「SEO用語は、とりあえず一覧で覚えてしまえばいい」。社内でSEOの担当を任されたばかりの方から、よくそう聞きます。無理もありません。用語集というものは五十音順かカテゴリ別に並んでいるのが普通で、上から順に頭へ入れていく作業に見えるからです。ところが翌週の打ち合わせでは、覚えたはずの言葉が想像と違う意味で飛び交い、また調べ直すことになります。
弊社はこれまで、事業会社のWeb担当者や制作会社と組んで、数多くのSEO記事を作ってきました。その経験から言えるのは、用語は意味を暗記するより、どの工程で誰と使う言葉かで束ねたほうが早く実務で動くということ。検索エンジンの仕組みを語る言葉と、原稿の中身を語る言葉と、数字を報告する言葉は、使う場面も相手も違います。
本記事では、検索エンジンの動きからAI検索で増えた新しい言葉まで80語を、記事制作会社が打ち合わせで使っている工程順に並べてお伝えします。合わせて、発注側と制作側で解釈が食い違いやすい5つの言葉も取り上げます。
- 検索エンジン、キーワード設計、記事、サイトの土台、外部評価と計測という工程ごとに整理した80語の意味
- AI検索の広がりで新しく使われるようになった言葉の位置づけ
- 発注側と制作側で解釈がずれやすい5つの言葉と、そのすり合わせ方
- 用語を覚えた後、実務で使えるようにするまでの4ステップ
SEO用語を工程順に覚える理由
五十音順の用語集が役に立たないわけではありません。ただ、知らない言葉に出会ってから引く辞書としては優秀でも、会話についていくための地力にはなりにくい面があります。「サジェスト」と「サイトマップ」は五十音では隣ですが、使う場面も担当者もまったく別だからです。
記事制作の現場では、SEOの話はおおむね次の順で進みます。まず検索エンジンがページをどう見つけて評価するかを共有し、次にどのキーワードを狙うかを決め、記事を作り、サイト側の設定を整え、公開後に外部からの評価と数字を見る。用語もこの並びで覚えると、打ち合わせのどの段階の話をしているのかが自然につかめます。

もうひとつ、工程順に覚えることには副産物があります。用語の範囲が自然に決まるため、「その話は今日の議題ではない」と切り分けられるようになる点です。外注先との打ち合わせが毎回長引く原因の多くは、工程をまたいだ話題が同時に走ることにあります。
用語を覚える目的は物知りになることではなく、いま誰と何を決める場面なのかを言い当てられるようになることです。以降の章は、そのまま打ち合わせの進行順に並んでいます。
関連記事:【2025年最新版】初心者でもできるSEOのやり方完全ガイド | 上位表示するための具体的な方法を徹底解説
検索エンジンの動きに関するSEO用語
最初に押さえるのは、Googleがページを見つけて順位をつけるまでの流れを語る言葉です。ここを飛ばすと、後の施策がなぜ必要なのかが腑に落ちません。
Googleはクローラーと呼ばれるプログラムでリンクをたどりながらページを読み込み、その内容を検索用のデータベースへ登録します。登録されることをインデックスと言い、登録されて初めて検索結果に出る候補になります。公開したのに検索に出てこないという相談を受けたとき、弊社がまず確認するのは順位ではなくインデックスの有無です。クロールとインデックスを通らないページは、順位を争う土俵に上がれないからです。
順位を決める計算式の総称がアルゴリズムで、年に数回まとまった調整が入ります。これがコアアップデートです。中身は公開されていないため、推測で当てにいくより公式ドキュメントに書かれた方針へ沿うほうが結果的に安定します。
用語 | 意味と使いどころ |
|---|---|
クローラー | リンクをたどってページを収集するプログラム。Googleのものはグーグルボットと呼ぶ |
クロール | クローラーがページを読み込むこと。読み込まれやすさをクローラビリティと言う |
インデックス | 読み込んだページを検索用データベースへ登録すること。未登録なら検索結果に出ない |
レンダリング | ページのコードを実際の見た目へ組み立てる処理。JavaScript頼みの表示は遅れる場合がある |
アルゴリズム | 順位を決める計算式の総称。中身は非公開で、方針だけが公式に示されている |
コアアップデート | アルゴリズムの大きな更新。順位が全体的に動くため公開日を記録しておく |
SERP | 検索結果ページのこと。サープと読む。広告や地図、動画が混ざる |
オーガニック検索 | 広告枠ではない自然な検索結果。ここからの流入を自然検索流入と呼ぶ |
