「コンテンツマーケティングを学ぶなら、まず入門書を読み、次に実践の本へ進めばいい」。学校の教科書と同じように基礎から順に積み上げるのが確実だと考えると、本も難しさの順に並べて選びたくなります。
ところが、困っているのが「記事を公開しても最後まで読まれない」ことなら、先に要るのは用語の定義ではなく、文章の組み立て方です。コンテンツマーケティングの本は、知りたいことが全体像・戦略・執筆・分析のどれかで選びます。
本記事では、4つの段階の見分け方から、段階ごとの7冊と最初の1冊の読み方まで、記事を制作する会社の視点で順を追ってお伝えします。
- コンテンツマーケティングの本は、難しさの順ではなく、知りたいことが全体像・戦略・執筆・分析のどれかで選ぶ
- 全体像を知りたいなら、2026年2月発売の『いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本』から読む
- 記事の書き方は文章術の本で、数字の見方はGA4に対応した本で学ぶ
- 最初の1冊は通読せず、今の段階に当たる章から読む
- 自社で狙うキーワードと書く順番は、本ではなく自社の検索データで決める
コンテンツマーケティングの本を選ぶ4つの段階
コンテンツマーケティングの本は、知りたいことで分けた4つの段階のうち、今の自分がどこにいるかで選びます。段階ごとの困りごとと、最初に読む1冊は次のとおりです。
段階 | こう困っているなら | 最初の1冊 |
|---|---|---|
全体像 | 何をする手法なのかを、社内で説明できない | いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本 |
戦略 | 誰に何を届け、何を成果にするかが決まっていない | エピック・コンテンツマーケティング |
執筆 | 記事を公開しても、最後まで読まれていない | 新しい文章力の教室 |
分析 | 公開した記事の成果を、数字で説明できない | KPI・目標必達のコンテンツマーケティング |
段階で選ぶのは、同じ「初心者」でも、困っていることによって読むべき本が変わるからです。記事を書き始めて半年の担当者でも、上司から成果の報告を求められて困っているなら、読むのは分析の本です。

とりわけ本を選び違えやすいのが、困りごとが2つ以上の段階にまたがるときです。そのときは、全体像・戦略・執筆・分析の流れの前にある段階の本から読みます。誰に何を届けるかが決まらないまま書き方を学んでも、何について書くかが決まらないためです。
全体像をつかむ本2冊
コンテンツマーケティングの全体像をつかむ本は、どちらも宗像淳さんが書いた2冊です。手法の流れを1冊で知りたいなら『いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本』を、社内で取り組む理由を説明したいなら『商品を売るな』を選びます。
AI時代のコンテンツマーケティングの教本
『いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本 人気講師が教える「信頼される」企業になるための情報戦略』は、宗像淳さんと平田継一郎さんが書き、インプレスから2026年2月に発売された本です。出版社の紹介文では、戦略設計の基本から、ブログやSNSなどのチャネルの特徴、分析手法やAI活用の考え方までを扱うとしています。
目次には、ゼロから始める戦略設計、AIと共創するコンテンツ制作、運用・拡散と改善の仕組みづくりなどの章があります。戦略・執筆・分析に当たる章が1冊にそろっているので、最初の1冊に向いています。
書名の似た『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本』は、2015年10月に同じインプレスから出た別の本です。
※ 出典:インプレスブックス『いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本』
商品を売るな
『商品を売るな コンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる』は、宗像淳さんが書き、日経BPから2014年12月に発行された本です。第1章で商品を売り込まない8つの理由を挙げ、第2章で国内と海外の企業の事例を紹介しています。
第3章では、ゴールの設定からKPIの測定までの5つのステップで進め方を示しています。
※ 出典:日経BOOKプラス『商品を売るな』
戦略の立て方を学ぶ本2冊
戦略の立て方を学ぶ本は、「コンテンツマーケティングの生みの親」とされる著者の考え方を知りたいなら『エピック・コンテンツマーケティング』、BtoBに絞って学びたいなら『コンテンツマーケティングの教科書』です。
戦略の段階で決めるのは、誰に向けて書くかと、何を成果にするかの2つです。どちらの本を読む場合も、読者と成果を自社に当てはめて書き出せたら、執筆の段階へ進めます。
