「必要な対策を一つずつ潰していけば、いずれ1ページ目に入るはずだ」。上位表示について、そう考えている担当者の方は少なくありません。SEOの解説が「上位表示させる方法15選」のようなチェックリストの形で語られることが多いため、項目を消化した数だけ順位が近づくように見えるのです。ところが実際には、内部の設定も記事の書き方も一通り手を入れたのに、狙った検索語だけ2ページ目から動かない、という相談が繰り返し届きます。
しかし、数多くのSEO記事を制作し、公開後の順位まで追いかけてきた弊社の立場から言えるのは、上位表示の可否は対策の数ではなく、3つの条件のどれが欠けているかで決まるということです。対策を積み上げる前に、その検索語で自社が上位に入れる見込みがあるかを確かめておくと、同じ工数でも結果の出方が変わってきます。
本記事では、検索順位が決まる仕組みから、狙う検索語の選び直し、記事とサイトの直し方、そして順位が動かないときの切り分けまで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 上位表示が検索結果の何位までを指すのか、社内で合わせておきたい定義
- 検索順位が決まるまでの3段階と、順位が付かない原因の切り分け方
- 上位に入れる検索語と、今の自社では届かない検索語の見分け方
- 1ページの中身とサイト全体、それぞれで手を入れる順番
- 上位表示までにかかる期間と、途中で見ておく数字
上位表示とは検索結果の何位までか
上位表示という言葉は、社内でも人によって指す範囲がずれます。1ページ目に入れば上位と呼ぶ人もいれば、3位以内でなければ意味がないと考える人もいる。着手する前にここを合わせておかないと、施策の評価そのものが噛み合わなくなります。
実務では、3段階で区別しておくと話が早くなります。1ページ目(おおむね10位以内)を「検索結果に載った状態」、5位以内を「流入が目に見えて増える位置」、3位以内を「その検索語からの流入を取りに行けた状態」と置く。目標順位をどこに置くかで、必要な工数も期間も大きく変わります。
目標順位とあわせて決めておきたいのが、その検索語で上位を取ったときに何が起きるかです。検索する人の数が多い語ほど価値が高いとは限りません。月に数十回しか検索されない語でも、打った人が発注を検討している段階なら、問い合わせにつながる確率は高くなります。逆に月に数千回検索される語で1位を取っても、情報を集めているだけの人が大半であれば、記事は読まれるのに問い合わせは増えません。上位表示を目標に置くときは、順位と並べて「その語で上位に入ると何が起きるか」を一文で書き添えておくと、後から施策の良し悪しを判断できます。
検索結果の見え方は、ここ数年でかなり変わりました。上部にAIによる要約が表示されたり、地図や画像、動画の枠が挟まったりするため、10位以内に入れば1画面目に見える、とは限りません。順位の数字だけを追うのではなく、その検索語の検索結果に実際に何が並んでいるかを自分の目で見ておく必要があります。
順位はパソコンとスマートフォン、地域、ログイン状態によって違って見える点にも注意が必要です。自分で検索して確認した順位をそのまま社内に報告すると、後で数字が食い違います。計測は順位チェックツールか、Google Search Consoleの平均掲載順位で揃えておくと安全でしょう。
関連記事:【2025年最新版】初心者でもできるSEOのやり方完全ガイド | 上位表示するための具体的な方法を徹底解説
検索順位が決まる3つの段階
上位表示の話に入る前に、Googleが順位を決めるまでの流れを押さえておきます。ここを飛ばすと「記事を公開したのに検索結果に出てこない」という現象の原因が特定できません。
Googleのクローラーがリンクをたどってページを発見し、中身を読み取る段階です。どこからもリンクされていないページ、robots.txtで拒否しているページ、サーバーの応答が遅いページは、ここで止まります。
読み取った内容を解析し、検索の対象として保存する段階です。クロールされたページが必ず登録されるわけではありません。既存ページと内容が重複している、中身が薄いと判断されると、登録されないまま置かれることがあります。
検索が実行されたとき、登録済みのページから検索語に合うものを選び、並べる段階です。世の中で語られる上位表示の施策は、ほぼこの段階だけを扱っています。
