「スマホのSEO対策は、スマホで開いて表示が崩れていなければ済んでいそう」。今のCMSのテーマは画面の幅に合わせて表示を組み替えるものが多く、スマホで開いても崩れないため、そう思われがちです。ところが、Googleが検索順位を決めるときに読むのはスマホ版のページの中身で、見た目が整っていても、スマホ版で読み込まれない文章は評価に使われません。何から確かめるかは、サイトがスマホ向けのページをどう出し分けているかで変わります。
本記事では、Googleがスマホ版のページを評価する仕組みから、サイトの作り方ごとに先に直すところまで、SEO対策を請け負う立場から順を追ってお伝えします。
- Googleは、スマートフォン用のクローラーで読み込んだスマホ版のページで、インデックス登録と順位付けをしています
- サイトの作り方は4つに分かれ、スマホとパソコンで同じページを開いて比べれば見分けられます
- レスポンシブデザインのサイトは、タップで読み込む文章と表示速度から確かめます
- スマホ用の別URLや別のHTMLがあるサイトは、パソコン版と同じ中身がそろっているかを先に確かめます
- モバイルフレンドリーテストは2023年12月に終わり、今はURL検査ツールとPageSpeed Insightsで確かめます
スマホのSEOとモバイルファーストインデックス
スマホのSEOとは、Googleがスマホ版のページで検索順位を決める前提に合わせて、スマホ版のページを整えることです。Googleがインデックス登録と順位付けに、スマートフォン用のクローラーで読み込んだスマホ版のページを使う仕組みを、モバイルファーストインデックスと呼びます。

Googleは、2024年7月5日以降、スマートフォン用のGooglebotだけでサイトをクロールし、インデックスに登録すると告知しました。スマホでまったく閲覧できないサイトは、インデックス登録の対象外です。商品リスティングなど一部の検索機能のクロールには、パソコン用のGooglebotが使われることがあります。
※ Google 検索セントラル ブログ「Mobile-indexing-vLast-final-final.doc」(2024年6月)
対象外になるのは、スマホで開くとエラーが出るサイトや、どのページを開いてもトップページに転送されるサイトのように、スマホから中身を読めないサイトです。スマホ向けのデザインが無いだけのサイトは、対象外になりません。Googleの検索セントラルにも、モバイル版のページを用意することは、検索結果に表示させる要件ではないものの、非常に強く推奨されていると書かれています。
スマホ版とパソコン版で中身が違うサイトでは、スマホ版にある中身だけがインデックス登録に使われます。

自分のサイトの作り方の見分け方
サイトがスマホ向けのページをどう出しているかは、次の4つの作り方のどれかに当たり、スマホとパソコンで同じページを開いて比べれば見分けられます。
- レスポンシブデザイン:同じURLで同じHTMLを返し、画面の幅に合わせて表示を組み替える
- 動的な配信:同じURLのまま、アクセスした端末を見分けて別のHTMLを返す
- 別個のURL:スマホには、m.example.comのような別のURLのページを返す
- パソコン向けだけ:スマホにもパソコンと同じ表示を返し、画面に縮めて映す
Googleは、スマホに対応する作り方のうち、実装と維持が最も簡単なものとしてレスポンシブデザインを勧めています。自分のサイトがどれに当たるかを見分ける手順は、次の3つです。
スマホでトップページと記事のページを開きます。パソコンと同じ表示が縮んで映り、文字を読むのに拡大が要るなら、パソコン向けだけのサイトです。
スマホとパソコンで同じページを開き、URLを比べます。m.example.comやexample.com/sp/のようにURLが違えば、別個のURLのサイトです。
URLが同じなら、パソコンのブラウザの幅を狭めます。表示がスマホと同じ並びに変わればレスポンシブデザインで、変わらないのにスマホでは別の並びになるなら動的な配信と考えられます。
手順で判断がつかないときは、サイトを作った制作会社に作り方を聞くか、CMSのテーマの説明を見てください。ブログのページだけがレスポンシブデザインのように、1つのサイトの中でページの種類ごとに作り方が違うこともあります。

サイトの作り方別のスマホ対応の優先順位
スマホ対応の優先順位は、作り方ごとに問題が起きやすい段階から付けます。段階は、Googleがスマホ版のページを評価するまでの次の3つです。
- 読み込めるか:Googleがスマホ版のページを開き、文章や画像を読み込める
