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RankBrainとは?仕組みとSEOで実際にやるべきことを解説

RankBrainは順位を上げるための施策名ではなく、検索語と内容を意味で結びつけるGoogleの仕組みのひとつです。結論を先にお伝えすると、必要なのは「RankBrain対策」を足すことではなく、同じ検索意図で分かれてしまった記事を1本に束ね、その意図に最後まで答え切る形へ直すことだと考えています。

検索窓に入力された言葉が意味の近い言葉のかたまりへ広がり、関連するページ群へ結びついていく様子を表した図。中央にRankBrainが担う処理の層を置く。

「RankBrainという名前がついているなら、それ向けの対策もあるはずだ」。そう考えてこの単語を検索した方は少なくないはずです。SEOの世界には長いあいだ、アルゴリズムに名前が付くたび「パンダ対策」「ペンギン対策」と専用メニューを組む慣習がありました。その慣れが残っているぶん、RankBrainも同じ列に並ぶものだと受け取られやすいのです。

しかし、検索から読まれる記事を数多く設計してきた弊社の立場から言えるのは、RankBrainは施策の対象ではなく、Googleの評価軸が語の一致から意味の一致へ動いた合図だということ。対策項目が1つ増えたのではなく、キーワードを何回入れるかという発想が効かなくなった、という話に近いと見ています。

本記事では、RankBrainの定義と動き方、BERTやMUMとの役割の違い、そして「3番目に重要」という説の出どころまで、記事制作の現場で何が変わったのかを順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • RankBrainがGoogleの順位づけのどこを担う仕組みなのか
  • 単語を概念として扱う3つの動き方と、順位づけへの関わり方
  • BERT・ニューラルマッチング・MUMとの役割の違い
  • 記事設計で実際に変える点と、効果が出ない3つの対応

RankBrainとは何を指すのか

RankBrainは、Google検索の順位づけに関わる仕組みのうち、言葉の意味を扱う部分を担う機械学習システムです。Googleの公式な解説では、単語がコンセプト(概念)とどう関係しているかを理解するためのAIシステムだと説明されています。

押さえておきたいのは、RankBrainは検索アルゴリズム全体の名前ではなく、その中の一部品だという点です。低品質なページを下げるパンダやペンギンとも役割が違うため、「RankBrainでペナルティを受ける」という言い方は成立しません。

Googleの順位づけの仕組みの中でRankBrainが担う範囲

Googleが公表した2015年の経緯

2015年10月、海外メディアの取材に応じたGoogleの研究者が、順位づけに機械学習を組み込んでいることを明かしました。それまでの順位づけは、人が設計したルールの積み重ねで動くものと理解されていたのです。機械が自分で判断の基準を学ぶ部分がある、と公にされたのがこのときでした。

ハミングバードとの関係

2013年のハミングバードは、検索語を単語の羅列ではなく1つの文として扱う方向へ舵を切った大規模な改修でした。RankBrainは、その文脈理解の一部を機械学習で担うものとして後から加わっています。

ただし実務では、ここから語り始める必要はほとんどありません。Googleの現在のランキングシステム一覧では、ハミングバードは廃止されたシステムの欄に記録として残っています

ランキングシステム一覧での扱い

一方のRankBrainは、同じ一覧の現役の欄に掲載されたままです。名前だけが残った過去の遺物ではなく、いまも順位づけに関わっていると読み取れます。

一覧に載っていることと、影響の大きさは別の話です。どのシステムが順位にどれだけ効くかという配点は公開されていません。「RankBrainの比重は何割」という数字は、誰かの推測だと考えてよい部分です。

一次情報はGoogleの検索セントラルにまとまっています。

Google 検索ランキング システムのご紹介 | Google 検索セントラル | Documentation | Google for Developers
コア ランキング システムの一部を担うシステムなど、Google 検索の重要なランキング システムについてご覧ください。これらのシステムは、クエリに対する検索結果を生成する基盤となるテクノロジーです。
🌐 developers.google.com
外部リンク