順位が付かない原因が3段階のどこにあるかは、Google Search Consoleで切り分けられます。「ページ」レポートで登録されていなければ、原因はクロールかインデックスの側にあり、記事の書き方をどれだけ直しても動きません。逆に登録済みで表示回数が出ているなら、問題はランキング段階です。
公開したばかりの記事が検索結果に出てこないとき、ランキングの話をする前に見るべきなのがこの登録状況です。公開から数日で登録される記事もあれば、数週間かかる記事もあります。サイトマップを送信していない、既存のページから1本もリンクが張られていないといった状態だと、発見そのものが後回しになりがちです。新しい記事を公開したら、関連する既存記事から手動でリンクを1本足しておく。それだけでも、見つけてもらうまでの時間は縮まるはずです。

※ 3段階の説明は、Google検索セントラルの「Google検索の仕組み」ドキュメントに基づいています。
関連記事:SEOアフィリエイトとは?上位表示に効く対策と順位を落とす3つの型
上位表示を分ける3つの条件
ここからが本題です。ランキングの段階で順位に差が出るとき、実務で効いているのは細かな設定の有無ではありません。上位表示は検索語の適性・ページの完成度・サイトの評価の3つで決まるという見方をすると、手を入れる場所が絞り込めます。
1つ目の検索語の適性とは、その検索語の検索結果に自社が入り込める余地があるかどうかです。上位10件がすべて公的機関や大手ポータルで占められていれば、記事をどれだけ磨いても入れません。2つ目のページの完成度は、その1ページだけで検索した人の疑問が解けるかどうか。3つ目のサイトの評価は、同じテーマの記事がサイト内にどれだけ積み上がっていて、外からどれだけ参照されているかです。

大事なのは、この3つに順番があることです。検索語の適性が満たされていない状態でページを磨いても、順位は動きません。逆に適性があるのにページが不十分なら、書き直しだけで順位が動くことがあります。よくある「対策を15個やったのに上がらない」という状況は、15個すべてが2つ目と3つ目に対する施策で、1つ目の判断を飛ばしている場合がほとんどです。
順番を守る理由は、手を入れても反応が返ってこない作業を減らすためです。適性を外した検索語で記事を書き直すと、何度直しても順位が動かないため、書き直しが効いたのかどうかすら判定できません。適性のある検索語で書いた記事なら、見出しを1つ足しただけで順位が数段上がることもあり、直した分の反応が数字に出ます。反応が返ってくる状態に持ち込んでから作業量を増やすほうが、同じ工数でも結果は積み上がっていきます。
社内では、とにかく記事の本数を増やそうという話になっています。本数を増やしていけば、そのうち上位に入る記事も出てくるのではないでしょうか。
編集部
本数が効く場面と効かない場面が分かれます。同じテーマで記事が積み上がるとサイトの評価は上がりますから、3つ目の条件には効きます。ただ、最初から入れない検索語を選び続けていると、本数が増えても順位は動きません。増やす前に、狙う検索語を1つずつ検索結果で確かめておくほうが、同じ本数でも成果は変わってきます。
以降の章では、3つの条件それぞれについて、何をどう確かめて、どこに手を入れるのかを具体的に見ていきます。
関連記事:SEOスパムの種類と判定基準|巻き込まれる3つの経路と直し方
上位に入れる検索語かどうかの見分け方
最初に確かめるのは、狙っている検索語の検索結果に、自社が入る余地があるかどうかです。判断材料は特別な道具ではなく、その検索語で実際に検索した画面そのものにあります。
実務でいちばん使える判定はシンプルです。上位10件の中に、自社と同じくらいの規模で、同じ性格のサイトが1件でも混ざっているか。1件もなければ、今の自社では届きません。1件でもあれば、同じ場所に入れる可能性があります。
- 上位10件の中に、自社と同じくらいの規模・同じ性格のサイトが1件以上ある
- 並んでいるページの形式(解説記事、比較記事、サービス紹介)が、自社で用意できる形と一致している
- 上位のページに、公開から数年更新されていないものが混ざっている
- 検索語に「方法」「やり方」「選び方」など、書き手の経験で中身が変わる語が含まれている
上の4つに当てはまるほど、記事を1本作る価値があります。反対に、次のような検索結果が並んでいる場合は、同じ工数を別の検索語に回したほうが合理的でしょう。
- 上位10件が、公的機関や法令データベース、大手ポータルだけで占められている
- 他社の会社名やサービス名が、検索語そのものに含まれている