検索クエリ | 利用者が実際に検索窓へ打ち込んだ文字列。狙うキーワードとは別物 |
ランキング要因 | 順位づけで見られている要素。公式に数が確定しているわけではない |
強調スニペット | 検索結果の上部に答えの抜粋が枠で表示される形式。通称ゼロ位 |
サジェスト | 検索窓に文字を打つと候補が出る機能。関心の広がりを知る手がかりになる |
ここで注意したいのがSERPの捉え方です。順位が1位でも、上に広告とAIの回答と地図が並べば、画面上では下のほうに表示されます。順位だけを追って「上がったのにクリックが増えない」と悩む例は、たいてい検索結果の画面構成が変わっています。
関連記事:WebサイトのSEOとは?制作会社が教えるサイト型別の進め方
キーワード設計で使うSEO用語
何を書くかを決める工程で使う言葉です。ここでの認識違いがいちばん後工程に響きます。
検索意図は、その言葉を打ち込んだ人が何を求めているかを指します。知りたいのか、買いたいのか、特定のサイトへ行きたいのか。同じキーワードでも意図が変われば、必要な記事はまったく別物になります。では意図はどう見極めるか。想像ではなく、実際の検索結果の上位を見るのが確実です。Googleがそのキーワードをどう解釈しているかが、並んでいるページの型に表れます。
検索ボリュームは月間の検索回数の推定値です。ツールによって数字が違うため、弊社では絶対値ではなく桁と相対比較で扱っています。キーワードを選ぶ作業は、数字の大小より検索意図の見極めが先だと考えているためです。
用語 | 意味と使いどころ |
|---|---|
キーワード | 読者が検索窓に打つ言葉。自社が使いたい言葉とは限らない |
検索ボリューム | 月間の検索回数の推定値。ツール間で差が出るので桁で捉える |
検索意図 | 検索した人が求めているもの。上位10件の型から読み取る |
ビッグキーワード | 検索数が大きく競合も強い単語。1語のものが多い |
ミドルキーワード | 2語程度の組み合わせ。現実的に狙いやすい中間帯 |
ロングテールキーワード | 3語以上の複合語。1本の流入は小さいが意図が明確で成約に近い |
共起語 | そのテーマの記事に一緒に出やすい語。抜けの確認に使う |
関連キーワード | 一緒に検索されやすい語。記事の守備範囲を決めるときに参照する |
再検索キーワード | 記事を読んだ後に次へ検索される語。次の記事のネタ元になる |
カニバリゼーション | 同じ語を狙う自社記事が複数あり評価が割れる状態。カニバリと略す |
トピッククラスター | 一つのテーマを中心記事と関連記事の束で覆う設計 |
ピラーページ | クラスターの中心に置く、テーマ全体を扱う記事 |
とりわけ見落とされがちなのが、カニバリゼーションです。記事を増やし続けた2年目以降のオウンドメディアで、新記事が伸びないと感じたら、過去記事と同じキーワードを狙っていないかを先に疑ったほうが早く原因にたどり着けます。
キーワードは検索ボリュームが大きいものから順に狙えばよいのでしょうか。
編集部
そこは分けて考えたほうがよいところです。数字が大きい言葉は、たいてい大手メディアや公的機関が上位を占めています。弊社がご相談を受けたときは、まず成約に近いロングテールから埋めて、サイト全体の評価が育ってから大きい言葉へ向かう順番をお勧めしています。
この順番の判断には、自社サイトの現在地と競合の顔ぶれを合わせて見る必要があります。用語の意味は分かっても、どの言葉から手を付けるかで迷うのは当然のことです。
どのキーワードで書くかを決める段階で、毎回手が止まっていませんか
検索意図の見極めとカニバリゼーションの整理は、記事を書き始める前の設計でほぼ決まります。狙う言葉の選定から記事の並べ方まで、事業の目的に合わせて設計する進め方をご案内しています。
関連記事:SEOとUXの関係とは?制作会社が教える順位に効く改善の見分け方
記事づくりで使うSEO用語
原稿と画面の中身に関わる言葉です。編集者やライターとのやり取りで最も頻繁に出ます。
E-E-A-Tは経験、専門性、権威性、信頼性の頭文字で、Googleの品質評価ガイドラインに書かれている評価の観点です。ここは誤解が多いところで、E-E-A-Tという数値スコアがあって順位が決まるわけではありません。実際に手を動かした人が書いているか、書き手と運営者が誰なのか明示されているか。そうした形で示すものだと捉えてください。