関連記事:【2025年最新版】初心者でもできるSEOのやり方完全ガイド | 上位表示するための具体的な方法を徹底解説

RankBrainが動く3つの仕組み

では、単語を概念として理解するとは具体的にどんな処理なのか。公開されている説明から読み取れる動きは、大きく3つに分けられます。

単語とコンセプトの近さ

機械は「引っ越し」と「転居」が似た意味だと、最初から知っているわけではありません。膨大な文章の中でその語がどんな語と一緒に現れるかを数値の並びに置き換え、近い位置にある語を近い意味として扱います。この数値の並びをベクトルと呼びます。

Web担当者Web担当者

単語を数値に置き換えると言われても、正直なところ実感が湧きません。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

地図の座標に置き換えると近いです。「引っ越し」と「転居」は隣、「引っ越し」と「株価」は遠くに置かれます。座標が近ければ、片方の語で検索した人にもう片方の語で書かれたページを出せます。

同義語を置いておく作業が単純な言い換え以上の意味を持つのは、このためです。

見たことのない検索語への対応

Googleは、毎日発生する数十億件の検索のうち15%は過去に一度も見たことのない組み合わせだと公表しています。

※ 出典: Google「Understanding searches better than ever before」(2019年10月・Pandu Nayak氏)

一致するデータが無い検索に、既知の語との意味の近さから候補を組み立てる。ここが主な役目です。単語が全部そろうページを探すのではなく、意味の近い解説ページを候補に含められます。

順位づけへの関わり方

誤解が生まれやすいのはこの点です。RankBrainは順位を直接決める採点者ではありません。検索語の意味を解釈し、候補となるページ群を関連づける側の仕組みです。並び順は、リンクの評価、内容の有用性、鮮度、スパム判定など複数のシステムの組み合わせで決まります。

RankBrainが見ているのは単語ではなく単語同士の関係です。

💡

①単語を概念の座標に置き換える、②未知の検索語を既知の語との近さから解釈する、③その意味に沿って候補ページを関連づける。順位そのものを決めるのは全体です。

独立した3機能ではなく、検索語が入ってから候補が並ぶまでの一続きの流れです。

検索語が意味の近い概念に広がり候補ページに結びつく流れ

関連記事:検索エンジンの仕組みとは?基本からSEO対策のポイントまで徹底解説

RankBrainで検索結果はどう変わったか

現場から見て変化がはっきり出たのは、順位そのものより「同じ検索語で上位に並ぶページの顔つき」でした。

  • 同じ意味の言い回しなら、検索語と表記が違っても上位に出るようになった
  • 出現回数を増やすだけでは順位が動かなくなった
  • 検索語を文章のまま打つ人が増え、それに答えるページが評価されるようになった
  • 1つの検索語に対し、Googleが想定する答えの型(定義・手順・比較)が絞られてきた

とりわけ見落とされがちなのが4つめです。定義を求められている語に比較表を並べても、上位のページとかみ合いません。狙う語を決めた次に答えの型を決める順番が効くのは、ここです。

関連記事:SEOの費用対効果とは?計算方法や高める方法を徹底解説

RankBrainとBERTとMUMの違い

言葉を理解するAIシステムはRankBrainだけではありません。似た文脈で語られるため混ざりやすいのですが、Googleの説明を並べると役割の分担がはっきりします。

主に理解する対象公表現在の位置づけ
RankBrain単語とコンセプトの関係2015年順位づけの現役システム
ニューラルマッチング検索語とページのコンセプトの結び付け2018年順位づけの現役システム
BERT単語の組み合わせが表す意味と意図2019年順位づけと強調スニペットに使用
MUM言語の理解と生成の両方2021年順位づけ全般には使わず特定用途のみ