- 通販サイトの商品ページや地図の枠で埋まっていて、解説記事が1本も入っていない
- 上位のページがすべて、自社にはない独自調査や取扱実績を柱にしている

上位ページの更新日から読み取れること
顔ぶれと一緒に見ておきたいのが、上位に並ぶページがいつ書かれたものかです。検索結果の一覧や記事の冒頭に公開日と更新日が出ているページは多く、開けば数秒で確認できます。上位10件のうち半数以上が2年以上更新されていないなら、その検索語は情報が古いまま置かれている状態で、今の事情に合わせて書いた記事が入り込む余地があります。制度、料金、ツールの仕様が変わる分野ほど、この差ははっきり出るでしょう。
反対に、上位のほとんどが直近数か月に更新されている検索語は、各社が手を入れ続けている領域です。入れないわけではありませんが、公開して終わりにはできず、更新まで含めた体制が前提になります。書き始める前に、その記事を誰が何か月おきに見直すのかを決めておいてください。
入れない検索語は捨てずに分解する
届かないと判断した検索語は、捨てるのではなく分解します。正面から入れない大きな検索語でも、業種や状況を足した具体的な検索語であれば、上位の顔ぶれが入れ替わることがよくあります。検索する人の数は減りますが、問い合わせにつながる確率は上がる場合が多く、最初の1本目としては扱いやすいはずです。
分解の方向は大きく3つです。1つ目は対象を絞る方向で、業種、企業規模、地域を足します。2つ目は場面を絞る方向で、「始める前」「うまくいかないとき」「乗り換えるとき」といった、読む人が置かれている状況を加えるやり方です。3つ目は形式を絞る方向で、「費用」「進め方」「比較」のように、知りたい情報の種類を足します。分解した語をそれぞれ検索し直し、顔ぶれが入れ替わったものから書いていくと、最初の数本で表示回数が動き始めるはずです。
この分解を1語ずつ手作業でやると時間がかかるため、記事を書き始める前にまとめて済ませておくのが定石です。
狙う検索語の選び直しから手をつけたい方へ
上位に入れる検索語とそうでない検索語の切り分けは、記事を書き始める前に一度まとめてやっておくほうが結局は早く済みます。弊社では、検索結果の顔ぶれを1語ずつ確認したうえで、書く順番まで並べた設計をお渡ししています。
1ページで検索意図に答え切る作り方
入れる検索語が決まったら、次はその1ページで検索した人の疑問を解き切ることに集中します。ここで外しやすいのが、検索意図は「何を知りたいか」と「知った後に何をしたいか」の2つで捉えるという点です。前者だけに答えたページは、情報としては正しくても順位が伸びにくくなります。
上位表示のやり方を調べている人は、仕組みの説明を読みたいだけではありません。読み終えた後に、自社サイトで何から手をつけるかを決めたいはずです。その先の行動まで書けているかどうかが、似た内容の記事が並んだときの差になります。
記事を作る5つの工程
手順に落とすと次の5つです。上から順に進めると、書き始めてから迷う時間が減ります。
上位5件から8件を実際に読み、どのページも必ず触れている論点を抜き出します。ここで出てきた問いが、読者が最低限期待している範囲です。抜けがあると、他が良くても読み終わってもらえません。
共通の論点だけで作ると、順番の違う同じ記事になります。判断に使っている基準、うまくいかなかった事例、社内で実際に使っている手順など、経験からしか出てこない要素を1つ決めて、独立した見出しに立てます。
書き手が説明したい順ではなく、読者の疑問が移っていく順に並べます。定義、仕組み、判断の基準、手順、つまずいたときの対処、という流れが基本形です。
検索した人が目次を見たときに、自分の疑問の答えがどこにあるかわかる状態にします。不自然に詰め込む必要はなく、見出しの前半に自然に含まれていれば十分です。
自分が書いた記事を、その検索語を打った人の立場で頭から読みます。途中で「で、結局どうすればいいのか」と感じた箇所が、加筆すべき場所です。
文字数そのものは順位を決める要素ではありません。ただし、上位に並ぶページが共通して答えている問いをすべて扱えば、結果としてある程度の分量にはなります。目安を置くなら、上位ページの平均文字数を基準にして、そこから水増しせずに書き切れる量です。字数を埋めるために話を広げると、1ページで答え切るという目的から離れていきます。
上位が答えている問いの抜き出し方
