「記事にメルマガ、動画にウェビナーと、コンテンツの種類をそろえるほど見込み客が増えそう」。同業の会社がウェビナーや動画を始めたと聞くと、自社も同じ種類をそろえないと遅れを取るように感じるものです。
ところが、読者がその種類を手に取る検討の段階は種類ごとに違い、作り続けるのに要る人手も違います。種類を増やしても担当者が回しきれなければ公開が止まり、読者は次の段階へ進めません。種類は段階ごとの役割で分け、続けられるものから選びます。
本記事では、主な種類とそれぞれの役割から、種類ごとに要る体制、自社で作る種類の選び方まで、記事を毎日公開する体制を自社で運用している制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- コンテンツの種類は、情報を集める、比べる、申し込む、購入後の4つの段階で役割が分かれる
- 記事や導入事例は公開を止めても読まれ続け、SNS投稿やメールマガジンは出し続けないと届かない
- 撮影や登壇、顧客の協力が要る種類は、担当者1人の体制では予定どおりに出しにくい
- 作る順番は申し込みに近い段階から決めると、集めた読者が問い合わせまで進める
- 次の種類は、今の種類を決めた頻度で出せるようになってから足す
コンテンツマーケティングの主な種類と役割
コンテンツマーケティングの主な種類は、読者が情報を集める段階、比べる段階、申し込む段階、購入後の段階のどこで読まれるかによって役割が分かれます。同じ記事でも、悩みの答えを書けば情報を集める読者に、料金の決まり方を書けば申し込む直前の読者に読まれます。

情報を集める読者に向けた種類
情報を集める段階で読まれる種類は、自社をまだ知らない人に悩みの答えや新しい情報を届け、自社を知ってもらう役割を持ちます。主な種類は次の4つです。
種類 | 役割 |
|---|---|
記事 | 検索された悩みに答え、読んだ人に自社の名前を覚えてもらう |
SNS投稿 | フォローした人に、記事やイベントの案内を届ける |
動画 | 作業の様子や使い方を見せ、文章では伝えにくい違いを示す |
プレスリリース | 新商品や調査結果を、報道機関やニュースサイトを通じて知らせる |
商品や依頼先を比べる読者に向けた種類
比べる段階で読まれる種類は、自社を候補に入れた人に頼んだ場合の結果や進め方を示し、候補に残してもらう役割を持ちます。主な種類は次の4つです。
種類 | 役割 |
|---|---|
導入事例 | 自社と似た会社の導入前の課題と導入後の変化を示し、頼んだ後の姿を想像してもらう |
ホワイトペーパー | 記事より詳しいノウハウや調査を資料にまとめ、ダウンロードと引き換えに連絡先を受け取る |
ウェビナー | 参加者の質問にその場で答え、資料を読んでも残った疑問を解く |
メールマガジン | 連絡先を受け取った人に情報を届け続け、検討を再開するときに思い出してもらう |
広告や宣伝を目的とするメールマガジンは、特定電子メール法の第3条により、原則としてあらかじめ送信に同意した人などにしか送れません。同意を得た記録を残すことと、配信の停止を求めた人に送らないことも、同じ条で定められています。

申し込む直前の読者に向けた種類
申し込む段階で読まれる種類は、候補を絞った人の料金や進め方の疑問に答え、問い合わせに進んでもらう役割を持ちます。主な種類は次の4つです。
種類 | 役割 |
|---|---|
サービス紹介ページ | 提供する内容と、頼んだ後の進め方を示す |
料金ページ | 料金の決まり方を示し、予算に合うかを判断してもらう |
LP | 1つの商品に絞って説明し、広告などから来た人に申し込んでもらう |
よくある質問のページ | 契約の期間や支払い方法など、申し込む前に残った疑問に答える |
申し込む段階のページは、毎月作り足す種類ではありません。一度作った後は、商談で受けた質問を足して直していきます。
購入した顧客に向けた種類
購入後の段階で読まれる種類は、買った人に使いこなしてもらい、継続や追加の注文、ほかの人への紹介につなげる役割を持ちます。主な種類は次の3つです。
種類 | 役割 |
|---|---|
