「コンテンツマーケティングにSNSも使うなら、記事とは別に、SNS向けの投稿を毎日考えることになりそう」。SNSは文字・画像・動画と媒体ごとに投稿の形が違うため、記事とは別に企画を立てるものと思われがちです。ところが、コンテンツマーケティングの中でSNSに任せる仕事は、公開した記事を、まだ検索していない人に届けることです。SNSは記事を届ける役割に使い、媒体は読者がいる1〜2つに絞ります。
本記事では、記事とSNSの役割の分け方から、媒体の絞り方、運用の手順まで、自社と取引先のサイトで毎日記事を公開している制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- SNSには、公開した記事を検索していない人に届ける役割を任せる
- SNSの投稿には問いと結論の1行を書き、条件と手順は記事に書く
- 媒体は、年代別の利用率と顧客への聞き取りで候補を出し、続けられる数に絞る
- まだ検索されにくい話題の記事ほど、SNSで繰り返し届ける
- 効果は、SNSから記事に来た人数と、問い合わせページへ進んだ人数で確かめる
コンテンツマーケティングでのSNSの役割
コンテンツマーケティングでのSNSの役割は、公開した記事を、まだ検索していない人に届けることです。
記事は、読者が悩みを検索したときに見つかります。悩みをまだ言葉にしていない人や、そのテーマを検索する習慣がない人には、検索結果に記事が並んでいても目に入りません。SNSで記事を紹介すると、自社をフォローしている人と、投稿を共有された先の人に、検索を通らずに記事が届きます。
GoogleのSEOスターターガイドも、サイトを宣伝する方法の1つにソーシャルメディアのプロモーションを挙げています。新しいコンテンツを効果的に宣伝すれば、同じテーマに関心を持つ人と検索エンジンに早く見つけてもらえる、という説明です。

一方で、SNSでのいいねやシェアの数を検索順位に使うかどうかは、公式には確認できていません。SNSと検索順位の関係は、SNSはSEOに効果があるかを確かめた記事にまとめています。
関連記事:コンテンツマーケティングの基礎知識を総まとめ|やり方から成果につなげる方法まで徹底解説
記事とSNSの役割の分け方
記事とSNSは、届く人も、書くことも、測る数字も違うので、役割を分けて運用します。
項目 | 記事 | SNSの投稿 |
|---|---|---|
届く人 | 悩みを検索した人 | フォロワーと、投稿を共有された先の人 |
書くこと | 問いへの答え、答えが成り立つ条件、手順 | 記事が答える問い、結論の1行、記事へのリンク |
読まれる時期 | 公開後も、検索されるたび | 投稿が画面に表示されている間 |
読者が次にすること | 問い合わせページや関連する記事へ進む | 記事を開く、投稿を共有する |
測る数字 | 検索からの訪問数、問い合わせ数 | SNSから記事に来た人数 |
SNSの投稿に記事の中身をすべて書くと、投稿を読んだ人は記事を開かずに用が済みます。投稿には結論までを書き、条件と手順は記事に書きます。結論を読んで「自分の場合はどうか」を知りたくなった人には、記事を開く理由ができるためです。
SNSの投稿にも、記事と同じくらい詳しく書いたほうが親切ではないですか?