裏を返せば、RankBrainとBERTは競合していません。前者は語と概念の距離を扱い、後者は語の並び方が生む意味を扱います。GoogleはBERTの導入で、米国英語の検索10件に1件で理解が改善すると説明していました。MUMは順位づけ全般には使わないと明記されており、「MUM対策」は成り立ちません。

Understanding searches better than ever before
How new advances in the science of language understanding will help you find more useful information in Search.
🌐 blog.google
外部リンク

「3番目に重要」という説の出どころ

RankBrainを扱う日本語の記事では、「SEOで3番目に重要なアルゴリズム」という説明がほぼ必ず登場します。順番まで示されると具体的に聞こえるので、社内資料にそのまま転記されがちな表現です。

ただ、この数字をたどると、Googleが公式ドキュメントで順位を付けて発表したものではありません。2015年にRankBrainの存在を報じた海外メディアの記事の中で、検索結果に寄与する3番目に重要なシグナルだと紹介された一文が元になっています。「3番目」はGoogleの公式発表ではなく報道の一文です。

では、この数字をどう扱えばよいか。10年以上前の一報を現在の配点として引用するのは無理があり、施策の優先順位を決める根拠には使えません。

「RankBrainは3番目に重要だから優先度を上げるべき」という提案を受けたら、何を根拠にした数字か確認してよい箇所です。根拠が2015年の報道1本なら、その提案は別の理由で評価しましょう。

RankBrain対策という発想の落とし穴

ここまでの整理を、施策の話に移します。RankBrainに対して個別にできる操作は、公開されている情報の範囲では見当たりません。管理画面も設定項目もなく、評価の重みも公表されていないためです。

経営者経営者

制作会社から「RankBrain対策」という名目で提案を受けたのですが、あれは何をしていたのでしょうか。

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編集部

中身を見ると、ほとんどが検索意図の整理と記事の統合・分割でした。作業そのものは妥当なことが多いのです。ただ、RankBrain向けの特別な手当てではなく、意味で評価される検索に合わせた通常の設計にすぎません。名前を付けて特別扱いすると、優先順位のほうが狂います。

何が問題になるのか。「RankBrain対策」という枠を作ると、その枠に入る作業だけが対策に見えてしまう点です。順位が動かない原因は、たいてい別のところにあります。同じ検索意図の記事が3本に分かれている、タイトルに読者が使う言い換えの語が入っていない、答えが記事の終盤まで出てこない。対策すべきはRankBrainではなく一つの検索意図という整理に戻すほうが、手が早く動きます。

同じ検索意図の記事が何本に分かれているか、把握できていますか

意味で解釈される検索では、似た記事を増やすほど1本あたりの評価が薄まります。どの意図で束ね、どこを1本に統合するかは、検索結果の実際の並びを見てから決めましょう。

意味の一致を作る記事設計の手順

順序に落とします。弊社が新しい記事に取りかかるときの手順です。

1
STEP
答えの型を先に決める

単語1つで検索される語では、読者が求めるのは定義と動き方、そして自分の仕事に何が関係するかです。定義型か手順型か比較型かを最初に決めます。型が決まらないまま書くと、見出しが読者の疑問順に並びません。

2
STEP
読者が使う言い換えの語を本文に置く

同じ意味の別表現を意識して配置します。この記事なら「ランクブレイン」「機械学習」「検索意図」です。判断基準は回数ではなく、その語を使わないと説明できない箇所にあるかどうかです。

3
STEP
一つの意図に一つのページで答え切る

似た検索意図で記事が分かれていれば統合します。判断は語数ではなく、読者の疑問が1本で尽きるかどうかです。一つの意図に一つのページで答え切るが基本形になります。

4
STEP
公開後に実際の検索語で見出しを足す

Search Consoleを見ると、書いていない切り口で表示されている語が見つかります。表示はあるのにクリックが少ない語は、答えが無いか浅い箇所です。その語に答える見出しを足します。

