「アクセス数を増やすツールを入れれば、数字は伸びていくはず」。ツールの紹介ページには「アクセスアップ」「集客改善」といった言葉が並ぶため、導入するだけで何かが変わると考えて検索する方もいるでしょう。
しかし、これまで多くの企業サイトで記事制作と公開後の書き直しを続けてきた弊社の立場から言えるのは、ツールが見せるのは増やす場所で、増やすのは記事を直す作業だということです。ツールの数字は、新しい記事を書くか、既存ページのタイトルや本文を直すかを、ページごとに決める材料になります。
本記事では、無料で使えるツール8つから、サーチコンソールの数字で直すページを決める手順まで、記事を書き直してきた立場で順を追ってお伝えします。
- アクセス数はツールを入れるだけでは増えず、ツールの数字をもとに記事やページを直したときに増える
- 無料で始めるなら、Googleサーチコンソールで検索の表示回数・クリック数・掲載順位を見るところから入る
- 表示回数が少なければ新しい記事、クリック率が低ければタイトル、11〜20位前後なら本文の書き直しに手を付ける
- アクセスを買うツールで増えた訪問は問い合わせにつながらず、検索順位を操作するツールはGoogleのスパムポリシーに反する
ツールを入れるだけでアクセス数が増えない理由
アクセス数を増やすツールの多くは、訪問の数や検索での表示を測る道具で、ツール自体がサイトに人を連れてくるわけではありません。サイトへの訪問が増えるのは、次の3つのどれかが起きたときです。
- 検索結果に表示されるページが増える
- 検索結果に表示されたページがクリックされる回数が増える
- SNSやメールなど、検索以外の入口から来る人が増える
ツールの役割は、3つのうちどこで訪問を取りこぼしているかを数字で示すことにあります。数字を見たあとに記事を書くか直すかしない限り、アクセス数は変わりません。

アクセス数を増やす無料ツール8選
無料で使えるアクセス数を増やすツールは次の8つで、自社サイトの数字を測るもの、書くテーマや直す点を探すもの、地域の検索に店舗を出すものに分かれます。
| わかること・できること | 使う場面 | |
|---|---|---|
| Googleサーチコンソール | 検索での表示回数・クリック数・掲載順位 | 最初に入れる。直すページを決める |
| Googleアナリティクス4 | 訪問者の流入元と見たページ | 検索以外の入口を調べる |
| Clarity | ページ内のクリックとスクロール | 読まれずに離れる場所を探す |
| Googleキーワードプランナー | 言葉ごとの月間検索数 | 書くテーマを比べる |
| ラッコキーワード | 関連する検索語と質問 | 記事で答える疑問を集める |
| Googleトレンド | 検索される量の時期ごとの増減 | 季節で増える言葉の公開時期を決める |
| ページスピードインサイト | 表示速度と直す点 | 表示が遅いページを見つける |
| Googleビジネスプロフィール | 地図と地域検索での表示 | 店舗や事務所のある事業 |
検索の表示回数を見るGoogleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは、自社サイトがGoogle検索で何回表示され、何回クリックされたかを、検索された言葉ごと・ページごとに見られるツールです。「検索パフォーマンス」の画面で、クリック数・表示回数・クリック率(CTR)・平均掲載順位の4つを確かめます。
使い始めるには、サイトの所有者であることの確認(HTMLタグの設置など)が必要です。検索結果でクリックされる前の数字を見るツールなので、検索以外から来た訪問はここには出ません。
流入元を見るGoogleアナリティクス4
Googleアナリティクス4(GA4)は、サイトに来た人がどこから来て、どのページを見たかを記録するアクセス解析ツールです。「トラフィック獲得」のレポートでは、自然検索・SNS・他サイトのリンク・広告などの入口ごとに訪問の数を比べられます。
GA4が記録するのは、計測タグをサイトに入れた日からの訪問だけです。入れる前の訪問はさかのぼって見られないため、アクセス数を増やす作業を始める前にタグを入れておきます。
ページ内の動きを見るClarity
MicrosoftのClarityは、ページのどこがクリックされ、どこまでスクロールされたかを色の濃さで示すヒートマップと、訪問者の操作の録画を無料で見られるツールです。長い記事の途中で読者が離れている場所を探すときに使います。
操作の録画を取るため、サイトのプライバシーポリシーに計測ツールを使っていることを書いておきます。
検索数を調べるGoogleキーワードプランナー