編集部
詳しい投稿が読む人の役に立つのは確かです。ただ、投稿だけで答えが分かると、記事にも問い合わせページにも進まずに終わります。問い合わせにつなげたい記事ほど、投稿は結論までにとどめます。
オウンドメディアとSNSの違いそのものは、オウンドメディアとSNSの違いと使い分けの記事で詳しく紹介しています。
関連記事:SNSコンテンツとは?4つの種類と記事から投稿を作る方法
SNSで記事を届ける3つの方法
SNSで記事を届ける方法は3つあり、届く人と費用が方法ごとに違います。
| 自社アカウントでの投稿 | 記事に置くシェアボタン | SNS広告 | |
|---|---|---|---|
| 届く人 | フォロワーと、投稿を共有された先の人 | 記事を読んだ人が共有した先の人 | 広告の配信設定で選んだ、フォロワー以外の人 |
| 費用 | 投稿を作る人の作業時間 | ボタンを設置する作業 | 広告費 |
| 向いている場面 | 記事を公開するたびに知らせるとき | 読んだ人に同僚や知人へ紹介してもらうとき | フォロワーが少ないうちに、問い合わせに近い記事を届けたいとき |
最初に取り組むのは、自社アカウントでの投稿です。費用は作業時間だけで、記事を公開するたびに続けられます。SNS広告に費用をかけるなら、問い合わせページへのリンクがある記事に絞ります。広告費と、記事から問い合わせページへ進んだ人数を並べれば、続けるかを判断できるためです。
関連記事:クリニックのマーケティングの始め方|患者が検索する言葉ごとに作るページ
読者がいる媒体の絞り方
SNSの媒体は、読者の年代で利用率が高いものから候補を出し、顧客への聞き取りとSNSの中での検索で確かめてから、続けて投稿できる数に絞ります。
総務省の令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(概要)には、主なSNSの利用率が年代ごとに載っています。
媒体 | 全年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
|---|---|---|---|---|---|---|
LINE | 92.9% | 97.7% | 97.9% | 96.6% | 95.6% | 92.0% |
YouTube | 81.5% | 96.3% | 94.0% | 91.6% | 84.9% | 72.6% |
54.8% | 82.6% | 76.6% | 67.1% | 54.4% | 36.1% | |
X(旧Twitter) | 44.7% | 73.4% | 67.7% | 57.0% | 40.2% | 24.8% |
TikTok | 36.7% | 61.5% | 44.7% | 42.6% | 32.2% | 21.2% |
27.0% | 23.4% | 37.4% | 38.9% | 33.1% | 22.6% |
Facebookは全年代では27.0%ですが、30代から50代では3割を超えます。
表の利用率は、2025年12月の調査で、13〜79歳の1,800人のうち「自分が利用している」と答えた人の割合です。仕事の情報を集めるためにその媒体を使っているかまでは、この数字からは分かりません。
利用率で出した候補は、次の4つの手順で絞り込みます。
記事の読者の年代で、利用率の高い媒体を3つほど書き出します。
今の顧客や問い合わせてきた人に、ふだん使うSNSと、仕事の情報を何で集めているかを聞きます。商談や問い合わせへの返信のときに1問足すだけで、利用率の数字には出ない使い方が分かります。
記事のテーマの言葉を候補の媒体で検索し、同じ話題の投稿に、読者に近い人の反応やコメントが付いているかを見ます。
まず1つの媒体で、記事を公開するたびに投稿できたかを1か月確かめます。続けられたら、2つ目の媒体を足します。

SNSで繰り返し届ける記事の選び方
SNSで繰り返し届ける記事は、テーマがまだ検索されにくい記事から選びます。
記事のテーマ | 検索からの訪問 | SNSでの届け方 |
|---|---|---|
多くの人が検索する悩みへの答え | 公開後も続く | 公開した日に1回知らせる |
新しい制度、自社で調べた結果、事例 | 検索する人が少ないうちは生まれにくい | 投稿の切り口を変えて何度か届ける |
検索されにくい話題の記事ほど、SNSで届ける回数を増やします。たとえば、自社で調べた結果の記事なら、1回目は調べた結果の数字を、2回目は数字から言える読者への提案を投稿の結論にします。

反対に、検索されている悩みに答える記事は、SNSでの投稿を増やすより、検索結果の上位に表示されるように書き直すほうが、読まれる数を増やしやすいと見ています。どちらに当たるかは、記事を企画するときに、テーマの言葉の検索数を調べておくと判断できます。
