「SEOコンサルに頼めば、プロが検索順位を上げてくれるはず」。SEO会社のサービス紹介には、流入数や問い合わせ数が何倍になったという事例が並んでいるため、契約さえ結べば、順位を上げる作業まで一式を引き受けてもらえるように受け取られがちです。
しかし、これまで多くの企業でキーワードの設計から記事の制作、公開後の書き直しまでを担ってきた弊社の立場から言えるのは、SEOコンサルが主に提供するのは、何をどの順番でやるかという判断だということです。提案書に並んだ施策は、記事を書く人やサイトを直す人がいて、はじめて検索結果に表れます。
本記事では、SEOコンサルの業務内容と費用相場から、SEO代行や記事制作との違い、提案が実行されずに止まる原因、依頼先を選ぶときに聞く質問まで、提案を受け取って形にする側の視点で順にお伝えします。
- SEOコンサルが担う5つの業務内容
- 契約の種類ごとの費用相場と、成果報酬型で確かめること
- SEOコンサルとSEO代行、記事制作の違い
- 提案が実行されずに止まる3つの原因と、契約前に決めること
- 依頼先の面談で聞いておきたい質問
SEOコンサルとは何をするサービスか
SEOコンサルは「SEOコンサルティング」の略で、Googleなどの検索エンジンから自社サイトへの集客を増やすために、サイトの現状を調べ、方針と施策を提案し、実行と効果の確認を支援するサービスです。SEOは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の頭文字で、検索結果でページが見つけられ、選ばれるように整える取り組み全体のことです。担い手はSEOコンサルタントと呼ばれ、SEOの専門会社やWeb広告の代理店に所属する人のほか、個人で請け負う人もいます。
依頼できる範囲は、Google自身がまとめたページを見るとつかみやすいでしょう。Googleが検索セントラルで公開しているSEO業者の利用についてのページでは、SEO業者や代理店、コンサルタントが提供するサービスとして、サイトのコンテンツや構成の見直し、リダイレクトやエラーページなどの技術的なアドバイス、コンテンツの開発、キーワードに関する調査、SEOのトレーニング、生成AI向けの最適化などが挙げられています。

並べてみると、一覧には「調べて決める」仕事と「手を動かす」仕事が混ざっています。キーワードの調査や構成の見直しは前者、コンテンツの開発は後者です。サービス名に「コンサル」と付く契約は前者が中心で、後者は別料金か、依頼した側の担当になっていることが多いでしょう。SEOコンサルを検討するときは、自社が任せたいのが「決める」と「手を動かす」のどちらなのかを先に分けておくと、見積もりを比べやすくなります。
得意分野によって、サイトの構造や表示速度などの技術面を中心に見る「テクニカルSEO」寄りのコンサルタントと、記事の企画や書き直しを中心に見る「コンテンツSEO」寄りのコンサルタントに分かれることもあります。
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SEOコンサルの5つの業務内容
契約の形が違っても、SEOコンサルの仕事はおおむね次の5つの工程で進むのが一般的です。会社ごとの違いは、どの工程をどこまで引き受けるかにあるのです。
売上につながっている商品やサービス、問い合わせが来ている経路、競合と考えている会社を聞き取ります。目標は「検索からの流入を増やす」で止めず、「どの商品の問い合わせを月に何件増やすか」まで絞ってください。後の工程で選ぶキーワードが、この目標によって変わるためです。
Search Consoleやアクセス解析のデータ、サイトの構造、既存の記事を調べ、狙いたいキーワードで上位に出ているページと比べます。技術的な不具合、内容が重なっている記事、検索されているのに答えるページがないテーマを洗い出す工程です。
調査の結果から、どのテーマのキーワードを、どのページで狙うかを決めます。新しく作るページと、既存ページの書き直しで対応するものを分け、公開の順番まで並べた一覧が、この工程の成果物です。
技術面の修正、新規記事、既存記事の書き直し、内部リンクの見直しを、効果の見込みと作業量で並べ替えて提案します。すべてを同時には進められないため、どこから着手するかの判断こそが、この工程の中身です。
実行した施策について、表示回数、クリック数、掲載順位、問い合わせ数の変化を定例会などで報告し、翌月に何を変えるかを提案します。
5つのうち、1つ目から4つ目までは「決める」工程で、記事を書いたりサイトを直したりする作業そのものは含まれていません。5つ目の効果測定も、施策が実行されていなければ測る対象がないのです。

見積もりを比べるときは、提案書の厚さより、施策の提案と効果測定の間にある実行を誰が担う前提になっているかを確かめてください。
