「セールスライティングは、売り込みのうまいキャッチコピーを考える技術」。セールスもコピーも広告の言葉を思わせるため、印象に残る一言をひねり出す技術だと思われがちです。ところが、セールスライティングが扱うのは一言ではなく、読んだ人が悩みを自分のことだと感じてから、申込みボタンを押すまでの文章全体です。
本記事では、セールスライティングの意味とコピーライティングとの違いから、基本の型、申込みが来ない文章の見直し方まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 意味:読んだ人に購入や申込みをしてもらうための文章術
- コピーライティングとの違い:一言の印象より、申込みまでの流れを重く扱う点
- 基本の型:悩みの提示から行動の呼びかけまでの6つの段階
- ブログ記事での使い方:答えを書き終えた後の案内に絞る使い方
- 申込みが来ないときに見直す場所:冒頭、根拠、申込みの条件の3か所
セールスライティングとは購入や申込みを促す文章術
セールスライティングとは、読んだ人に商品の購入やサービスの申込みという行動を起こしてもらうための文章術です。商品ページやLP、メルマガ、営業メールのように、読んだ後に申し込んでほしい文章で使います。
セールスライティングで書くのは、目を引く一言だけではありません。冒頭の見出しから、商品で悩みが解決する理由、価格や申込みの条件、申込みボタンの文言までが書く範囲です。読者が買うかを決めるときに知りたい順に、情報を並べる文章術と言えます。
セールスライティングは、売り込みの上手な文章を書く技術のことですか。
編集部
売り込む文章であることは確かです。ただ、申込みが増えるかどうかは言い回しの上手さより、読者が知りたい順に悩み、解決策、根拠、条件が並んでいるかで変わります。
セールスライティングとコピーライティングの違い
セールスライティングとコピーライティングの違いは、読んだ人に購入や申込みという行動まで求めるかどうかです。
コピーライティングは、広告の文章を書くこと全般を指す言葉です。日本では、キャッチコピーのような短い言葉で商品や会社を印象づける広告の意味で使われることが多くあります。セールスライティングは、コピーライティングのうち購入や申込みを目的にした文章を指し、セールスコピーライティングとも呼ばれます。
比べる点 | セールスライティング | コピーライティング(キャッチコピーなど) |
|---|---|---|
目的 | 購入や申込みをしてもらう | 商品や会社を覚えてもらう |
主な文章 | 商品ページ、LP、メルマガ、営業メール | キャッチコピー、ポスター、テレビCMの言葉 |
長さ | 読者が決めるのに要る分だけ長くなる | 一言から数行 |
成果の測り方 | 申込みや購入の数で測れる | 売上への影響を切り分けにくい |
セールスライティングは、一言の印象より行動までの流れを重く扱います。キャッチコピーで目を止めた読者が申し込むかどうかは、キャッチコピーの後に続く根拠や条件の文章で決まります。

セールスライティングの基本の型と書く順番
基本の型は、読者の悩みを言い当てる問題提起から始まり、行動の呼びかけで終わる6つの段階に整理できます(段階の分け方は、商品ページを見直しやすいようにまとめたものです)。読者が買うかを決めるときに抱く疑問の順に並べているため、段階を1つ飛ばすと、飛ばした段階の疑問が残り、離脱の一因になります。
読者が抱えている悩みを、読者が使う言葉で書きます。商品の名前や会社の紹介は、まだ書きません。
悩みを放っておくと、仕事や暮らしで何が起き続けるかを書きます。事実と違う不安をあおる書き方はしません。
悩みがなぜ商品で解決するのかを、商品の仕組みや使い方で説明します。
導入した数やお客様の声など、悩みが解決すると信じられる材料を出します。
価格や対象になる人、申し込んだ後の流れなど、申し込む前に読者が確かめたい条件を書きます。
今してほしい行動を1つに絞り、ボタンを押すと何が起きるかを書きます。
名前の付いた型は、書く順番や向いている文章が違います。よく使われる3つの型の順番は、次のとおりです。
型 | 書く順番 | 向いている文章 |
|---|---|---|
新PASONAの法則 | 問題、親近感、解決策、提案、絞り込み、行動 | 悩みをまだ言葉にできていない読者に向けた商品ページやLP |
AIDA | 注意、関心、欲求、行動 | 短い広告やメルマガ |
PREP法 | 結論、理由、具体例、結論 | 営業メールや提案書の説明 |
LPでどの型を選ぶかは、読者が悩みをどこまで自覚しているかで変わります。選び方はLP構成の法則は5つの型から選ぶ|商材別の使い分けと手順にまとめています。

セールスライティングを使う3つの場面
セールスライティングを使う場面は、読者が買うかを決める段階にどれだけ近いかで、次の3つに分かれます。
場面 | 読者の状態 | 使い方 |
|---|---|---|
商品ページ、LP、チラシ | 買うかを決めるために読んでいる | 6つの段階をすべて入れ、1つの文章で申込みまで書く |
メルマガ、営業メール | 関心はあるが、今は決めていない | 1通で呼びかける行動を1つに絞る |
ブログ記事 | 疑問の答えを探している | 最後の数行に、条件と行動の呼びかけを書く |
とりわけ見落とされがちなのが、ブログ記事での使い方です。検索から来た読者は、商品ではなく疑問の答えを探しています。答えより先に商品を勧めると、読者は答えが書かれた別のページへ移ります。
ブログ記事では、答えを書き終えた後の案内にだけ使います。記事の本文は、検索した人の疑問に答えるSEOライティングで書きます。そのうえで最後の案内に、基本の型の「申込みの条件の提示」と「行動の呼びかけ」の2つの段階を使うと、読者は答えを得てから次の行動を選べます。
申込みが来ない文章で読者が止まる3つの理由
申込みが来ない文章では、読者が「読む」「信じる」「行動する」のどこかで止まっています。読み手の「読まない・信じない・行動しない」は、セールスライティングで「3つのNOT」と呼ばれます。

