「サブドメインで別のサイトにすれば、本体とは別に検索結果の上位の枠を取れそう」。サブドメインは本体と別のホスト名になり、Googleもクロールやrobots.txtをホスト名ごとに扱うため、丸ごと別のサイトになると思われがちです。ところが、1つのサイトが検索結果の上位を占めないように調整するGoogleの仕組みでは、サブドメインは通常、本体と同じサイトとして数えられます。サブドメインで本体と分けられるのは、サーバーやrobots.txt、サイト名のように、ホスト名ごとに扱われるものです。
本記事では、サブドメインのメリットとデメリットから分けるかを決める順番まで、データベース型サイトのURLの設計を支援する会社の視点でお伝えします。
- サブドメインは、ドメイン名を本体と共有し、ホスト名を分けてサイトを作る方法です
- 新しいドメインを取らずに、サーバーやrobots.txt、検索結果のサイト名などを本体と分けられます
- 引き換えに、ホスト名ごとの設定が増え、閉じるときはDNSのレコードまで消す必要があります
- どちらが上位に出やすいかはGoogleの文書から決められないため、本体と何を分けたいかで選びます
サブドメインとサブディレクトリ・別ドメインの違い
サブドメインとサブディレクトリ、別ドメインの違いは、本体のサイトとドメイン名やホスト名を共有するかどうかです。ホスト名は、URLの「https://」の後ろから最初の「/」までの部分を指します。
記事のメディアを作るなら、サブディレクトリは「example.com/media/」、サブドメインは「media.example.com」のようなURLです。別ドメインでは、「example-media.com」のように本体と違うドメイン名を取ります。

サブディレクトリはドメイン名もホスト名も本体と同じで、別ドメインはどちらも本体と別です。サブドメインは、ドメイン名を本体と共有し、ホスト名だけを分ける置き方です。
サブドメインの5つのメリット
サブドメインのメリットは、次の5つです。
新しいドメインを取らずに始められること
サブドメインは、持っているドメインのDNSにレコードを足して作るため、新しいドメインの登録料と更新料がかかりません。別ドメインを取る場合は、名前を決めて登録し、更新の期限を本体とは別に管理することになります。
URLに本体のドメイン名が残ることも、別ドメインとの違いです。「media.example.com」を見た人は、「example.com」の会社が運営するサイトだと分かります。
本体と別のサーバーやCMSで動かせること
サブドメインは、DNSで本体と別のサーバーに向けられるため、本体と違うCMSやサーバーでサイトを動かせます。本体のサーバーを止めて改修する日も、別のサーバーに置いたサブドメインのサイトは止まりません。
Googleも多地域、多言語サイトの管理の文書で、サブドメインの長所に「複数の場所のサーバーを使用できる」「サイトの分割が簡単」を挙げています。国や言語ごとにサイトを分ける場面の表で、サブディレクトリの短所には「サイトの分割が難しい」とあります。
robots.txtとクロールを分けられること
サブドメインには、本体と別のrobots.txtを置けます。Googleのrobots.txtの仕様では、robots.txtのルールは、ファイルを置いたホスト、プロトコル、ポート番号にだけ適用されます。
Googleは、クロールバジェットをホスト名ごとに割り当てます。クロールバジェットは、Googleが1つのサイトのクロールに使う時間と資源の割り当てです。Googleのクロールバジェットの文書は、「www.example.com」と「code.example.com」を別々のサイトとして扱うと書いています。
1万ページを超え、毎日ページが入れ替わるデータベース型サイトでは、記事を本体と同じクロールバジェットに入れてよいかも確かめます。確かめ方は、サブディレクトリとの違いを書いた記事で扱っています。
検索結果に別のサイト名を出せること
検索結果に出るサイト名は、サブドメインごとに指定できます。Googleのサイト名の文書は、サイト名をドメインかサブドメインの単位でサポートし、サブディレクトリの単位ではサポートしないとしています。
