「関連するキーワードを1つのテーマに集めて、まとめ記事から内部リンクを張れば、トピッククラスターになりそう」。キーワードツールで関連語を出すと、同じ語を含むキーワードが1つの一覧に並ぶので、同じ語を含むものは同じ記事に入れたくなります。ところが、同じ語を含むキーワードでも、検索結果の上位に並ぶページが違えば、1本の記事では答え切れません。どのキーワードを柱になるページに入れ、どれを別の記事にするかは、2つのキーワードで検索したとき、上位10件に同じURLが何件並ぶかで決められます。
本記事では、トピッククラスターの仕組みから、上位10件の重なりでキーワードを分ける手順、分けた結果を記事の制作計画にする進め方まで、記事の制作を手がける会社の視点で順を追ってお伝えします。
- トピッククラスターは、柱になるピラーページと1つの問いに答える記事を、内部リンクでつないで作る
- 上位10件に同じURLが4件以上並ぶ2つのキーワードは、同じ記事で答える
- 同じ語を含むキーワードでも、上位10件が重ならなければ別の記事が要る
- 上位のタイトルにピラーページで狙うキーワードが入らないキーワードは、別のクラスターに回す
- 分けた結果を1行1記事の表にすると、そのまま制作計画と書き手への指示になる
トピッククラスターとは
トピッククラスターとは、1つのテーマについて、テーマ全体に答える柱のページと、テーマの中の1つの問いに答える記事を、内部リンクでつないだ記事のまとまりです。柱のページをピラーページ、1つの問いに答える記事をクラスターページと呼びます。
トピッククラスターを作る3つの部品の役割を、「オウンドメディア」をテーマにした場合の例と並べると次のとおりです。
部品 | 役割 | 「オウンドメディア」がテーマの例 |
|---|---|---|
ピラーページ | テーマ全体を表すキーワードで検索した人に、全体像と個別の問いへの短い答えを示す | 「オウンドメディア」で上位を狙うページ |
クラスターページ | テーマの中の1つの問いに詳しく答える | 「オウンドメディア KPI」「オウンドメディア 費用」で1本ずつ上位を狙う記事 |
内部リンク | ピラーページとクラスターページを双方向につなぐ | ピラーページのKPIの節からKPIの記事へ張り、KPIの記事からピラーページへ戻すリンク |

トピッククラスターがSEOに役立つ理由
トピッククラスターがSEOに役立つのは、記事どうしのつながりと、それぞれの記事が答える問いを、内部リンクでGoogleに伝えられるからです。Googleのリンクに関するベストプラクティスには、Googleがページの関連性を判断し、クロールする新しいページを見つけるときに、リンクをシグナルとして使うと書かれています。

同じ文書では、サイトの中で大切なページには、同じサイトの別のページから少なくとも1本のリンクがある状態が推奨されています。リンクの文言(アンカーテキスト)も、Googleがリンク先の内容を把握する材料になると説明されています。
トピッククラスターでは、1つの問いに答える記事を1本に決めてから書くため、同じ検索に答える記事が2本できる状態(カニバリゼーション)も防げます。
ただし、トピッククラスターは、Googleが順位の決め方として公表している仕組みではありません。Googleの文書が説明しているのはリンクの扱いで、1本ずつの記事が検索した人の問いに答えていなければ、記事どうしをつないだだけで上位に出るわけではありません。
トピッククラスターで分ける3種類のキーワード
トピッククラスターで扱うキーワードは、ピラーキーワード(ピラーページで狙うキーワード)と上位10件を比べ、同じURLの数と上位のタイトルで3種類に分けます。上位10件に同じURLが多く並ぶ2つのキーワードは、1つのページで両方の検索に答えられるとGoogleが見ている、と読み取れるためです。
2026年10月8日に、「オウンドメディア」をピラーキーワードにして、関連する10個のキーワードのGoogle検索の上位10件(日本・日本語)を比べた結果は次のとおりです。
キーワード | 「オウンドメディア」と同じURL | 分け方 |
|---|---|---|
オウンドメディア とは | 7件 | 同じ記事に入れる |
オウンドメディア 意味 | 6件 | 同じ記事に入れる |
オウンドメディア 運用 | 3件 | 同じクラスターの別の記事にする |
オウンドメディア 立ち上げ | 2件 | 「作り方」と1本の別の記事にする |
オウンドメディア 作り方 | 2件 | 「立ち上げ」と1本の別の記事にする |
オウンドメディア 事例 | 2件 | 同じクラスターの別の記事にする |
オウンドメディア 費用 | 0件 | 同じクラスターの別の記事にする |
オウンドメディア KPI | 0件 | 同じクラスターの別の記事にする |
オウンドメディア 失敗 | 0件 | 同じクラスターの別の記事にする |
コンテンツマーケティング | 0件 | 別のクラスターに回す |
※ 上位10件は、検索した日や場所、端末などによって変わることがあります。

同じ記事に入れるキーワード
上位10件に同じURLが4件以上並ぶキーワードは、同じ記事で答えます。
同じURLが2〜3件のキーワードは、ピラーページの1つの見出しで答え切れる場合だけ、同じ記事に入れます。「オウンドメディア 運用」は3件が同じでしたが、残る7件は、運用の進め方や体制を扱う記事と、運用代行の会社を紹介するページでした。運用の問いには1つの見出しでは答え切れないため、ピラーページには短い節だけを置き、詳しい答えは別の記事に回します。
同じ記事に入れる基準の4件は目安で、件数を上げるほど記事の本数が増え、下げるほど1本の記事で答えるキーワードが増えます。
同じクラスターの別の記事にするキーワード
上位10件に同じURLが1件以下のキーワードと、2〜3件でも1つの見出しで答え切れないキーワードは、別の記事にします。別の記事にしたキーワードのうち、上位10件のタイトルにピラーキーワードが入るものは、ピラーページのテーマの中の問いなので、同じクラスターのクラスターページにします。
「オウンドメディア 費用」「オウンドメディア KPI」「オウンドメディア 失敗」は、どれも「オウンドメディア」と同じURLが0件でした。一方で、3つとも上位10件のタイトルの10件すべてに「オウンドメディア」が入っていました。
「オウンドメディア 費用」は「オウンドメディア」と同じ語を含むのに、ピラーページで答えてはいけないのでしょうか?
