「タイアップ記事なら、広告らしさを出さずに、媒体の記事として商品を紹介してもらえそう」。タイアップ記事の解説や媒体の案内では、普段の記事と同じ形で読まれることが利点として紹介されるため、広告だと気づかれにくいと思われがちです。ところが、2023年10月1日からは、広告であることが読者に分からない広告は景品表示法の規制の対象です。規制を受けるのは、記事を書いた媒体ではなく、原則として広告主です。
本記事では、タイアップ記事の意味と記事広告との違いから、料金の決まり方、頼む前に確かめるポイントまで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- タイアップ記事は、媒体の編集部が広告主の依頼と費用を受けて、普段の記事と同じ形で作る広告です
- 記事広告は記事の形をした広告の総称で、タイアップ記事は記事広告のうち媒体が企画と制作を受け持つものです
- 料金は、掲載料、制作費、記事への案内・配信の費用の3つの内訳で決まります
- 広告であることの表示を付けるのが媒体でも、景品表示法の規制を受けるのは原則として広告主です
- 頼む前に、媒体の読者層、計測指標、制作の分担、広告表示、掲載期間と二次利用を確かめます
タイアップ記事とは媒体と広告主が組んで作る記事広告
タイアップ記事は、媒体と広告主が組んで作る記事形式の広告です。広告主が料金を払って商品やサービスの紹介を頼み、媒体の編集部が普段の記事と同じ構成と書き方で記事を作って、自分の媒体に載せます。
「タイアップ」は提携を意味する英語のtie-upから来た言葉で、映画と商品、楽曲とCMのような企業どうしの提携全般にも使われます。
広告主と媒体が受け持つことを4つの段階で分けると、次の表のとおりです。
段階 | 広告主 | 媒体 |
|---|---|---|
費用 | 掲載料と制作費を払う | 料金と掲載の条件を示す |
企画 | 目的、届けたい読者、伝えたいことを伝える | 媒体の読者に合わせた記事の切り口を提案する |
制作 | 取材に応じ、商品の情報を渡す | 必要に応じて取材、撮影を行い、原稿を作成する |
掲載 | 掲載前に原稿を確かめる | 広告であることの表示を付けて公開する |

タイアップ記事と記事広告や取材記事の違い
タイアップ記事と記事広告の違いは、記事を作るのが媒体の編集部かどうかにあります。記事広告は記事の形をした広告の総称で、広告主が用意した原稿を媒体の広告枠に載せる形も含みます。タイアップ記事は、記事広告のうち、媒体の編集部が企画と制作を受け持つものを指すのが一般的です。
ただし、記事広告とタイアップ広告を同じ意味で使う媒体もあり、編集部が作る形を「編集タイアップ」と呼んで分ける媒体もあります。原稿を誰が作るかは、媒体資料で確かめます。媒体資料は、媒体が広告主に向けて読者層や料金をまとめた資料です。
取材記事は、媒体が自分の判断で取材して書く記事で、広告ではありません。タイアップ記事を含む3つの形を比べると、次のとおりです。
| タイアップ記事 | 広告主が原稿を作る記事広告 | 取材記事 | |
|---|---|---|---|
| 原稿を作る人 | 媒体の編集部 | 広告主 | 媒体の編集部 |
| 料金 | 掲載料と制作費 | 掲載料 | 原則として広告の掲載料はかからない |
| 載るかどうか | 契約で決まる | 契約で決まる | 媒体が決める |
| 広告であることの表示 | 要る | 要る | 通常は要らない |
取材記事でも、通常考えられる範囲の取材協力費や謝礼が生じることがあります。通常考えられる範囲を大きく超える取材協力費や謝礼は、広告主が表示内容の決定に関与したかを判断する材料になり、広告主の表示とされることがあります。広告主の表示とされた取材記事には、タイアップ記事と同じく広告であることの表示が要ります。
(参考:「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準(消費者庁))