- 中身がそろっているか:スマホ版に、パソコン版と同じ文章・画像・構造化データがある
- 速く使いやすいか:スマホで表示が速く、操作しやすい
Googleが読み込めないページは中身を評価されず、中身が欠けたページは表示速度を直しても欠けた文章が検索に使われないので、読み込めるかから順に直します。4つの作り方ごとに、最初と次に直すところをまとめると次のとおりです。
| 最初に直すところ | 次に直すところ | |
|---|---|---|
| パソコン向けだけ | スマホから中身を読めるか | レスポンシブデザインへの作り直し |
| 別個のURL | パソコン版の各ページに対応するスマホ版の中身 | canonicalとalternateの指定 |
| 動的な配信 | スマホ用のHTMLの中身 | Vary: User-Agentのヘッダー |
| レスポンシブデザイン | タップで読み込む文章 | Core Web Vitals |
パソコン向けだけのサイト
パソコン向けだけのサイトは、スマホから中身を読めるかを最初に確かめ、次にレスポンシブデザインへの作り直しを決めます。スマホから中身を読めないページは、インデックス登録の対象から外れるためです。Search ConsoleのURL検査ツールで主なページを検査し、「ページの取得」が成功しているかを見ます。
WixやBloggerのようなCMSで今のテーマを直せないときは、Googleはモバイルフレンドリーなテーマへの切り替えを案内しています。作り直しでページのURLが変わるなら、古いURLから新しいURLへの301リダイレクトの設定が必要です。設定の考え方はリダイレクトがSEOに与える影響で扱っています。
別個のURLのサイト
別個のURLのサイトは、パソコン版の各ページに、同じ中身のスマホ版のページが対応しているかを最初に確かめます。Googleは、モバイルファーストインデックスの一般的なエラーを挙げています。別個のURLのサイトで起きやすいのは、次の4つです。
- 複数のパソコン版のページが、スマホではトップページなどの同じページに転送される
- パソコン版は表示されるのに、スマホ版がエラーページになる
- スマホ版のURLに、「#」から後ろのフラグメントが入っている
- スマホ版に、パソコン版の文章・画像・構造化データの一部が無い
スマホでの転送先がトップページにまとまっているページや、スマホ版がエラーになるページ、フラグメントの入ったURLのページは、インデックスから外れます。
中身がそろったら、2つのURLの関係をGoogleに伝えます。パソコン版にはcanonicalで自身のURLを、alternateでスマホ版のURLを書き、スマホ版にはcanonicalでパソコン版のURLを書きます。canonicalの書き方はcanonicalタグとは何かで説明しています。
titleとメタディスクリプション、robotsのmetaタグ、robots.txtのルールも、パソコン版とスマホ版でそろえるのが基本です。Search Consoleにはパソコン版とスマホ版の両方を登録し、どちらのメッセージも受け取れるようにします。
2つの版を同じ中身に保つ手間は、ページを足すたびにかかり続けます。作り直しの予定があるなら、レスポンシブデザインへ移すことも候補に入れてください。中身とURLの関係を直した後は、レスポンシブデザインのサイトと同じく、タップで読み込む文章と表示速度を確かめます。
動的な配信のサイト
動的な配信のサイトは、スマホ用のHTMLにパソコン用と同じ中身があるかを最初に確かめます。URLは同じでも、HTMLはスマホ用とパソコン用で別に作られているため、パソコン用にだけ書き足した文章や構造化データは、スマホ用には入りません。
次に、Googleの説明どおり、サーバーがVary: User-AgentのHTTPレスポンスヘッダーを返しているかを確かめます。URL検査ツールの「クロール済みのページを表示」を開くと、Googleが受け取ったHTMLとHTTPレスポンスのヘッダーの両方を見られます。
中身とヘッダーを確かめた後は、レスポンシブデザインのサイトと同じ順で、タップで読み込む文章と表示速度を見ます。
レスポンシブデザインのサイト
レスポンシブデザインのサイトは、タップしてから読み込む文章を最初に、表示速度を次に確かめます。スマホとパソコンに同じURLで同じHTMLを返すので、スマホ版とパソコン版の中身の食い違いは起きないためです。
うちはレスポンシブデザインなので、スマホ対応はもう済んでいると考えてよいですか?