4つめは公開後の作業ですが、ここを回すかどうかで差が出ます。

検索意図の整理から記事の統合と見出し追加までの流れ

実際に止まりやすいのは、2つめから3つめに移るところです。統合の対象は決まっても書き直す時間が取れない、という相談が多くあります。

統合すべき記事は見えている、ただ書き直す手が空かないという段階でしょうか

弊社は検索結果の並びを確認したうえで構成から原稿まで作るため、既存記事の統合と書き直しからのご依頼も可能です。社内で書き切る体制を残したい場合は、型づくりだけの支援も選べます。

やっても効かない3つの対応

逆側からも線を引いておきましょう。RankBrainの名前で語られやすいものの、順位への効果が期待しにくい対応が3つあります。

  • 同じキーワードを本文に決められた回数まで入れる
  • クリック率や滞在時間を上げる目的で、内容と合わないタイトルを付ける
  • アルゴリズムの名前ごとにチェックリストを分けて運用する

1つめは、意味で解釈される仕組みの前提と真逆の作業です。2つめについて、Googleはクリック率や滞在時間を順位づけに直接使うという説明を公式ドキュメントで行っていません。検索結果での見え方を良くする施策としては意味がありますが、RankBrainに効く操作と考えると、内容と合わないタイトルを付ける動機になってしまいます。

3つめが実務でいちばん時間を奪います。名前ごとに管理表を分けると、同じ「検索意図の整理」が複数の表に重複して現れ、どれが終わったのか追えません。管理の単位は検索意図と記事の対応関係に置くほうが、運用が続きます。

RankBrainについてよくある質問

相談を受けるなかで繰り返し聞かれる質問を整理しました。

RankBrainは現在も稼働していますか。

稼働しています。Googleのランキングシステム一覧で、廃止された欄ではなく現役のシステムとして掲載されています。ただし順位への影響の重みは公開されていません。

RankBrain対策としてロングテールキーワードを増やすべきですか。

機械的に増やす必要はありません。意味の近い検索はまとめて1本で受けられるため、記事を分けるほど1本あたりの評価が薄まります。判断基準は語数ではなく、読者の疑問が1本で尽きるかどうかです。

BERTが登場したのでRankBrainは役目を終えたのですか。

置き換わってはいません。RankBrainは単語とコンセプトの関係を、BERTは単語の組み合わせが表す意味を扱います。Googleの一覧では両方が現役です。

AI検索への対応は別に考えるべきですか。

大きく分ける必要はないと見ています。どちらも検索語の意味を解釈して答えを組み立てる方向にあるためです。一つの意図に答えが完結しているページは、どちらでも扱われやすくなります。

まとめ|RankBrainは「対策」より「設計」

RankBrainは、2015年にGoogleが公表した機械学習の仕組みで、単語とコンセプトの関係を理解する役割を担います。現在も現役のシステムとして一覧に掲載されており、廃止されたハミングバードとは扱いが違うのです。ただし順位への配点は公開されておらず、「3番目に重要」という数字も報道由来の一文でした。

①RankBrainは施策ではなく評価軸の変化として読む、②検索意図ごとに記事を束ねて1本で答え切る、③公開後にSearch Consoleの検索語から足りない見出しを補う。この3つに絞れば迷いません。

アルゴリズムの名前が増えるたびに対策メニューを足すやり方は、管理の手間だけが積み上がります。名前ではなく、読者が何を知りたくて検索したのかという1点に施策を寄せるほうが、検索でも生成AIの回答でも扱われやすいページになると考えています。

私たち合同会社Writers-hubは、キーワード戦略の設計から記事の制作、公開後の見直しまでを手がけています。

関連記事:SEOとは?順位が決まる仕組みと最初にやる4つをわかりやすく解説

自社の記事が検索意図ごとに整理できているか、一度見てほしいという段階でしょうか

どの記事を統合すべきか、何を新しく書くべきか。判断の前に現状を整理したい段階でも構いません。サイトの規模と既存記事の本数をうかがい、先に手を付けるべき箇所からお伝えします。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

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