「SNSで記事をシェアすれば、いいねの数だけGoogleの評価も上がるはず」。SEOを任された担当者が、SNSとの掛け合わせを考えたときに抱きやすい期待です。SNS運用の支援サービスの案内では、フォロワーの増加とサイトへの訪問の増加が一続きの成果として紹介されることが多く、その先にSEOの成果もあると考えやすいのでしょう。
しかし、これまでSEO記事の制作と公開後の改善を数多く手がけてきた弊社の立場から言えるのは、SNSは順位を直接は上げず、記事を届けて検索に戻す経路として効くということです。SNSから訪問があっても、届けた先の記事が検索の疑問に答えていなければ、順位には何も残りません。
本記事では、SNSが順位に直接効かない理由から、検索流入につながる4つの経路、SEOとの組み合わせ方と効果の確かめ方まで、SEO記事の制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- SNSのいいねやシェアの数は、Googleの検索順位に直接は反映されない
- SNSが効くのは、記事の発見・被リンク・指名検索・検索結果への表示の4つの経路
- SNSとSEOを組み合わせるときは、検索で読まれる記事を先に作ってから届ける
- 効果はフォロワー数でなく、社名での検索数と被リンクの数で確かめる
SNSはSEOに直接効果があるのか
結論から言うと、SNSでの反応がGoogleの検索順位を直接押し上げることはありません。ただし、SNSで記事が読まれ、その先で読者が取る行動が順位に影響することはあります。まずは、直接の効果がないと言える理由を2つの面から見ていきます。
いいねやシェアの数が順位に入らない理由
1つ目の理由は、SNSの投稿に貼られたリンクの扱いです。Googleは、コメント欄や掲示板のように利用者が自由に書き込める場所のリンクに、ugcやnofollowという属性を付けるよう案内しています。主要なSNSの多くも投稿内のリンクにこうした属性を付けており、被リンクとして順位の評価に数えられにくくなります。
2つ目の理由は、いいねやフォロワーの数を外から操作しやすい点です。フォロワーを買えるサービスまである数字を順位に足せば、検索結果はお金で動かせてしまいます。SNSの数字は、記事が人に届いたかを見る材料と考えるのが実態に近いでしょう。
nofollowの仕組みはnofollowの使い方と付ける場所の決め方で詳しく解説しています。

※ 出典:Google 検索セントラル(外部リンクに付ける rel 属性の説明)
Googleが示すSNSの位置づけ
では、GoogleはSNSをどう位置づけているのか。Googleの「SEO スターター ガイド」では、サイトを宣伝する方法の1つにソーシャル メディアのプロモーションが挙げられています。そのうえで「新しいコンテンツを効果的に宣伝すれば、同じテーマに関心を持っているユーザーに発見されるのが早くなります」と説明されています。
公式の説明でも、SNSは順位を決める要素ではなく、記事を見つけてもらう手段の1つです。同じガイドには、過度な宣伝は検索結果の人為的な操作だと認識される可能性がある、との注意も明記されています。

※ 出典:Google 検索セントラル「SEO スターター ガイド」の「ウェブサイトを宣伝する」
SNSがSEOに効く4つの経路
直接の効果がない一方で、SNSが検索流入の増加につながる経路は4つあります。どの経路も、SNSで記事に触れた人が次に取る行動を通じて検索に影響します。