タイアップ記事が向く目的と向かない目的
タイアップ記事が向くのは、説明しないと良さが伝わらない商品を、媒体の読者に知ってもらいたいときです。バナー広告の1行では伝えきれない使い方や選ぶ理由を、記事の長さで説明できるからです。
- 新しい商品や、使い方の説明が要る商品を知ってもらう
- 自社をまだ知らない媒体の読者に、選ぶ理由を伝える
- 契約で認められた範囲で、記事を自社のサイトや営業の資料にも使う
- 掲載後すぐに申し込みの数を増やす
- 準備の期間を取らずに、決まった日に掲載する
- 媒体の読者と重ならない相手に届ける
向かない目的があるのは、タイアップ記事が企画の打ち合わせ、取材、原稿の確認を経てから載る広告だからです。運用型広告のように設定した日から出したり、申し込む直前の人だけに絞って届けたりする仕組みではありません。
タイアップ記事のステマ規制と広告の表示
タイアップ記事には、読者が広告だと分かる表示が要ります。2023年10月1日から、広告であるのに一般消費者が広告だと分からない表示は、景品表示法の不当表示(いわゆるステマ)として規制されているためです。
ステマ規制の対象になる人
ステマ規制の対象になるのは、商品やサービスを供給する事業者(広告主)です。依頼を受けて表示を作る第三者は原則として対象外なので、タイアップ記事では、記事を作った媒体ではなく広告主が規制を受けます。ただし、第三者が広告主と共同して商品やサービスを供給している例外的な場合は、第三者も対象になります。インターネット上の表示だけでなく、新聞や雑誌の記事も対象です。
表示を付ける作業を媒体に任せても、規制を受けるのは原則として広告主です。違反が認められると、消費者庁は広告主に、誤認の排除や再発防止を命じる措置命令(行政処分)を出します。
広告だと分かる表示の書き方
広告だと分かる表示には、「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」などの文言を使います。「A社から依頼を受けて作成した記事です」のように、広告主との関係を文章で書く方法もあります。ほかの文言も禁止されてはいませんが、どの文言を使っても、記事全体から読者が広告だと分かることが条件です。
次の6つの書き方は、広告であることを書いていても、読者に分かりにくい表示の例に当たります。
- 記事の一部分にしか広告であることを書かない
- 冒頭に「広告」と書き、本文で第三者としての感想だと書く
- 読者が広告だと読み取れない文言を使う
- 記事の末尾など、目にしにくい位置だけに書く
- 周りより小さい文字や薄い色、長い文章で書く
- ほかの情報の中に紛れ込ませる
表示の文言と出る位置は、媒体が過去に載せたタイアップ記事を開くと、契約の前でも確かめられます。

自社の記事の表示で足りるかを判断するときは、景品表示法に詳しい弁護士などの専門家に確かめてください。ステマが禁止される理由と、違反したときに企業が負うリスクは、ステマは何が悪い?景品表示法が禁じる理由と企業が負うリスクにまとめています。
タイアップ記事の料金を決める3つの内訳
タイアップ記事の料金は、次の表の3つの内訳の合計で決まります。金額は媒体ごとに違うため、媒体の料金表か見積もりで確かめます。
内訳 | 中身 | 金額が変わる条件 |
|---|---|---|
掲載料 | 媒体に記事を載せる料金 | 媒体の読者数と読者層、掲載期間 |
制作費 | 企画、取材、撮影、原稿の作成にかかる費用 | 取材や撮影の有無、取材先への移動、修正の回数 |
案内・配信の費用 | 記事へ読者を集める案内の費用 | 媒体のトップページやメールマガジンでの案内、SNS広告の追加 |
3つの内訳をまとめて1つの料金にする媒体もあれば、制作費を別に見積もる媒体もあります。見積もりを比べるときは、3つの内訳のどれが入っているかをそろえます。

記事の閲覧数(PV)が一定以上になると約束する、PV保証の料金を用意している媒体もあります。
PV保証があれば、問い合わせもある程度は来ると考えていいですか?
