「コンテンツマーケティングは、まず記事を何本か書いて、反応を見ながら直していけばよさそう」。広告のように、出してから反応を見て直す進め方に慣れていると、記事も同じように始めたくなります。
ところが、検索から読まれる記事は、公開してから数字が出るまでに数か月かかります。目的と読者を決めずに書くと、数か月後に出た数字を、何と比べて良し悪しを決めるのかも決まっていません。最初の1か月は、記事を書く前に5つの項目を順に決める期間です。
本記事では、最初の1か月で決める5つの項目を、決める順番と理由から、週ごとの予定、小さく始めるときの本数まで、累計8,000記事以上を制作してきた記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- コンテンツマーケティングは、目的、読者、狙うキーワード、書く人と確認する人、測る数字の順に決める
- 後の項目は前の項目を材料に決めるので、順番を入れ替えると決め直しが出る
- 5つは1週に1〜2項目ずつ決め、週ごとに上司と合意すると1か月で決め終えられる
- 本数は書く人と確認する人の時間から決め、判定の時期まで同じ本数を続ける
- 新しいサイトの立ち上げやSNSの運用は、最初の判定の後に決めても間に合う
コンテンツマーケティングを始める順番
コンテンツマーケティングは、次の5つの項目をこの順に決めてから、少ない本数で記事を公開して始めます。後の項目は、前の項目で決めた内容を材料にして決めるからです。
- 目的と追う数字:事業のどの数字を増やすために始めるかを決める
- 読者と検索する前の悩み:目的の数字を動かす人と、その人が困っていることを決める
- 狙うキーワードと書く順番:読者の悩みを検索で使われる言葉に直し、書く順に並べる
- 書く人と確認する人:記事を書くのに要る知識から、担当と毎月の本数を決める
- 測る数字と判定する時期:目的の数字と毎月の本数から、何をいつ判定するかを決める

順番を入れ替えると、決め直しが出ます。読者を決める前にキーワードを選ぶと、検索数の多い言葉から選ぶことになり、問い合わせをしない人に向けた記事が並びます。書く人をキーワードより先に決めると、担当者が書ける話題に記事が偏ります。
上司からは「まず記事を何本か書いてみて」と言われています。目的や読者を決める前に書き始めてはいけませんか?
編集部
書いてみて分かることもあります。ただ、目的と読者を決めずに書いた記事は、後で作るキーワードの一覧に入らず、書き直しになりがちです。上司には、1か月で5つを決めてから書き始める予定を、週ごとの予定の表と一緒に見せると、書き始めの時期を相談しやすくなります。
最初の1か月で決める5つの項目
最初の1か月で決める5つの項目は、どれも記事を書き始める前に決められ、それぞれ1行から数行の文で書き残せます。
目的と追う数字
コンテンツマーケティングの目的は、問い合わせや採用の応募のように、事業の数字で1つに決めます。目的が2つあると、狙う読者もキーワードも2通りになり、少ない本数ではどちらの数字が動いたかを判断できないためです。
追う数字は、社内ですでに数えているものから選びます。問い合わせが目的なら、問い合わせフォームから届いた件数です。PVは記事が読まれた回数で、目的の数字ではないので、途中の数字として扱います。
書き残すのは「〇〇を増やすために始め、〇〇の件数で判定する」という1文です。
読者と検索する前の悩み
読者は、目的の数字を動かす人のうち、まだ自社を知らずに検索で情報を集めている人に決めます。問い合わせが目的なら、自社に問い合わせる前に、検索で調べたり比べたりしている会社の担当者です。
悩みは想像で書かず、社内にある記録から集めます。営業の担当者に、最近の商談で相手が最初に聞いてきた質問を聞く方法や、問い合わせフォームの本文を読み返す方法があります。集めた質問は、相手の言葉のまま一覧にします。
年齢や趣味まで書き込んだ細かい人物像を作るより、実際の質問の一覧を持っているほうが、次のキーワード選びにそのまま使えます。
狙うキーワードと書く順番