編集部
ピラーページに費用の短い節を置くのは構いません。ただ、費用で検索した人の上位10件には、費用の相場や費用対効果を扱う記事が並び、ピラーページと同じURLは1件もありませんでした。費用の詳しい答えは別の記事に書き、ピラーページの費用の節からリンクします。
別の記事にするキーワードどうしも、上位10件を比べます。「オウンドメディア 立ち上げ」と「オウンドメディア 作り方」は互いに4件が同じだったので、1本の記事にまとめます。費用・KPI・失敗の3つは互いに1件も重ならなかったため、3本の記事に分けます。
別のクラスターに回すキーワード
上位10件のタイトルにピラーキーワードが入らないキーワードは、ピラーページのテーマの外の問いなので、別のクラスターに回します。「コンテンツマーケティング」は「オウンドメディア」と同じURLが0件で、上位10件のタイトルにも「オウンドメディア」は1件も入っていませんでした。
コンテンツマーケティングのように別のテーマのキーワードは、そのキーワード自体をピラーキーワードにした別のクラスターを作ります。
トピッククラスターを作る6つの手順
トピッククラスターは、ピラーキーワード(ピラーページで狙うキーワード)を1つ決めてから、候補のキーワードの上位10件を集めて数える、6つの手順で作ります。
テーマ全体を表し、自社のサービスにつながるキーワードを1つ選びます。候補が複数あるときは、ほかの候補を多く含むキーワードのうち、検索ボリュームが大きいものをピラーキーワードにします。
ピラーキーワードを含むキーワードを、キーワードツールや、Googleの検索結果の下に出る関連キーワードから集めます。ピラーキーワードを含まなくても、自社の読者が続けて調べるキーワードは候補に入れます。
ピラーキーワードと候補のキーワードをそれぞれ検索し、広告を除いた上位10件のURLを、キーワードごとに表計算ソフトの1列に貼ります。検索結果はログインの有無や検索した場所で変わることがあるため、同じ日に、ログインしていないブラウザのシークレットウィンドウで検索します。URLの末尾の「/」の有無と「#」以降はそろえて貼ります。
B2からB11にピラーキーワードの上位10件、C2からC11に候補の上位10件を貼った場合、「=SUMPRODUCT(COUNTIF(B2:B11,C2:C11))」で同じURLの数が出ます。数えるのはURLが同じページだけで、同じサイトの別のページは数えません。
同じURLの数と上位10件のタイトルを見て、キーワードを3種類に振り分けます。別の記事にしたキーワードどうしも同じ数式で比べ、4件以上重なるキーワードは1本の記事にまとめます。
ピラーページからは各クラスターページへ、各クラスターページからはピラーページへリンクを張ります。クラスターページどうしは、読者が続けて読む組み合わせだけをつなぎます。リンクの文言は「こちら」でなく、「オウンドメディアのKPIの決め方」のように、リンク先の問いが分かる言葉にします。
あとから新しいキーワードを見つけたときは、ピラーキーワードの列と比べる列を1つ足せば、どの記事で答えるかが決まります。
キーワードの一覧を、ピラーページとクラスターページに分ける時間が取れていますか
「記事コンテンツの制作支援」では、キーワード戦略の設計として、キーワードマップの作成とコンテンツ計画を行います。手元のキーワードの一覧を、どの記事で答えるかの表にするところから相談できます。
トピッククラスターを記事の制作計画にする進め方
トピッククラスターでキーワードを分けた結果は、1行に1本の記事を書いた表にすると、そのまま記事の制作計画になります。表に書く項目は次の5つです。
- 役割:ピラーページかクラスターページか
- 狙うキーワード:記事のタイトルに入れる語
- 同じ記事で答えるキーワード:4件以上重なったキーワードと、1つの見出しで答え切ると決めたキーワード
- リンクする記事:ピラーページと、続けて読まれるクラスターページ
- 公開日と担当者:記事ごとの公開の予定日と、書く人

ピラーページとクラスターページの書き分け
ピラーページは、ピラーキーワード(ピラーページで狙うキーワード)で検索した人の問いにページ自身で答え、クラスターページの問いには、節ごとに2〜3文で短く答えてからリンクで案内します。クラスターページへのリンクを並べただけのページにすると、ピラーキーワードで検索した人は、答えを得るために別の記事を何本も開くことになります。
クラスターページは、1つの問いに最後まで答え、ピラーページで書いた全体像は繰り返しません。全体像が要る読者は、ピラーページへのリンクで案内します。
ブログのカテゴリの一覧ページを、ピラーページの代わりにできないでしょうか?
