BLOG

SEO対策の診断を実施する手順|調べる3つの層と直す順番の決め方

SEO診断は、ツールの点数を上げることより、診断結果から直すページと順番を決めるために実施すると、報告書を作ったところで作業が止まりにくくなります。まずSearch Consoleでインデックスされていないページと、表示回数が多いのにクリックされないページを洗い出し、次に検索結果の上位ページと中身を見比べる順番をおすすめしています。

古い木造の家を点検する職人が、床下・部屋の中・家全体の間取り図の3か所に順番に小さな印を付けている。手前には印の付いた箇所から優先して直す道具が並んでいる。

「前に頼んでいたSEO会社からの報告書は、いつも診断スコアの一覧でした。だから、点数さえ上げれば検索の問題は解決するものだと思っていました」。SEO会社や制作会社が定期報告で点数の推移を示すことは珍しくなく、担当者が点数そのものを目的と考えるようになるのも自然な流れです。ところが実際には、点数を上げても検索からの訪問が増えないまま、次に何を直せばよいか分からなくなるケースがあります。

しかし、弊社はこれまで、記事の制作から公開後の効果検証まで、多くの企業サイトで一貫して担当してきました。そこから言えるのは、SEO診断の価値は点数ではなく「どこから直すか」を決められるかにあるということです。ツールが確かめられるのはタイトルの有無や表示速度といったページの形式で、狙ったキーワードに対して中身が足りているかは、検索結果の上位ページと見比べるまで分かりません。

本記事では、SEO診断で調べる3つの層から、実施の5つの手順、無料で使えるツール、点数が高くても流入が増えない理由、診断結果から直す順番の決め方まで、記事を書き直す側の視点で整理します。

この記事でわかること
  • SEO診断で調べる技術・ページ・サイト設計の3つの層
  • 自社でSEO診断を実施する5つの手順
  • Search ConsoleやPageSpeed Insightsなど無料ツールの使い分け
  • ツールの点数が高くても流入が増えない理由
  • 診断結果から直す順番を決める基準

SEO診断とは?実施する目的とタイミング

SEO診断とは、自社サイトが検索結果に表示されにくい原因を調べ、直す箇所を特定する作業です。目的は問題の一覧を作ることではなく、限られた工数をどのページに使うかを決めることにあります。

改善項目が50個並んだ報告書を受け取っても、全部を一度に直せる体制の会社は限られるでしょう。診断の出来は、指摘の数より「最初に直す3つが何か」が明確かどうかで決まると見ています。

実施のタイミングは、次のような変化があった時点が目安です。

  • 検索からの訪問数が、前年の同じ月と比べて落ちている
  • サイトのリニューアルやURLの変更を行った、または予定している
  • 記事を増やしているのに、問い合わせや資料請求が増えない
  • SEOの外注先を替える、または内製に切り替える

リニューアルの前後は、とくに見落とされやすい時期です。URLが変わると、移転の設定を誤ったページが検索結果から外れることがあります。公開前と公開後の2回に分けて診断しておけば、訪問数が落ちたときに原因を切り分けやすくなるはずです。

SEO診断で調べる3つの層

SEO診断で確かめる項目は数十個に及びますが、性質で分けると3つの層に収まります。層ごとに使う道具も直す担当者も異なるため、最初に層を分けておくと、診断結果を誰に渡せばよいかまで決まります。

SEO診断で調べる技術・ページ・サイト設計の3つの層を示した図

技術の層で確認すること

技術の層は、Googleがページを見つけて読み込み、検索結果に登録できる状態かを確かめる層です。インデックスへの登録状況、検索結果に出さない設定(noindex)やクロールを拒否する設定の有無、スマートフォンでの表示、ページの表示速度などが対象になります。

この層に問題があると、ページの中身をどれだけ良くしても検索結果には出ません。診断は必ず技術の層から始めましょう。

ページの層で確認すること

ページの層は、1ページごとに、狙ったキーワードで検索した人の疑問に答えられているかを確かめる層です。タイトルと説明文、見出しの構成、本文が扱う範囲、情報の新しさが対象になります。

ここで見るべきは、タグが正しく書かれているかより、検索結果の上位ページと比べて中身に何が欠けているかです。形式の確認はツールで済みますが、中身の比較は人が検索結果を開いて読むしかありません。