1つ目の工程は、具体的な作業に落としておきます。上位5件から8件を開き、それぞれの見出しを1行ずつ書き出して、同じことを言っている見出しをまとめてください。5件以上に共通して出てくる論点は、読む人が当然あると思っている情報です。ここに抜けがあると、他の部分が良くても最後まで読んでもらえません。1件か2件にしか出てこない論点は、そのサイトの事情で入っている場合が多く、無理に入れる必要はありません。
この作業を省いて頭の中だけで構成を組むと、自分が説明したい話に寄っていきます。書き出す対象は本文ではなく見出しだけで足りますから、30分ほどあれば終わる作業です。
自社にしか書けない要素の見つけ方
共通の論点を埋めただけの記事は、順位が付いても10位前後で止まりがちです。そこから先で差が出るのは、他社が持っていない情報が1つ入っているかどうかでした。探す場所は3か所あります。1つ目は問い合わせの履歴で、実際に聞かれた質問はそのまま読者の疑問です。2つ目は社内で使っている判断の基準で、何を見てどちらを選ぶかという物差しは外からは書けません。3つ目は過去にうまくいかなかった事例で、避けるべき条件を具体的に示せます。
こうした素材は、調べて書けるものではありません。外に制作を任せる場合でも、社内から出す必要があります。裏を返せば、ここさえ出せれば残りの工程は任せられるということでもあります。
サイト全体の厚みと評価の集め方
3つ目の条件は、1ページの外側にあります。同じテーマの記事がサイト内に何本あるか、それらが互いにつながっているか、外から参照されているか。ここが薄いと、内容の良い記事を1本置いても順位が頭打ちになりがちです。
- 狙うテーマについて、周辺の疑問に答える記事が複数ある
- 関連する記事同士が内部リンクでつながっていて、どこから読み始めても行き来できる
- 運営者情報、著者情報、問い合わせ先が明記されている
- 同じ検索語を狙った記事が複数存在していない
- 他社の記事や資料から引用される形で、自然にリンクが集まっている
5つのうち、着手が早いのは内部リンクです。外からのリンクと書き手の情報は時間がかかるため、並行して進めます。
内部リンクは中心に据える記事を決めてから
同じテーマの記事が5本あるのに互いにリンクしていない状態は珍しくなく、つなぎ直すだけで巡回の頻度が変わることもあるでしょう。手順としては、まずそのテーマで最も広い話を扱っている記事を1本選び、中心に据えます。次に周辺の記事から中心の記事へリンクを張り、中心の記事からも各記事へ戻すリンクを置きます。
リンクに使う文言は「こちら」ではなく、リンク先の記事が何を書いているかがわかる言葉にしてください。読む人がクリックする前に中身を判断できますし、Googleにとってもリンク先の内容を読み取る手がかりになります。
一方で、すべての記事から他のすべての記事へリンクを張ると、どれが中心なのかが伝わりません。1つのテーマにつき中心を1本と決めて、そこへ集める形が扱いやすいところです。
引用される素材を記事の中に置く
とりわけ見落とされがちなのが、外からのリンクの集め方です。被リンクは購入すると評価を落とす原因になりますが、集まる仕組みを作ること自体は正攻法で行えます。
具体的には、引用しやすい形の素材を記事の中に置いておきます。自社で取った数字、社内で使っている書式や手順、判断の基準を並べた表。こうした素材は、他社が説明の根拠として参照しやすく、その際に出典としてリンクが張られます。文章の中に埋め込むより、見出しを立てて図や表の形にしておくほうが引用されやすいはずです。
効果が出るまでには時間がかかりますし、何本置けば何本リンクが来るという計算もできません。ただ、購入したリンクと違って後から評価を落とす心配がなく、置いた素材は残り続けます。
誰が書いたかを明示する
E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)は検索品質評価ガイドラインで使われている考え方であり、点数として直接順位に反映される仕組みではありません。ただ、書き手が誰で、何の経験に基づいて書いているかを明示することは、読者が読み進める理由になります。
著者名だけを置いて終わりにせず、その分野で何をどれだけやってきたかを短く添えてください。運営者情報、問い合わせ先、会社の所在地も同じです。とくにお金や健康に関わる分野では、書き手と運営者がわからないサイトの情報は、読む側が判断を保留します。
上位表示されない時に見直す順番
公開したのに順位が付かない。この段階で多くの担当者が記事の本文に手を入れ始めますが、原因の切り分けは、記事の中身ではなく登録状況から始めるのが順序です。登録されていない記事を書き直しても、検索結果には一切反映されません。

