「リンクの文字に狙うキーワードを入れておけば、SEOに効くはず」。自社のブログでSEOに取り組み始めた方は、アンカーテキストをこう捉えることが少なくありません。SEOの診断ツールのチェック項目に、リンクの文字にキーワードが含まれているかが並んでいることが多く、キーワードを入れれば合格だと受け取られやすいからです。
しかし、SEO記事の制作で毎月多くの内部リンクを貼ってきた弊社の立場から言えるのは、アンカーテキストはキーワードの置き場所ではなく、リンク先の中身を約束する言葉だということです。リンク先が答えている内容を正しく書けば、キーワードは後から自然に入ります。
本記事では、アンカーテキストの意味とHTMLでの書き方から、良い例と悪い例、サイト全体での揃え方、確認方法まで、記事の内部リンクを設計してきた制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- アンカーテキストはリンクとして表示される文字で、Googleはリンク先の内容を知る手がかりに使う
- 良いアンカーテキストは、その文字だけを読んでリンク先の中身が分かる短い言葉
- 同じページへのリンクはサイト全体で言葉を揃え、別のページに同じ言葉を使わない
- 被リンクの文字はSearch Console、サイト内リンクの文字はクロールツールで確かめられる
アンカーテキストとは
アンカーテキストとは、Webページの中でリンクとして表示される文字のことです。「リンクテキスト」とも呼ばれます。
HTMLでは、aタグのhref属性にリンク先のURLを書き、開始タグと終了タグの間に挟んだ文字がアンカーテキストになります。
<a href="https://writers-hub.co.jp/blog/seo-link-types">SEOのリンクの種類と貼り方</a>上の例では「SEOのリンクの種類と貼り方」がアンカーテキストです。WordPressなどのCMSでは、本文の文字を選んでリンクのボタンを押すと、選んだ文字がそのままアンカーテキストになります。
画像をリンクにした場合は、文字の代わりに画像のalt属性(画像の代わりに読み上げられる説明文)がアンカーテキストとして扱われます。Googleの公式ドキュメントにも、img要素のalt属性をアンカーテキストとして使うことが明記されています。

同じドキュメントには、Googleがリンクとしてたどれるのは、原則としてhref属性を持つa要素だとも書かれています。JavaScriptのクリック処理だけで画面を切り替えるボタンは、見た目がリンクでもアンカーテキストとして読まれないことがあります。
アンカーテキストの2つの役割
アンカーテキストには、Googleにリンク先の内容を伝える役割と、読者がクリックする前に行き先を判断する材料になる役割の2つがあります。
Googleにリンク先の内容を伝える
Googleはアンカーテキストを、リンク先のページが何について書かれているかを知る手がかりの1つに使います。「内部リンクの設計」という文字のリンクが複数の記事から同じページへ向いていれば、そのページが内部リンク設計の話だという手がかりが重なるのです。
ただし、アンカーテキストはページを評価する多くの手がかりの1つにすぎません。リンクの文字を書き換えただけで順位が大きく動くことは、期待しないほうがよいと見ています。
読者がクリックする前に行き先を判断できる
読者は本文を流し読みするとき、色の変わったリンクの文字に目を止めます。「詳しくはこちら」とだけ書かれていると、行き先を知るために前の文まで戻って読むことになり、そのまま通り過ぎる読者も出るでしょう。
「内部リンクの貼り方」と書いてあれば、今の疑問に関係があるかをその場で判断できます。