サイト設計の層で確認すること

サイト設計の層は、サイト全体として、どのキーワードをどのページで狙うかが整理されているかを確かめる層です。同じキーワードを複数の記事で狙っていないか、重要なページに内部リンクが集まっているか、他サイトからのリンクや言及がどの程度あるかを見ていきます。

記事数が100本を超えるあたりから、似た記事どうしで順位を食い合う状態が起きやすくなると感じています。見つけ方は記事のカニバリゼーション診断と解消方法で詳しく解説しました。

SEO診断を実施する5つの手順

3つの層を踏まえ、自社でSEO診断を実施するときの手順を5つに分けました。順番を入れ替えないことが、診断を報告書で終わらせないための条件です。

1
STEP
診断の目的と見る数字を決める

「問い合わせを増やしたい」「落ちた訪問数を戻したい」など、診断で答えを出したい問いを1つに絞ります。問いが決まれば、見るべき数字も検索からの訪問数、特定ページの順位、問い合わせ数のように絞り込めるはずです。

2
STEP
Search Consoleでインデックスの状況を確認する

「ページのインデックス登録」レポートを開き、登録されていないページとその理由を確かめます。問い合わせにつながる重要なページが未登録なら、ほかの作業より先に直しましょう。

3
STEP
検索パフォーマンスでページごとの数字を並べる

「検索パフォーマンス」レポートで、ページごとの表示回数、クリック数、平均掲載順位を書き出します。表示回数が多いのにクリックが少ないページ、順位が11〜20位にとどまるページが、直す候補の中心です。

4
STEP
候補のページを検索結果と見比べる

候補ページの狙うキーワードで実際に検索し、上位のページと見出しや扱う範囲を比べます。上位ページにあって自社ページにない項目を書き出すと、書き直す内容がそのまま決まるでしょう。

5
STEP
直す箇所を記録し確認する日を決める

直すページ、根拠にした数字、直す内容、担当者、効果を確かめる日を1行ずつ記録します。確かめる日を決めておかないと、効果があったのかどうかを誰も判断できません。

手順2と3で使う数字は、どれもSearch Consoleから無料で取得できます。有料ツールを契約する前に、まずこの2つのレポートを読み切ることをおすすめします。

SEO診断に使える無料ツール

SEO診断に使える無料ツールは数多くありますが、Googleが提供するものだけで技術の層はほぼ確認できます。ツールごとに分かることと分からないことを把握しておくと、結果の読み違いを避けられます。

分かること分からないこと
Google Search Consoleインデックスの登録状況、検索されたキーワード、ページごとの表示回数と順位競合サイトの数字、ページの中身の良し悪し
PageSpeed Insights表示速度、実際の利用者のデータに基づく表示の快適さ検索順位、キーワードとの関係
リッチリザルトテスト構造化データが正しく書かれているか構造化データ以外の問題
民間の無料SEO診断ツールタイトルや見出しタグの有無、画像の代替テキストなど形式の不備検索した人の疑問に中身が答えているか

表のうち、Search Consoleだけは自社サイトの所有者として登録しないと使えません。まだ登録していない場合は、診断の準備として最初に済ませておきましょう。

表示速度はCore Web Vitalsの目安で見る

PageSpeed Insightsで確認する表示の快適さは、Googleが「Core Web Vitals」と呼ぶ3つの指標で評価されます。Googleの公式ページには、良好とされる目安として、LCPは読み込み開始から2.5秒以内、INPは200ミリ秒未満、CLSは0.1未満と明記されています。

※ 出典:Google 検索セントラル「Core Web Vitals と Google 検索の検索結果について」

Core Web Vitals と Google 検索の検索結果について | Google 検索セントラル | Documentation | Google for Developers
Core Web Vitals は、実際のユーザー エクスペリエンスを測定する一連の指標です。Google 検索と Core Web Vitals の詳細をご確認ください。
🌐 developers.google.com
外部リンク

3つの数字を平たく言えば、LCPは主要な部分が表示されるまでの時間、INPは操作への反応の速さ、CLSは読み込み中に画面がずれる度合いです。目安を下回るページが多いときは、開発担当者に数字をそのまま渡すと話が早く進みます。

民間の診断ツールは形式の洗い出しに使う

民間の診断ツールは、数百ページ規模のサイトの形式の不備をまとめて洗い出すのに向いています。一方で、出てくる点数は各ツールが独自に決めた配点による評価で、Googleの評価そのものではありません。

