BLOG

コンテンツマーケティングの目標の決め方|問い合わせから逆算する手順

コンテンツマーケティングの目標は、PVから積み上げず、問い合わせなどの最終の成果の数と期限を先に決めて、必要な訪問数と記事の本数を逆算することをおすすめします。途中の指標は問い合わせに近い記事で数え、計算に使った割合や1本あたりの訪問数が合っているかを、指標ごとにずらした期限で確かめます。

右端の「問い合わせ 月10件」から左へ矢印が伸び、「訪問数 月1,000」「記事 20本」の順に数字を割り戻していく横長の図。

「コンテンツマーケティングは成果が出るまで時間がかかるから、最初の目標は月間PVにしておこう」。問い合わせはすぐには増えない一方で、PVは公開した月から数字が動き、前の月と比べやすいため、最初の目標に置きたくなります。

ところが、PVの目標を達成しても、問い合わせが何件増えるかは決まりません。PVには問い合わせから遠い記事の閲覧も含まれるうえ、問い合わせの数を決めていなければ、PVがいくつあれば足りるのかも計算できないからです。目標は、問い合わせなどの最終の成果から逆算して置きます。

本記事では、最終の成果に置く数字の選び方から、途中の指標の目標値と期限の出し方まで、累計8,000記事以上を制作してきた記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • 目標には、問い合わせなどの最終の成果を1つと、そこに至る途中の指標を置き、どちらにも数と期限を付ける
  • 途中の指標の目標値は、最終の成果の数を、問い合わせに進む割合と1本あたりの訪問数で割り戻して出す
  • 途中の指標は、サイト全体ではなく、問い合わせに近い記事の訪問数で置く
  • 期限は指標ごとにずらし、計算に使った仮の数字を順に確かめる

コンテンツマーケティングの目標は何を置くか

コンテンツマーケティングの目標には、問い合わせなどの最終の成果を1つと、最終の成果に至るまでに動く途中の指標を置き、どちらにも数と期限を付けます。最終の成果の目標はKGI、途中の指標の目標はKPIと呼ばれます。

検索から読者を集める記事で問い合わせを増やすときの途中の指標は、記事の公開本数や、検索結果での表示回数、記事への訪問数などです。記事が検索結果に表示されなければ検索からの訪問はなく、訪問がなければ問い合わせもないので、数字は公開本数、表示回数、訪問数、問い合わせの順に動きます。

最終の成果と途中の指標を上下2段に分けた図

最終の成果だけを目標にすると、問い合わせが増えない月に、記事が検索結果に出ていないのか、読まれても問い合わせに進まないのかを見分けられません。途中の指標だけを目標にすると、目標を達成しても問い合わせが増えるとは限りません。

Web担当者Web担当者

問い合わせはすぐには増えないので、最初はPVだけを目標にして、問い合わせは後から考えてもいいですか?

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

PVや訪問数を途中で追うのは構いません。ただ、問い合わせの数と期限を先に決めておかないと、訪問がいくつあれば足りるのかを計算できず、PVの目標の数字に根拠を付けられません。

最終の成果に置く数字の選び方

最終の成果には、コンテンツマーケティングの目的ごとに、Webのツールで数えられる数を1つ選びます。1つに絞るのは、2つ以上あると、片方だけが増えた期間に目標を達成したかを決められないためです。

目的

最終の成果に置く数字

数える場所

新しい顧客を増やす

問い合わせ数、資料の請求数

GA4のキーイベント

ネットで商品を売る

記事から入った訪問での購入数

GA4のキーイベント

人を採用する

応募数

応募フォームの管理画面

社名やサービス名を知ってもらう

社名やサービス名を含む検索のクリック数

Search Console

GA4のキーイベントは、問い合わせの完了のように、ビジネスの成果にとって特に重要な行動を数えるイベントです。

受注や売上を最終の成果にしないのは、受注が記事の出来のほかに、営業の対応や価格でも変わるからです。最終の成果は、受注より1つ手前の、記事で動かせる数に置きます。

社名やサービス名を知ってもらうことが目的でも、PVではなく、社名やサービス名を含む検索のクリック数を置きます。記事を読んで社名を知った人が後から社名で探すと、社名を含む検索のクリック数が増えるためです。

Search Consoleでは、パフォーマンスレポートのブランドクエリのフィルタで、社名やサービス名を含む検索に絞れます。ただし、表示回数が少ないサイトや、https://example.com/blog/ のように、サイトの一部のディレクトリだけを登録したプロパティ(サブプロパティ)では使えません。ブランドクエリのフィルタが使えないサイトでは、クエリのフィルタで[次を含むクエリ]を選び、社名を入れて絞り込みます。