見る順番は次のとおりです。まずGoogle Search Consoleの「ページ」レポートで登録の有無を確認します。登録されていなければ、リンクの有無、robots.txtの設定、既存ページとの重複を疑います。登録されているなら、次は「検索結果のパフォーマンス」で表示回数を見てください。表示回数がゼロに近ければ、そもそも狙った検索語で候補にすら入っていない状態で、これは検索語の適性を見誤っている可能性が高いところです。
表示回数は出ているのに順位が20位前後で止まっている場合、原因はページの完成度かサイトの評価にあります。ここで初めて本文の書き直しが選択肢に入ります。逆に10位前後まで来ていてクリックが伸びないなら、本文ではなくタイトルと説明文を先に見直すほうが早いはずです。
1本の記事を何度も書き直しても順位が動かないとき、原因がその記事の外にある場合があります。同じ検索語を狙った別の記事がサイト内にあり、Googleがどちらを出すか決めかねている状態です。検索結果で自社ドメインに絞って検索し、似た記事が複数出てこないかを確認してください。重複していれば、統合するか片方の狙いをずらす対応が必要になります。
切り分けの結果、手を入れる場所が複数の記事やサイト構造にまたがっているとわかることもあります。その場合は1本ずつ直すより、どの記事を残してどこに寄せるかを先に決めたほうが、結果的に手数が減ります。
順位が動かない原因を、社内で特定しきれていませんか
登録状況、検索語の選定、記事の中身、サイト構造のどこに原因があるかは、外から数字を見たほうが早く特定できる場合があります。弊社では現状の計測から切り分けまでを行い、直す順番を決めたうえで着手しています。
順位を下げる4つのやり方
上位表示を狙う過程で、かえって順位を落とす手が選ばれることがあります。いずれも短期的には効きそうに見える点が共通しています。
- 被リンクを購入する。Googleのスパムに関するポリシーで明確に禁止されており、順位の下落や検索結果からの除外につながります
- 同じ検索語を狙った記事を複数公開する。自社の記事同士で評価が分散し、どちらも上がらない状態になります
- 生成した文章を確認せずにそのまま公開する。事実の誤りが混ざりやすく、修正の手間が執筆より大きくなります
- 検索語を不自然に詰め込む。読みにくさが滞在時間に出るうえ、順位への効果はほとんど期待できません
4つ目について補足すると、検索語を含めること自体は必要です。問題になるのは、同じ語を機械的に繰り返して文章として成立しなくなる状態です。見出しと本文の冒頭に自然に含まれていれば、出現回数を数える必要はありません。

※ 禁止される手法の範囲は、Google検索セントラルの「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」に記載されています。
上位表示までの期間と途中で見る数字
期間の見通しが立たないまま進めると、社内の評価が持ちません。順位という結果だけを見ていると、数か月間なにも報告できない状態になりがちです。
記事を公開してから、どれくらいで上位に入るものなのでしょうか。半年待っても動かなければ、やり方が間違っているということですか。
編集部
半年で判断する前に、途中で動く数字を見てください。順位は最後に動きます。先に動くのは検索結果への表示回数で、これが増えていれば方向は合っています。逆に3か月経っても表示回数がほぼゼロなら、記事の中身ではなく狙った検索語のほうを疑ったほうが早いです。
途中で見る数字と、それぞれが動き始めるおおよその時期を整理すると次のようになります。
見る数字 | 動き始める時期の目安 | 見方 |
|---|---|---|
表示回数 | 公開から数週間 | 狙った検索語で候補に入り始めたかどうか |
平均掲載順位 | 1か月から3か月 | 30位台から10位台へ移動しているか |
クリック数 | 10位以内に入ってから | 伸びない場合はタイトルと説明文を先に見直す |
問い合わせ | 記事が複数本たまってから | 1本単位ではなくテーマ単位で見る |
※ 時期の目安は弊社が制作を請け負った案件での実務上のレンジです。検索語の競合の強さ、サイトの公開年数と既存ページ数、更新の頻度によって前後します。
