「小見出しの意味くらい、辞書や用語集を引けばすぐ分かるだろう」。見出しの呼び名は印刷の時代から使われてきた言葉なので、どこかに決まった説明が載っていると考えるのが自然です。ところが実際に引いてみると、大見出しの脇に小さな字で添える補足という紙面の説明が並び、h3やh4をどう書けばよいか迷って調べた人には噛み合わない答えが返ってきます。
しかし、記事の構成を組み立て、原稿の見出しを整える作業を数多く重ねてきた弊社の立場から言えるのは、小見出しはうまい言い回しを探す場所ではなく、そのまとまりで答える問いがいくつあるかを決める場所だということです。紙と同じ言葉でも、Web記事の小見出しは字数の都合ではなく中身の分かれ方だけで数が決まります。答える問いを書き出して2つ以上あるときだけ分けると決めておけば、どこで区切るかで迷う場面は減ります。
本記事では、小見出しの読み方と大見出し・中見出しとの関係から、紙とWebで指すものが変わる理由、書くときの手順まで、制作の現場の視点で順を追ってお伝えします。
- 小見出しの読み方と、辞書に載っている2つの意味
- 大見出し・中見出しとの関係と、hタグとの対応
- 紙とWebで小見出しの指すものが変わる理由
- そのまま使える例と、小見出しを書く4つの手順
小見出しとは文章のまとまりごとに置く小さな見出し
小見出しとは、文章のまとまりの先頭に置く小さな見出しを指します。読み方はこみだし。長い文章を意味のかたまりに区切り、そこから何の話が始まるのかを先に伝える札のような存在です。
国語辞典には意味が2つ並んでいます。ひとつは文章の章や節につける見出し、もうひとつは新聞などで大きな見出しのわきに補足として添える小さな字の見出し。前者は階層の話、後者は紙面配置の話で、指す対象が違います。
※ 参考 デジタル大辞泉「小見出し」
大見出し・中見出しとの関係
見出しは大きさで3段階に呼び分けられます。記事全体を示すのが大見出し、話題のかたまりを示すのが中見出し、そのかたまりの中をさらに分けるのが小見出しという並びです。
Web記事ではそれぞれh1、h2、h3以下が対応すると語られます。ただしこれは制作現場の慣習で、HTMLの仕様として小見出しがh3と定められているわけではありません。タグの使い分けはHTMLのhタグとはで扱っています。

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紙とWebでは小見出しの置き場所が違う
冒頭で触れた噛み合わなさは、この違いを分けないまま調べていることから生まれています。
新聞や雑誌の紙面では、小見出しは大見出しの脇や下に添えるもの。主見出しで伝えきれない補足を小さな文字で横に置く使い方で、袖見出し、脇見出しとも呼ばれます。大見出しの付属物という位置づけでした。
対してWeb記事の小見出しは、h2の内側に入れ子で並びます。付属物ではなく、階層の下位に置かれる構造そのもの。紙の小見出しは横に添える、Webの小見出しは下にぶら下げると整理すると混乱しません。
| 紙(新聞・雑誌・書籍) | Web記事 | |
|---|---|---|
| 置き場所 | 大見出しの脇や下 | 中見出しの内側に入れ子 |
| 役割 | 大見出しの補足 | まとまりの内部を区切る |
| 呼び名 | 袖見出し、脇見出し | h3、h4 |
| 数の決まり方 | 紙面のスペース | 中身の分かれ方 |
実務で効くのは、数の決まり方の行です。紙は余白が上限を決めますが、Webの根拠は中身の分かれ方だけ。字数の都合で削る判断が使えないぶん、切り分けの理屈をこちらで持つ必要があります。

