「キラーコンテンツは、『目玉』と言い換えれば伝わる」。類語辞典を引くと似た意味の言葉が一覧で並ぶため、資料の中の「キラーコンテンツ」を一語で差し替えれば済むように見えます。ところが「目玉商品」は、辞書では客寄せのために用意した超特価品も指す言葉です。
しかし、これまで多くの企業と問い合わせにつながる記事を企画してきた弊社の立場から言えるのは、キラーコンテンツの言い換えは使っている意味で選ぶということです。人を集める魅力という意味なら類語の一語で足りますが、購入や問い合わせの決め手になるページを指すなら、一語の類語では伝わりません。
本記事では、キラーコンテンツの2つの意味から、意味ごとの言い換えと例文、言い換えに使えない似た言葉、英語での言い方まで、記事の企画を依頼される側の視点でお伝えします。
- 人を集める魅力の意味なら「呼び物」「看板」、利益の柱の意味なら「稼ぎ頭」「ドル箱」に言い換えられる
- 「目玉商品」は値引きした特価品の意味も持つため、値引きの印象を避けたい資料には向かない
- マーケティングの意味なら、「問い合わせの直前に読まれる導入事例」のように、読まれる時点とページの種類を書く
- 人気記事・ピラーページ・LPは、キラーコンテンツの言い換えにならない
- 英語では、製品が売れる理由になったソフトをkiller appと呼ぶ
キラーコンテンツの2つの意味
キラーコンテンツには、人を集める魅力的な情報やサービスという辞書の意味と、Webマーケティングで購入や問い合わせの決め手になるコンテンツという意味の2つがあります。言い換えに使える言葉は、どちらの意味で使っているかで変わります。
デジタル大辞泉は、キラーコンテンツを「ある分野において、集客する力のある魅力的な情報やソフトウエアなどのこと」と説明しています。例に挙がっているのは、テレビ放送でのスポーツの人気チームの試合放映です。日本大百科全書(ニッポニカ)は、特定のものを普及させる決め手になったサービスや情報、商品と説明しています。

※ 出典:コトバンク「キラーコンテンツ」(小学館「デジタル大辞泉」、「日本大百科全書(ニッポニカ)」)
Webマーケティングでは、サイトに来た人が購入・問い合わせ・資料請求を決める前に読むページを、キラーコンテンツと呼びます。BtoBのサイトなら、導入事例・料金表・他社製品との比較表がよく当てはまります。辞書の意味が人を集める力を指すのに対し、マーケティングの意味は、集まった人に決めてもらう力を指します。

