「コンテンツマーケティングもSEOも、記事を書いて検索から人を集める取り組みだから、呼び方が違うだけだろう」。どちらの説明にも記事と検索の話が出てくるので、同じものと思われがちです。ところが、SEOが扱うのは検索結果からサイトに来てもらうまでで、コンテンツマーケティングは来た人が問い合わせや購入に進むまでを扱います。扱う範囲が違うので、KPIは2つの段階に分けて置き、工程ごとに担う人を先に決めておく必要があります。
本記事では、2つの違いから、KPIの置き方、記事を出し続けるための工程の分担まで、記事コンテンツの制作を支援する会社の視点で順を追ってお伝えします。
- SEOは検索結果からサイトに来てもらうまでを扱い、コンテンツマーケティングは問い合わせや購入まで扱う
- KPIは、Search Consoleで数える検索の段階と、GA4などで数えるサイトに来た後の段階に分けて置く
- 運用はKW戦略設計・制作体制の構築・公開前の確認の3つの工程に分け、公開前の確認は依頼主が担う
- 足りない数字がどの段階のものかを見れば、直す工程と直す人が決まる
- 自社で回すか相談するかは、KW戦略設計と制作体制の構築を社内で担えるかで決まる
コンテンツマーケティングとSEOの違い
コンテンツマーケティングとSEOの違いは、目指す成果と扱う範囲にあります。コンテンツマーケティングの中で、SEOは検索から人を集める部分を担います。
比べる項目 | コンテンツマーケティング | SEO |
|---|---|---|
目指す成果 | 問い合わせ、購入、契約の継続 | 検索結果に表示され、サイトに来てもらうこと |
扱う範囲 | 情報を探し始めてから契約の後まで | 検索結果からサイトに来るまで |
届ける経路 | 検索、メルマガ、SNS、営業資料など | 検索エンジン |
成果を数える画面 | GA4、フォームの管理画面、営業の顧客管理の台帳 | Search Console |
SEOが扱う範囲
SEOが扱うのは、検索結果にページが表示され、クリックされてサイトに来てもらうまでです。Googleの検索エンジン最適化(SEO)スターターガイドにも、SEOは検索エンジンにコンテンツを理解させ、ユーザーが検索からサイトを見つけてアクセスするかを判断できるようにするものだと書かれています。

SEOの作業には、検索する人の疑問に答える記事の作成のほかに、検索エンジンがページを見つけて読めるようにするサイトの技術面の整備も入ります。記事の作成と技術面の整備の違いは、コンテンツSEOとテクニカルSEOの違い|どちらを優先するかの決め方で解説しています。
コンテンツマーケティングが扱う範囲
コンテンツマーケティングが扱うのは、見込み客が情報を探し始めてから、問い合わせや購入を経て、契約の後も使い続けるまでです。届ける経路には検索に限らず、メルマガやSNS、営業が渡す資料、セミナーも使います。
検索から来た人が、最初に読んだ記事からすぐに問い合わせるとは限りません。資料を請求してメルマガを受け取り、導入事例や料金のページを読んでから問い合わせる人もいます。コンテンツマーケティングでは、問い合わせまでに読まれるコンテンツを段階ごとに用意し、問い合わせや購入に進んだ人の数で成果を数えます。
コンテンツSEOが扱う範囲
コンテンツSEOが扱うのは、検索する人の疑問に答える記事を作り、検索から人を集めるまでです。コンテンツマーケティングのうち検索を経路にする部分と、SEOのうち記事を扱う部分が重なった所にあたります。
Googleの有用なコンテンツの作成についての解説には、Googleの自動ランキングシステムは、ユーザーのために作られた有用で信頼できる情報を検索結果の上位に掲載するよう設計されていると書かれています。検索する人の疑問に答える記事は、SEOの評価につながり、読んだ人が次のコンテンツへ進むきっかけにもなります。

コンテンツマーケティングのKPIを置く2つの段階
コンテンツマーケティングのKPIは、検索からサイトに来るまでと、来た後の2つの段階に分けて置きます。SEOの数字だけを目標にすると、クリック数が増えても問い合わせが増えない月に、どこを直せばよいかが決まらないためです。
検索順位が上がれば、問い合わせも一緒に増えるのでは?
