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クリニックのマーケティングの始め方|患者が検索する言葉ごとに作るページ

クリニックのマーケティングは、広告やSNSを足す前に、患者が検索する言葉ごとに上位に出るページを自院のサイトとGoogleマップに用意するところから始めることをおすすめします。地域名と診療科の検索では、上位の多くを地域のクリニックのサイトが占めていました。ページに書く内容は、医療広告ガイドラインで禁止される体験談や比較の表現を外して決めます。

クリニックの建物の前に、検索窓と地図のピンと診療ページの画面が並び、患者が検索してから予約するまでの道筋が矢印で示されている図。

「クリニックのマーケティングは、ホームページもGoogleマップも広告もSNSも、全部やらないと患者さんが集まらなそう」。ホームページの制作会社や広告代理店、予約システムの会社から、それぞれの施策を勧められると、どれも欠かせないように見えてきます。ところが、2026年10月に「内科 世田谷区」で検索すると、上位10件のうち7件は、世田谷区のクリニックのサイトでした。広告やSNSより先に、患者が検索する言葉ごとに上位に出るページを自院に用意します。

本記事では、患者が検索する言葉ごとに作るページから、医療広告ガイドラインで書けない表現、外注できる作業まで、SEO記事の制作会社の視点で順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • 検査や治療の名前の検索では、検査ごとに1ページずつ作った診療ページが上位に入る
  • 最初に手を付けるのは、Googleビジネスプロフィール、トップページと診療ページ、予約の手段の3つ
  • 症状の解説ページは遠くに住む人にも読まれるため、診療ページの後に作る
  • 自院のサイトとSNSに患者の体験談は載せられず、自由診療のページには費用とリスクを書く
  • リスティング広告の広告文には、広告可能事項(法令で広告できると定められた事項)しか書けない

クリニックのマーケティングで整えるもの

クリニックのマーケティングで整えるのは、患者が自院を知り、予約し、通い続ける各段階で目にする情報と、予約の手段です。患者がたどる段階は4つあり、段階ごとに自院が整えるものは次の表のとおりです。

段階

患者がすること

自院が整えるもの

知る

地域名と診療科、検査の名前、症状で検索する

Googleビジネスプロフィール、トップページ、診療ページ

比べる

診療時間、場所、医師、口コミを見比べる

診療時間とアクセスの表記、医師の紹介、口コミへの返信

予約する

Webか電話で予約する

Web予約のボタン、電話の受付時間

通い続ける

次の受診を決め、家族や知人に勧める

次回予約の案内、検査結果の説明

厚生労働省の令和5年受療行動調査(概数)は、ふだん医療機関にかかるときに情報を入手している外来患者に、情報の入手先を複数回答で聞いています。家族・友人・知人の口コミが68.4%で最も多く、医療機関が発信するインターネットの情報は28.8%でした。調査の対象は一般病院を利用する患者で、診療所の患者は含まれていません。

※ 出典:厚生労働省「令和5(2023)年受療行動調査(概数)の概況」

患者がクリニックを知り、比べ、予約し、通い続けるまでの4つの段階と、段階ごとに自院が整えるものを示した図

患者が検索する言葉と上位に出るページ

患者がクリニックを探すときに検索する言葉には、地域名と診療科、検査や治療の名前、症状などがあり、種類ごとに上位に出るページの形が違います。2026年10月に4つの言葉で検索し、上位10件に入ったページを種類ごとに数えると、次の表のとおりでした。

検索した言葉

上位10件に入ったページ

内科 世田谷区

世田谷区のクリニックのサイト7件、医院を探すポータルサイト2件、厚生労働省の医療情報ネット1件

胃カメラ 世田谷区

クリニックのサイトにある内視鏡検査のページ7件、内視鏡を専門にするクリニックのトップページ2件、世田谷区の検診の案内1件

二重整形 新宿

美容クリニックのページ7件、比較サイトと予約サイト3件

胃もたれ 続く 原因

クリニックのサイトにある解説ページ10件

検索結果は、検索する場所や日によって入れ替わります。

検索する言葉の種類ごとに、上位に入るページの形が違うことを示した図

地域名と診療科で探す人

地域名と診療科の検索で上位に入っていたのは、クリニックのトップページです。「内科 世田谷区」で上位に入ったクリニックの7件は、どれもトップページで、うち5件は検索結果に出たタイトルに「世田谷区」と診療科名が入っていました。

