「同じキーワードで自社の記事が2本入れ替わって表示されるのはカニバリだから、似た記事を1本にまとめるか、片方を消せば直るはずだ」。検索順位を確かめていて、こう考えたWeb担当者は多いのではないでしょうか。カニバリの語源は「共食い」で、順位計測ツールでも1つのキーワードに自社のURLが複数並んで示されるため、ページの数を減らすことが解決策に見えやすいのです。
しかし、弊社はこれまで多くの企業のオウンドメディアで記事の制作と公開後の書き直しを請け負い、自社の記事どうしが同じキーワードで順位を取り合う状態にも数多く対処してきました。その経験から言えるのは、カニバリはキーワードごとに答えるページを1つに決めることで直るということです。統合するか、書き分けるか、検索結果から外すかは、答えるページを決めた後に選ぶ手段にすぎません。
本記事では、カニバリの意味と見つけ方から、直し方の選び方、書き直しで新たに生まないための管理まで、記事を作って直す側の視点で順を追ってお伝えします。
- カニバリは、同じサイトの複数のページが同じキーワードで表示を取り合い、どのページも上位に届かない状態
- カニバリがあるだけでペナルティは受けず、困るのは順位が上がりきらないことと、読ませたいページと違うページが出ること
- Search Consoleでキーワードを絞り込み、表示された自社のページの数と入れ替わりを見れば見つかる
- 2つのページを読む人の目的が同じなら統合して301リダイレクト、違うなら書き分けと内部リンクで役割を分ける
- 公開したページとキーワードの対応表を、記事の企画と書き直しの前に見れば、新しいカニバリを防げる
SEOのカニバリとは
SEOのカニバリとは、同じサイトの複数のページが同じキーワードで検索結果に出ようとして、どのページも上位に届かなくなる状態です。正式にはキーワードカニバリゼーションと呼びます。カニバリゼーションは英語で「共食い」を意味し、マーケティングでは自社の新商品が既存の商品の売上を奪う現象を指してきました。
カニバリが起きているキーワードでは、表示される自社のページが週ごとに入れ替わり、順位も2つのページの間を行き来します。

カニバリと重複コンテンツの違い
カニバリと重複コンテンツは、どちらも自社のページが重なる状態ですが、重なっているものが違います。重複コンテンツは、同じか、ほぼ同じ中身のページを複数のURLで開ける状態です。カニバリは、中身の違う記事どうしが同じキーワードで評価を受けようとしている状態を指します。
Googleは、中身が同じか非常に似通ったページをまとめ、代表のページを1つ選んで検索結果に出します。中身の違う2本の記事は別々のページとして扱われるため、代表が選ばれず、2本とも同じキーワードの候補に残ります。2本が別々のページとして扱われる以上、canonicalタグ(検索結果に出してほしいURLをGoogleに伝えるタグ)を設定しただけでは、カニバリは直りにくいのです。URLの重複の直し方はSEOの評価が分散する原因と、統合・正規化の判断基準で扱っています。
カニバリで起きる2つの問題
カニバリで起きる問題は、どのページも上位に届かないことと、読ませたいページと違うページが表示されることの2つです。
どのページも上位に届かない
同じキーワードで自社の2本が表示を取り合うと、クリックは表示された週ごとに2本へ分かれます。外部サイトからのリンクや、サイト内の関連記事からのリンクも2本に分かれて集まります。表示されるページが入れ替わる間は、クリックもリンクも1本に積み上がりません。
1本ずつ書き直しても順位が動かない記事は、書き直しを重ねる前に、同じキーワードで自社の別の記事が表示されていないかを確かめてください。記事の中身ではなく、表示を取り合う相手がいることが順位の止まっている原因かもしれません。
読ませたいページと違うページが表示される
カニバリが起きると、問い合わせにつなげたいページではなく、別のページがキーワードの答えとして表示されることがあります。たとえば「SEO記事 外注 費用」で、料金表のあるサービスページではなく用語を解説した記事が表示されると、費用を知りたい人は料金を見つけられずに検索結果へ戻ります。
検索からの流入の数は変わらず、問い合わせだけが減る形で表れるため、順位の推移だけを見ていると気づけません。
カニバリはペナルティの対象か
カニバリや重複コンテンツがあるだけで、Googleからペナルティを受けることはありません。Googleの「URL 正規化とは何か」にも、サイト上で重複コンテンツが発生することは通常のことであり、スパムに関するポリシーの違反にはならないと明記されています。

※ 出典:Google 検索セントラル「URL 正規化とは何か」
カニバリの害として挙げられることの多い「クロールバジェットの無駄遣い」も、サイトの規模を見て読む必要があります。