Googleキーワードプランナーは、Google広告の中にある無料のツールで、言葉ごとの月間検索数を調べられます。記事のテーマ候補が複数あるとき、検索する人が多いのはどれかを比べるのに使います。
使うにはGoogle広告のアカウントが必要です。広告を出していないアカウントでは、検索数が「1000〜1万」のような幅で表示されます。
関連キーワードを集めるラッコキーワード
ラッコキーワードは、1つの言葉を入れると、Googleの検索窓に出る候補(サジェスト)や、その言葉と一緒に調べられている質問を一覧にするツールです。無料プランの範囲でも一覧を取得できます。
一覧に並ぶ「〜とは」「〜やり方」「〜料金」などの言葉は、検索する人が知りたいことそのものです。記事の見出しで答える疑問を選ぶときに使い、検索数はキーワードプランナーで確かめます。
検索の増減を比べるGoogleトレンド
Googleトレンドは、ある言葉が検索される量の時期ごとの増減を、期間内で最も多い時点を100とした相対値で示すツールです。検索数そのものは出ないため、数はキーワードプランナーで調べます。
毎年同じ月に検索が増える言葉は、増える1〜2か月前に記事を公開するか書き直しておくと、検索が増える時期に間に合います。
表示速度を調べるページスピードインサイト
ページスピードインサイト(PageSpeed Insights)は、URLを入れるとスマートフォンとパソコンそれぞれの表示速度を採点し、画像の圧縮など直す点を挙げるGoogleのツールです。実際の利用者の表示速度のデータは、訪問が少ないページでは表示されません。
表示速度を直しても、検索した言葉への答えが無いページのアクセス数は増えません。サーチコンソールで表示回数のあるページから速度を確かめると、直した効果が数字に出やすくなります。
地域の検索に出すGoogleビジネスプロフィール
Googleビジネスプロフィールは、店舗や事務所の情報をGoogleマップと「地域名+業種」の検索結果に無料で載せるサービスです。管理画面では、プロフィールが見られた回数や、電話・Webサイトへのクリック数を確かめられます。
登録できるのは、店舗や事務所で客に会うか、客先へ出向く事業です。オンラインだけで営業する事業は対象になりません。
サーチコンソールの数字で直すページを決める方法
直すページと作業は、サーチコンソールの表示回数・クリック率・平均掲載順位の組み合わせで決まります。1つの数字だけを見て「アクセスが少ない」と判断すると、タイトルの問題を記事の中身の問題と取り違えるからです。
数字の組み合わせで分かる4つの状態
サーチコンソールとGA4の数字の組み合わせは、次の4つの状態に分けられ、状態ごとに手を付ける作業が違います。
数字の組み合わせ | 起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
表示回数が少ない | 検索される言葉に答えるページが無い | キーワードプランナーとラッコキーワードでテーマを選び、新しい記事を書く |
表示回数は多いが、クリック率が低い | 検索結果でタイトルと説明文が選ばれていない | 検索された言葉がタイトルの前半に入るよう書き直す |
平均掲載順位が11〜20位前後 | 検索結果の1ページ目に入る手前にいる | 上位のページにあって自社のページに無い答えを本文に足す |
GA4で自然検索以外の流入がほとんど無い | 検索以外の入口が無い | SNSやメールで新しい記事と書き直した記事を案内する |
平均掲載順位が11〜20位前後のページは、すでにその言葉に関係すると判断されているため、新しい記事を1本書くより早く順位に反映されることが多いと見ています。書き直しの候補が多いときは、このページから手を付けます。
平均掲載順位は、そのページが表示されたすべての言葉の平均です。「ページ」の一覧で直すページを選んでから「クエリ」の一覧に切り替え、言葉ごとの順位とクリック率を確かめてください。
とりわけ見落とされがちなのが、1ページの数字の裏に、順位の違う複数の言葉があることです。平均が30位のページでも、ある言葉では8位のことがあり、書き直しで足す答えはその言葉に合わせます。

直してから効果を確かめる手順
書き直しの効果は、直した日の前後で同じ日数の数字を比べて確かめます。
サーチコンソールの「検索パフォーマンス」で期間を過去3か月にし、「ページ」の一覧を表示回数の多い順に並べます。
数字の組み合わせで分かる4つの状態のどれに当たるかを、ページごとに1つ決めます。
表計算のシートに、ページのURL、直した日、直した内容(タイトル・本文・新しい記事)を書き残します。
