「インデックス数が増えていれば順調で、減っていれば何かまずい」。サーチコンソールを開いたとき最初に目に入るのが登録済みページ数という数字ですから、そう読みたくなるのは無理もありません。ところが公開した記事数と見比べると、数が合わない。100本書いたはずが登録済みは70件で、しかも先月より減っている。どこから手を付ければよいか分からないまま、とりあえず登録をリクエストして様子を見る運用になっている担当者の方は少なくありません。
しかし、これまで数多くのサイトで記事を作り、公開したあとの検索での動きまで見届けてきた弊社の立場から言えるのは、インデックスは増やす数字ではなく、預けるページを選ぶ作業だということ。検索エンジンに預けた分だけ評価の対象が増えるかというと、そうはなりません。中身の薄いページを大量に預ければ、サイト全体の見え方のほうが先に損なわれます。数の増減を追うより、その数の内訳を分けるほうが先だと考えています。
本記事では、SEOにおけるインデックスの意味から、自社サイトの登録状況を調べる手順、記事数と件数が合わないときの読み分け、そして登録を促す実務の順番まで、記事とサイトの両方を手がける立場でお伝えします。
- インデックスと順位が別の判断である理由
- site:検索とサーチコンソールで分かることの違い
- 記事数と件数が合わないときの、放っておける差と直すべき差
- 検索に預けるページと預けないページの線引き
- 登録を促す手順と、使ってはいけない近道
SEOにおけるインデックスとは
インデックスとは、検索エンジンがWebページの中身を読み取り、自社のデータベースに登録した状態を指します。日本語にすれば索引で、本の巻末にあるあの索引と役割はほとんど変わりません。索引に載っていない項目は、どれだけ本文に書かれていても引くことができない。検索エンジンでも事情は同じです。

クロールとインデックスとランキングの違い
検索結果にページが並ぶまでには、性質の異なる3つの工程があります。
- クロール:クローラーと呼ばれるプログラムがURLを見つけ、ページの中身を取得する
- インデックス:取得した内容を解析し、データベースに登録するかどうかを判断する
- ランキング:検索された語ごとに、登録済みのページから順番を決める
見落とされやすいのは、1と2のあいだに判断が挟まっている点でしょう。クロールされたページがすべて登録されるわけではありません。読み取ったうえで登録しないという結論もあり得ます。つまりインデックスは登録するかどうかの判断で、順位の判断ではないわけです。クローラーの動き方そのものはGoogleのクローラーの種類と動きでも扱いました。
登録されていないページに順位はつかない
当たり前に見えて、実務では取り違えが起きやすいところです。検索結果は、登録済みのページを並べ替えて表示しているにすぎません。登録されていないページは50位でも100位でもなく、そもそも候補に入っていない状態にあります。
「順位が低い」と「検索結果に出ていない」は、症状が似ていても原因も対処もまったく別です。順位が低いなら中身と競合の話、出ていないならまず登録の話。ここを分けずにリライトを重ねると、直すべき場所に手が届きません。
インデックスがSEOに効く仕組み
インデックスは、サイト単位ではなくページ単位で行われます。トップページが登録されているからといって、配下の記事が自動的に登録されるわけではありません。裏を返せば、どのページも単独で検索の入口になれるということです。
オウンドメディアやブログがSEOで効く理屈は、まさにここにあります。会社案内のパンフレットであれば表紙から読まれますが、Webでは読者が検索した語に最も近い1ページだけが呼び出されます。トップページを経由せず、3年前に書いた記事に直接お客様が着地する。そうした入口を何十、何百と持てることが、記事を積み上げる価値の正体です。
インデックスさえされれば、あとは順位も自然に上がっていくものでしょうか。
編集部
そこは切り離して考えてください。インデックスは検索の土俵に上がった状態で、順位はその土俵で他社と比べられた結果です。登録された直後に検索結果の後ろのほうに一度出て、そこから数週間かけて位置が動いていくのはよくある動きですが、動いた先が上とは限りません。登録は出発点であって、結果ではないと捉えるのが実務的です。