クロールバジェットは、Googleが1つのサイトでクロールするページの量のことです。Googleのクロールバジェットの資料は、主な対象を、重複のないページが100万以上で週1回ほど更新されるサイトと、1万以上で毎日更新されるサイトとしています。記事が数百本ほどのオウンドメディアで、カニバリによってクロールが足りなくなる心配はまずないと見ています。
※ 出典:Google 検索セントラル「クロール バジェットを最適化する」
カニバリが起きる3つの原因
カニバリの多くは、記事を書く前の企画と、公開後の書き直しで生まれます。サイトの設定の誤りより、どの記事にどのキーワードを担当させるかが決まっていないことが原因です。
表記違いのキーワードごとの記事作成
キーワードの一覧から1行に1記事を割り振ると、表記や語順が違うだけのキーワードに別々の記事ができます。たとえば「カニバリ seo」と「キーワード カニバリゼーション」は、キーワードツールの一覧では別の行に並びます。しかし、どちらも同じ現象を調べる人が使うキーワードで、2つの検索結果の上位には同じ記事が多く並びます。
書き直しで足した見出しによる重なり
公開済みの記事を書き直すときに上位の記事にある見出しを足していくと、ほかの記事が担当するキーワードまで取りにいく記事になります。「SEOとは」の記事に費用の見出しを足せば、「SEO 費用」の記事と順位を取り合うことがあります。書き直しは1本ずつ進めるため、担当者がほかの記事の中身を覚えていないと、重なりに気づけません。
サービスページとブログ記事の狙いの重なり
企業のサイトでは、サービスページとブログ記事が、依頼を考えている人の使うキーワードを取り合うことがあります。「SEO記事 外注」「記事作成代行 料金」のようなキーワードで、ブログ記事が上位に出て、サービスページが表示されなくなる形です。
カニバリの見つけ方
カニバリは、Google Search Consoleの検索パフォーマンスで、1つのキーワードに自社のどのページが表示されているかを見れば見つかります。Search Consoleは、Googleが集計した自社サイトの表示回数や順位を無料で確かめられるツールです。
検索パフォーマンスのレポートで期間を過去3か月にし、「クエリ」タブを開きます。表示回数が多いのに、平均掲載順位が10位より下で止まっているキーワードが調べる候補です。
フィルタで候補のキーワードを指定し、「ページ」タブに切り替えます。自社のページが2つ以上並んでいれば、カニバリを疑います。
並んだページを1つずつクリックして絞り込み、表示回数のグラフを見比べます。一方の表示回数が増えた週にもう一方が減っていれば、2つのページが同じキーワードで入れ替わっています。
並んだページをURL検査ツールで調べ、「Google が選択した正規 URL」(Googleが代表に選んだURL)を見ます。調べたページとは別のURLが入っていれば、Googleは2つを同じ中身のページとして扱っており、カニバリではなく重複コンテンツの問題です。
「site:自社のドメイン キーワード」で検索する方法では、キーワードを含む自社のページを一覧できます。ただし、実際の検索結果での順位や入れ替わりは分からないため、候補を探す補助に使い、判断はSearch Consoleの数字で行います。
直さなくてよい重なりの見分け方
1つのキーワードに自社のページが2つ並んでいても、すべてを直す必要はありません。次のどれかに当てはまる重なりは、手を付けずに様子を見て構いません。
- 2つのページがどちらも1ページ目にそろって表示されている
- 表示回数が月に数回ほどのキーワードで、たまたま2つ目のページが出ている
- 一方が意味の解説、もう一方が作業の手順のように読む人の目的が違い、どちらの順位も安定している
2つのページが1ページ目にそろっている状態は、自社が検索結果の枠を2つ取れている状態で、統合すると枠を1つ手放します。直す順番は、表示回数が多く、2つのページが週ごとに入れ替わっているキーワードからです。
カニバリの直し方の選び方
カニバリの直し方は、2つのページを読む人の目的が同じかどうかと、もう一方のページを検索以外で使うかどうかで決まります。広告で集客するLPは、検索以外で使うページの例です。先にそのキーワードで答えるページを1つ決め、もう一方のページの扱いを次の5つから選びます。
| 向いているページ | もう一方のページの扱い | 元に戻しやすさ | |
|---|---|---|---|
| 統合して301リダイレクト | 読む人の目的が同じ2本の記事 | 中身を移して転送する | △ |
| 書き分けと内部リンク | 読む人の目的が違う2本の記事 | 残して扱う範囲を分ける | ○ |
| canonicalタグ | 中身がほぼ同じページ | 残して代表のURLを伝える | ○ |
| noindex | 広告用のLPなど検索に出さなくてよいページ | 残して検索結果から外す | ○ |