呼び分けは、社外との会話で食い違うことがあります。
社内では小見出しをh3の意味で使っています。辞書の説明とは違いますが、間違った使い方になりますか。
編集部
間違いではありません。Web制作の現場ではh3以下を小見出しと呼ぶのが通り相場で、辞書の語義と併存しています。紙の校正者と同席する場だけ、h3のことだと一言添えれば行き違いは起きません。
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小見出しの例と、直したほうがよい例
小見出しは、そのまとまりで答える問いをそのまま札にすると読みやすくなります。同じ中見出しの下で並べてみましょう。
そのまま使える例
- 水をやりすぎている
- 日光が足りていない
- 鉢の中で根が詰まっている
直したほうがよい例
- 原因その1
- 意外と多いパターン
- 観葉植物が枯れる原因について
直したほうがよい3つは、理由が異なります。番号だけの札は目次に並んだとき中身が読み取れず、読者が目当ての箇所へ飛べません。もったいぶった言い回しは答えを引き延ばしているだけ。3つ目は中見出しの繰り返しで、分けた意味が消えています。
小見出しは要約ではなく予告として書くという基準も迷いを減らします。「水のやりすぎが最大の原因」と書いてしまえば、読者はそこで納得し、本文を読み飛ばすでしょう。
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小見出しを書く4つの手順
手順そのものは短く、次の4つで足ります。
中見出しの下に何を書くのかを疑問文の形で並べます。「水はどのくらいやればよいのか」というように、読者が実際に抱く言い方で書き出すのが要点です。
問いが1つしかないなら、小見出しは作らず中見出しの本文で書き切ります。無理に分けても、中身の薄いまとまりが並ぶだけです。
社内用語のまま札にすると、検索してきた読者の語彙と一致しません。読者が検索窓に打ち込む言葉で言い直します。
本文を隠して札だけを順に読み、話の筋が追えるかを確かめます。ここで引っかかった箇所は、読者がつまずく箇所と重なります。
差が出るのは2番目でしょう。問いが1つしかないなら、小見出しは作らない。1つのまとまりに小見出しが1つだけぶら下がる構成は、分類として成立していません。

札の言い回しを整えるより、先に問いの数を数えるほうが早く片づきます。
小見出しをどこで切るかの判断が、書き手によってばらついていませんか
複数人で書き始めると切り分けの粒度がずれ、編集側の差し戻しが増えます。合同会社Writers-hubの内製化支援では、構成表の書式と検品の観点を言語化し、書き手が増えても粒度がそろう状態まで整えます。
小見出しでつまずきやすい書き方
制作の現場で書き直しをお願いすることが多い型を挙げます。
- 「ポイント1」「その2」のように番号だけで、中身が読み取れない
- 中見出しを言い換えただけで、分けた意味がなくなっている
- 階層を飛ばし、h2の次にいきなりh4を置いている
- 検索キーワードを繰り返し入れ、同じ語が縦に並んでいる
- 体言止めと文章が混ざり、並べたときの調子がそろわない
階層飛ばしは検索順位への影響を心配されがちですが、実務で先に効くのは目次のほうです。h4は目次に出ないCMSが多いため、届けたい内容をh4へ置くと見つけてもらえません。
キーワードも詰め込む必要はありません。GoogleはSEOスターターガイドで、見出しタグを使ってページ内のテキストに階層をつけるよう勧めています。求められているのは構造の分かりやすさであって、同じ語を並べることではありません。

※ 出典 Google 検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」
小見出しについてよくある質問
こみだしと読みます。大見出しはおおみだし、中見出しはなかみだしです。
扱う範囲の広さが違います。中見出しは話題のかたまり全体を示し、小見出しはその内部をさらに分ける札です。Web記事ではh2とh3が対応します。
決まりはありませんが2つから4つが自然です。1つだけなら分ける必要がなく、5つを超えるなら中見出しを2つに割ることを検討してください。
まとめ 小見出しは問いの数で切り分ける
小見出しとは、文章のまとまりごとに置く小さな見出しのことです。紙では大見出しの脇に添える補足を指し、Web記事ではh3以下の階層を指す。同じ言葉が違うものを指しているため、調べた説明が噛み合わなくなります。
書くときの判断は単純でした。答える問いを書き出し、2つ以上あるときだけ分ける。読者の言葉に置き換え、最後に小見出しだけを上から読み直す。並べ方をSEOの観点から詰めたい場合は、SEOに強い見出しの作り方も併せてご覧ください。
小見出しの基準は決まっても、記事の本数が積み上がらない段階ではありませんか
見出しの粒度がそろっても、書く時間が確保できない状態は別の問題です。構成だけを社内で持ち、執筆と編集を外へ出す進め方もあります。現在の制作フローをうかがったうえで、どこを渡すと詰まりが解けるかをご提案します。