編集部
記事のタイトルが並ぶだけのカテゴリページには、ピラーキーワードで検索した人の問いに答える本文がありません。ピラーページは、全体像を本文で説明する記事として別に作り、カテゴリページとは分けて考えます。
公開の順番
ピラーページとクラスターページは、どちらから公開しても構いません。ピラーページは単独でもピラーキーワードの問いに答えられるため、クラスターページが揃う前に公開できます。クラスターページを公開した日に、ピラーページの該当する節へリンクを足す作業は忘れやすいため、記事の公開の手順に入れておきます。
クラスターページを書く順番は、記事の目的で決めます。問い合わせを増やしたいなら、読んだ人が次に問い合わせを考える費用などの問いを先にし、読まれる数を増やしたいなら、検索ボリュームの大きい問いを先にします。
書き手への指示
書き手に記事を頼むときは、狙うキーワードと同じ記事で答えるキーワードに加えて、ほかの記事が答える問いと、リンク先のURLを渡します。ほかの記事が答える問いを知らない書き手は、読者に親切なつもりでクラスターページの中身まで書き足し、同じ検索に答える記事を2本作りがちです。
複数の書き手で進めるときは、表を全員が見られる場所に置き、記事を公開するたびに、編集者が両方向のリンクを確かめます。
公開後の見直し
公開後は、Search Consoleの検索パフォーマンスで、クラスターページで狙うキーワードに、表で決めた記事が表示されているかを確かめます。クエリでキーワードを絞り込み、「ページ」のタブを開くと、絞り込んだクエリで表示されたページの一覧が出ます。
決めた記事と違うページが表示されていたら、クラスターページで狙うキーワードの上位10件を比べ直し、表と記事を直します。上位10件は時間がたつと入れ替わるため、表には検索した日を残しておきます。
トピッククラスターでよくある質問
トピッククラスターを作るときに迷いやすい質問に、3つ答えます。
記事が少ないサイトでも作れる?
記事が数本しかないサイトでも、トピッククラスターは作れます。柱にするキーワードを1つ決めて候補のキーワードを3種類に分けると、表の行がそのまま、これから書く記事の一覧になるからです。
既存の記事はどう組み込む?
既存の記事は、それぞれが狙っているキーワードを、表の「狙うキーワード」の列に当てはめて組み込みます。2本の記事が狙うキーワードの上位10件に同じURLが4件以上あるときは、1本にまとめ、まとめて無くす記事のURLから残す記事へ301リダイレクトを設定します。統合の進め方は、記事のカニバリゼーション診断と解消方法で扱っています。
別のクラスターの記事にリンクしてもいい?
別のクラスターの記事へのリンクは、読者が続けて読む問いなら張って構いません。Googleのリンクに関するベストプラクティスには、1ページに含めるリンクの数に理想的な値は無く、多すぎると感じるなら実際に多すぎる可能性が高いと書かれています。たとえば「オウンドメディア」のピラーページでは、コンテンツマーケティングとの違いに触れる節から、「コンテンツマーケティング」のピラーページへリンクします。
まとめ|トピッククラスターは検索結果の重なりで分ける
トピッククラスターは、ピラーページとクラスターページを内部リンクでつないだ記事のまとまりで、どのキーワードをどの記事に入れるかは、表記の近さでなく検索結果の上位10件の重なりで決めます。同じURLが4件以上なら同じ記事、1件以下なら別の記事にし、別の記事のうち上位のタイトルにピラーキーワードが入るキーワードを同じクラスターに入れます。
分けた結果を1行1記事の表にすれば、公開の順番と書き手への指示まで1枚で決められます。
私たち合同会社Writers-hubは、累計8,000記事以上を制作し、200人以上のライターを育成してきた記事制作会社です。
決めたクラスターの記事を、毎月公開し続ける体制はありますか
「記事コンテンツの制作支援」では、編集者・ライター・監修者のチーム編成から、レギュレーションの策定、品質管理の流れまでを組み立てます。分けたキーワードの表を、書き手に渡す指示と公開の手順に変えるところから相談できます。