エピック・コンテンツマーケティング
『エピック・コンテンツマーケティング』は、ジョー・ピュリッジさんが書き、マグロウヒル・エデュケーションが2014年6月に発行し、日本経済新聞出版社が発売した翻訳書です。出版社の紹介文では、「コンテンツマーケティングの生みの親」とされる著者が、その意義、作成、配布、管理までをステップ・バイ・ステップで解説するとしています。
読者と成果がまだ決まっていない担当者の1冊になります。
※ 出典:日経BOOKプラス『エピック・コンテンツマーケティング』、国立国会図書館サーチ『エピック・コンテンツマーケティング』
コンテンツマーケティングの教科書
『コンテンツマーケティングの教科書 “売れる秘訣”はコンテンツにある!』は、日経BPコンサルティングのコンテンツコミュニケーション・ラボが編著し、2016年4月に発行された本です。BtoBのコンテンツマーケティングをテーマにし、コンテンツの企画・編集・制作の進め方と、コンテンツで成果を上げている企業の事例を紹介しています。
マーケティングの専門用語の定義や考え方も解説しているため、営業担当者や経営者と言葉の意味をそろえてから戦略を話し合いたいBtoBの担当者に合います。
※ 出典:日経BOOKプラス『コンテンツマーケティングの教科書』
記事の書き方を学ぶ本
記事の書き方を学ぶ本は、コンテンツマーケティングの本ではなく、文章の書き方の本から選びます。記事が最後まで読まれない原因が文章にあるなら、文章の組み立てと直し方を1冊かけて扱う本のほうが、直す手順を細かく追えるためです。
最初の1冊には、唐木元さんが書き、インプレスから2015年8月に発売された『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』を選びます。ニュースサイト「ナタリー」で実践されている文章の書き方を、新人研修を担当する著者が一般向けに書いた本です。出版社の紹介文では、事実・ロジック・言葉づかいの順に積み上げ、文章を構造的に書く方法を教えるとしています。
記事を書く前に読むのは第1章「書く前に準備する」、書き終えた記事を直すときに読むのは第2章「読み返して直す」です。
検索から読まれる記事のタイトルや見出しの付け方は、SEOの本で学びます。記事の書き方を扱うSEOの本は、SEOの本の選び方で紹介しています。
※ 出典:インプレスブックス『新しい文章力の教室』
成果の分析を学ぶ本2冊
成果の分析は、何を目標の数字にするかを『KPI・目標必達のコンテンツマーケティング』で決め、GA4での数字の見方を『できる逆引き Googleアナリティクス4』で調べる順に学びます。目標の数字が決まっていないと、GA4のどの画面を開けばよいかも決まらないためです。
KPI・目標必達のコンテンツマーケティング
『KPI・目標必達のコンテンツマーケティング 成功の最新メソッド』は、徳井ちひろさんと敷田憲司さんが書き、エムディエヌコーポレーションから2019年10月に発売された本です。目次には「目標となるものをハッキリさせる」の節と、GoogleアナリティクスやSearch Consoleで分析とリサーチをする節があります。
Googleアナリティクスは、標準のユニバーサル アナリティクスのプロパティが2023年7月1日にデータの処理を停止し、GA4に置き換わりました。目標の決め方を学ぶ本として読み、画面の操作はGA4の本で確かめます。
コンテンツの役割ごとに置くKPIの例は、コンテンツマーケティングのKPIの決め方にまとめています。
※ 出典:国立国会図書館サーチ『KPI・目標必達のコンテンツマーケティング成功の最新メソッド』、MdN『KPI・目標必達のコンテンツマーケティング成功の最新メソッド』(目次。Web Archiveの保存版)、アナリティクス ヘルプ「ユニバーサル アナリティクスは Google アナリティクス 4 に置き換わりました」
できる逆引きGoogleアナリティクス4
『できる逆引き Googleアナリティクス4 成果を生み出す分析・改善ワザ 192』は、木田和廣さんとできるシリーズ編集部が書き、インプレスから2023年4月に発売された本です。GA4の導入と設定から、データ探索レポート、Looker StudioやBigQueryとの連携までを、やりたいことから引ける形で解説しています。
640ページあるので通読はせず、目次の章名から知りたい操作の章を開いて使います。GA4を初めて触る人向けの入門書は、Webマーケティングを独学できる本で紹介しています。
※ 出典:インプレスブックス『できる逆引き Googleアナリティクス4 成果を生み出す分析・改善ワザ 192』
最初の1冊の読み方
最初の1冊は、最初のページから通読せず、今の段階に当たる章から読みます。困りごとに答える章を先に読めば、読んだ内容をその週の仕事で試せるためです。
入門書は最初から最後まで読み切ってから、次の本に進むべきですか?