何から手を付けるか、キーワードの一覧から決めたい段階ですか
3つ目の工程で作る「狙うキーワードとページの対応表」があれば、社内で書く場合も外に頼む場合も、次に作る1本が決まります。弊社は売上につながるテーマの選定から、キーワードごとのページの割り当て、公開の順番の設計までをお引き受けしています。今あるページの一覧をお持ちいただければ、書き直すページと新しく作るページを分けるところから始めましょう。
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SEOコンサルとSEO代行や記事制作の違い
SEOに関する外部の支援は、SEOコンサルのほかに、施策の作業を引き受けるSEO代行、記事の企画と執筆を引き受ける記事制作会社などに分かれています。名前で比べるより、何を任せるかで並べたほうが違いを見分けやすくなります。

違いは「決める」と「手を動かす」のどちらを任せるかです。SEOコンサルは決める側を、SEO代行や記事制作は手を動かす側を主に受け持ちます。両方をまとめて引き受ける会社もあり、社内で進める内製を合わせると、選択肢は次の4つになります。
| SEOコンサル | SEO代行・記事制作 | 戦略から制作まで一括 | 内製 | |
|---|---|---|---|---|
| 戦略やキーワードを決める人 | コンサル | 依頼する側 | 支援会社 | 社内 |
| 記事の執筆やサイトの修正 | 社内か別の外注先 | 支援会社 | 支援会社 | 社内 |
| 社内に必要な人手 | 実行する人 | 方針を決める人 | 確認と承認をする人 | 決める人と実行する人 |
| 提案と実行のずれ | 起きやすい | 方針しだい | 起きにくい | 起きにくい |
| 向いている会社 | 書き手や開発者が社内にいる | 方針が決まっている | 社内の人手が足りない | SEOの経験者がいる |
一括の支援は、提案した会社がそのまま実行するため、提案の意図が実行の段階で抜け落ちにくいのが利点です。一方で、月額は助言だけの契約より高くなります。提案される記事の本数が、支援会社の制作体制の都合で決まっていないかも確かめておきましょう。本数の根拠を、狙うキーワードの数と検索される回数から説明してもらえるかどうかで見分けられるでしょう。サイト内部の修正を中心に頼みたい場合は、内部SEO代行で依頼できる範囲を先に確認しておくと、見積もりの項目を読み解けます。
SEOコンサルの費用相場と契約の種類
SEOコンサルの費用は、契約の種類と、含まれる作業の範囲で大きく変わります。公開されている料金や見積もりでよく見かける価格帯を、契約の種類ごとに整理すると次のとおりです。
契約の種類 | 費用の目安 | 主な内容 |
|---|---|---|
月額の顧問型 | 月10万〜30万円 | 定例会での助言、施策の提案、効果の報告 |
月額の伴走型 | 月30万〜60万円 | 顧問型に加え、キーワード設計や記事の構成案の作成 |
実行込みの一括型 | 月50万〜100万円超 | 記事の執筆や入稿、書き直しまで含む |
スポット型 | 1回10万〜100万円 | サイトの診断や戦略の策定を1回で納品 |
成果報酬型 | 条件の達成時に発生 | 指定したキーワードの順位などを条件に費用が発生 |
※ 費用は目安です。サイトのページ数、狙うキーワードの競合の強さ、定例会の頻度、記事の執筆やサイトの修正が含まれるかどうかで上下します。
表の上から下へ読むと、金額の差は、契約に含まれる作業の範囲の差です。顧問型の月10万円と一括型の月80万円は、同じ「SEOコンサル」でも買っているものが違います。見積もりを受け取ったら、月額の内訳を、誰が何時間、どの作業に使うのかまで分けて説明してもらいましょう。SEO対策全体の費用の内訳は、SEO対策の費用相場で施策の種類別に整理しています。
成果報酬型なら、順位が上がらなければ費用がかからないので、いちばん損がないのではないでしょうか。
編集部
費用が発生する条件が分かりやすい点は、おっしゃるとおりです。ただ、契約の前に「成果」の中身を確かめてください。対象のキーワードを支援会社が選ぶ契約では、検索される回数が少なく上位に出しやすいキーワードで条件を満たしても、問い合わせは増えないことがあります。また、Googleは検索結果で一番上に掲載されることは誰にも保証できないとして、掲載順位の保証をうたう業者に注意を促しています。条件を満たすために、Googleのスパムに関するポリシーに反する手法が使われていないかも、施策の報告で確かめられる契約にしておくと安心です。
成果報酬型を選ぶなら、対象のキーワードは自社で決め、順位だけでなく問い合わせ数も一緒に報告してもらう形にしてください。費用と事業の成果を、同じ表の上で比べられるようになります。