検査や治療の名前で探す人

検査や治療の名前の検索で上位に入っていたのは、検査ごとの診療ページです。「胃カメラ 世田谷区」では、上位に入ったクリニックのページ9件のうち7件が、トップページではなく、胃カメラなどの内視鏡検査を説明するページでした。「二重整形 新宿」でも、美容クリニックのページ7件のうち5件が、二重整形や目元の施術のページです。

症状で探す人

症状の検索で上位に入っていたのは、各地のクリニックが書いた解説ページです。「胃もたれ 続く 原因」では、上位10件すべてがクリニックの解説ページで、久留米市や一宮市のクリニックのページも入っていました。

Web担当者Web担当者

症状を解説するコラムを毎週書けば、新しい患者さんは増えるでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

症状のコラムも、検索の上位に入ることはあります。ただ、症状で検索する人は全国にいるので、通える範囲に住む読者は一部にとどまると見ています。先に、地域名と診療科や、検査の名前で探す人に答えるページを作ってください。コラムを書くときは、本文の最後に自院の検査のページへの案内を置くと、近くに住む読者が予約に進めます。

自院のページが上位に入りやすい言葉は、検索して上位10件にクリニックのサイトがいくつ入っているかを数えると、見当がつきます。

自院の診療科と地域では、どの言葉から作りますか

診療科や検査の名前と地域名の組み合わせは、扱う診療が多いほど増え、1つずつ検索して数えるには手間がかかるでしょう。弊社のキーワード戦略の設計では、組み合わせごとに検索結果を調べ、自院のサイトで上位を狙える言葉と、作るページの順番を一覧にします。

最初に手を付ける3つの作業

クリニックのマーケティングで最初に手を付ける作業は3つあり、どれも広告費をかけずに始められます。

1
STEP
Googleビジネスプロフィールを登録する

Googleマップに出る医院の情報を登録し、直せるのが、Googleビジネスプロフィールです。住所や診療時間、休診日、診療科などを入れ、医院の代表者であることを示すオーナー確認を済ませます。Googleは、情報が充実して正確なほど、地図と一覧で出る検索結果に表示されやすくなると説明しています。

2
STEP
トップページと診療ページを作る

トップページのタイトルと本文には、地域名と診療科名を書きます。診療ページは、胃カメラや花粉症の治療のように、患者が名前で探す検査と治療ごとに1ページずつ分けて作るのが基本です。

3
STEP
予約の手段をそろえる

Web予約のボタンと電話番号、電話の受付時間は、トップページとすべての診療ページの同じ場所に置きます。診療ページを読んで受診を決めた患者が、トップページに戻らずに予約へ進めるようにするためです。

Googleマップの口コミは、Googleのポリシー上は、来院した患者に投稿をお願いできます。ただし、投稿と引き換えに割引や無料のサービスを提供することは、Googleのポリシーで禁じられています。

医療広告ガイドラインのQ&Aでは、医療機関が有償か無償かを問わず頼んで書いてもらった口コミは広告として扱われ、体験談の広告は禁止されています。口コミの集め方と返信の仕方は、口コミはSEO対策になるのかで解説しています。

診療ページに書けることと書けないこと

クリニックの診療ページは医療法の広告規制の対象で、書ける内容の基準は厚生労働省の医療広告ガイドライン(2026年3月の改正で、正式な名称は「医療広告等ガイドライン」になりました)にまとめられています。2017年に成立した医療法の改正で、2018年6月から、医療機関のWebサイトもチラシや看板と同じく規制の対象になりました。