編集部
順位が上がれば、クリック数は増えやすくなります。ただ、記事を読んだ人が問い合わせるかは、記事の終わりの案内や料金のページの中身で変わります。問い合わせは、検索の数字とは別の段階のKPIとして数えます。
検索結果からサイトに来るまで
検索結果からサイトに来るまでの段階では、Search Consoleの数字をKPIに置きます。Search Consoleのヘルプでは、検索パフォーマンスのレポートの主な指標が次の4つと説明されています。
- クリック数:検索結果からサイトがクリックされた回数
- インプレッション数:サイトが検索結果に表示された回数
- CTR:クリック数をインプレッション数で割った値
- 平均掲載順位:検索結果でのサイトの最上位の掲載順位の平均
検索から人を集める記事では、クリック数をKPIに置きます。クリック数以外の指標は、クリック数が届かない月に原因を探すために見ます。
サイトに来てから問い合わせるまで
サイトに来てから問い合わせるまでの段階では、問い合わせや資料の請求の件数をKPIに置きます。GA4で件数を数えるには、フォームの送信を測るイベントを作り、キーイベントとしてマークを付けます。
記事ごとにどちらの段階のKPIを置くかは、記事の役割で決めます。検索から人を集める記事にはクリック数を、導入事例や料金のページのように問い合わせの前に読まれるページには問い合わせの件数を置きます。役割ごとの指標の例と決める手順は、コンテンツマーケティングのKPIの決め方|役割別の指標例と見直し方で解説しています。

コンテンツマーケティングの運用を分ける3つの工程
コンテンツマーケティングでSEOの記事を出し続ける運用は、次の3つの工程に分かれます。
Writers-hubは、自社と取引先のサイトで毎日記事を公開しています。公開には記事の指示文を作るツールを使っています。

KW戦略設計
KW戦略設計は、検索意図を読んで狙うKWを選び、上位を狙えるKWから書く順番を決める工程です。決めた順番は、ロードマップとして一覧にします。書く記事と順番が先まで決まっていれば、担当者は毎回「次に何を書くか」の相談から始めずに、書く作業へ入れます。
Writers-hubの運用では、KW戦略設計で決めたKWをこのツールに入れ、1本ごとの記事の指示文を作ります。指示文には、狙うKWと、検索上位に並ぶページの見出しが入ります。
制作体制の構築
制作体制の構築は、記事を同じ品質で出し続けるために、次の3つを作る工程です。
- 編集者・ライター・監修者のチーム編成
- レギュレーション
- 品質管理フロー
レギュレーションは表記や書き方の決まりで、Writers-hubの運用では指示文の中に書いておきます。書き手が変わっても同じ指示文から同じ決まりで書けるので、記事ごとの書き方のばらつきが減ります。
公開前の確認
公開前の確認は、自社の事実と方針を知る依頼主が担います。記事に書いた商品の名前や料金、対応できる範囲が今の自社の内容と合っているかは、社内の人でなければ確かめられないためです。Writers-hubの記事コンテンツの制作支援でも、公開前の確認はお客様が行います。
公開前の確認では、次の3つを確かめます。
- 商品やサービスの名前、料金、対応できる範囲が今の内容と合っている
- 実績や事例として書いた内容を社外に出してよい
- 自社の方針と違う勧め方をしていない
KPIが届かないときに直す工程と担当
KPIが届かないときに直す工程と担当は、足りない数字で決まります。足りない数字ごとに疑う原因と直す担当は、次の表のとおりです。
足りない数字 | 疑う原因 | 直す工程と担当 |
|---|---|---|
インプレッション数 | 狙ったKWを検索する人が少ない、上位を狙えないKWを選んでいる | KW戦略設計の担当 |
