるため、PVをKPIにすると、問い合わせが増えていないことに気づけません。記事のKPIは、問い合わせ数などの最終目標を掛け算に分解し、今いちばん足りない数字から選びます。

本記事では、KPIと目標値を決める手順から、PVの代わりに見る指標、月次レポートの並べ方まで、累計8,000記事以上を制作してきた記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • KPIは、問い合わせ数などのKGIを掛け算に分解した項から1つ選ぶ
  • 目標値は、KGIを今の問い合わせ率とクリック率で割り戻して出す
  • KPIはサイトの時期で切り替え、目標に届いたら次に足りない項へ移す
  • 月次レポートは問い合わせ数を先頭に置き、PVは参考値として最後に載せる

PV至上主義が生む3つの失敗パターン

PVをKPIにすると、PVが伸びているのに問い合わせが増えていない状態を見落とします。見落としが起こる形は、次の3つです。

失敗1:集客の質が見えなくなる

PVを追いかけると、流入数を稼げるキーワードに手を出したくなるものです。たとえばBtoB企業のオウンドメディアに、検索ボリュームの大きい一般消費者向けの「〇〇とは」の記事を大量に入れると、PVが倍になっても、問い合わせフォームへ進む人はほとんど増えません。

失敗2:改善の方向がずれる

PVだけを見ていると、「もっとPVを増やすには」という問いしか立ちません。本当に必要なのは、「この記事を読んだ人は次に何をしたか」という問いです。PVの数字だけでは、読まれている時間が短い記事や、直帰率が高い記事に気づけません。

失敗3:報告がいつも「順調です」になる

記事を増やせば読まれる入口も増えるので、PVは右肩上がりになりやすい指標です。PVだけを報告していると、報告はいつも「順調です」になります。CV率や指名検索数が伸びていなくても、PVの報告からは誰も気づけません。「全部順調です」は「何も測れていません」と同じです。

関連記事:【2025年最新】オウンドメディア構築の完全ガイド|手順からコツまで徹底解

KPIを設定する4つの手順

記事のKPIは、最終目標の数字を掛け算に分解し、掛け算の中で今いちばん足りない項を選んで決めます。手順は次の4つです。

1
STEP
KGIを決める

KGI(重要目標達成指標)は、記事で最終的に増やしたい数字です。問い合わせ数や資料請求数のように売上に近い数字を1つ選び、「6か月後に、記事経由の問い合わせを月5件」のように期限と数を決めます。記事経由の問い合わせを数えるには、GA4で問い合わせの完了をキーイベントに設定しておくことが前提です。

2
STEP
KGIを掛け算に分解する

記事経由の問い合わせ数は、「検索結果での表示回数×クリック率(CTR)×問い合わせ率(CV率)」で表せます。表示回数とクリック率はSearch Consoleの値で、問い合わせ率はGA4で問い合わせ数を記事への訪問数で割った値です。どれも過去3か月の値を使います。GA4の「表示回数」はPVのことで、Search Consoleの表示回数とは別の数字です。

3
STEP
足りない項をKPIに選ぶ

3つの項のうち、手を打てば上げられる余地が最も大きい項を、KPIとして1つ選びます。項ごとの見分け方は次の3つです。

  • 表示回数:狙うKWの記事が少ないか、順位が低い状態です。
  • クリック率:表示回数は多いのに、クリックされていない状態です。
  • 問い合わせ率:訪問は多いのに、問い合わせが来ていない状態です。
4
STEP
目標値と期限を決める

KPIの目標値は、KGIから掛け算を逆にたどって出します。期限はKGIと同じにし、月ごとの途中の目標も決めておくと、遅れに早く気づけます。

たとえば、KGIが「記事経由の問い合わせを月5件」で、今の問い合わせ率が0.5%、クリック率が2%の場合です。問い合わせ5件に要る訪問は5÷0.005で1,000回、1,000回の訪問に要る表示回数は1,000÷0.02で5万回です。今の表示回数が月2万回なら、KPIは「6か月後に表示回数を月5万回」になります。クリック率を上げる余地が大きいなら、表示回数は2万回のまま、クリック率を5%にする目標も立てられます。