社内での報告に使いやすいのが、狙った検索語で検索結果に出ている記事の本数です。Google Search Consoleの検索語ごとの表示回数を見ると、どの記事がどの語で出ているかがわかります。1本の記事が複数の語で出始めていれば、内容が読み取られている状態で、順位が付くまでの途中経過として説明できます。順位という1つの数字だけで進捗を報告しようとすると、動かない期間に話すことがなくなってしまう。
順位が10位台に入ってからの動きは、書き直しへの反応が比較的早く出ます。反対に、50位より下から動かない記事は、書き直しよりも検索語の選び直しを検討したほうが労力に見合うでしょう。
自社でやるか外注するかの線引き
ここまでの3条件を、どこまで社内でやるかという判断が最後に残ります。全部を外に出す必要はありませんし、全部を社内で抱える必要もありません。
- 狙う検索語の候補出し(自社の顧客が使う言葉は社内にしかない)
- 一次情報の提供(実績、手順、判断基準、失敗事例)
- 公開後の問い合わせ内容の共有
- 記事に載せる情報の事実確認
- 検索結果の顔ぶれ確認と、入れる検索語の絞り込み
- 記事の構成設計と執筆、公開前の確認
- 内部リンクの設計とサイト構造の整理
- 順位と表示回数の計測、原因の切り分け
線引きの基準は、社内にしかない情報を使う工程かどうかです。自社の顧客がどんな言葉で困りごとを表現するか、過去にどんな依頼で失敗したか。こうした素材は外から取材しない限り出てきません。逆に、検索結果を1語ずつ確認する作業や、記事の構成を組む工程は、量をこなしている側に任せたほうが速く正確に進みます。
正直にお伝えすると、外注しても社内の工数はゼロになりません。素材の提供と事実確認は残ります。ただ、残る工数の中身が「書く」から「確かめる」に変わるため、担当者1人でも回せる形にはなります。
社内に残す工程と、任せる工程を分けて考えたい方へ
検索語の絞り込みから執筆までをまとめて任せる形も、構成だけ受け取って執筆は社内で行う形も選べます。弊社では現在の体制と社内に残せる時間をうかがったうえで、どこから外に出すのが無理がないかをご提案しています。
上位表示についてよくある質問
最後に、上位表示に関して相談の場で繰り返し出てくる質問をまとめました。
保証はできません。順位はGoogleのアルゴリズムが決めるもので、外部から確定させる方法はないためです。順位保証をうたう業者は、被リンクの購入など後で評価を落とす手法を使っている可能性があるため、契約条件を確認してください。
本数では決まりません。1本で1位を取る検索語もあれば、周辺の記事が10本そろって初めて動く検索語もあります。判断材料になるのは本数ではなく、狙った検索語の検索結果に自社と同じ性格のサイトが並んでいるかどうかです。
すでに20位以内に入っている記事があるなら、リライトのほうが早く動きます。50位より下で長く止まっている記事は、狙う検索語自体が合っていない場合が多く、新しい検索語で作り直すほうが結果につながります。
上がりません。広告の出稿と自然検索の順位は別の仕組みで決まります。ただし、広告の検索語ごとの反応を見ると、どの検索語で問い合わせが起きやすいかがわかるため、記事を作る検索語を選ぶ材料としては使えます。
作り方次第です。Googleは制作手段ではなく、読む人の役に立つ内容かどうかで評価すると説明しています。事実確認をせずに公開すると誤りが混ざりやすいため、公開前に人が内容を確認する工程は残してください。
まとめ|上位表示は対策の数より条件の見極めで決まる
上位表示は、やるべきことを数多く並べた一覧を上から消していく作業ではありません。検索語の適性、ページの完成度、サイトの評価という3つの条件のうち、どれが欠けているかを先に特定する。順番はこの通りで、入れない検索語を選んだままでは、どんな施策も順位に届かないというのが実務での結論です。
今日からできることを1つ挙げるなら、狙っている検索語を実際に検索して、上位10件の顔ぶれを見ることです。自社と同じくらいの規模、同じ性格のサイトが1件も入っていないなら、記事を書く前に検索語を選び直したほうが、同じ時間から得られるものが変わります。
私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作と検索対策の支援を行っています。狙う検索語の絞り込みから記事の制作、公開後の順位の切り分けまで、どこから手をつけるかがはっきりしない段階からのご相談も受けています。社内で答えが出ない箇所があれば、現状の数字を見ながら一緒に整理するところから始めましょう。