直した日の前の4週間と後の4週間で、クリック数と平均掲載順位を比べます。日数と曜日の並びをそろえると、週末に検索が減るといった曜日の差を除いて比べられます。
Googleが書き直したページを読み直し、順位に反映するまでの日数はページごとに違います。4週間で変化が無いときは、さらに4週間おいてから比べ直すとよいでしょう。
サーチコンソールの数字を見ても、どのページから直すか決めかねていませんか
表示回数・クリック率・掲載順位の組み合わせから、新しい記事・タイトルの修正・本文の書き直しのどれに手を付けるかを、ページごとに一緒に決めます。
アクセス数を買うツールを使わない理由
アクセス数を買うツールで増えた訪問は、問い合わせや売上につながりません。訪問しているのがプログラムか、訪問するだけで報酬を得る人で、サイトの商品やサービスを必要としている人ではないからです。
- 自動で訪問を繰り返すトラフィック生成ツール
- 訪問数やページビューを販売するサービス
- 登録したサイト同士で訪問し合う交換サービス
- Googleに検索語を自動で送り、自社ページをクリックさせる順位操作ツール
Googleに検索語を自動で送る順位操作ツールは、Googleのスパムポリシーが禁じるGoogleに自動生成クエリを送信する行為に当たります。Googleの広告配信の仕組みであるAdSenseを載せているサイトでは、買った訪問が無効なトラフィックとみなされ、広告の配信が制限されることもあります。

買った訪問が混ざると、GA4でどのページが読まれているかの数字が実際とずれます。本物の読者がどのページで離れているかが分からなくなり、直すページを選べなくなるのです。
ツールを入れても数字が動かないときの見直し点
ツールを入れても数字が動かないときに見直すのは、ツールの種類ではなく、数字を見たあとに直したページの数です。次の3つに当てはまるものがないかを確かめます。
- 毎月見る数字(表示回数・クリック率・掲載順位)を決めていない
- この3か月で書き直したページや新しく公開した記事が1本も無い
- 直した日と内容を記録しておらず、前後の数字を比べられない
書き直したページが1本も無い場合、足りないのはツールでなく、記事を書く時間です。記事の書き直しを引き受けてきた立場から見ると、直す候補のページは挙がっているのに、担当者がほかの業務を抱えて書き直しが進まない例は珍しくありません。
サーチコンソールもGA4も入れたのに、半年たってもアクセス数が変わりません。別のツールに替えたほうがいいでしょうか。
編集部
数字が変わらないとツールを疑いたくなりますよね。ただ、自社サイトの検索の数字は、有料のツールに替えてもサーチコンソールと大きくは変わりません。まず、この半年で書き直したページの本数を数えてみてください。0本なら、変えるべきなのは書き直す時間の取り方です。
書き直すページの候補が10本以上たまっているなら、書く作業だけを社外に任せ、候補選びと公開前の確認を社内に残す分け方もあります。
アクセス数を増やすツールのよくある質問
アクセス数を増やすツールについて、使い始める前によく聞かれる3つの質問に答えます。
自社サイトの数字を見るだけなら、無料のサーチコンソールとGA4で足ります。AhrefsやSemrushなどの有料ツールが要るのは、競合サイトがどの言葉で検索から訪問を集めているか、どのサイトからリンクされているかを推定して調べたいときです。
他社サイトの正確なアクセス数は、そのサイトの運営者しか見られません。有料のSEOツールや市場調査ツールで分かるのは、検索順位や公開されているデータから計算した推定値です。
ツールを入れた時点では増えません。書き直したページがGoogleに読み直されて順位に反映されるまでの日数はページごとに違うため、直した日の前後4週間ずつを比べ、変化が無ければさらに4週間おいて比べ直します。
まとめ|ツールは増やす場所を見つける道具
アクセス数を増やすツールは、サイトのどこで訪問を取りこぼしているかを数字で示す道具です。サーチコンソールの数字でページごとに作業を1つ決めることから始めると、無料のツールだけで次に書く記事と直すページが決まります。
表示回数が少なければ新しい記事、クリック率が低ければタイトル、11〜20位前後なら本文の書き直しです。直した日を記録し、前後4週間の数字を比べて、次に直すページを選び直します。
私たち合同会社Writers-hubは、サーチコンソールの数字から直すページを選ぶところから、記事の制作と書き直しまでを支援しています。
どのツールの、どの数字から見ればよいか迷っていませんか
サーチコンソールの画面をお持ちいただければ、表示回数・クリック率・掲載順位から、最初に手を付けるページを一緒に選びます。