新しい記事を早く見つけてもらう経路
スターターガイドの説明どおり、SNSで共有すると、同じテーマに関心を持つ人に記事が早く見つかります。検索で上位に表示されるまでには、公開から数か月かかることも珍しくありません。その間に記事を読んでもらえる入口として、SNSは役に立ちます。
なお、新しい記事を検索エンジンに早く知らせたい場合は、SNSではなくSearch ConsoleのURL検査からのインデックス登録リクエストや、サイトマップの送信を使います。
記事を引用する書き手に届く経路
SEOへの効果がいちばん大きいのが、この経路です。SNSで記事を見たブロガーやメディアの編集者が、自分の記事の中で出典としてリンクを貼れば、SNSの外で通常の被リンクが生まれます。
SNS上のリンク自体は評価に数えられなくても、SNSで届いた先の書き手が貼るリンクは被リンクになるのです。被リンクの集め方はSEOのリンクの種類と被リンクの集め方でも整理しています。
社名やサービス名での検索が増える経路
SNSで何度か投稿を目にした人が、後日「社名+サービス名」で検索してサイトを訪れる流れです。社名などで検索する指名検索が増えると、自社のページが検索結果に表示される回数とクリック数が増えます。指名検索の測り方はSEOとブランド認知の関係で解説しています。
検索結果にSNSの投稿が表示される経路
検索語によっては、Googleの検索結果にXの投稿やYouTubeの動画がまとめて表示されることがあります。自社サイトの記事とは別の枠に社名や主張が出るため、1ページ目で自社の情報が目に入る場所が増えます。ただし、表示されるかは検索語と投稿の内容しだいで、狙って確実に出せる枠ではありません。
「いいねが順位を上げる」という誤解
SNSとSEOの関係では、いいねやシェアなどSNSの反応を示す数値(ソーシャルシグナル)が順位に反映されるという説が今も語られます。前の章で見たとおり、Googleが公式に示すSNSの役割は、記事を見つけてもらう手段です。誤解のまま手を動かすと、SEOにはほとんど効かない作業に時間を使うことになります。
- いいねやフォロワーを購入して数を増やす
- 相互フォローでフォロワーの数だけを増やす
- 同じ記事のURLを短い間隔で何度も投稿する
- Googleの順位を上げるつもりで、SNSのプロフィールにキーワードを詰め込む
社内でSEOとSNSの両方を任された方からは、こんな質問をよく受けます。
毎日投稿してフォロワーを増やしていけば、会社のサイトの検索順位も少しずつ上がっていくのでしょうか。
編集部
フォロワーが増えると、記事を読む人は増えます。ただ、順位に影響するのは、その中の誰かが記事にリンクを貼ったり、社名で検索したりしたときです。フォロワー数より、記事への訪問数と、記事を紹介してくれたサイトの数を追ってみてください。
順位に直接は反映されない数字と、検索流入につながる数字を分けると、次のようになります。

SNSとSEOを組み合わせる手順
4つの経路を踏まえると、SNSとSEOの組み合わせ方は、記事を作る順番から決まります。
SNSで届ける先となる記事を用意します。検索する人の疑問に答えていない記事は、SNSから訪問があってもすぐに閉じられ、リンクも指名検索も生まれません。
読者が普段使っているSNSを1つか2つに絞ります。すべてのSNSに同じ投稿を流すより、反応を見て投稿を直す回数を確保できます。
タイムライン上で読み終える人も多いため、結論や図の一部を投稿に載せます。手順や表などの続きは、記事で読める形にします。
共有されたときに表示されるタイトルと画像は、OGPで指定します。設定がないと、意図しない画像や文言が表示されることがあります。
SNSからの訪問数、社名での検索数、記事への被リンクの数を月ごとに記録し、どの経路が動いたかを確かめます。
とりわけ見落とされがちなのが、1つ目の手順です。SNSの運用から先に始めて記事が数本しかない状態では、投稿で興味を持った人を案内する先がありません。OGPの書き方はOGPとはで、公開前の確認手順とあわせて解説しています。
SNSの反応を記事の材料に戻す使い方
ここまでは、SEO記事をSNSで届ける流れでした。ここで視点を反転させると、SNSはSEO記事の材料を集める場所としても使えます。SNSとSEOの関係を扱う記事では、ほとんど触れられない使い方です。
SNSの投稿に付く質問や反論には、読者が実際に使う言葉がそのまま出てきます。「〜とは何か」「〜と〜はどちらがいいか」といった質問は、検索窓に打たれる疑問と同じ形をしていることが多いのです。
弊社も記事の構成を決めるときは、検索結果の上位ページだけでなく、SNSや質問サイトで読者が書いている言葉を確かめるようにしています。上位ページが答えていない疑問が見つかれば、その記事で独自に答える論点になります。