※ 出典:アナリティクス ヘルプ「キーイベントについて」、Search Console ヘルプ「パフォーマンス レポート(検索結果): 一般的なタスクとユースケース」、Search Console ヘルプ「パフォーマンス レポート(検索結果): 高度なフィルタリングと比較」

途中の指標の目標値を逆算する4つの手順

途中の指標の目標値は、最終の成果の数を、問い合わせに進む割合と記事1本あたりの訪問数で順に割り戻して出します。計算には、料金や比較、選び方のように、依頼先を比べている人が検索する言葉で書いた、問い合わせに近い記事の数字を使います。

1
STEP
最終の成果の数と期限の決定

「12か月後に、記事から入った訪問で問い合わせを月10件」のように、数と期限を1文で書きます。

2
STEP
問い合わせに進む割合の算出

GA4の[レポート]の[エンゲージメント]にある[ランディング ページ]で、問い合わせに近い記事ごとのセッションとキーイベントの数を見ます。問い合わせの完了をキーイベントにしていないときは先にマークを付け、キーイベントがほかにもあるときは、表の[すべてのイベント]のメニューで問い合わせのイベントを選びます。その数をセッションの数で割ると、問い合わせに進む割合が出ます。

3
STEP
必要な訪問数の割り戻し

問い合わせの目標の件数を、問い合わせに進む割合で割ると、必要な訪問数が出ます。

4
STEP
記事の本数と公開の期限の割り出し

必要な訪問数を、公開から6か月たった記事1本あたりの訪問数で割ると、必要な記事の本数が出ます。1本あたりの訪問数を6か月後の数字で置いたので、最終の成果の期限の6か月前までに公開し終える計画にします。

問い合わせに進む割合を1%、公開から6か月たった記事1本あたりの訪問数を月50として計算すると、次のようになります。

問い合わせの目標から訪問数と記事の本数を割り戻す計算の図

段階

計算

計算の例

最終の成果

決めた数と期限

12か月後に問い合わせ月10件

必要な訪問数

10件÷1%

月1,000訪問

必要な記事の本数

1,000訪問÷50訪問

20本

公開のペース

20本を6か月で公開

月3〜4本

※ 割合と1本あたりの訪問数は計算の例です。実際の数字は商材や記事で狙う検索語句で変わるため、自社のGA4の数字に置き換えて計算します。

必要な訪問数が、狙う検索語句の検索数の合計より多いときは、検索語句を足すか、期限を延ばします。検索数の上限から目標を確かめる方法は、オウンドメディアの目標の決め方で紹介しています。

※ 出典:アナリティクス ヘルプ「ランディング ページ レポート」

途中の指標を問い合わせに近い記事で置く理由

途中の指標の訪問数をサイト全体ではなく問い合わせに近い記事で数えるのは、サイト全体の訪問数が、問い合わせから遠い記事でも増やせるからです。

「コンテンツマーケティングとは」のように検索数の多い言葉の記事は、訪問を集めやすい一方で、読む人の多くはまだ依頼先を比べる段階にありません。問い合わせに進む割合は、料金や比較の記事より低くなるはずです。

目標をサイト全体の訪問数で置くと、記事の担当者は、目標に早く届く検索数の多い言葉から書きたくなります。計算に使った問い合わせに進む割合は問い合わせに近い記事の数字なので、訪問数の目標を達成しても、問い合わせは計算どおりに増えません。

途中の指標は、問い合わせに近い記事とそれ以外の記事に分けて数えます。

記事の分け方

書く記事の例

目標を置く指標

問い合わせの計算

問い合わせに近い記事

料金、比較、選び方、導入の流れ

訪問数、問い合わせ数

使う

問い合わせから遠い記事

用語の意味、悩みの原因、基本のやり方

表示回数、訪問数

使わない

書く順番も、問い合わせに近い記事を先にします。検索数は少なくても、訪問した人が問い合わせに進む割合が高いので、最終の成果が早く動き始めます。問い合わせから遠い記事は、問い合わせに近い記事がそろってから足すと、本文から問い合わせに近い記事へ読者を案内できます。

問い合わせに近い記事から書く順番を決められていますか

途中の指標を問い合わせに近い記事で置くには、どの検索語句の記事から書くかを先に決める必要があります。記事コンテンツの制作支援のKW戦略設計では、検索意図を読み、勝てるKWから優先して記事にするロードマップを作ります。料金は公開しておらず、無料相談(オンライン30分)でお見積もりします。