辞書の意味で使うときの言い換え
辞書の意味で使うキラーコンテンツは、人を集める魅力なら「呼び物」「看板」、利益の柱なら「稼ぎ頭」「ドル箱」、競争に勝つ手段なら「切り札」「決め手」に言い換えられます。6つの言葉の意味と例文は次のとおりです。
言い換え | 辞書での意味 | 例文 |
|---|---|---|
呼び物 | 興行や催し物で、評判を呼んで人を集めるもの | 今回の展示会の呼び物は、新製品の実演です |
看板 | 人気があり、主力となる人や商品 | 創業以来の看板商品を、春に刷新します |
稼ぎ頭 | 業界や企業の中で、最も収益をあげているもの | 定期購入のプランが、当社の稼ぎ頭です |
ドル箱 | 多くの利益をもたらす人や商品 | 年末の贈答用セットは、毎年のドル箱商品です |
切り札 | とっておきの有力な手段 | 新規顧客を増やす切り札として、無料診断を始めます |
決め手 | 勝ち負けを決める手段、またそのよりどころ | 契約の決め手になったのは、導入後の支援体制でした |
「呼び物」は展示会やキャンペーンのように期間が決まった催しに使い、「看板」は長く売り続ける主力の商品やサービスに使います。「稼ぎ頭」と「ドル箱」は利益の大きさで選ばれたものを指すため、人を多く集めていても利益が小さいものには使いません。
「目玉」もキラーコンテンツの言い換えに使えますが、値引きの印象を持たれることがあります。デジタル大辞泉は「目玉商品」を、商店の特売などで客寄せのために用意した超特価品と説明し、売り込みの中心に据えるものという意味を2つ目に挙げています。値引きの印象を避けたい資料では、「目玉」より「看板」が合います。
マーケティングで使うときの言い換え
マーケティングの意味でキラーコンテンツを言い換えるなら、読者がページを読んで何を決めるかを書く言い方が伝わります。「呼び物」や「看板」は人を集める側の言葉なので、集まった人に決めてもらうページの役割までは伝わりません。
資料を読む人ごとの言い換え
マーケティングの意味での言い換えは、資料を読む人によって次の3通りに分かれます。CV(購入や問い合わせなど、サイトの成果として数える行動)が通じる相手かどうかと、ページの種類まで決まっているかどうかで分けています。
資料を読む人 | 言い換えの例 |
|---|---|
マーケティング担当者 | CVにつながるコンテンツ、CVの直前に読まれるページ |
営業・経営層 | 購入の決め手になるコンテンツ、問い合わせの前に読まれるページ |
外注先・制作会社 | 導入事例、料金表、製品比較表など、ページの種類の名前 |
社内では「キラーコンテンツ」で通じています。わざわざ言い換える必要はありますか。
編集部
マーケティング担当の間で同じページを指せているなら、社内の会話はそのままでかまいません。言い換えたほうがよいのは、営業や経営層、外注先が読む資料です。記事の企画の相談でも、キラーコンテンツと聞いてアクセスの多い記事を思い浮かべる方と、事例のページを思い浮かべる方がいて、どちらを指すかで作る記事が変わります。言葉を残したいときは、初めて出す箇所に「問い合わせの前に読まれる導入事例(キラーコンテンツ)」と役割を書き添えます。
言い換えを決める3つの手順
マーケティングの意味での言い換えは、読まれる時点、読者が決めること、ページの種類の3つを順に書き出すと決まります。
サイトに来た人が言い換えたいページをいつ読むかを、「比較検討の途中」「問い合わせの直前」のように購入までの段階で書きます。アクセス解析で、問い合わせをした人が直前に見ていたページを調べると、時点を推測でなくデータで書けます。
読者がページを読んで決めることを書きます。依頼先を絞る、料金プランを選ぶ、問い合わせるかどうかを決める、のどれに当たるかを書けば、ページに載せる中身も決まります。
導入事例、料金表、製品比較表のように、ページの種類の名前を書きます。種類の名前まで書くと、制作を頼まれた人が何を作るかを決められます。
たとえば企画書の「キラーコンテンツを強化する」を3つの手順で書き直すと、「問い合わせの直前に読まれている導入事例を、業種ごとに増やす」になります。
検討の段階ごとにどの記事でCVを増やすかは、SEOのCVとは?増えない原因と検討段階別の改善手順を解説で詳しく解説しています。
問い合わせの直前に読まれているページを、名前で挙げられますか
キラーコンテンツを言い換えようとして、どのページを指すのか答えられないときは、決め手になるページがまだ決まっていません。弊社のSEOキーワード戦略設計では、問い合わせにつながる検索キーワードを洗い出し、比較検討している読者に向けてどの記事を書くかを決めます。
言い換えに使えない似た言葉
人気記事・ピラーページ・LPは、キラーコンテンツと同じ話の中で出てくることがありますが、ページの役割が違うため言い換えには使えません。3つとの違いは、ページが購入や申し込みを決める材料になるかどうかで見分けられます。
人気記事
人気記事は、アクセスの多さで選ばれた記事で、マーケティングの意味のキラーコンテンツとは選ばれ方が違います。「SEOとは」のように用語の意味を調べに来た人が多く読む解説記事は、アクセスが多くても、読者の多くはまだ依頼先を探していません。アクセスの多さでなく、購入を決めた人に読まれたかで見分けます。
ピラーページ
ピラーページ(ピラーコンテンツ)は、1つのテーマの全体を扱い、関連する個別の記事へ内部リンクでつなぐ中心のページです。ピラーページは、読者に購入を決めてもらうことを目的にしたページではありません。
LP(ランディングページ)
LPは、広告などから来た人に、申し込みや購入など1つの行動をしてもらうために作る1枚のページです。LPが申し込みを受け付けるページなのに対し、キラーコンテンツは、申し込むかどうかを決める材料になる事例や比較表を指します。

英語でのキラーコンテンツの言い方
英語でキラーコンテンツに近い意味を持つのは、日本語でもキラーアプリと呼ぶkiller appです。ケンブリッジ英語辞典は、killer appを、とても人気があるか役に立つソフトウエアで、特に人が特定のコンピューターや携帯電話を買う理由になるものと説明しています。

※ 出典:Cambridge Dictionary「killer app」
英語のkillerには、くだけた言い方で「とても良い、すごい」という意味もあり、killer contentは「とても良いコンテンツ」としては通じます。ただし、購入の決め手というマーケティングの意味までは伝わりません。英語の資料でマーケティングの意味を伝えるなら、購入の直前の段階の読者に向けたコンテンツを指すBOFUコンテンツ(bottom of the funnel content)のほうが、意味を取り違えられにくいでしょう。
まとめ|キラーコンテンツは意味と役割で言い換える
キラーコンテンツは、使っている意味とページの役割で言い換えます。人を集める魅力の意味なら「呼び物」「看板」、利益の柱なら「稼ぎ頭」「ドル箱」が使え、「目玉」は値引きの印象を避けたい資料では使いません。マーケティングの意味なら、一語の類語を探すより、読まれる時点と読者が決めること、ページの種類を書くほうが伝わります。
私たち合同会社Writers-hubは、企業のオウンドメディアで、比較検討している読者が読む記事を企画し、制作してきました。どのページを購入の決め手として育てるかを決めるところから、ご相談いただけます。
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