記事で答えた疑問をSNSで届ければ、似た疑問を持つ人から新しい質問が寄せられ、次の記事のテーマが見つかります。記事とSNSを片方向でなく往復させることで、SNSの運用がそのまま記事の企画に役立ちます。
ただし、SNSで反応が大きかった話題が、検索でも探されているとは限りません。記事にする前に、キーワードツールやSearch Consoleで、その言葉が実際に検索されているかを確かめましょう。
検索で探されている疑問を選び、その答えをSNSでも共有できる記事に仕上げるには、記事の企画と執筆の両方に手間がかかります。
SNSで届けたい記事が、まだ手元に足りていませんか
検索されている疑問を調べて構成を決め、SNSで共有したときにも要点が伝わる記事まで制作します。SNSで寄せられた質問を、記事のテーマに加えることもできます。
SNSごとの記事リンクの載せ方と役割
記事への誘導のしやすさは、SNSごとのリンクの載せ方で変わります。主なSNSを比べると、次のとおりです。
| 記事リンクの載せ方 | 向いている使い方 | |
|---|---|---|
| X(旧Twitter) | 投稿の本文にURLを貼れる | 記事の要点を短く伝え、引用や紹介につなげる |
| 投稿の本文にURLを貼れる | 取引先や知人に向けて記事を共有する | |
| 投稿の本文のURLはリンクにならず、プロフィール欄やストーリーズから誘導する | 図解や写真で知ってもらい、社名での検索につなげる | |
| YouTube | 動画の概要欄にURLを貼れる | 手順を動画で見せ、詳しい解説記事へ案内する |
| 投稿の本文にURLを貼れる | 企業の担当者に向けて専門的な記事を届ける |
法人向けの専門的なテーマならXやLinkedIn、写真で伝わる商材ならInstagramのように、記事の読者がいる場所から選びます。Instagramは投稿から記事へ直接移動できないため、記事への訪問より社名での検索を増やす役割と考えておくと、数字の見方を誤りません。オウンドメディアとSNSの役割分担はオウンドメディアとSNSの違いと使い分けでも解説しています。
SNS施策がSEOに効いたかの確かめ方
SNSの効果は、フォロワー数やいいね数ではなく、4つの経路のどこが動いたかで確かめます。見る数字は次のとおりです。
- GA4のトラフィック獲得レポートで、SNSからの訪問数と、訪問後に読まれたページ数を見る
- Search Consoleの検索パフォーマンスで、社名やサービス名を含む検索語の表示回数を見る
- Search Consoleのリンクレポートで、記事にリンクしている外部サイトの数を見る
- SNSで記事を共有した日を記録し、数字が動いた時期と照らし合わせる
SNSの反応が大きかった月に、社名での検索や被リンクが増えていれば、SNSがSEOに効いたと判断できます。反応が大きくても訪問数しか動いていない場合は、記事が引用や再訪問につながる内容になっているかを見直しましょう。
SNSに先に力を入れてよい会社の条件
限られた人手で、SNSとSEOのどちらを先に進めるか。判断の目安は、記事の本数と、投稿を続けられる人がいるかどうかです。
SNSは投稿を止めると、新しい人に届く機会もそこで減ります。一方、SEO記事は担当者が替わっても、公開した記事が検索から読まれ続けます。人手が限られる会社ほど、記事を先に整え、SNSは記事を届ける手段として後から加える順番が現実的でしょう。
SNSとSEOに関するよくある質問
SNSとSEOの関係について、担当者から寄せられやすい質問に回答します。
上がりません。フォロワー数は順位に直接は反映されません。フォロワーが記事を読み、リンクを貼ったり社名で検索したりしたときに、間接的に検索流入が増えます。
順位を上げる効果は期待しないほうがよいでしょう。主要なSNSの多くはリンクにnofollowなどの属性を付けています。ただし、SNSで知った人がサイトへ移る入口にはなるため、URLは載せておきましょう。
検索で見つけてほしい記事がまだ少ないなら、SEO記事が先です。記事がそろってからSNSで届けると、SNSから来た人に読ませる記事があり、被リンクや指名検索につながります。
直接は関係しません。投稿頻度が影響するのはSNS上で記事が目に入る回数です。同じ記事を短い間隔で何度も投稿するより、記事ごとに要点を変えて紹介しましょう。
SNS内の検索で上位に表示させる対策を「ソーシャルSEO」と呼ぶこともあります。ただし、表示の順番は各SNSが決めており、Googleの検索順位とは別の仕組みです。
まとめ|SNSは順位でなく検索への経路で効く
SNSのいいねやフォロワーの数は、Googleの検索順位に直接は反映されません。SNSが効くのは、記事の発見・被リンク・指名検索・検索結果への表示という4つの経路を通じて、記事を読んだ人の行動が検索に戻ってくるときです。
だからこそ、最初に用意するのは、検索の疑問に答えていて、読んだ人が紹介したくなる記事です。SNSはその記事を届ける手段として使い、効果は社名での検索数と被リンクの数で確かめましょう。
私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作と、検索流入を増やすための改善を支援しています。SNSで届ける記事の選び方から相談したい方は、現在の記事と運用の状況をお聞かせください。
SNSから来た人を、検索でも選ばれる記事につなげたい方へ
Search Consoleの数字と公開済みの記事を拝見し、SNSで届ける記事と、先に順位を上げる記事の分け方を一緒に整理します。