点数が高くても流入が増えない理由

診断ツールの点数を上げたのに、検索からの訪問が増えない。SEO診断のご相談でたびたび伺う状況で、原因は主に3つに分かれます。

経営者経営者

診断ツールで90点を超えたのに、問い合わせが増えません。点数をもっと上げれば変わるのでしょうか。

点数を上げる作業そのものは無駄ではありません。ただ、90点を超えた先で点数を積み上げても、ツールが見ていない部分は変わらないままです。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

形式の不備が減ったのは確かな前進です。ただ、ツールはページの中身が検索した人の疑問に答えているかまでは測れません。次は点数ではなく、表示回数が多いのに順位が伸びないページを検索結果と見比べてみてください。

ツールが測れるのはページの形式まで

診断ツールが確認できるのは、タイトルの文字数、見出しタグの順序、画像の代替テキストなど、HTMLに書かれた形式です。検索順位を大きく左右するのは、形式より中身が検索した人の疑問に答えているかどうかだと、記事を書き直してきた経験から見ています。

形式を整えれば上位に入れるという近道がないことは、Googleもスターターガイドで次のように述べています。

残念ながら、Google でのランキングがトップになるような秘訣はありません。

※ 出典:Google 検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」

Google 公式 SEO スターター ガイド | Google 検索セントラル | Documentation | Google for Developers
検索エンジン最適化に関する、Google 公式の SEO スターター ガイドです。SEO の定義からウェブサイト運用者向けの基本的な施策まで、SEO 関連の基礎を幅広くご紹介します。
🌐 developers.google.com
外部リンク

狙うキーワードが記事どうしで重なっている

同じキーワードを狙う記事が2本以上あると、Googleがどちらを表示するかが定まらず、両方とも順位が上がりにくくなります。1ページずつ診断するツールでは、ページ間の重なりは見つかりません。

狙うキーワードに検索する人がいない

そもそも狙っているキーワードの検索数が少なければ、1位を取っても訪問は増えません。診断の前に、狙うキーワードの選び方が妥当かを確かめる必要があるのです。

とりわけ見落とされがちなのが、3つ目の「検索する人がいない」という原因です。診断ツールはキーワードの検索数を扱わないため、点数を追うだけでは気づけません。

診断ツールが確認できる範囲と、人が検索結果と見比べて確認する範囲を分けた図

ツールの範囲と人の範囲を分けて考えると、点数が上がっても変わらない部分がどこかがはっきりします。ここまでの3つの原因は、どれもツールの点数には表れません。

点数を社内の目標値にしない

点数が高いのに成果が出ない状態を避けるには、目標に置く数字から見直す必要があります。

⚠

診断ツールの点数は、ツールごとに配点が異なります。同じページでもツールによって点数が大きく違うことがあるため、点数そのものを社内の目標値にするのは避けましょう。

目標に置くなら、表示回数、クリック数、問い合わせ数といった、Search Consoleや自社の記録で追える数字が向いています。点数は、形式の不備が残っていないかを確かめる補助として使うのが無難です。

診断ツールの点数は十分なのに、検索からの問い合わせが増えないままではありませんか

点数では見えない原因は、検索結果との見比べとキーワードの重なりの確認で切り分けられます。Search Consoleの数字と上位ページの比較から、どのページを先に直すかまでを一緒に整理します。

診断結果から直す順番の決め方

診断で候補が出そろったら、「直したときの影響の大きさ」と「直す手間」の2つで並べ替えます。影響が大きく手間の小さいものから着手すれば、少ない工数で数字の変化を確かめられるでしょう。

SEO診断の結果を、直したときの影響の大きさと直す手間の2軸で並べた図

直す順番の基本形

記事の書き直しを請け負う立場では、次の順番を基本にしています。

  1. 問い合わせにつながる重要ページのうち、インデックスに登録されていないもの
  2. 表示回数が多く、平均掲載順位が11〜20位にとどまるページの中身の書き直し
  3. 表示回数が多いのにクリックが少ないページのタイトルと説明文
  4. 同じキーワードを狙って重なっている記事の統合
  5. 表示速度などサイト全体の技術的な改善

1番が先頭に来るのは、登録されていないページにはほかの改善がすべて効かないためです。5番の表示速度は影響範囲が広い一方、開発担当者の工数が要ります。そのため早めに日程を相談し、2〜4番と並行して進める扱いにしています。