SEOコンサルに頼むメリットとデメリット
外部のSEOコンサルに頼むかどうかは、社内だけで進めた場合と比べて考えてください。
- 多くのサイトを見てきた経験から、手を付ける順番を決めてもらえる
- 社内では気づきにくい技術的な不具合を見つけてもらえる
- 定例会の期日があることで、社内の施策が月単位で進む
- 社内の担当者が、施策を選んだ根拠を学べる
- 助言だけの契約では、記事の執筆やサイトの修正が社内に残る
- 月額の費用が、成果が出る前の数か月もかかり続ける
- 担当者の経験や得意分野によって、提案の中身に差が出る
- 任せきりにすると、社内に判断の根拠が残らない
メリットの4つ目とデメリットの4つ目は、同じ定例会の使い方で分かれます。社内の担当者が定例会に毎回出て、なぜその施策なのかを説明してもらう。それだけで、契約が終わったあとにも判断の根拠が社内に残ります。
SEOコンサルの提案が止まる3つの原因
SEOコンサルの契約で成果が見えないとき、原因は提案の中身に探されがちです。ただ、記事の制作をお引き受けする側から見ていると、提案の中身より、提案が実行されずに残っていることが原因になっている場合のほうが多いと感じています。SEOコンサルの比較記事では、ほとんど語られない点です。順位を動かすのは、提案のうち実行された施策だけです。止まる場所は、次の3つに集まります。
記事を書く人が決まっていない
SEOコンサルの提案には、たいてい新しい記事の追加と既存記事の書き直しが含まれます。たとえば月4本の新規記事が提案されても、1本ごとに調べる、書く、確かめるの工程があり、担当者が通常業務の合間にこなせる量ではありません。書き手が決まらないまま契約が始まると、定例会では前月と同じ提案が繰り返されます。
サイトの修正を頼める先がない
タイトルの付け替え、内部リンクの追加、URLの転送設定、表示速度の改善といった技術面の施策は、CMSの権限や、サイトを作った制作会社との保守契約に左右されます。修正1件ごとに制作会社への依頼と見積もり、社内の承認が必要な体制では、提案から反映までに数週間から数か月かかることもあるでしょう。
公開前の社内確認で止まる
医療や金融のように表現の確認が欠かせない業種や、上長や法務の確認を経てから公開する会社では、書き上がった記事が確認待ちのまま止まることがあります。公開されない記事は検索結果に出ないため、効果測定の対象にもなりません。
とりわけ見落とされがちなのが、3つの原因が重なると、効果測定で報告される数字が前月からほとんど動かなくなる点です。実行された施策が増えないまま月額だけが続き、契約を見直す時期に「SEOコンサルは効果がなかった」と判断されてしまいます。契約の前に、次の3点を社内で決めておいてください。
- 記事を誰が書くか、月に何本までなら書けるか
- サイトの修正を誰が、どの権限で行うか
- 公開前の確認を誰が担い、何日以内に返すか
3点が決まっていれば、SEOコンサルに求める提案の量も決まります。月に2本しか書けない体制で、月10本を前提にした提案を受け取っても実行はできません。書ける本数に合わせて優先順位を付けてもらうほうが、同じ費用で実行される施策は増えるはずです。

体制づくりの話をすると、次のように聞かれることがあります。
社内に記事を書く人がいないなら、SEOコンサルに頼むのはまだ早いということでしょうか。
編集部
早いとは限りません。スポット型で戦略とキーワードの一覧だけを先に作ってもらえば、何本の記事をいつまでに書けばよいかが決まり、記事の執筆を外に頼むときの見積もりも具体的になります。一方で、月額の顧問型を結ぶのは、書く人の手当てがついてからでも遅くありません。書く人がいないまま月額を払い始めると、定例会で同じ提案を聞く月が続いてしまいます。
提案書を受け取ってから書き手を探すより、書き手を決めてから提案を受け取るほうが、SEOコンサルに払う費用が実行に結びつきやすくなります。
提案書はあるのに、記事を書く人が決まっていませんか
キーワードの一覧や記事の提案がすでに手元にあるなら、足りないのは書く工程のほうです。弊社は構成案の作成から執筆、公開前の確認、公開後の書き直しまでを、月の本数を決めてお引き受けしています。お手持ちの提案書を拝見し、月に何本なら実行できるかを一緒に見積もるところから始められます。
SEOコンサル会社の選び方と面談で聞く質問
SEOコンサル会社を比べる段階では、実績の数字やサービス紹介の文面より、面談での受け答えを判断材料にするのが確実です。Googleも、先ほどのページでSEO業者の候補と面談することを勧め、聞くべき質問の例を挙げています。それらの質問に、実行の担い手を確かめる質問を加えると、次の6点になります。