予約の前に患者が知りたいこと

診療ページに書くのは、患者が予約の前に知りたい次の4つです。

  • 対象になる症状と、検査や治療の流れ
  • かかる時間と、検査の前に守ること
  • 保険が使えるかと、自由診療の場合の費用
  • 担当する医師の経歴

たとえば胃カメラのページに、鎮静剤を使えるか、前日の夕食を何時までに済ませるか、結果をその日に聞けるかを書いておくと、患者は電話で問い合わせずに予約を決められます。

ガイドラインで禁止される表現

医療機関のWebサイトを含む医療広告では、次の6つが禁止されています。

  • 事実と違う内容
  • 他院より優れていると伝える表現
  • 事実を誇張して患者を誤解させる表現
  • 公序良俗に反する内容
  • 治療の内容や効果についての患者の体験談
  • 詳しい説明を付けない治療前後の写真

ガイドラインは、「絶対安全な手術です」を事実と違う内容の例に、「日本一」「最高」を他院より優れていると伝える表現の例に挙げています。患者の口コミを選んで自院のサイトに載せることも、体験談の広告に当たります。

自院のサイトに載せる症状の解説ページも、規制の対象です。「こんな症状が出ていれば命に関わりますので、今すぐ受診ください」のように、根拠の乏しいリスクを強調して受診を促す文は、誇大な広告として扱われます。

自由診療のページに書き足すこと

自由診療の治療を詳しく説明するページには、次の5つを書きます。

  • 問い合わせ先
  • 通常必要とされる治療の内容
  • 標準的な費用
  • 治療の期間と回数
  • 主なリスクと副作用

医療広告ガイドラインは、患者が自ら求めて見るWebサイトなどで5つを示した場合に、広告可能事項のほかの情報も載せることを認めています。ガイドラインで「限定解除」と呼ばれる決まりです。標準的な費用が決まっていない治療は、最低額から、よく発生する追加費用を含めた最高額までの範囲を書きます。

未承認の医薬品や医療機器、承認と違う使い方の医薬品を使う自由診療では、5つに加えて、未承認であること、入手経路、国内で承認された同じ成分の医薬品の有無、海外での安全性の情報、副作用被害救済制度の対象外であることも、同じページに書きます。

⚠

費用やリスクを、リンク先の別ページに置いたり、利点の説明より極端に小さい文字で書いたりすることは、ガイドラインで認められていません。

治療前後の写真も、治療の内容と費用、主なリスクと副作用の詳しい説明を同じページに分かりやすく付ければ、自由診療のページに載せられます。

自由診療の診療ページで、治療の説明と同じページに費用やリスクを並べたページの構成図

ガイドラインの本文と、Webサイトの違反の例を図で示した事例解説書は、厚生労働省のページで読めます。

医療法における病院等の広告規制について
医療法における病院等の広告規制についてについて紹介しています。
🌐 www.mhlw.go.jp
外部リンク

※ 出典:厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」

検査ごとの診療ページを書く時間が、院内で取れていますか

診療ページは扱う検査と治療の数だけ必要になり、どのページもガイドラインに沿って書かなければなりません。弊社のSEO記事の制作では、検索する言葉の調査から原稿までを担当し、医師の確認を経て公開する流れで進めます。

広告とSNSとポータルサイトを使う場面

広告とSNSとポータルサイトは、自院のページがまだ上位に入らない言葉で検索する人や、検索しない人に知ってもらいたいときに使います。向いている場面と気をつけることは、次の表のとおりです。

向いている場面気をつけること
リスティング広告開院の直後や、自由診療の施術名の検索広告文には、広告可能事項しか書けない
SNS院内の様子や医師の人柄を知ってもらいたいとき自由診療の投稿ごとに、費用とリスクを一緒に示す
ポータルサイト自院のサイトがまだ上位に入らない、地域名と診療科の検索載っている診療時間や休診日を、自院の情報と合わせる