編集部
閲覧数を見込む目安にはなりますが、PV保証で約束されるのは閲覧数までで、問い合わせの数は含まれません。問い合わせにつながるかは、記事を読み終えた人が自社サイトへ進む理由を、記事の中に書けるかで変わります。企画の段階で、記事の最後に自社サイトのどのページへ案内するかを媒体と決めておきます。
タイアップ記事を頼む前に確かめる5つのポイント
タイアップ記事を頼む前に確かめるポイントは、次の5つです。5つとも契約の後では変えにくいので、見積もりを取る段階で媒体に聞きます。
- 読者層:媒体の読者が、自社が届けたい相手と重なるか
- 計測指標:閲覧数、自社サイトへのクリック数などのうち、媒体がどの数字を報告するか
- 制作の分担:取材や撮影があるか、原稿の修正を何回まで頼めるか
- 広告表示:表示の文言と、記事のどこにどの大きさで出るか
- 掲載期間と二次利用:掲載期間の後に記事が残るか、自社のサイトや資料に転載できるか
とりわけ見落とされがちなのが、計測指標です。記事を読んだ人にしてほしい行動を決めずに頼むと、掲載後の報告で閲覧数の多い少ないしか分からず、次も頼むかを決められません。
候補の媒体の読者は、届けたい相手と重なっていますか
検討中の媒体の媒体資料と、記事を読んだ人にしてほしい行動を、相談フォームに書いてください。ご相談は無料で、オンラインで30分程度です。
タイアップ記事の依頼から掲載までの流れ
タイアップ記事は、媒体への問い合わせから掲載まで、次の5つの段階を経ます。
媒体の広告の窓口に問い合わせ、媒体資料と料金表を受け取ります。
記事で届けたい相手、伝えたいこと、読んだ人にしてほしい行動を媒体に伝え、記事の企画の提案を受けます。
取材と撮影を含む契約では、媒体の編集部が担当者や商品の取材と撮影をします。取材を受ける人と日程は、広告主の側で用意します。
媒体が作った原稿を、事実に誤りがないかと、広告の表示の文言と位置の2つの観点で確かめます。
記事が公開された後は、媒体から届く報告の数字を、頼む前に決めた計測指標と照らして見ます。
タイアップ記事のよくある質問
依頼前に迷いやすいのは、料金を払って載せる記事のリンクの扱いと、掲載した記事を自社で使えるかの2点です。
タイアップ記事のリンクはSEOに効く?
タイアップ記事のリンクは、自社サイトの検索順位を上げる手段にはできません。料金を払って載せる記事のリンクには、sponsoredかnofollowの属性を付けて、検索順位の評価を渡さない形にするのがGoogleの決まりです。評価を渡すリンクを含む記事広告は、リンクスパムの例に当たります。
タイアップ記事のリンクの価値は、記事を読んだ人が自社サイトを訪れることにあります。
(参考:スパムに関するポリシー(Google 検索セントラル))
掲載した記事を自社サイトに転載できる?
自社サイトや営業の資料への転載は、媒体との契約で二次利用が認められていればできます。二次利用ができるか、使える期間、追加の費用がかかるかは媒体ごとの契約で決まるため、見積もりの段階で確かめます。
転載した記事も、広告主が依頼して作った記事です。自社サイトに載せるときも、媒体が第三者の立場で評価した記事のように見せず、広告主が依頼した記事だと分かる形で載せます。
掲載期間が終わった記事はどうなる?
掲載期間の後に記事を残すか消すかは、媒体ごとの契約で決まります。記事が残る場合は表示が続いているので、広告であることの表示も外さずに残します。2023年10月1日より前に載せた記事でも、今も表示されていて広告だと分からなければ、行政処分の対象になることがあります。
まとめ|タイアップ記事は広告と分かる形で届ける記事
タイアップ記事は、媒体と広告主が組んで作る記事形式の広告です。媒体の編集部が媒体の読者に向けて作るので、記事の切り口は読者の関心で決まります。
広告であることを読者に分かる形で示すのが前提で、規制を受けるのは原則として広告主です。料金は3つの内訳で決まります。依頼は、読者層、計測指標、制作の分担、広告表示、掲載期間と二次利用を確かめてから決めます。
私たち合同会社Writers-hubは、累計8,000記事以上を制作してきた記事制作会社です。
媒体に渡す材料を、掲載前にそろえませんか
掲載を予定している媒体の名前と、記事で届けたい相手、伝えたいことを相談フォームに書いてください。ご相談は無料で、オンラインで30分程度です。