- 自社と近い業種で、改善の事例を見せてもらえるか
- 提案の根拠として、Googleの公式ドキュメントを示せるか
- 期待できる結果とその時期、成果を測る数字を説明できるか
- サイトに加えた変更と、その理由を報告してくれるか
- 自社の商品や顧客、競合について質問してくるか
- 記事の執筆やサイトの修正を、誰が担う前提の提案か
5つ目は、面談の中で自然に確かめられるはずです。Googleは、自社のビジネスに関心を持ち、独自性や競合、顧客がどのように自社を見つけるかを質問してくる業者を選ぶよう勧めています。こちらが事業の話をする前から施策のメニューを説明し始める会社は、どのサイトにも同じ提案をしている可能性があるでしょう。
サイトのデータを渡す場面にも、Googleの助言があります。SEO監査の提案を受けたら、Search Consoleは読み取りの権限だけを付与し、書き込みの権限はその段階では渡さないというものです。Search Consoleの権限の種類でいえば、ほとんどのデータを見られる「制限付きユーザー」として追加する形になります。
「必ず検索結果の1ページ目に表示されます」「Googleと特別な関係があります」といった説明をする会社は避けてください。Googleは、一番上に掲載されることは誰にも保証できないとしたうえで、掲載順位の保証やGoogleとの特別な関係、Googleへの優先登録をうたう業者に注意するよう呼びかけています。施策の目的や中身を説明しない会社にも、同じ注意が必要です。
BtoBの商材で依頼先を探している場合は、BtoB向けSEOコンサルの選び方で、支援範囲と費用の決まり方をまとめています。
SEOコンサルのよくある質問
依頼を検討している方から、よく聞かれる質問をまとめました。
施策によって数週間から1年ほどの幅があります。タイトルの修正や技術的な不具合の解消は、数週間で表示回数や順位に表れることもありますが、新しく公開した記事は、順位が落ち着くまでに数か月かかるのが一般的です。月額の契約なら、半年から1年を一つの区切りとして判断してください。
必須ではありません。Googleも、小規模な地域のビジネスであれば作業の多くを自分で行える可能性が高いとして、まずはSEOスターターガイドから始めることを勧めています。社内で手を動かせるなら、スポット型の診断で手を付ける順番だけを決めてもらう使い方もあります。
頼めますが、提案の根拠は確かめてください。Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件はなく、特別な最適化も必要ないと説明しています。AI専用のファイルやマークアップの追加を勧められた場合は、Googleの公式ドキュメントのどこに基づく提案なのかを聞いてみましょう。
必要な資格はありません。SEOの業務に国家資格はなく、民間の検定や認定制度があるだけです。依頼先を選ぶときは、資格の有無より、自社と近い業種での改善の事例と、提案の理由を説明する筋道を確かめてください。
できなくなることはありません。定例会に社内の担当者が出て施策の根拠を聞き、記事の執筆を少しずつ社内に移していけば、契約の終わりには社内で続けられる状態にできます。内製を最終的な目標にするなら、契約の段階でその旨を伝えておきましょう。
SEOの作業を社内へ移していく順番は、SEOの内製化を工程ごとに進める方法で整理しています。
SEOコンサルに何を頼み、何を社内に残すか迷っていますか
決める工程と手を動かす工程のどちらを外に出すかで、選ぶ契約の種類も費用も変わるはずです。社内で記事を書ける人の数と、サイトを直せる体制をお聞かせいただければ、コンサル、記事制作、内製のどれから始めるのが合うかの整理からご一緒します。依頼先を比べている途中の段階でも、お声がけください。
まとめ|SEOコンサルの成果は実行の量で決まる
SEOコンサルは、サイトの現状を調べ、どのキーワードをどのページで狙い、どの施策から手を付けるかを決めるサービスです。業務内容はヒアリングから効果測定までの5つの工程に分かれ、費用は月10万円台の顧問型から、執筆まで含む月100万円超の一括型まで、含まれる作業の範囲によって変わります。
依頼の前に決めておきたいのは、提案を誰が実行するかです。記事を書く人、サイトを直す人、公開前に確認する人が決まっていれば、SEOコンサルの提案は月ごとに検索結果へ反映されていきます。提案を実行する人を決めてから、SEOコンサルを選んでください。
私たち合同会社Writers-hubは、キーワードの設計から記事の制作、公開後の書き直しまでを一続きでお引き受けしています。SEOコンサルの提案書を手元にお持ちの方も、これから依頼先を比べる方も、今の社内の体制をお聞かせいただくところから始めましょう。