| 削除 | 読む人も外部からのリンクもないページ | 消す | × |
5つの直し方のうちどれを使うかは、次の2つの問いで絞り込めます。

目的が同じ2本は統合して301リダイレクト
2つのページを読む人の目的が同じなら、1本に統合し、もう一方のURLを301リダイレクトで残すページへ転送します。301リダイレクトは、古いURLを開いた人と検索エンジンを、新しいURLへ恒久的に転送する設定です。
残すURLは、表示回数、外部サイトからのリンク、問い合わせの件数が多いほうを選びます。転送する記事にしかない段落のうち、読者の疑問に答えるものだけを残す記事へ移します。サイト内のリンクは、転送元ではなく残すURLへ向け直してください。設定の書き方は301リダイレクトの設定方法で扱っています。
目的が違う2本は書き分けと内部リンク
読む人の目的が違う2本は両方を残し、タイトルと見出しで扱う範囲を分けます。「リライトとは」と「リライトのやり方」の2本なら、解説の記事から手順の段落を削り、手順の記事へのリンクに置き換えます。
リンクの文言は「書き直す手順はリライトのやり方の記事で扱っています」のように、リンク先がどの問いに答えるかが分かる形にします。書き分けてから2か月ほどたっても同じキーワードで2本が入れ替わるなら、読む人の目的が同じだったと考え、統合を検討します。
canonicalとnoindexを使う場面
canonicalタグ(検索結果に出してほしいURLをGoogleに伝えるタグ)が効くのは、中身がほぼ同じページです。Googleは、同じか非常に似通ったページをまとめて代表を選ぶ際に、canonicalタグを手がかりにします。中身の違う記事どうしに指定しても、指定どおりになるとは限りません。並び替えの条件だけが違う一覧ページや印刷用のページが、canonicalタグの使いどころです。
noindexは、ページを検索結果に出さないよう指示するタグで、広告で集客するLPのように検索に出さなくてよいページに使います。Googleは、1つのサイト内で正規ページの選択を妨げる手段としてnoindexを使うことを、ページが検索から完全に外れるためおすすめしないとしています。検索から読者を集めたいページには、noindexを付けません。

※ 出典:Google 検索セントラル「正規 URL の指定方法」
1組の重なりなら、2つのページを読み比べれば直し方を選べます。似た記事が何組もあるサイトでは、記事を統合すると、転送した記事が担当していたキーワードが空きます。空いたキーワードを担当する記事まで決めないと、別の組み合わせで同じ入れ替わりが起きます。
重なりが何組も見つかり、どのキーワードをどのページに任せるか決めかねていませんか
弊社のSEOキーワード戦略設計では、公開済みの記事と狙うキーワードを並べ、キーワードごとに答えるページを決めるところからご一緒します。Search Consoleで見つけた重なりの一覧があれば、統合と書き分けの順番のご提案から始められます。
サービスページと記事のカニバリの直し方
サービスページとブログ記事のカニバリは、そのキーワードの検索結果の上位に、どちらの種類のページが多く並ぶかで答えるページを決めます。上位に並ぶページは、検索した人が求める答えに近いとGoogleが判断したページだからです。
上位に多いページ | 答えるページ | もう一方のページの直し方 |
|---|---|---|
解説記事 | ブログ記事 | サービスページは、サービス名で検索する人に向けた内容に絞る |
サービスページ、料金ページ | サービスページ | 記事は解説に絞り、本文からサービスページへリンクする |
解説記事とサービスページが混在 | 両方 | 記事からサービスページへのリンクを置き、2つとも残す |
サービスページで答えると決めたら、料金の目安、依頼の流れ、対応できる範囲を書き足します。依頼を考えている人は、検索結果に並ぶページの料金と進め方を比べて依頼先を絞ると見ています。記事の側は、タイトルと見出しから料金や依頼の話を外します。
とりわけ見落とされがちなのが、記事からサービスページへcanonicalタグを向けても解決しないという点です。canonicalタグは検索結果に出してほしいURLを伝えるタグですが、記事とサービスページは中身が違うため、指定どおりにならないことがあります。指定が効いた場合も、記事が解説のキーワードで得ていた表示がサービスページに移り、解説を探す人に料金のページを見せることになります。
カニバリを防ぐキーワードと担当ページの対応表
カニバリを防ぐには、キーワードと担当ページの対応表を作り、記事を増やす前と書き直す前に照らし合わせます。対応表には、公開したページを1行に1つずつ並べ、各ページが担当するキーワードを書きます。「リライトとは」と「リライトのやり方」の2本なら、対応表は次のようになります。