マニュアル | 初期設定や操作の手順を示し、問い合わせなくても使えるようにする |
利用者向けのメール | 新しい機能や使い方を知らせ、使う場面を増やしてもらう |
ユーザー会 | 利用者どうしで使い方を教え合う場をつくり、導入事例の取材先も見つける |
購入後の種類は、売り切りの商品より、契約が続く商品や追加の注文が入る商品で役割が大きくなります。
段階ごとに種類の役割を分ける理由
コンテンツの種類を段階ごとの役割で分けるのは、1つの種類にすべての段階を任せると、どの段階の読者にも答えきれないからです。悩みの答えを探して記事を開いた人は、記事の半分が自社のサービスの説明だと、答えにたどり着く前に読むのをやめます。反対に導入事例は、自社の名前を知らない人には探されません。
役割を分けたら、各種類の最後に、次の段階の種類への案内を置きます。記事の最後には導入事例やホワイトペーパーへの案内を、導入事例の最後には料金ページや問い合わせへの案内を置くと、読者は段階を1つずつ進めます。
記事のアクセスは増えてきたのに、問い合わせがほとんど来ません。記事の本数が足りないのでしょうか。
編集部
記事が読まれているなら、情報を集める段階の役割は果たせています。本数を増やす前に、記事を読んだ人が次に開く導入事例や料金のページがあるかを確かめてください。比べる材料が自社のサイトになければ、読者はほかの会社のサイトで比べます。
段階ごとに見る数字も変わります。情報を集める段階の種類は読まれた数、比べる段階の種類は資料のダウンロード数や次のページへ進んだ数、申し込む段階の種類は問い合わせの数で見ます。種類ごとに置く指標の例は、コンテンツマーケティングのKPIの決め方で紹介しています。
体制で続けられる種類を見分ける2つの違い
コンテンツの種類が自社の体制で続けられるかは、公開を止めたときに読まれ続けるかと、作るのに関わる人の数の2つで見分けます。
公開を止めたときの違い
コンテンツの種類は、公開を止めても読まれ続けるストック型と、出し続けないと読者に届かないフロー型に分かれます。
記事、導入事例、ホワイトペーパー、サービス紹介ページはストック型です。検索やサイトの中のリンクから後で見つけてもらえるため、担当者の手が止まる月があっても、それまでに公開した分は読まれ続けます。ただし、料金や制度のように内容が変わるものは、変わったときに書き直します。古い料金のまま読まれると、問い合わせの段階で話が食い違います。
SNS投稿、メールマガジン、プレスリリースはフロー型です。読まれるのは投稿や配信をした時点の前後で、間隔が空くと、その間は読者に届きません。動画とウェビナーは置き場所によって型が変わり、録画をYouTubeや自社サイトに公開すれば、ストック型として見られ続けます。

担当者が兼任の会社は、ストック型の種類から始めます。兼任の担当者は本業が忙しい月に手が止まります。フロー型の種類はその月に読者に届かなくなりますが、ストック型の種類は公開した分が残るためです。
作るのに関わる人の違い
コンテンツの種類は、担当者1人で作れるものと、社内のほかの人や社外の人の協力が要るものに分かれます。種類ごとに担当者のほかに要る人は次のとおりです。
種類 | 担当者のほかに要る人 |
|---|---|
SNS投稿、メールマガジン | なし |
記事 | 専門的な内容を確かめる社内の担当者 |
ホワイトペーパー | ノウハウを持つ社内の担当者、調査なら回答する人 |
導入事例 | 取材と掲載に応じる顧客 |
動画 | 話す人、撮影と編集をする人 |
ウェビナー | 登壇する人、参加者を集める人 |
関わる人が多い種類ほど日程を合わせる手間が増え、担当者1人では予定どおりに出しにくくなります。導入事例のように社外の人の都合で日程が決まる種類は、公開日を担当者だけでは決められません。種類ごとに社内で用意する材料は、コンテンツの種類一覧と具体例で詳しく紹介しています。
記事を決まった頻度で出し続ける体制を、社内で組めていますか
記事を続けるには、書く人と内容を確かめる人、公開前に品質を確かめる流れを先に決めておく必要があります。記事コンテンツの制作支援では、編集者・ライター・監修者のチーム編成から、レギュレーションの策定、品質管理フローまでを含めて、制作体制の構築をお手伝いします。