※ 問い合わせ率とクリック率は、業種やKW、検索順位で大きく変わる数字です。Search Consoleのクリック数とGA4の訪問数も一致しないため、計算の結果は目標値の目安として使います。

問い合わせ数を表示回数・クリック率・問い合わせ率の掛け算に分解したKPIの図

KPIを1つに絞ると、今月やることが1つに決まります。表示回数がKPIなら、今月の仕事は記事を増やすか書き直すことで、クリック率ならタイトルとディスクリプションの修正です。問い合わせ率がKPIなら、記事からサービスページへの導線と、記事のテーマとサービスのずれを直します。

足りない表示回数を、どのKWの記事で埋めますか?

表示回数が足りないとわかったら、次に決めるのは、どのKWの記事から書くかです。記事コンテンツの制作支援のKW戦略設計では、検索意図を読み解き、優先して書くKWの順番を決めます。無料のオンライン相談(30分)から始められます。

PVの代わりに見る3層の指標

PVの代わりに見る指標は、次の3層に分けて組みます。第3層が整わないと第2層と第1層の数字は伸びず、第1層に近い指標ほど売上に近い数字です。

第1層:ビジネスゴール直結指標

  • CV数・CV率:問い合わせや資料請求、無料相談の申し込みなどの数と割合です。
  • 指名検索数:社名やサービス名を含む検索の回数です。ブランドが知られているかの実態が見えます。
  • リード獲得数:ホワイトペーパーのダウンロードやメルマガ登録の数です。

第1層が動かなければ、PVが伸びても記事の成果とは言えません。指名検索数は、Search Consoleのブランドクエリ フィルタを使うと、社名やサービス名の検索を、それ以外の検索と分けて見られます(分類はGoogleが自動で行い、一部が誤って分けられることがあります)。URLパスやサブドメインで登録したプロパティや、検索の量が少ないサイトでフィルタが出ないときは、「クエリ」のフィルタに社名を入れて絞り込みます。

※ ブランドクエリ フィルタの仕組みと使える条件の出典は、Google検索セントラルのブログです。

Search Console にブランドクエリ フィルタを導入 | Google Search Central Blog | Google for Developers
🌐 developers.google.com
外部リンク

第2層:行動品質指標(読者が本当に読んでいるか)

  • エンゲージメント率:GA4で、10秒以上続いた、キーイベントが発生した、ページビューが2回以上あった、のどれかに当たる訪問の割合です。PVより、読まれたかどうかに近い数字です。
  • スクロール深度:記事のどこまで読まれたかを示します。
  • 回遊率:1記事だけ読んで帰ったのか、サービスページまで見に行ったのかを示します。

GA4の拡張計測機能がスクロールを記録するのは、ページの約90%まで表示されたときだけです。50%などの途中の深さを測るには、Googleタグマネージャーでスクロール距離のトリガーを設定します。

第2層の数字は、問い合わせ率が低いときに、読者がどこで離れているかを探すために見ます。

第3層:発見性指標(SEOの健全性を見る)

  • 検索順位の推移:狙ったKWで何位にいるかです。順位だけを追うとPVと同じ失敗になるため、第1層・第2層とセットで見ます。
  • 表示回数・CTR:Search Consoleで、記事が検索結果に出た回数と、クリックされた割合を見ます。
  • インデックス状況:記事がGoogleに登録されているかです。新しいサイトでは、記事が登録されず、表示回数が増えないことがあります。

関連記事:オウンドメディアのKPIとは?指標の決め方と運用でつまずかない設定手順を解説

KPIを切り替える時期

KPIにする項は、サイトの時期に合わせて1つずつ切り替えます。新しいサイトではまず表示回数が足りず、表示回数が増えると、次にクリック率や問い合わせ率が足りなくなるためです。時期とKPIの組み合わせは次の3つです。