目標の期限を指標ごとにずらす理由

目標の期限を指標ごとにずらすのは、逆算に使った仮の数字が合っているかを、最終の成果の期限より前に1つずつ確かめるためです。途中の指標に最終の成果と同じ期限を付けると、12か月後に問い合わせが目標に届かなかったと分かっても、どの数字の見込みが外れていたのかを見分けられません。

期限は、公開本数、表示回数、訪問数、問い合わせ数と、数字が動く順に置きます。計算の例に当てはめると、指標ごとの期限は次の4つです。

指標

期限の例

確かめること

公開本数

毎月末

月3〜4本を公開できたか

表示回数

公開から3か月後

記事が検索結果に表示されているか

1本あたりの訪問数

公開から6か月後

月50訪問に届いたか

問い合わせ数

12か月後

問い合わせに進む割合が1%あるか

指標ごとに期限をずらした12か月の時間軸の図

SEOの効果が出るまでの期間は、一般に3〜6か月ほどと言われます。期間は、公開して間もないサイトかどうかや、狙う検索語句の検索結果に強いサイトが並んでいるかで変わるため、表の期限も自社の過去の記事の伸び方に合わせて置き換えます。

💡

指標ごとの期限は、目標を決めた資料に書き、上長と合意しておきます。途中の指標で判定すると先に決めておけば、問い合わせがまだ増えない時期にも、取り組みを続けるかを数字で話し合えます。

コンテンツマーケティングの目標のよくある質問

コンテンツマーケティングの目標について、よくある3つの質問に答えます。

過去の数字が無いときはどうする?

過去の数字が無いときは、問い合わせに進む割合と1本あたりの訪問数を仮に置いて計算します。割合は問い合わせが数件たまった時点で、1本あたりの訪問数は公開から6か月たった記事が出た時点で、実際の数字に置き換えて計算し直します。

目標を決めた資料には、どの数字が仮かを書いておきます。仮の数字だと分かっていれば、計算し直して目標が変わっても、上長に理由を説明できます。

SMARTの法則は使ったほうがいい?

SMARTの法則は、逆算で出した目標の書き方を確かめるのに使えます。SMARTは、目標が具体的か、測れるか、達成できるか、事業の目的に関係するか、期限があるかを確かめる5つの項目の頭文字です。

SMARTで確かめられるのは目標の書き方で、目標の数字をいくつにするかは決まりません。数字は逆算で出し、書き方をSMARTで確かめます。

目標に届かないときは下げていい?

目標を下げる前に、どの指標が期限までに目標値に届かなかったかを見て、仮の数字を実際の数字に置き換えて計算し直します。公開本数が足りなければ制作の体制を、1本あたりの訪問数が足りなければ狙う検索語句を、問い合わせに進む割合が低ければ記事の終わりの案内を見直します。

計算し直しても期限までに届かないと分かったときに、期限か目標の数を変えます。記事ごとの数字から直す場所を決める方法は、コンテンツマーケティングのKPIの決め方で詳しく紹介しています。

まとめ|目標は問い合わせから逆算して途中の指標に分ける

コンテンツマーケティングの目標は、問い合わせなどの最終の成果の数と期限を先に決め、問い合わせに進む割合と1本あたりの訪問数で割り戻して、途中の指標に分けて置きます。途中の指標は問い合わせに近い記事で数え、期限を指標ごとにずらして、計算に使った仮の数字を順に確かめます。

まずは最終の成果の数と期限を1文で書き、問い合わせに近い記事の過去6か月の訪問数と問い合わせ数を、GA4から書き出してください。

私たち合同会社Writers-hubは、自社と取引先のサイトで記事を毎日公開しながら、記事コンテンツの制作支援で、KW戦略設計と制作体制の構築をお手伝いしています。

計算した本数を、期限までに公開できる体制はありますか

逆算で出した本数を予定どおりに公開できないと、途中の指標の期限から遅れ始めます。記事コンテンツの制作支援では、編集者・ライター・監修者のチーム編成、レギュレーション策定、品質管理フローを作る制作体制の構築をお手伝いします。Writers-hubが自社と取引先のサイトで毎日公開する運用で使っている、記事の指示文を作るツールを、お客様が回せる形でお渡しすることもでき、公開前の確認はお客様が行います。料金は公開しておらず、無料相談(オンライン30分)でお見積もりします。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

読んで終わりにしないために

記事の内容を自社に当てはめるとどうなるか、オンライン30分で一緒に整理します。費用はかかりません。