狙うキーワードは、読者の質問を検索窓に入力される言葉に直し、1つずつ実際に検索して選びます。上位に並ぶページが記事か、サービスの紹介ページや通販の商品ページかで、記事で上位を狙えるかが変わるためです。上位にサービスの紹介ページが並ぶキーワードは、記事ではなく自社のサービスページで狙います。
書く順番は、検索数の多さではなく、問い合わせへの近さで決めます。「〇〇 費用」「〇〇 依頼先」のように、比べて選ぶ段階の読者が検索するキーワードから書くと、少ない本数でも目的の数字が動いたかを確かめやすくなります。検索数の多いキーワードは、情報を集め始めたばかりの読者が多く、問い合わせまで進む人の割合は小さくなりがちです。
キーワードの一覧には、次の4つの列を作ります。
- 狙うキーワード
- 元になった読者の質問
- 上位に並ぶページの種類
- 書く順番
書く人と確認する人
書く人と確認する人は、キーワードの一覧を見て、書くのに要る知識が社内にしか無いものか、一般に調べられるものかで決めます。自社の製品の使い方や現場の手順は、社内の人が書くか、社内の人に話を聞いて書きます。一般に調べられる知識なら、外部のライターに頼めます。
確認する人の時間は、とりわけ見落とされがちです。記事の事実や自社の説明を確かめるのは、営業や技術の担当者のように、ほかの業務を持つ人であることが多いためです。1本の確認にかかる時間を本人に聞き、1か月に確認できる本数を先に決めます。
書く人と確認する人を、社内だけでそろえられそうですか
社内にしか無い知識の記事を、確認する人の限られた時間の中で出し続けるには、役割の分け方と記事の決まりを先に作っておく必要があります。記事コンテンツの制作支援では、編集者・ライター・監修者のチーム編成、レギュレーション策定、品質管理フローを作る制作体制の構築をお手伝いします。
測る数字と判定する時期
測る数字は、目的の数字と、そこに至るまでの途中の数字の2つに分けて決めます。検索から読者を集める記事なら、途中の数字はSearch Consoleで見る表示回数とクリック数です。表示回数はサイトが検索結果に表示された回数、クリック数は検索結果からサイトがクリックされた回数を指します。
問い合わせを目的の数字にするなら、GA4で問い合わせの完了をキーイベントとして設定します。キーイベントは設定した時点以降のレポートに反映され、過去のデータは変わらないので、最初の記事を公開する前に済ませます。
判定する時期は、公開から3か月後と6か月後のように、測り始める前に日付で決めます。SEOの効果が出るまでには一般に3〜6か月ほどかかると言われ、期間はサイトの状態や狙うキーワードの競合で変わります。役割ごとの指標の置き方は、コンテンツマーケティングのKPIの決め方にまとめています。
※ 出典:Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート(検索結果): 概要と基本設定」、アナリティクス ヘルプ「イベントにキーイベントとしてマークを付ける」
最初の1か月の週ごとの予定
最初の1か月は、1週に1〜2項目ずつ決め、週の終わりに上司と合意してから次の週へ進みます。合意を週ごとに取っておくと、後から前の項目が変わって決め直す範囲が小さく済みます。
週 | 決める項目 | 一緒に決める人 | 書き残すもの |
|---|---|---|---|
1週目 | 目的と追う数字、読者と検索する前の悩み | 上司か決裁者、営業の担当者 | 目的の1文、読者の質問の一覧 |
2週目 | 狙うキーワードと書く順番 | 担当者が1人で進める | キーワードの一覧 |
3週目 | 書く人と確認する人 | 確認する人、外注先の候補 | 担当者の名前、1か月の本数 |
4週目 | 測る数字と判定する時期 | 上司か決裁者 | 測定の設定、判定の日付 |
社内の合意に時間がかかる会社では、予定を2か月に延ばしても、決める順番は変えません。4週目に測定の設定を終えたら、キーワードの一覧の1番目から記事を書き始めます。記事1本を構成から入稿まで進める工程は、コンテンツマーケティングの始め方7ステップの4〜6のステップで紹介しています。

5つの項目は、1枚のシートにまとめておきます。担当者が替わったときや判定の時期に、何を目的に誰に向けて始めたかを、シートを見れば確かめられるためです。