編集部
今の困りごとに答える章から読んで構いません。『いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本』なら、誰に何を届けるかを決めたいときはChapter 2、記事を作り始めるときはChapter 4から読めます。
2冊目に進むのは、1冊目の章で決めたことを自社で試し、次の段階の困りごとが出たときです。たとえば読者と成果を決めて記事を書き始め、最後まで読まれていないと感じたら、執筆の段階の本へ進みます。

本だけでは決まらない狙うキーワード
本で学べるのはどの会社にも当てはまる進め方で、自社の記事で狙うキーワードと書く順番は、自社の検索データを見て決めます。読者が検索窓に入れる言葉も、その検索結果に並ぶ競合のページも、会社と時期によって違うためです。
狙うキーワードを決める材料は、次の2つです。
- 自社の検索データ:Search Consoleの検索パフォーマンスのレポートで、自社サイトがすでに表示されている検索クエリ
- 実際の検索結果:候補のキーワードで検索し、上位に並んでいるページの種類
書く順番は、検索数の多いキーワードからではなく、問い合わせに近いキーワードから決めるのも一つの考え方です。サービスを比べている人が検索する言葉は、検索数が少なくても、読んだ人が問い合わせに進む見込みが高いためです。

※ 出典:Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート(検索結果): 概要と基本設定」
本で学んだ進め方を、自社のどのキーワードから始めるか決まっていますか
記事コンテンツの制作支援のKW戦略設計では、検索意図を読み、上位を取れる見込みのあるキーワードから優先して書くロードマップを作ります。本で学んだ進め方を、自社のキーワードと書く順番に当てはめるところからお手伝いします。
コンテンツマーケティングの本のよくある質問
コンテンツマーケティングの本を選ぶときによくある3つの質問に答えます。
古い本でも読む価値はある?
発行から年数がたった本でも、考え方と進め方を扱う章は、今の仕事に当てはめて読めます。ツールの画面や操作を扱う章は、発売後に画面が変わっていることがあるため、発売年の新しい本か、ツールの公式ヘルプで確かめます。
BtoBの担当者はどれを選べばいい?
BtoBの担当者は、戦略の段階で『コンテンツマーケティングの教科書』を選びます。分析の段階で『KPI・目標必達のコンテンツマーケティング』を読むときは、第4章の「BtoB企業に最適なコンテンツマーケティング」の節と、サイボウズ式へのインタビューの節から読めます。
Web記事だけで学べない?
Web記事でも学べます。本を選ぶ利点は、1つの段階の進め方が、著者の決めた順番で1冊にまとまっていることです。調べたい用語が1つだけなら、Web記事で足ります。
まとめ|本は知りたいことで選び最初の1冊を決める
コンテンツマーケティングの本は、難しさの順ではなく、知りたいことが全体像・戦略・執筆・分析のどれかで選び、最初の1冊を決めて読みます。困りごとが2つ以上の段階にまたがるなら、流れの前にある段階の本から読みます。
最初の1冊は通読せず、今の段階に当たる章から読みます。自社で狙うキーワードと書く順番は、本で進め方を学んだ後に、自社の検索データで決めます。
私たち合同会社Writers-hubは、累計8,000記事以上を制作し、自社と取引先のサイトで記事を毎日公開しています。
本で学んだ進め方を、社内で続けられる体制になっていますか
本を読んで戦略と書き方が決まっても、書く人と確認する人の役割が決まっていないと、記事の公開は続きません。記事コンテンツの制作支援の制作体制の構築では、編集者・ライター・監修者のチームを編成し、レギュレーションを策定して、品質管理フローを作ります。料金は公開しておらず、無料相談(オンライン30分)でお見積もりします。