土俵に上がっていないページを相手に順位対策を考えても、当然ながら何も動きません。だからこそ、施策を打つ前に登録状況を確かめる手順が要ります。
自社サイトのインデックス状況を確認する方法
確認の手段は大きく2つあり、分かることが違います。ざっと見るならブラウザで完結する方法があり、正確に見るならサーチコンソールを使います。
site:検索でおおまかに調べる
Google検索の窓に `site:example.com` と入力すると、そのドメインで登録されているページが一覧で表示されます。`site:example.com/blog/` のようにディレクトリまで書けば範囲を絞れますし、個別記事のURLをそのまま指定すれば、そのページが登録されているかどうかだけを確かめられます。
所有権の確認が不要なので、競合サイトの登録状況を見るときにも使えるのが利点です。
site:検索に出る件数は、あくまで概算です。同じ日でも環境によって数字が動き、数十件単位のずれは珍しくありません。月次のレポートに載せる指標として扱うと、増減の解釈を誤ります。件数は目安、正確な数はサーチコンソールで、と使い分けてください。
サーチコンソールで内訳まで調べる
正確に把握するなら、Google Search Consoleのインデックス作成にある「ページ」レポートを開きます。登録済みと未登録の件数に加えて、未登録のページが「なぜ登録されていないか」まで理由別に並ぶのが、site:検索との決定的な違いです。
個別のページを調べるなら、上部のURL検査に該当のURLを貼り付けます。登録済みかどうか、最後にクロールされた日はいつか、どのURLが正規のものとして扱われているかまで一度に確認できます。
比べる点 | site:検索 | サーチコンソール |
|---|---|---|
分かること | おおよその登録有無 | ページ単位の登録状況と未登録の理由 |
件数の正確さ | 概算で日によって揺れる | 実数に近い件数を確認できる |
必要な権限 | なし | サイトの所有権確認が必要 |
向いている場面 | 競合サイトのざっと確認 | 自社サイトの日常点検 |
日常の運用では、サーチコンソールを主に据え、site:検索は他社を見るときの道具と位置づけるのが現実的でしょう。
記事数とインデックス数が合わない理由
ここからが、多くの担当者が引っかかる地点です。公開した記事は100本なのに登録済みは70件、あるいは逆に250件と表示される。どちらのずれも起こりますが、原因はまったく違います。

差の中身は、放っておいてよいものと、直すべきものに分かれます。差の中身を分けないまま数だけ追っても打ち手は決まりません。
差があっても問題にならないケース
次のような差であれば、意図どおりに動いている証拠です。
- ページ送りの2ページ目以降が登録されていない
- タグ一覧やカテゴリ一覧といったまとめページが登録されていない
- 並び替えや絞り込みのパラメータが付いたURLが登録されていない
- 同じ内容の別URLが正規化され、代表のURLだけが登録されている
むしろ、これらがすべて登録されているサイトのほうが不健全です。一覧ページや絞り込み結果は、検索した人が着地しても求めている答えが載っていません。どのURLを代表として扱うかの指定についてはcanonicalタグの書き方と使いどころにまとめています。
差を放置してはいけないケース
一方、次の3つが当てはまるなら手を入れる対象です。
- 公開したはずの記事本体が登録されていない
- 更新も削除もしていない記事が、先月まで登録されていたのに外れた
- 登録済みの件数が、公開している記事数を大きく上回っている
3つ目を見落とす方が多いところです。件数が多いぶんには良いと思われがちですが、公開記事の倍以上が登録されている場合、テスト用に作ったURL、印刷用ページ、サイト内検索の結果ページといった、人に見せる前提のないものが混ざっています。
なお、記事を増やすとクロールが追いつかなくなる、という説明を目にすることもあるでしょう。Googleの大規模サイト向けの資料には、数千ページ規模であれば通常この点を気にする必要はないと明記されています。数百から数千ページのサイトで登録が遅いなら、原因は量ではなく中身の評価にあると見るほうが実態に近いはずです。