見落とされがちですが、検索結果にスポンサーとして出るリスティング広告の広告文には、広告可能事項の範囲を広げる限定解除が使えません。医療広告ガイドラインは、スポンサーとして表示される広告を、患者が自ら求めて見る情報に当たらないとしています。治療の詳しい説明は、広告からつながる自院の診療ページに、限定解除の条件を満たして書きます。

クリニックの公式アカウントの投稿も、医療広告に当たります。厚生労働省の事例解説書は、SNSの1つの投稿を1つの広告として扱っています。自由診療を紹介する投稿では、治療の内容と費用、主なリスクと副作用を、投稿やプロフィール、返信の中で一緒に示す必要があります。

院内で担う作業と外注できる作業

クリニックのマーケティングで院内が担うのは、医師にしか出せない診療の情報と、公開前の表現の確認です。検索する言葉の調査と原稿づくりは外注できるので、作業を次の5つに分けて担当を決めます。

作業

担う人

検索する言葉の調査と、作るページの計画

外注先

診療ページと解説記事の原稿

外注先

検査の流れや費用、リスクなど診療の情報

院長や医師

ガイドラインに沿った表現かの確認

院長か、広告を確かめる担当者

Googleビジネスプロフィールの診療時間の更新

受付や事務の担当者

原稿を外注しても、広告の内容に責任を持つのはクリニックです。医療広告ガイドラインは、広告を作った代理店なども、違反があれば依頼した医療機関とともに指導の対象になり得るとしています。

外注先を選ぶときは、契約の前に次の3つを確かめます。

  • 医療広告ガイドラインで禁止される表現を知っているか
  • 検索順位を保証すると言っていないか
  • 医師が原稿を確かめてから公開する工程を組めるか

Googleも、掲載順位を保証すると主張する業者には注意するよう呼びかけています。医療の記事を外注するときの依頼先の選び方は、医療の記事制作を外注で成功させる方法で解説しています。

クリニックのマーケティングでよくある質問

クリニックのマーケティングでよく聞かれる質問は3つあります。

医療広告ガイドラインに違反すると、どうなりますか

違反が見つかると、都道府県や保健所を設置する市などから、まず広告の中止や内容の是正を求める行政指導を受けます。指導に従わない場合は中止命令や是正命令の対象になり、命令に従わないときは罰則の対象です。事実と違う内容の広告は、命令を経なくても罰則の対象になります。医療機関のWebサイトの違反の疑いは、厚生労働省の委託事業である医療機関ネットパトロールが一般の人から通報を受け付けています。

診療ページやコラムは、院長が自分で書かないといけませんか

院長が自分で書く必要はありません。ただ、検査の流れや費用、リスクの説明が正しいかは医師にしか確かめられないので、外注先や事務の担当者が書いた原稿を、公開前に医師が読んで直す工程を置きます。

検索から患者が来るまで、どのくらいかかりますか

新しく作った診療ページが検索結果の上位に入るまでには、数か月かかることが多いと見ています。公開したページが検索結果に出ているかは、Googleが無料で提供するSearch Consoleで、ページごとの表示回数と掲載順位を見て確かめます。開院の直後で数か月を待てないときは、その間をリスティング広告で補います。

まとめ|施策より先に患者が検索する言葉を見る

クリニックのマーケティングは、広告やSNSを足す前に、患者が検索する言葉ごとに上位に出るページを、自院のサイトとGoogleマップに用意するところから始めます。地域名と診療科、検査の名前で探す患者に答えるページから作ります。

私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作と、書く記事を決めるキーワード戦略の設計を手がけています。自院の診療科と地域で上位を狙える言葉の洗い出しから、診療ページの原稿まで、必要な作業だけをお引き受けします。

「診療科 地域名」で検索すると、自院は何件目に出ますか

「診療科 地域名」と「検査名 地域名」で検索して、自院のページが上位10件に入っていない言葉が、これから作るページの候補です。ホームページのURLと、患者を増やしたい診療や検査をお知らせいただければ、作るページの順番を一緒に確かめます。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

読んで終わりにしないために

記事の内容を自社に当てはめるとどうなるか、オンライン30分で一緒に整理します。費用はかかりません。