指定するには、サブドメインのホームページにWebSiteの構造化データを置きます。構造化データを置かないと、本体のサイト名がサブドメインにも使われることがあります。
GA4で本体とまとめて測れること
GA4では、本体とサブドメインを行き来した訪問者を、追加の設定なしで同じ訪問者として測れます。GoogleのCookieの設定の文書のとおり、GoogleタグはCookieを既定で「example.com」のような最上位のドメインに設定するためです。本体とサブドメインに、同じGA4のプロパティのタグを入れていることが前提です。
別ドメインでは、本体との間でクロスドメイン測定を設定しないと、両方を訪れた1人が2人のユーザーとして数えられます。設定の手順は、GA4のクロスドメイン設定の記事にまとめています。
サブドメインの3つのデメリット
サブドメインのデメリットは、本体と分けたぶんだけ設定と片付けの手間が増えることと、分けても検索では本体と同じサイトに数えられる場面があることで、次の3つです。
ホスト名ごとに設定の手間が増えること
サブドメインを1つ作るたびに、本体で済ませている設定のうち、次の4つをサブドメインの分も用意します。
- DNSのレコード
- SSL証明書
- robots.txt
- サイトマップ
本体のドメイン名だけを対象に発行したSSL証明書は、サブドメインのURLには使えません。サブドメインの名前を含む証明書か、「*.example.com」の形のワイルドカード証明書を用意します。
本体のrobots.txtに書いたルールはサブドメインに適用されないため、クロールを止めたいURLがあれば、サブドメインのrobots.txtにも書きます。
検索結果の上位の枠を本体と分け合うこと
1つのサイトが検索結果の上位を独占しないようにするGoogleの仕組みでは、サブドメインは通常、本体と同じサイトとして数えられます。GoogleのGoogle検索ランキングシステムの紹介は、サイト多様性システムがサブドメインを通常はルートドメインの一部として扱うと書いています。
関連性が高いと判断された検索では、サブドメインが別のサイトとして扱われることもあります。サブドメインを作るだけで、本体と別に上位の枠を取れるわけではありません。
閉じるときや移すときに片付けが要ること
サブドメインのサイトを閉じるときは、ページを消すだけでなく、サブドメインのDNSのレコードも消します。DNSのレコードが残ったままだと、第三者にサブドメインを乗っ取られ、偽のページを置かれることがあります。MicrosoftのAzureのセキュリティの文書は、乗っ取りの原因に、削除したリソースを指したまま残ったDNSレコードを挙げています。
クラウドのサービスに向けたCNAMEレコードは、サービスを解約した日に消します。担当者が替わっても消し忘れないよう、使っているサブドメインと向け先のサービスを一覧にしておきます。
サブドメインのサイトを本体のサブディレクトリへ移すときも、URLがすべて変わるため、GoogleがURLの変更を伴うサイト移転と呼ぶ作業になります。
サブドメインはSEOで不利になるか
サブドメインにするとSEOで不利になるかは、Googleの文書からは決められません。サブドメインとサブディレクトリのどちらが上位に表示されやすいかは、Google検索ランキングシステムの紹介にもクロールバジェットの文書にも書かれていません。
サブドメインは本体と別のサイトとして扱われるので、本体の評価を引き継げず、SEOで不利になると聞きました。
編集部
別のサイトとして扱われる場面があるのは本当です。ただ、別に扱われるのは、クロールの割り当てやrobots.txt、サイト名のようにホスト名ごとに決まる項目です。上位の枠を数えるときは、通常は本体と同じサイトに数えられます。どちらの扱いも、順位を上げ下げする理由としては書かれていません。
サブドメインに分けるかの決め方
サブドメインに分けるかは、本体と分けたいものがホスト名で分かれるものか、ドメインの持ち主まで分ける必要があるものかで決めます。3つの置き方を項目ごとに比べると、次の表のとおりです。