リライトは公開済み記事に手を入れる作業を指します。新記事を1本足すより、あと一歩で上位に届く既存記事を直すほうが成果につながる場面は多いものです。ただし後述するように、この言葉は発注側と制作側で指す範囲が食い違いやすい代表格でもあります。
用語 | 意味と使いどころ |
|---|---|
タイトルタグ | 検索結果に見出しとして出るHTMLの要素。クリックされるかを左右する |
メタディスクリプション | 検索結果に出る説明文。順位への直接影響はないがクリック率に効く |
見出しタグ | 記事の階層を示すhタグ。h2、h3と入れ子を崩さず使う |
altテキスト | 画像の内容を文字で説明する属性。読み上げ環境と画像検索の双方で効く |
内部リンク | サイト内のページ同士をつなぐリンク。巡回経路と読者の回遊を兼ねる |
アンカーテキスト | リンクに設定する文字列。リンク先の内容が伝わる言葉にする |
E-E-A-T | 経験、専門性、権威性、信頼性という品質評価の観点 |
YMYL | 健康やお金など人生に大きく関わる領域。評価がとくに厳しい |
リライト | 公開済み記事の手入れ。構成から見直す場合と表現だけ直す場合がある |
重複コンテンツ | 中身がほぼ同じページが複数ある状態。評価が割れる原因になる |
パーマリンク | 記事ごとの固定URL。公開後に変えると評価の引き継ぎ処理が必要になる |
パンくずリスト | 現在地を階層で示す表示。サイト構造を伝える役割も持つ |
内部リンクは地味ですが、運用が長くなるほど効いてきます。記事を書いたその日に、過去の関連記事から新記事へのリンクを1本足す。この一手間を制作フローへ組み込んでいるかどうかで、1年後のサイトの姿が変わります。
altテキストは「画像1」「写真」といった内容のない語で埋めないでください。何が写っているかを短く書くだけで、読み上げ環境の利用者にも検索エンジンにも同時に伝わります。装飾目的の画像なら空欄のままで構いません。
サイトの土台に関するSEO用語
技術寄りの言葉が並ぶ領域です。文章を書く人が全部を実装できる必要はありませんが、意味を知らないと制作会社やエンジニアへの相談すらできません。
とくに事故が起きやすいのがnoindexとcanonicalタグです。noindexは検索結果に出さない指定、canonicalは似たページが複数あるときに正規のURLを示す指定を意味します。テスト環境に入れたnoindexを本番公開時に外し忘れ、数か月まったく検索に出ていなかった。こうした事例は珍しくありません。サイトリニューアルの直後に流入が消えたときは、真っ先に確認する箇所です。

リダイレクトも同様に注意が要ります。恒久的な転送は301、一時的な転送は302と番号が分かれていて、URLを変更するときに301を設定しなければ、それまで積み上げた評価が新しいURLへ引き継がれません。
用語 | 意味と使いどころ |
|---|---|
robots.txt | クローラーの巡回範囲を指示するファイル。誤設定で全体が読まれなくなる |
XMLサイトマップ | ページ一覧を検索エンジンへ伝えるファイル。大規模サイトほど効く |
canonicalタグ | 内容の似たページ群の中で正規URLを示す指定 |
noindex | 検索結果へ出さない指定。テスト環境の外し忘れが事故のもと |
nofollow | リンク先を評価対象にしない指定。広告リンクなどに使う |
リダイレクト | URLの転送。恒久的なら301、一時的なら302を使い分ける |
構造化データ | ページの内容を機械が読める形で補足する記述。schema.orgの語彙を使う |
リッチリザルト | 構造化データをもとに検索結果が拡張表示される形式 |
Core Web Vitals | 表示速度と操作性の指標群。読み込み、応答、表示のずれを測る |
モバイルフレンドリー | スマートフォンで問題なく読める状態。評価は原則モバイル版で行われる |
HTTPS化 | 通信を暗号化した状態。現在は導入されていること自体が前提 |
クローラビリティ | クローラーがページを見つけて読み込みやすい状態のこと |
Core Web Vitalsは3つの指標で構成されます。2024年に、操作への反応を測る指標がFIDからINPへ置き換わりました。数値の改善はエンジニアの領分ですが、画像を軽くする、不要な埋め込みを外すといった編集側でできる対処もあります。
※ 各指標の定義と基準値はGoogleの公式ドキュメントで更新されるため、施策前に最新の記載を確認してください。

外部評価と数値計測のSEO用語