担当ページ | 主に答えるキーワード | 同じページで答えるキーワード | ページが答える問い |
|---|---|---|---|
「リライトとは」の記事 | リライト とは | リライト 意味 | リライトは何をする作業か |
「リライトのやり方」の記事 | リライト やり方 | リライト 手順、リライト コツ | 書き直す記事をどう選び、どう進めるか |
企画と書き直しの前の照らし合わせ
対応表を照らし合わせる場面は2つあります。
新しい記事を企画するときは、狙うキーワードが対応表にあるかを見ます。表に無くても、表のキーワードと検索結果の1ページ目を見比べます。目安として10件のうち半分ほどが同じページなら、新しく書かずに担当ページへ書き足します。
書き直しで見出しを足すときは、足す見出しが、表で別のページが担当するキーワードに答えていないかを見ます。答えていれば見出しは足さず、担当ページへのリンクを置きます。

対応表は、ページを公開したときと統合したときに行を書き換え、サイトにあるページと食い違わないように保ちます。
外注先の書き手への対応表の共有
記事の制作を外注している場合は、キーワードの一覧と一緒に対応表を書き手にも渡します。
外注先には狙うキーワードを伝えているので、既存の記事と重なることはないと思っていました。
編集部
狙うキーワードが違えば記事どうしも重ならない、というのは半分は正しい見方です。ただ、書き手は発注元のサイトにどんな記事があるかを知らないまま書くため、見出しを足す途中で、既存の記事が担当するキーワードに答える段落を書くことがあります。対応表を渡せば、書き手は重なる段落の代わりに既存の記事へのリンクを置けます。
外注先から届いた構成案は、見出しごとに対応表と照らします。別のページが担当するキーワードに答える見出しがあれば、見出しを外して既存の記事へのリンクに置き換えるよう依頼します。
記事を外注するたびに、既存の記事との重なりを自社で確かめていませんか
弊社のSEO記事コンテンツ作成では、公開済みの記事の一覧を共有いただければ、狙うキーワードの検索結果と照らし合わせてから構成を作ります。新しく書くより既存の記事に書き足すほうがよいキーワードは、構成を作る前にお伝えします。
カニバリについてよくある質問
カニバリを直す前後に出やすい質問は3つあります。
統合したページの順位が落ち着く時期は決まっていません。Googleが古いURLを再びクロールし、転送の設定(301リダイレクト)を処理してから、評価が残すページへ移るためです。残すURLをURL検査ツールで調べてインデックス登録をリクエストし、検索パフォーマンスで古いURLの表示回数が減り、残すURLの表示回数が増えていくかを見てください。統合後の順位が、統合前に高かったほうの順位を上回るとは限りません。
カテゴリページやタグページが記事の代わりに表示されるときは、一覧のページと記事の役割を分けます。記事が数本しか入っていないタグページは、noindex(検索結果に出さないよう指示するタグ)で検索結果から外します。記事が多く集まるカテゴリページは残し、冒頭にカテゴリの説明文を置いて、個々の記事へのリンクで詳しい答えに案内します。
カニバリの確認の間隔は、記事を公開したり書き直したりする本数で決めます。月に10本以上を公開・書き直すサイトなら毎月、それより少なければ3か月に1回を目安に、表示回数の多いキーワードから確かめます。見出しを足した記事は、書き直しから1か月ほど後に、同じキーワードで別の記事と入れ替わっていないかを個別に見ます。
まとめ|カニバリは答えるページを1つに決めて直す
SEOのカニバリは、同じサイトの複数のページが同じキーワードで表示を取り合い、どのページも上位に届かなくなる状態です。ペナルティの対象ではありませんが、順位が上がりきらず、読ませたいページと違うページが表示される原因になります。
直すときは、ページを減らす前に、キーワードで答えるページを1つ決めます。読む人の目的が同じなら統合して301リダイレクトで転送し、違うなら見出しと内部リンクで役割を分けてください。まずはSearch Consoleで、表示回数が多いのに10位より下で止まっているキーワードを選び、表示されている自社のページの数を確かめるところから始めましょう。
私たち合同会社Writers-hubは、SEOのキーワード戦略の設計から記事の制作、公開後の書き直しと統合までを支援しています。似た記事が増えて順位が止まっているサイトでも、記事を増やす前にキーワードの担当を整理したいサイトでも、今の記事の一覧を拝見するところからご相談いただけます。
Search Consoleで見つけた重なりを、どれから直すか決めかねていませんか
気になっているキーワードと、表示されている自社のページをお知らせいただければ、統合するか書き分けるかの判断と、直す順番をご提案します。相談は無料です。