内訳を分けたところで、次に必要になるのは「どのページを直し、どのページは触らないか」の判断です。ここは数字だけでは決まりません。
登録されていない記事が、直す価値のある記事かどうか判断がつきますか
未登録のページを一律に登録させにいくと、労力の大半が成果の出ないページに吸われます。弊社では検索の状況とページの中身の両面から、書き直すもの、統合するもの、そのまま置くものを仕分けして手順に落としています。
インデックス数を増やす前に決めること
増やし方を調べる前に、決めておくことがあります。インデックス数は多いほど良い、という前提が成り立つのは、登録されるページがどれも検索した人の役に立つ場合だけだからです。
実際のサイトには、検索から人が来る前提のないURLが必ず混ざります。応募フォームの確認画面、社内向けの資料置き場、過去のキャンペーンページ。これらを含めて件数を増やしても、評価してほしい記事が見つかりやすくなるわけではありません。
検索に預けるページと預けないページの線引き

判断の軸は3つで足ります。
- そのページ単体で、検索した人の疑問が片付くか
- そのページにたどり着きたくて検索する人が実際にいるか
- 同じ疑問に答える別のページが、自社サイト内に既にないか
1つでも当てはまらないなら、無理に登録させる必要はありません。とりわけ3つ目は軽視されがちですが、似た内容のページが並ぶと、検索エンジンはどちらを出すべきか判断に迷います。結果としてどちらも中途半端な位置に置かれる。似た記事を2本抱えているなら、統合して1本にするほうが多くの場合は速い道です。
noindexは罰ではなく設計
noindexは、質の低いページに貼る烙印のようなものだと受け取られがちです。実際は違います。検索から人を呼ぶ役割を持たせないと決めたページに付ける、設計上の指定にすぎません。
ここで実務上の落とし穴を1つ。robots.txtでクロールをブロックしたページにnoindexを書いても、指定は効きません。クローラーがページを読みに行けない以上、そこに書かれたnoindexにも気づけないからです。両方を設定して安心していたのに登録され続けている、という事故はここから起きます。登録を避けたいなら、クロールは許可したうえでnoindexを読ませる。順番が逆になっていないかを確かめてください。

預けるページを絞ると、サイト全体で見たときの平均的な中身の濃さが上がります。預けるページを絞るほど、読んでほしい記事が見つかりやすくなるという関係は、件数を追っているうちは見えてきません。
インデックス登録を促す実務の手順
線引きを決めたうえで、登録させたいページに対して打つ手を順番に並べます。順番そのものに意味があるので、上から実行してください。
別のブラウザやシークレットウィンドウで、公開URLをそのまま開きます。会員向けの認証が掛かっていないか、公開設定が下書きのままになっていないか。ここでつまずいているケースが、実のところ最も多いところです。
サイト内のURL一覧をまとめたファイルを用意し、サーチコンソールから送信します。主要なCMSであれば自動生成の仕組みが用意されています。生成されたファイルに該当のURLが実際に入っているかまで、目で確かめてください。
新しいページは、どこからもリンクされていなければ見つけてもらえません。同じテーマですでに検索から人が来ている記事から、文脈に沿ってリンクを引きます。サイトマップよりも、この一手のほうが効くことが多いと感じています。
URL検査に該当のURLを入力し、インデックス登録をリクエストします。1日に送れる件数には上限があるため、公開したページを片端から送るのではなく、優先したいページに絞って使ってください。
リクエストを最後に置いているのには理由があります。リクエストは「ここに新しいページがあります」と伝える手段であって、登録するかどうかを決めるのはあくまでGoogle側です。中身が整っていないページを何度送っても結果は変わりません。内部リンクの張り方そのものは内部リンクの設計と貼り方で詳しく扱っています。