クリック数 | タイトルや説明文が、検索した人の疑問に合っていない | 制作体制の中の編集者と書き手 |
問い合わせの件数 | 記事の終わりの案内、資料、料金のページで次の行動が決まらない | 依頼主の担当と書き手 |
公開から間もない記事では、数字が届かないことを、工程を直す理由にしません。Googleのスターターガイドでは、変更が検索結果に反映されるまで数時間から数か月かかるとされ、数週間待ってから効果を確かめるよう勧めています。
自社で回すか相談するかの判断
自社で回すか外部に相談するかは、KW戦略設計と制作体制の構築を社内で担えるかで決まります。
次の2つに当てはまれば、KW戦略設計と制作体制の構築を社内で回せます。公開前に事実と方針を確かめる担当者は、外部に頼む場合も社内に置きます。
- 検索結果とSearch Consoleの数字を見て、書くKWと順番を決められる人がいる
- 書き手と編集者を社内で確保でき、書き方の決まりが文書になっている
KWと順番を決められる人か、書き手と編集者が社内にいないときは、足りない工程を外部に頼みます。外部に頼んだ工程を後から社内で回したいなら、外部の会社が使っている指示文や書き方の決まりを、社内で使える形で受け取れるかを契約の前に確かめます。
KWの順番づくりや書き手の確保を、社内で担える人はいますか
Writers-hubの記事コンテンツの制作支援では、KW戦略設計と制作体制の構築に加えて、自社と取引先のサイトで毎日の公開に使っている、記事の指示文を作るツールを、お客様が社内で回せる形でお渡しします。公開前の確認は、お客様に行っていただきます。
コンテンツマーケティングとSEOのよくある質問
コンテンツマーケティングとSEOの運用を始める前に、担当者が迷いやすい2つの質問に答えます。
SEOの外注で問い合わせまで任せられる?
SEOの外注で任せられる範囲は、契約の報告にどの段階の数字が入っているかで決まります。報告がインプレッション数とクリック数だけなら、問い合わせの件数を増やす作業は依頼主の側に残ります。料金や対応できる範囲、問い合わせへの返事の速さは、書き手には変えられません。契約の前に、報告に問い合わせの件数が入るか、記事の終わりの案内を誰が直すかを確かめます。
記事は月に何本出せばいい?
記事を出す本数は、KW戦略設計で決めた書く順番と、公開前の確認に充てられる社内の時間で決めます。書く工程を外部に頼めば本数は増やせますが、確かめられる本数を超えて増やすと、公開前の確認を通らない記事が出ます。まずは、公開前の確認を担う人が1か月に確かめられる本数を出し、その本数から始めます。
まとめ|分担とKPIを決めてから記事を書き始める
コンテンツマーケティングとSEOの違いは扱う範囲で、SEOは検索結果からサイトに来てもらうまで、コンテンツマーケティングは問い合わせや購入まで扱います。KPIも2つの段階に分けて置くと、数字が届かない月に、直す工程と直す人が決まります。
運用はKW戦略設計、制作体制の構築、公開前の確認の3つの工程に分け、公開前の確認は自社の事実を知る依頼主が担います。コンテンツマーケティングを回すには、記事を書き始める前に、工程の分担とKPIの置き方を決めておきます。
私たち合同会社Writers-hubは、自社と取引先のサイトで記事を毎日公開しながら、KW戦略設計から制作体制の構築、記事の指示文を作るツールの受け渡しまでを支援しています。
どの工程を外に頼むか、自社の状況に合わせて決めたくありませんか
記事コンテンツの制作支援の料金は公開しておらず、オンライン30分の無料相談で見積もります。公開前の確認はお客様に行っていただく形です。