2番の書き直しでは、上位ページとの比較で欠けていた項目を足すことが中心になります。どの項目から確かめるかはSEOのチェックリスト38項目でも整理しました。

記録を次の診断の出発点にする

診断した内容は、次の項目を1行ずつ残しておきます。

  • 対象のページのURL
  • 直すと判断した根拠の数字
  • 直す内容
  • 担当者
  • 効果を確かめる日

記録があれば、次回の診断で前回の改善が効いたかどうかを照らし合わせて確認できます。診断を1回で終わらせず、記録を次の診断の出発点にすることが、改善を積み重ねる前提です。

診断で見つかった重なりや需要のないキーワードを、どう整理し直すか迷っていませんか

直す順番が決まっても、どのキーワードをどのページで狙うかが整理されていないと、書き直しの方向が定まりません。サイト全体のキーワードの割り振りから設計し直す方法をご案内します。

自社で実施するか専門会社に依頼するか

SEO診断は、Search Consoleを読めれば自社でも実施できます。判断の分かれ目は、診断した後に直す作業まで自社で回せるかどうかです。

自社で実施無料の診断サービス専門会社に依頼
費用◎ かからない◎ かからない△ かかる
技術の層の確認○ 無料ツールで可能○ 形式の不備は分かる◎ 設定まで確認
検索結果との見比べ△ 担当者の経験次第△ 対象外のことが多い◎ 上位ページと比較
直す順番の決定△ 判断基準が要る△ 一覧の提示まで◎ 工数と合わせて決める
向いている状況記事数が少なく担当者に時間がある形式の不備を手早く洗い出したい記事数が多い、または書き直しまで任せたい

無料の診断サービスは、結果の説明が自社サービスの提案と一緒に届くこともあります。その場合は、指摘の根拠として「どのページの、どの数字か」が示されているかを確かめると、提案の妥当性を判断しやすくなるはずです。

専門会社への依頼は費用がかかる分、診断から書き直しまでを同じ担当者が見通せる点が違いです。社内に書き直しの担当者がいない場合、診断だけを外に出すより、直す作業まで含めて相談したほうが報告書の段階で止まらずに済みます。

よくある質問

SEO診断を実施する前によく寄せられる疑問に、短く答えます。

SEO診断はどのくらいの頻度で実施すればよいですか?

サイト全体の診断は半年に1回程度、Search Consoleでのインデックスと検索パフォーマンスの確認は月に1回が目安です。リニューアルやURL変更を行ったときは、時期に関係なく実施しましょう。

無料のSEO診断ツールだけで十分ですか?

形式の不備を見つける用途なら十分です。ただし、ページの中身が検索した人の疑問に答えているかは測れないため、候補ページは検索結果を開いて上位ページと見比べてください。

診断結果をもとに直した効果は、いつ確認できますか?

数週間後が最初の目安です。Googleはスターターガイドで、変更の反映には数時間から数か月かかることがあり、一般的には数週間待ってから検索結果への影響を確認するよう勧めています。

SEO診断を実施するだけで順位は上がりますか?

上がりません。診断は直す箇所を決める作業で、順位が動くのは診断結果をもとにページを直した後です。

まとめ|SEO診断は点数より直す順番を決める作業

SEO診断は、技術・ページ・サイト設計の3つの層に分けて調べると、診断結果の読み違いを減らせます。無料ツールで技術の層を確かめ、Search Consoleの数字から直す候補を絞り、候補のページを検索結果の上位ページと見比べる。この順番で進めれば、点数を追うだけの診断から抜け出せるはずです。

そして、診断の成果は、実際にページを直したときに初めて数字に表れます。記録を残し、確かめる日に数字を見て、次の診断につなげていきましょう。

私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作と公開後の書き直しを通じて、診断結果を実際の改善に結び付ける支援をしています。診断で見つかった課題を、どのページからどう直すかまで一緒に整理することも可能です。

自社サイトのどのページから直すべきか、診断結果を前に決めきれていませんか

Search Consoleの数字や診断ツールの結果をお持ちいただければ、直す候補と順番を一緒に確認します。自社で進めるか、書き直しまで任せるかの判断材料としてご活用ください。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

読んで終わりにしないために

記事の内容を自社に当てはめるとどうなるか、オンライン30分で一緒に整理します。費用はかかりません。