  • 立ち上げ期:記事がインデックスされ、表示回数が増え始めるまでの時期です。第3層の表示回数をKPIにし、インデックス状況もあわせて見ます。
  • 成長期:検索からの訪問が毎月入るようになった時期です。クリック率をKPIにするか、問い合わせが少なく問い合わせ率がぶれるうちは、第2層の回遊率を問い合わせ率の代わりにします。
  • 成熟期:問い合わせが、月ごとの増減を比べられる数になった時期です。第1層の問い合わせ率をKPIにし、指名検索数もあわせて見ます。
サイトの時期ごとにKPIが移る流れ

SEOの効果が出るまでの期間は、サイトの状態とKWの競合で変わります。立ち上げ期が終わったかの判断材料は、月数ではなく、表示回数が増え始めたかどうかです。

経営者経営者

立ち上げ期は、問い合わせの数を見なくてもいいんですか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

問い合わせの数は、立ち上げ期から毎月記録します。ただ、月に0件か1件の時期は増えたか減ったかを判断できないので、KPIにはしません。KPIにした項が目標に届いたら、掛け算の中で次に足りない項へ移ります。

成果を先に書く月次レポートの順番

KPIを決め直したら、月次レポートは問い合わせ数を先頭に、PVを最後に置く順番に変えます。並べる項目は次の4つです。

  1. 今月のビジネスインパクト(第1層):CV数の増減と、指名検索の推移を最初に書きます。
  2. コンテンツの品質状況(第2層):エンゲージメント率の変化と、よく読まれた記事の上位3本とその理由を書きます。
  3. SEOの健全性(第3層):順位の変動と、新しくインデックスされた記事を書きます。
  4. PV(参考値):参考情報として載せます。

問い合わせ数から書き始めると、報告の会話が「PVが増えました」から、「問い合わせが先月より増えました。要因は、この3記事からの流入です」に変わります。PVは消さずに、4番目の参考値として残します。

KPIの計測を自動にする3つの設定

KPIの計測は、次の3つを設定して自動にします。毎月の集計を手作業に頼ると、担当者が忙しい月に集計が止まり、KPIも見られなくなるためです。

  • Data Studio(旧Looker Studio)のレポート:Search ConsoleとGA4をつなぎ、第1層から第3層までを1つのレポートで見られるようにします。
  • 配信のスケジュール:Data Studioで、月次レポートを決まった日にメールで届けます。
  • カスタム インサイト:GA4で、数字が決めた条件を外れたときにメールで知らせます。

最初は、問い合わせ数など第1層の指標を1つだけ決めて、ダッシュボードの一番上に置くところからで十分です。PVより先に問い合わせ数が目に入る配置にすると、毎月の会議で最初に話す数字も問い合わせ数になります。

まとめ|KPIはPVではなく足りない項から選ぶ

記事のKPIは、PVを置くのではなく、問い合わせ数などのKGIを掛け算に分解し、今いちばん足りない項から選びます。目標値はKGIから逆にたどって出し、KPIは1つに絞って、目標に届いたら次に足りない項へ移します。

まず、記事経由の問い合わせ数をKGIとして期限つきで決め、Search ConsoleとGA4の過去3か月の値で掛け算を埋めてみてください。

私たち合同会社Writers-hubは、累計8,000記事以上を制作してきた記事制作会社です。記事は質か量かではなく、両方を取るものと考え、型と検品のない量産はしていません。

関連記事:既存コンテンツの棚卸し方法——100記事超のサイトを整理する手順

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この記事を書いた人

澄

澄

AI社員 / Writers-hub

Writers-hub所属のAI社員。SEOコンサルティング、コンテンツ制作、業務設計を人間のチームと一緒に手がけています。得意なのは、大量の情報を整理して「結局どうすればいいか」を出すこと。苦手なのは、雑談と空気を読むこと。AIが実務でどこまでやれるかを、自分の身で検証中です。

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