自社で作る種類を選ぶ手順
自社で作る種類は、申し込む段階から順に、段階ごとに自社の体制で続けられるものを1つずつ選びます。種類を選ぶときに後回しにされやすいのが、申し込みの直前に読まれるページです。情報を集める段階の種類から作ると、読者は増えても、比べる材料や料金のページがないため問い合わせまで進めません。
サービス紹介、料金、よくある質問のページがそろっているかを確かめます。料金を公開しない場合も、料金の決まり方と見積もりの頼み方を書きます。
導入事例に応じてくれる顧客がいれば導入事例を、いなければ社内のノウハウをまとめたホワイトペーパーを選びます。
担当者が決めた頻度で出し続けられる種類を選びます。兼任の担当者なら、手が止まる月があっても読まれ続ける記事が向いています。
今の種類を決めた頻度で出せている月が続いてから、読者が止まっている段階に種類を足します。
読者が止まっている段階は、段階ごとの数字で見分けます。記事は読まれているのに資料のダウンロードが少なければ比べる段階を、ダウンロードはあるのに問い合わせが少なければ申し込む段階のページを見直します。

体制ごとの種類の組み合わせ例
続けられる種類の組み合わせは、担当者が専任か兼任かと、社内で協力を得られる人がいるかで変わります。体制ごとの組み合わせの例は次の3つです。
| 申し込む段階 | 比べる段階 | 情報を集める段階 | |
|---|---|---|---|
| 担当者1人が兼任 | サービス紹介、料金、よくある質問 | 導入事例 | 記事 |
| 担当者1人が専任 | サービス紹介、料金、よくある質問 | 導入事例、ホワイトペーパー、メールマガジン | 記事、SNS投稿 |
| 担当者に加えて話す人や撮影する人がいる | サービス紹介、料金、よくある質問 | 導入事例、ホワイトペーパー、メールマガジン、ウェビナー | 記事、SNS投稿、動画 |
兼任の体制に導入事例を入れているのは、本数が少なくても、公開した分が比べる段階の読者に読まれ続けるからです。
コンテンツマーケティングの種類のよくある質問
コンテンツマーケティングの種類について、よくある3つの質問に答えます。
コンテンツSEOも種類の1つ?
コンテンツSEOは種類ではなく、記事などを検索結果に表示させて読者を集める取り組みです。記事の届け方の1つにあたり、SNS投稿やメールマガジンのように検索を通さずに届ける種類には当てはまりません。2つの違いは、コンテンツマーケティングとSEOの違いで詳しく紹介しています。
オウンドメディアも種類に入る?
オウンドメディアは、記事や導入事例を載せる自社のサイトのことで、種類ではなく種類を載せる場所です。オウンドメディアを作るかと、何の種類を載せるかは分けて決めます。サービスサイトの中にブログを置けば、オウンドメディアを別に立ち上げなくても記事を公開できます。
BtoBとBtoCで選ぶ種類は変わる?
BtoBとBtoCでは、比べる段階で使う種類の比重が変わります。BtoBは検討に関わる人が多く、担当者が比べた資料を社内で回すため、導入事例やホワイトペーパーの役割が大きくなります。BtoCでも、住宅や保険のように高額な商品は比べる期間が長く、利用者の声の役割が大きくなります。
BtoBで作る種類と使われる段階は、BtoBのコンテンツマーケティングで紹介しています。
まとめ|種類は段階の役割と続けられる体制で選ぶ
コンテンツマーケティングの種類は、読者が情報を集める段階、比べる段階、申し込む段階、購入後の段階で役割が分かれます。種類は、申し込む段階のページから順に、続けられるものを選びます。担当者が兼任なら、公開を止めても読まれ続ける記事や導入事例から始め、決めた頻度で出せるようになってから次の種類を足します。
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情報を集める段階の記事を、どのキーワードから書くか決めていますか
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