Indexing APIを使えば記事を即座に登録できる、という話が出回ることがあります。Googleが公開している資料では、このAPIの対象は求人情報とライブ配信の動画に限られると明記されています。通常の記事に使っても効果はなく、無理に組み込む必要はありません。

手順を尽くしても登録されない場合、残るのは中身の評価です。検索した人の疑問に対して、他のページより答えになっているか。そこが問われます。
手順は踏んだのに登録されない記事が残っていませんか
設定を直しても登録されないページは、多くの場合、同じ疑問に答える既存のページに勝てていません。弊社は検索した人が何を知りたいのかを調べるところから記事を作り、公開後の登録状況まで見て手を入れています。社内に書き手を置けない場合の進め方もご案内できます。
インデックスされないときに疑う順番
原因の候補は多く見えますが、確認の順番を決めておけば絞り込みは早く終わります。設定側から先に潰し、すべてシロなら中身を疑う。この順が効率的です。
- ページにnoindexが残っている
- robots.txtでクロールをブロックしている
- canonicalが別のURLを指している
- リダイレクトやエラーで、そもそも中身が返っていない
- どこからもリンクされていない孤立したページになっている
上の5つは、いずれも数分で確認できて、当てはまれば直せば解決します。手間の割に効くので先に済ませてください。逆に、5つとも問題がないのに登録されないなら、原因は技術面ではありません。
サーチコンソールの表示ごとに対処が変わる点はGoogleにインデックスされない原因と対処法に、登録のリクエスト方法を手順で追いたい場合はGoogleのインデックスの仕組みと登録方法にまとめています。
インデックスに関するよくある質問
運用のなかで繰り返し受ける質問を、実務での答え方でまとめました。
数時間で登録されることもあれば、数週間かかることもあります。時間そのものに規則性を見出すのは難しく、公開して2週間ほど様子を見ても動かないなら、時間の問題ではなく別の原因を探したほうが早く片付きます。
登録と順位は別の判断だからです。登録されていれば検索結果に出る資格はありますが、同じ語で他により良いページがあれば後ろに置かれます。記事名でそのまま検索して出てくるなら、登録は済んでいて、勝負しているのは順位のほうでしょう。
必須ではありません。既に登録済みのページは定期的に再訪されるため、修正はいずれ反映されます。ただし内容を大きく書き換えたときや、公開日を前に出したいときは、リクエストしておくと反映が早まる場合があります。
内訳を見てから判断してください。一覧ページやパラメータ付きURLが整理された結果なら、むしろ健全な減り方です。読んでほしい記事が外れているなら原因を追う必要があります。まず減った分がどのURLかを確かめましょう。
まとめ|インデックスは増やすより選ぶ
インデックスは、検索結果に出るための前提であって、順位そのものではありません。登録されて初めて土俵に上がり、そこから中身で比べられる。まずはこの2段階を分けて考えるところから始まります。
そして件数そのものを追う運用からは、そろそろ抜けてよいはずです。記事数と登録件数の差は、内訳さえ分ければ放っておける差と直すべき差にきれいに割れます。検索から人が来る前提のないページまで預ける必要はありません。預ける相手を絞ったほうが、読んでほしい記事は見つけてもらいやすくなります。
確認はサーチコンソールで、促すのはサイトマップと内部リンクとリクエストの順に。それでも登録されないなら、中身を作り直す段階に入った合図だと受け取ってください。
私たち合同会社Writers-hubは、検索から人を呼ぶ記事の企画と制作、公開後の手入れまでを一貫して手がけています。登録されないページが積み上がっている、どこから直せばよいか決めきれないという段階でしたら、現状を伺うところからお手伝いできます。
どのページを直せば検索から人が来るのか、見当がつかないままではありませんか
登録状況の確認、直すページの仕分け、記事の作り直しまで、どこから手を付けるべきかはサイトの規模と今の状態で変わります。まずは現状を伺ったうえで、必要な工程と進め方をご提案します。