編集部
スマホ版とパソコン版の中身の食い違いは、HTMLが同じなので起きません。ただ、「もっと見る」やタブをタップしてから文章を読み込む作りの部分は、別に確かめる必要があります。
タップの後に読み込む文章は、Googleに読み込まれません。Googleは、ページ上でスワイプやクリック、入力をしないためです。URL検査ツールの「クロール済みのページを表示」で、タップの後に出る文章の一部をHTMLの中から探し、見つからなければページを開いた時点で読み込む作りに直します。画像の遅延読み込みは、画面に入ったときに読み込む作りなら、Googleも読み込めます。
表示速度は、Core Web Vitalsの3つの指標で確かめます。Googleは、ランキングシステムでCore Web Vitalsを使っていると説明しています。
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スマホ対応を確かめる3つのツール
スマホ対応は、Googleの次の3つのツールで確かめます。読み込めるかと中身はURL検査ツール、表示速度はPageSpeed InsightsとCore Web Vitalsレポートです。
Googleのモバイルフレンドリーテストと、Search Consoleのモバイルユーザビリティのレポートは、2023年12月1日に提供が終わりました。Googleは、モバイルユーザビリティの重要さは変わらないとしたうえで、ChromeのLighthouseなど、評価に使えるツールが増えたことを理由に挙げています。
URL検査ツール
URL検査ツールは、Googleがページをどう読み込んだかを、Search Consoleで1ページずつ確かめるツールです。検査結果の「ユーザーエージェント」の欄には、クロールに使ったのがパソコン用かスマートフォン用かが出ます。「クロール済みのページを表示」では、Googleが受け取ったHTMLを見られます。
ページを直した後の確認に使うのは、「公開URLをテスト」です。今のページを検査でき、Googleが読み込んだ画面のスクリーンショットで、スマホ版に文章や画像が欠けていないかを目で確かめられます。
PageSpeed Insights
PageSpeed Insightsは、URLを入れると、モバイルとパソコンに分けて表示速度を測るGoogleのツールです。結果には、Chromeの利用者から集めた過去28日間の実際のデータと、1台の端末で読み込みを再現したデータが並び、Core Web Vitalsの合否は実際のデータで判定されます。
Core Web Vitalsの3つの指標と、「良好」とされる目安は次のとおりです。
指標 | 測るもの | 良好の目安 |
|---|---|---|
LCP | 読み込みの速さ | 2.5秒以内 |
INP | 操作への反応の速さ | 200ミリ秒以下 |
CLS | 表示のずれにくさ | 0.1以下 |
※ 目安は、ページの読み込みの75パーセンタイルで満たしているかで判定します(web.dev「Web Vitals」)。
公開して間もないページや訪問の少ないページは、実際のデータが足りず、表示されないことがあります。
Core Web Vitalsレポート
Core Web Vitalsレポートは、Search Consoleで、サイトのURLをモバイルとパソコンに分けて「良好」「改善が必要」「低速」に振り分けるレポートです。似たページをURLのグループにまとめ、グループの中で最も悪い指標の状態を、グループの状態として表示します。
PageSpeed Insightsが1つのURLを測るのに対し、Core Web Vitalsレポートではサイト全体を見られます。レポートでモバイルの「低速」のグループを見つけてから、グループの中のURLをPageSpeed Insightsで測るのが、直す場所を絞る順番です。
スマホのSEOのよくある質問
スマホのSEOについて、よく聞かれる3つの質問に答えます。
タブやアコーディオンに入れた文章も評価される?
タブやアコーディオンに入れた文章も、ページを開いた時点でHTMLに入っていれば、Googleに読み込まれます。Googleは、スマホの画面で場所を空けたいときに、文章を削らずにアコーディオンやタブに移すよう勧めています。
表示速度の点数は100点を目指すべき?
PageSpeed Insightsの点数は、100点を目指さなくて構いません。Googleは、Core Web Vitalsのレポートやツールで良い結果が出ても上位表示が保証されるわけではなく、SEOのためだけにCore Web Vitalsで満点を取ろうとするのは時間の有効な使い方とは言えないと説明しています。点数は90以上が良好とされているので、点数より先に、実際のデータで3つの指標が良好の目安に入っているかを見ます。
ポップアップを出すと順位は下がる?
ページ全体を覆うポップアップを出すと、Googleがページの中身を把握しにくくなり、検索での成果が下がるおそれがあります。Googleは、ページ全体を覆うインタースティシャルの代わりに、画面の一部だけを覆うバナーを使うよう勧めています。年齢確認のように、内容の都合で表示が必須のインタースティシャルは、Googleのガイドラインの対象外です。
※ Google 検索セントラル「煩わしいインタースティシャルやダイアログを避ける」
まとめ|スマホのSEOは作り方で直す順番が変わる
Googleは、スマートフォン用のクローラーで読み込んだスマホ版のページで、インデックス登録と順位付けをしています。スマホ対応は、読み込めるか、中身がそろっているか、速く使いやすいかの順で確かめます。
スマホのSEOは、作り方ごとに問題が起きやすい段階から直します。パソコン向けだけのサイトはスマホから読めるかを、別個のURLと動的な配信のサイトはスマホ版の中身を、レスポンシブデザインのサイトはタップで読み込む文章と表示速度を先に見ると、直す順番に迷いません。
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