公開した後、サイトの外からどう評価され、何人に届いたかを語る言葉です。報告資料に登場する頻度が高いのはこの領域になります。
被リンクは他サイトから自サイトへ向けられたリンクのことで、今も有力な評価材料と見られています。ただし数を集めればよいというものではありません。金銭で購入したリンクや相互リンクの取り決めはGoogleのスパムポリシーに反するため、評価どころか対策の対象になります。地道ですが、紹介したくなる内容を出して自然に張られるのを待つほうが結果的に早いはずです。
計測でつまずきやすいのは、Google Search ConsoleとGoogleアナリティクスの役割分担です。前者は検索結果での見え方、つまり表示回数やクリック数や掲載順位を扱います。後者が受け持つのは、サイトへ入ってからの動きです。「検索順位は上がったのにアクセスが増えない」といった話を切り分けるには、どちらの数字を見ているかをはっきりさせる必要があります。
用語 | 意味と使いどころ |
|---|---|
被リンク | 他サイトから自サイトへのリンク。バックリンクとも呼ぶ |
発リンク | 自サイトから他サイトへ向けたリンク。出典提示で使う |
サイテーション | リンクを伴わない言及。社名やサービス名が書かれること |
ナチュラルリンク | 依頼や取引なしに自然に張られたリンク |
ドメインパワー | ドメイン全体の評価の強さを示す指標。Googleの公式指標ではない |
リンクの否認 | 望まない被リンクを評価対象から外す申告。安易に使わない |
Google Search Console | 検索結果での表示回数、クリック、順位、インデックス状況を見る無料ツール |
Googleアナリティクス | サイト内の行動を計測するツール。現行はGA4 |
インプレッション | 検索結果に表示された回数。表示回数とも言う |
CTR | 表示回数に対するクリックの割合。クリック率 |
セッション | 訪問者がサイトを訪れてから離れるまでのひとまとまりの行動 |
CV/CVR | 成果地点への到達と、その到達割合 |
数字の見方でひとつ挙げておくと、インプレッションが伸びているのにクリックが伸びない期間は、悪い兆候とは限りません。新しいキーワードで表示され始めた直後はCTRが低く出ます。順位が定まるにつれて落ち着くため、公開から数週間は表示回数の推移のほうを見ています。
報告の場で使う指標は、あらかじめ3つか4つに絞って固定するのがお勧めです。毎月違う数字を出すと、増えた数字だけを拾う報告になりがちで、判断材料として働かなくなります。
避けるべき手法とペナルティの用語
検索エンジンの裏をかこうとする手法は総称してブラックハットSEOと呼ばれます。対してガイドラインに沿った正攻法がホワイトハットSEOです。かつて効いた手法の名残が今も外注の提案書に紛れ込むことがあるため、名前だけは知っておいてください。
- キーワードの詰め込み:同じ語を不自然な回数繰り返す書き方。読みにくくなるうえ評価もされない
- 隠しテキスト・隠しリンク:背景と同じ色の文字や画面外への配置で、人には見せず検索エンジンにだけ読ませる手法
- クローキング:人が見る内容と検索エンジンへ見せる内容を出し分ける手法
- リンクファーム・有料リンク:リンクを増やす目的だけで作られたサイト群や、金銭で購入したリンク
- コピーコンテンツ:他サイトの文章をほぼそのまま転載したページ
- 誘導ページ:検索流入だけを目的に量産された、中身の薄い類似ページ群
- 自動生成された中身のないページ:語句を入れ替えただけで実質的な情報がないページ
ガイドライン違反が確認されると、手動による対策が適用される場合があります。Search Consoleに通知が届き、該当ページや場合によってはサイト全体が検索結果へ出なくなります。アルゴリズムによる自動的な評価低下とは別物で、修正したうえで再審査を申請できる点が違いです。
ここで、SEO記事を長く作ってきた立場から本音を言えば、現在の検索で怖いのは意図的な不正より、中身の薄い記事を増やし続けた結果としてサイト全体の評価が下がるケースです。1本ずつは違反ではありません。ただ、同じような記事が何十本も並ぶと、サイトの性格そのものがそう判定されていきます。
AI検索で増えた新しいSEO用語
ここ数年で登場した言葉をまとめます。呼び方がまだ定まりきっていない領域のため、意味を押さえつつ、他社の説明と用語がずれていても慌てないでください。