冒頭で自分の話だと思えないから
読者が冒頭で読むのをやめるのは、見出しやメールの件名を読んでも、自分の悩みの話だと分からないからです。商品名や会社の紹介から始まる文章は、商品をまだ知らない読者には、自分と関係のない話に見えます。
たとえば「業務効率化ツール」とだけ書かず、「毎月の請求書づくりに丸1日かかっている経理担当の方へ」と書くと、当てはまる読者は自分の話だと分かります。悩みの言葉は、お客様からの問い合わせの文面や商談のメモから拾うと、読者が実際に使う言葉になります。
書かれた効果を信じられないから
読者が効果を信じないのは、効果だけが書かれていて、なぜ効くのかと、効いた人がいる証拠が書かれていないからです。根拠には、商品の仕組みの説明や、導入した数のような実績があります。お客様の声は個人の体験を示す材料で、それだけでは一般的な効果の根拠になりません。
向いていない人や、効果が出るまでにかかる時間も書きます。良い点だけが並んでいると、読者は欠点を自分で探しに口コミや比較サイトへ移るためです。
申し込む手順や条件が分からないから
買いたいと思った読者が申し込まないのは、申し込んだ後に何が起きるか分からないからです。価格に何が含まれるか、申込みの後に誰から連絡が来るか、やめるときの条件などを、申込みボタンの近くに書きます。
ボタンの文言も、押した後に起きることが分かる言葉にします。「送信」とだけ書かず「見積もりをメールで受け取る」と書くと、読者は営業の電話がかかってくるかを気にせずに押せます。
商品ページを読んだ人が、どこで読むのをやめているか分かりますか
今の商品ページか申込みページのURLと、申込みの前にお客様から届いた質問を、相談フォームに書いてください。ご相談は無料で、オンラインで30分程度です。
セールスライティングで守る景品表示法のルール
セールスライティングで書く商品の品質や価格の表示は、景品表示法の不当表示の規制を受けます。
景品表示法が禁じる不当表示のうち、セールスライティングに関わりが深いのは次の2つです。
不当表示 | 禁じられている表示 | 例 |
|---|---|---|
優良誤認表示 | 品質や規格などを、実際のものより著しく優良だと示す表示、または事実に反して競争事業者のものより著しく優良だと示す表示 | 人造ダイヤを使ったネックレスを、天然ダイヤを使ったものとして表示する |
有利誤認表示 | 価格などの取引条件を、実際のものより著しく有利だと誤認させる表示、または事実に反して競争事業者のものより著しく有利だと誤認させる表示 | 基本の価格を載せずに「今なら半額」と表示し、実際には半額と言えない料金で売る |
(参考:優良誤認とは(消費者庁))
(参考:有利誤認とは(消費者庁))
どちらの不当表示も、故意でなく誤って表示した場合も規制の対象になります。品質や効果をうたう表示については、消費者庁が期間を定めて、裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることがあります。資料を出さない、または合理的な根拠と認められない場合、措置命令では不当表示とみなされ、課徴金納付命令では不当表示と推定されます。
「満足度第1位」「業界最高水準」のような言葉や、導入した数、お客様の声は、裏付けの資料や実際の記録があるものだけを書きます。
セールスライティングのよくある質問
セールスライティングのよくある質問は、次の3つです。
長い文章のほうが売れる?
文章の長さで売れ行きは決まりません。読者が買うかを決めるのに要る情報の量で、文章の長さが決まります。価格が高い商品や、初めて買う種類の商品ほど、読者が確かめたい点が増えるので長くなります。価格が安く、読者がすでに使い方を知っている商品なら、短い文章で足ります。
BtoBの商材にも使える?
BtoBの商材にも使えます。BtoBでは、文章を読んだ担当者が一人で申込みを決められず、社内で説明してから決めることがあります。担当者が社内で説明できるように費用の内訳や導入の手順を載せ、呼びかける行動は、資料請求や見積もりの依頼のように担当者が今できる行動にします。
AIに書かせても大丈夫?
AIは下書きには使えます。ただし、AIが書いた数字やお客様の声、価格の条件は、実際の記録と照らして人が確かめてから公開します。AIは、ありそうな数字や声を作って書くことがあり、景品表示法の不当表示は、故意でなく誤って表示した場合も対象になるためです。
セールスライティングの型を、自社のどの文章から当てはめるか迷っていませんか
商品ページ、メルマガ、営業メールなど、申込みにつなげたい文章のURLか原稿を、相談フォームに書いてください。ご相談は無料で、オンラインで30分程度です。
まとめ|セールスライティングは一言より行動までの流れ
セールスライティングは、読んだ人に購入や申込みという行動を起こしてもらうための文章術です。キャッチコピーのような一言の印象より、行動までの流れを重く扱う点が、コピーライティングとの違いです。
自社の文章に使うときは、悩みの提示から行動の呼びかけまでの6つの段階で書きます。申込みが来なければ、冒頭、根拠、申込みの条件のどこで読者が止まっているかを見直します。
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