記事とSNSを分けて運用する手順
記事とSNSを分けて運用する手順は5つあります。
SNSの役割を「記事を届ける」と決め、測る数字を、SNSから記事に来た人数と、そこから問い合わせページへ進んだ人数にします。フォロワー数やいいねの数は、投稿が届いた範囲や反応を知る参考にとどめます。
記事を公開した日に出す投稿を、記事が答える問い、結論の1行、記事へのリンクの順に書く型にします。記事から投稿を切り出す手順は、SNSコンテンツの作り方の記事で紹介しています。
投稿に載せる記事のURLに、媒体と投稿を見分けるUTMパラメータを付けます。GA4で、どのSNSのどの投稿から記事に来たかを分けて見られるようになります。付け方はUTMパラメータの記事にまとめています。
月に1回、SNSごとに、記事に来た人数と問い合わせページへ進んだ人数を並べます。記事に来た人数が少ない媒体は、投稿の型を変えるか、媒体を入れ替える候補にします。
投稿に付いた質問やコメントを書き出し、次に書く記事のテーマの候補にします。SNSで届いた質問に記事で答えれば、質問した人に向けて、答えた記事をSNSで知らせられます。
SNSで届けられる記事の数は、記事を公開する数で決まります。記事の公開が月に数本で止まると、SNSで記事を知らせる投稿も月に数回しか出せません。
SNSで届ける記事を、毎月決まった本数で出せていますか
記事コンテンツの制作支援では、KW戦略設計と制作体制の構築をお手伝いします。KW戦略設計では、検索意図を読み、上位表示を狙えるKWから優先して記事にするロードマップを作ります。制作体制の構築では、編集者・ライター・監修者のチーム編成、レギュレーション、品質管理の流れを作ります。料金は、無料のオンライン相談(30分)で伺った内容から見積もります。
SNSを使うときの2つの注意点
記事を届けるためにSNSを使うときに、先に決めておきたいことは2つです。
投稿前の確認の手順
SNSの投稿は、確認する人と確認する基準を先に決めてから出します。投稿は短く、1人で書いてすぐに出せるので、記事より確認を通らずに出やすいためです。確認する基準は次の3つです。
- 投稿に書いた数字や断定が、記事の内容と同じか
- 他社や個人を、許可なく名指ししていないか
- 載せたリンクが、公開した記事のURLになっているか
依頼した投稿の広告表示
インフルエンサーに記事や商品の紹介を頼むときは、広告であることを投稿に明記してもらいます。消費者庁のステルスマーケティングの解説ページによると、令和5年10月1日から、広告であることを隠した表示は景品表示法違反になりました。
企業がインフルエンサーなどの第三者に依頼・指示した投稿も広告に含まれ、規制の対象になるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告主)です。ステマが禁止される理由は、ステマは何が悪いかを解説した記事で詳しく紹介しています。
コンテンツマーケティングのSNS活用でよくある質問
コンテンツマーケティングでSNSを使い始めるときに、迷いやすい3つの質問に答えます。
SNSの投稿は毎日しないといけない?
SNSの投稿は、毎日でなくてもかまいません。記事を届ける役割なら、投稿の回数は記事を公開する回数に合わせます。
フォロワーが少ないうちは何を見ればいい?
フォロワーが少ないうちは、投稿ごとに、SNSから記事に来た人数を見ます。同じ人数のフォロワーでも、投稿の結論の書き方で記事に来る人数は変わるので、人数の多かった投稿の書き方を次の投稿に使います。
投稿は記事を書いた人が作る?
投稿は、記事を書いた人か、記事を確認した編集者が作ると、記事と投稿の中身がずれにくくなります。結論の1行を、記事のリードからそのまま取れるためです。投稿を別の担当者に任せるときは、記事の結論の1行と、投稿に書かない数字を一緒に渡します。
まとめ|SNSは記事を届ける経路として使う
コンテンツマーケティングでSNSは、公開した記事を、まだ検索していない人に届ける役割に使います。SNSの投稿には問いと結論の1行を書き、条件と手順は記事に書いて、測る数字はSNSから記事に来た人数にします。媒体は、年代別の利用率と顧客への聞き取りで候補を出し、続けて投稿できる数に絞ります。
次の記事を公開する前に、進めることは次の3つです。
- 記事の読者の年代で、利用率の高い媒体を3つ書き出す
- 今の顧客に、ふだん使うSNSを聞く
- 次に公開する記事の結論の1行で、投稿の文を作る
私たち合同会社Writers-hubは、自社と取引先のサイトで毎日記事を公開しています。
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