AI Overviewsは検索結果の上部にAIが生成した回答が表示される仕組みを指します。利用者が回答を読んで満足し、どのサイトへも移動しない状態がゼロクリック検索です。情報を調べるだけのキーワードでは、以前と同じ順位でもクリックが減る現象が起きています。
用語 | 意味と使いどころ |
|---|---|
AI Overviews | 検索結果の上部に出るAI生成の要約回答 |
AIモード | 検索を対話形式で進めるGoogleの機能 |
LLMO | 大規模言語モデルの回答に取り上げられることを狙う取り組みの呼称 |
GEO | 生成AI向けの最適化を指す呼び方。LLMOとほぼ同義で使われる |
AEO | 質問への回答として選ばれることを狙う考え方 |
エンティティ | 人物や企業などを一つの実体として検索エンジンが認識した単位 |
AIクローラー | AIの学習や回答生成のために巡回するクローラー |
llms.txt | AI向けにサイト情報を伝える目的で提案された記述形式。標準として確立してはいない |
ゼロクリック検索 | 検索結果だけで用が済み、サイトへ移動しない状態 |
ブランド指名検索 | 社名やサービス名で直接検索されること。AI経由の認知でも増える |
LLMOとGEOとAEOはほぼ同じ方向を向いた言葉で、提唱する企業によって呼び分けられているのが実情です。弊社が案件で説明するときは、呼び名の違いに時間を使わず、AIに引用されるページに共通する条件を具体的に示すようにしています。
言い換えれば、AIに引用される前提は、まず人に読まれて選ばれることだと言えます。一次情報や実際の作業記録を持つページが引用されやすい状況は、従来のSEOで評価されてきた条件と大きくは変わりません。新しい用語が増えても、やることが総入れ替えになるわけではないと見ています。
意味がずれやすい5つのSEO用語
ここからは、用語集ではほとんど触れられない部分をお伝えします。打ち合わせで噛み合わないのは、知らない言葉より知っているつもりの言葉だからです。弊社が受け取る差し戻しや認識違いは、次の5語に集中しています。
SEO対策
発注側は順位を上げるための作業全般、ときには広告出稿まで含めて呼びます。制作側は内部施策、コンテンツ制作、外部施策のいずれかを指して使いがちです。契約前に、今回の依頼へ含まれるのが記事制作だけなのか、サイト側の修正まで及ぶのかを一覧で確認しておくと、後の揉め事がほぼ消えます。
内部対策
文章や構成を整えることだと受け取る方と、HTMLやサイト構造の修正だと受け取る方に分かれます。前者のつもりで依頼して、見積書に開発工数が並んで驚く。逆に後者のつもりで発注して、納品物が原稿だけだった。どちらの行き違いも実際に起きています。
リライト
いちばん危ないのがこの言葉です。発注側が想定するのは表現の手直し、制作側が想定するのは検索結果を見直して構成から作り替える作業、という食い違いが頻繁に起こります。見出しを変えずに語尾だけ整えても順位はほとんど動きません。依頼のときは、構成を変えてよいかどうかを一言添えてください。
検索意図
読者が知りたいことを自分たちの想像で書き出したものを検索意図と呼ぶ場合と、実際の検索結果から読み取った型を指す場合があります。社内の想像だけで決めた意図に合わせて記事を作ると、上位表示されている記事群とまったく違う内容になり、評価されないまま残ります。
キーワード
自社のサービス名や社内で使っている呼称をキーワードとして提示されることがあります。ところが読者はその言葉を知らないため検索しません。狙う言葉は、社内の語彙ではなく検索窓に打たれている語から選ぶ。ここがずれると、記事を何本作っても誰にも見つけられない状態になります。
発注前に、この5つを揃えるだけの打ち合わせを入れたほうがよいということでしょうか。
編集部
別枠で時間を取るほどではありません。見積もりや提案書を受け取った段階で、5語それぞれについて「今回はどこまでを指していますか」と確認すれば十分です。弊社もキックオフでは、専門用語を使わずに作業範囲を書き出した表をお見せして、認識をそろえるところから始めています。
範囲のずれは、図に描いてみると一目でわかります。同じ言葉を使っているのに、お互いが思い浮かべている作業が半分しか重なっていない。この状態で走り出すと、納品物を見た段階で初めて食い違いが表面化します。

逆に言えば、着手前の30分で範囲をそろえておけば、その後の何往復ものやり直しが要らなくなります。用語を覚える効果がいちばん分かりやすく出るのが、この場面です。
用語のすり合わせから始める記事制作を、一度試してみませんか