小さく始めるときの本数と判定の時期
小さく始めるときの本数は、書く人と確認する人の時間で毎月無理なく出せる数にし、判定の時期まで同じ本数を続けます。最初の数か月は、目的と読者とキーワードの選び方が合っているかを確かめる期間なので、本数を増やすのは判定の後でも間に合います。
本数を毎月そろえるのは、判定の時期に数字を比べるためです。最初の月に多く公開して翌月から止まると、数字が伸びない理由が、キーワードの選び方なのか、公開が止まったことなのかを見分けられません。

判定の時期に表示回数が増えていれば、キーワードの一覧の続きを書き、本数を増やすかを決めます。
表示回数が増えていないときは、記事が検索結果に出ていません。本数を増やす前に、狙ったキーワードで上位に並ぶページと自社の記事を見比べ、ページの種類や答えている質問が合っているかを確かめます。
最初の1か月で決めなくてよいこと
最初の1か月で決めなくてよいことは、次の4つです。どれも、最初の判定を終えて数字が出てからのほうが、決めるための材料がそろいます。
- 新しいサイトの立ち上げ:今の自社サイトにブログのページを足せば、記事を公開できる
- 記事以外の形式:動画や資料は、よく読まれた記事のテーマから作ると読者の関心から外れにくい
- SNSの運用:記事の読者が使っている媒体は、記事への流入元を見てから選べる
- 有料のSEOツール:最初のキーワードの一覧は、読者の質問から作り、1つずつ検索すれば選べる
今の自社サイトにブログのページを足せない場合は、記事を置く場所の準備が先に要ります。その作業は、1か月の予定の4週目までに加えます。
コンテンツマーケティングの始め方のよくある質問
コンテンツマーケティングを始めるときの、よくある3つの質問に答えます。
担当者1人でも始められる?
担当者が1人でも、コンテンツマーケティングは始められます。1人で進めるときも、目的は上司と、確認にかかる時間は確認する人と一緒に決めます。
本数は、担当者がほかの業務と並行して書ける数に絞ります。書く時間が足りないときは、書く工程だけを外部に頼み、確認は社内で行う分け方もあります。
記事はAIで書いてもいい?
AIで書いた記事も、書いた方法ではなく品質で評価されます。Googleは、コンテンツがどのように制作されたかではなく、その品質に重点を置くと説明しています。一方で、検索結果の順位の操作を主な目的として、AIを含む自動化で記事を作ることは、スパムに関するポリシーに違反するとしています。
AIで下書きを作るときも、読者の質問に答えているかと、自社の説明や事実が正しいかは、確認する人が公開前に確かめます。
※ 出典:Google 検索セントラル ブログ「AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」
途中で目的を変えてもいい?
目的は、最初の判定の時期を過ぎてから見直します。判定の前に目的を変えると、読者もキーワードも決め直しになり、それまでに書いた記事の数字を何と比べればよいかが分からなくなるためです。
判定の後に目的を変えるときは、書いた記事のうち新しい読者にも当てはまるものを残し、キーワードの一覧を作り直します。
まとめ|目的と読者を決めてから小さく始める
コンテンツマーケティングは、目的と読者を決めてから、狙うキーワード、書く人と確認する人、測る数字を順に決め、無理なく出せる本数で始めます。後の項目は前の項目を材料に決めるので、最初の1か月は、5つを順に決めて上司と合意する期間にします。
まずは、目的の1文と、最近の商談で聞かれた質問の一覧を書き出してください。
私たち合同会社Writers-hubは、自社と取引先のサイトで記事を毎日公開しています。
読者の質問から、狙うキーワードと書く順番を決めきれていますか
読者の質問をキーワードに直し、上位に並ぶページを1つずつ見て書く順番を決める作業では、キーワードの数だけ検索と判断を繰り返します。記事コンテンツの制作支援のKW戦略設計では、検索意図を読み、勝てるKWから優先して攻めるロードマップを作ります。料金は公開しておらず、無料相談(オンライン30分)でお見積もりします。