| サブディレクトリ | サブドメイン | 別ドメイン | |
|---|---|---|---|
| 新しいドメインの登録 | 要らない | 要らない | 要る |
| 別のサーバーやCMS | 振り分けの設定が要る | 使える | 使える |
| robots.txtとクロールバジェット | 本体と共有 | 本体と別 | 本体と別 |
| 検索結果のサイト名 | 本体と同じ | 別に指定できる | 別に指定できる |
| 上位の枠を数えるときのサイト | 本体と同じ | 通常は本体と同じ | 別のサイト |
| GA4の測定 | 追加の設定なし | 既定の設定で測れる | クロスドメイン測定が要る |
| ドメインの持ち主と管理 | 本体と同じ | 本体と同じ | 分けられる |
本体と分けたい項目を、次の順に確かめ、最初に当てはまった置き方を選びます。
- 別ドメイン:ドメインの持ち主や管理まで本体と分けたいとき
- サブドメイン:サーバー、robots.txt、サイト名のどれかを本体と分けたいとき
- サブディレクトリ:どの項目も本体と同じでよいとき

ドメインの持ち主まで分ける必要が出るのは、記事のサイトを将来ほかの会社へ譲る予定があるときなどです。サブドメインは本体のドメインのDNSの中にあるため、ドメインごと渡さない限り、サブドメインだけを譲ることはできません。
数万ページのサイトで、記事をどのホスト名に置くか迷っていませんか
データベースSEOは、数千〜数万ページ規模のデータベース型サイト向けのSEOです。クロールバジェットの配分やsitemap、canonicalによるインデックスの制御を行います。記事をサブドメインに分ける前に、本体のどのURLをクロールさせるかから決められます。
サブドメインのよくある質問
サブドメインについて、作る費用、wwwの扱い、サーチコンソールの登録の3つの質問に答えます。
サブドメインを作るのにお金はかかる?
サブドメインを作ること自体に、ドメインの登録料はかかりません。持っているドメインのDNSにレコードを足せば作れるからです。費用が増えるのは、サブドメインのサイトを本体と別のサーバーに置くときと、有料のSSL証明書をサブドメイン用に追加するときです。
wwwもサブドメインに入る?
「www.example.com」の「www」も、URLの形の上ではサブドメインです。ただし、Googleのサイト名の文書は、サイト名を決めるとき、wwwで始まるホスト名を通常はドメインのホームページと同じものとして扱うとしています。Search Consoleのドメインプロパティも、wwwありとwwwなしのデータを両方含みます。
サブドメインもサーチコンソールに登録する?
Search Consoleでドメインプロパティを登録していれば、サブドメインのデータも同じプロパティに集計されるため、新しく登録しなくても数字を見られます。サブドメインだけの数字を見たいときは、「https://media.example.com/」のURLプレフィックスプロパティを追加するか、検索パフォーマンスのレポートをページで絞り込みます。

まとめ|分けたいものがホスト名で分かれるならサブドメイン
サブドメインは、ドメイン名を本体と共有したまま、ホスト名を分けてサイトを作る方法です。新しいドメインを取らずに、サーバーやrobots.txt、サイト名を本体と分けられます。一方で、ホスト名ごとの設定と、閉じるときのDNSの片付けが増えます。上位の枠を数えるときは、通常は本体と同じサイトに数えられます。
サブドメインに分けるかは、順位の有利不利より、本体と何を分けたいかで決めます。私たち合同会社Writers-hubは、データベースSEOとして、数千〜数万ページ規模のサイトのURLの設計とインデックスの制御を支援しています。
サブドメインに分けた後のsitemapや内部リンクも決めておきませんか
本体とサブドメインにまたがるサイトでは、ホスト名ごとのsitemapの作り方と、ホスト名をまたぐ内部リンクを決める作業が出てきます。データベースSEOでは、内部リンクとURLの設計、インデックスの制御に加え、ページの種類ごとにtitle・meta description・構造化データを整えます。