作業範囲と言葉の定義をそろえてから着手すると、差し戻しの回数がはっきり減ります。弊社では、狙うキーワードの確定から構成、執筆、公開後の見直しまでを同じ言葉で管理する形でお手伝いしています。
SEO用語を実務で使う4ステップ
最後に、覚えた言葉を実際の業務へ落とし込む手順をまとめます。一覧を読み終えた直後が、いちばん定着しやすい時期です。
個別の語より、検索エンジン、キーワード設計、記事、サイトの土台、外部評価という5つの並びを頭に入れます。知らない言葉に出会ったとき、どの工程の話かさえ分かれば調べる範囲が絞れます。
自社の記事を1本開き、タイトルタグ、メタディスクリプション、見出しの階層、内部リンク、altテキストが実際にどうなっているかを確認します。Search Consoleでその記事の表示回数とクリックも見ておきます。言葉と現物が結びつくと、二度と忘れません。
分からない語を持ち帰って調べる癖は、時間がかかるうえ認識違いも残ります。「それは今回どこまでを指しますか」と聞くほうが速く、相手にとっても親切です。
社内報告で使う指標と呼び方を決め、毎月同じ言葉で出します。表示回数、クリック、掲載順位、成果件数のように並びを固定すると、数字の意味を説明し直す手間がなくなります。
このうち2番目を飛ばす方が多いのですが、実物と照らし合わせる工程を挟むかどうかで定着の度合いが変わります。読んだだけの知識は、次の打ち合わせでは半分ほど抜けているものです。
- 狙うキーワードと検索意図を、社内の想像ではなく検索結果を見て決めているか
- 公開した記事がインデックスされているかを確認する習慣があるか
- 外注先の提案書に出てくる用語の範囲を、着手前に確認しているか
- 報告資料の指標が毎月同じ並びで出ているか
4つのうち2つ以上に自信を持って「はい」と答えられない場合、原因は知識量ではなく社内に共通の言葉がない点にあります。担当者が一人で用語を覚えても、決裁する人と外注先が別の意味で使っていれば、判断のたびに翻訳の手間が発生します。
社内にSEOの共通言語を作るところから始めたい方へ
用語と工程が社内でそろうと、外注するにしても自社で書くにしても判断が速くなります。編集の型づくりから担当者の育成まで、体制の立ち上げを段階的に支援しています。
SEO用語のよくある質問
弊社が新しくSEOを担当することになった方から実際に受ける質問のうち、用語に関わるものをまとめました。
30語ほどで足ります。クロール、インデックス、検索意図、検索ボリューム、内部リンク、被リンク、Search Console、CTRあたりの基礎語を押さえておけば、残りは会話の流れから推測できるようになります。
本来は同じものを指します。SEOは検索エンジン最適化の略であり、そこへ「対策」を足すと意味が重複しますが、日本では慣用的に併用されています。注意すべきは訳語の違いではなく、その言葉が指す作業範囲が人によって違う点です。
Googleの検索セントラルに公開されている公式ドキュメントです。解説記事は執筆時点の情報で止まっている場合があるため、仕様に関わる内容は公式の記載を優先してください。
その場で平易な言葉に言い換えてもらって構いません。説明できない用語を使う担当者であれば、その時点で委託先の選定を考え直す判断材料になります。
今のところ優先度は高くありません。AI Overviewsとゼロクリック検索の2語を押さえておけば、報告や相談の場では対応できます。LLMOやGEOは呼び名が定まっていないため、意味を確認しながら使うほうが安全です。
まとめ|SEO用語は工程で束ねて覚える
SEO用語は数が多く、しかも毎年増えます。全部を暗記しようとするとたいてい息切れしますが、検索エンジンの動き、キーワード設計、記事づくり、サイトの土台、外部評価と計測という工程で束ねれば、新しい言葉が出てきても置き場所が決まります。用語は暗記の対象ではなく、工程を共有するための共通言語です。
そして、覚えることより先に効くのが、すでに知っているつもりの5語をそろえる作業でした。SEO対策、内部対策、リライト、検索意図、キーワード。この5つの指す範囲を発注側と制作側で確認するだけで、やり直しの多くは防げます。
私たち合同会社Writers-hubは、事業会社やWeb制作会社と組んでSEO記事の制作を手がけています。キーワードの選定から構成、執筆、公開後の見直しまでを同じ言葉で管理する体制づくりも含めてお手伝いしていますので、用語の整理から先に進みたい段階でしたらお気軽にご相談ください。