アンカーテキストの種類と良い例・悪い例
アンカーテキストは、リンクの文字に何を書くかで6つの型に分けられます。下の表は、内部リンクの設計方法を解説した記事へリンクする場合を例に、型ごとの使いどころを並べたものです。
| 例 | 向いている場面 | 評価 | |
|---|---|---|---|
| 完全一致 | 内部リンク設計 | 自サイトの記事からリンク先の主題を一言で示す | ○ |
| 部分一致 | 内部リンク設計の手順 | 本文の流れに合わせて言葉を足す | ◎ |
| 説明文 | 記事同士をつなぐ内部リンクの貼り方 | 行き先で何が分かるかを具体的に伝える | ◎ |
| ブランド名 | Writers-hubのブログ | 会社やサービスのトップページへ案内する | ○ |
| URLそのもの | https://writers-hub.co.jp/blog/… | 出典のURLを読者に見せたい | △ |
| 汎用語 | こちら、詳しくはこちら | 本文中の内部リンクには向かない | × |
完全一致は、狙うキーワードをそのままリンクの文字にした型です。自サイトの内部リンクで使う分には問題ありませんが、他サイトから受けるリンクが完全一致ばかりになると、不自然なリンクに見えます。
評価を分けるのは型の名前ではありません。リンクの文字だけを読んで、リンク先の中身が分かるかどうかです。
SEOに効くアンカーテキストの4つの書き方
SEOに効くアンカーテキストは、リンク先のページが答えている内容を、前後の文から浮かない長さで書いたものです。書くときに押さえる点は次の4つです。
リンク先のページが答える内容を書く
アンカーテキストを書く前に、リンク先のページを開いてタイトルと見出しを確かめます。リンク先が記事外注の費用相場を解説したページなら「記事外注の費用相場」、外注先の選び方を解説したページなら「外注先の選び方」と書きます。
リンク先を開かずに記憶だけで書くと、リンク先の中身と言葉がずれやすくなります。「費用相場」と書いたリンクの先が料金表のないサービス紹介ページだと、読者は探していた金額にたどり着けません。
キーワードはリンク先の主題として入れる
リンク先の内容を書けば、リンク先で狙っているキーワードは自然に含まれます。キーワードを入れることから考えると「SEO対策 内部リンク 貼り方」のような語の並びになり、文として読めなくなります。
Googleの公式ドキュメントにも、アンカーテキストは自然に書き、キーワードを詰め込まないよう求める記述があります。リンク先の主題を表す語が1つ入っていれば、それ以上足す必要はありません。
前後の文と合わせて意味が通る長さにする
アンカーテキストの文字数について、Googleは上限を示していません。目安は、リンクの部分だけで行き先が分かり、文を読む流れを止めない長さです。
1文まるごとをリンクにすると、どの語が行き先を表しているのかがぼやけます。悪い例は「内部リンクは記事同士をつなぎ、読者の回遊を助ける仕組みです」の全体をリンクにすること。良い例は「記事同士をつなぐ内部リンクの貼り方を先に決めておきます」の「内部リンクの貼り方」だけをリンクにすることです。
画像リンクはalt属性に行き先を書く
バナー画像をリンクにしたとき、alt属性が空だと、Googleから見てリンクの文字が無い状態になります。altには、バナーに書かれている文字か、クリックした先で何ができるかを書きます。無料相談の申し込みページへのバナーなら「記事制作の無料相談を申し込む」です。
altの書き方と、空にしてよい画像の見分け方はalt属性の書き方を解説した記事にまとめています。
同じ記事へのリンクを何度も貼るなら、毎回少しずつ言葉を変えたほうがいいんですか?
編集部
言い回しは変えて構いません。「内部リンクの設計」と「内部リンクの貼り方」を同じ記事へ向けるのは自然です。避けたいのは、同じ「内部リンク」という言葉を、サイト内の別々の記事へのリンクに使うことです。どちらのページがその話の中心なのかが、読者にもGoogleにも分からなくなります。
サイト全体で揃えるアンカーテキストの対応表
記事が数十本を超えたサイトでは、アンカーテキストを記事ごとに書き手が決めるのでなく、サイト全体で1枚の対応表を持つことで言葉のずれを防げます。対応表とは、「このページへのリンクにはこの言葉を使う」とページごとに決めた一覧です。
言葉がずれると起きること
書き手ごとに言葉を選ぶと、「SEO対策」という文字のリンクがサイト内の3つの別々の記事へ向かう、といったことが起きます。Googleから見ると、どのページが「SEO対策」の話の中心なのかを判断する手がかりが3つに割れる状態です。
とりわけ見落とされがちなのが、リンクの言葉の重なりは記事を1本ずつ校正しても見つからないという点です。1本の記事の中ではどのリンクも正しく見えるため、別の記事と並べて初めて重なりに気づきます。

対応表の作り方と例
対応表は、当サイトの記事で作ると次のようになります。
リンク先のページ | 主に使う言葉 | 言い換えてよい範囲 | 使わない言葉 |
|---|---|---|---|
内部リンクの設計 | 内部リンクの貼り方、リンク構造の作り方 | SEOのリンク | |
SEOのリンクの種類 | 内部リンクと被リンクの違い | 内部リンクの設計 | |
alt属性の書き方 | 代替テキストの書き方 | 画像SEO |
表の「使わない言葉」の列は、別のページ用に取ってある言葉を書く欄です。「画像SEO」は画像SEO全体を解説した別の記事へのリンクに使うため、alt属性の記事には向けない、と決めておきます。
まとめ記事、サービスページ、よく読まれている解説記事など、サイト内の多くの記事からリンクを受けるページを一覧にします。
リンク先のページが答えているテーマを、読者が検索窓に打つ言葉で1つ決めます。別のページと同じ言葉にならないかを、ここで確かめます。
本文の流れに合わせて使ってよい言い回しと、別のページ用なので使わない言葉を並べて書きます。
新しい記事で内部リンクを貼るときは、表の言葉を使います。表に無いページへリンクするときは、先に表へ1行足します。
対応表は一度作れば終わりではありません。新しい記事が別の記事と同じテーマを扱い始めたときは、どちらのページにその言葉を向けるかを決め直します。
サイトの内部リンク、どのページにどの言葉を向けるか決まっていますか
Writers-hubでは、サイト内の記事を並べてリンクの言葉の重なりを洗い出し、ページごとに向ける言葉を決めるところからお手伝いしています。
避けたいアンカーテキストと理由
避けたいアンカーテキストは、読者にリンク先を誤解させるものと、検索順位を操作する目的に見えるものの2種類です。
- 「SEO対策 内部リンク 貼り方 コツ」のように、キーワードを並べただけの文字
- 「無料で読める資料」と書いて、有料の申し込みページへ移動させるリンク
- 背景と同じ色の文字や極端に小さな文字にして、読者から見えなくしたリンク
- 他サイトに依頼して、狙うキーワードそのままの文字で大量に貼ってもらうリンク
最後の項目は、他サイトから受けるリンク(被リンク)の話です。Googleのスパムに関するポリシーにも、他のサイトに載せる記事やゲスト投稿に作為的なアンカーテキストのリンクを入れることが、リンクスパムの例として挙げられています。

被リンクのアンカーテキストは、本来リンクを貼る側が決めるものです。自然に集まった被リンクの文字は、社名、記事のタイトル、URLなどに散らばります。被リンクの文字がすべて同じキーワードにそろっていることは、作られたリンクだという手がかりになると考えておきましょう。
広告や紹介料を受け取って貼るリンクには、nofollowなどのrel属性で、対価のあるリンクだとGoogleに伝える決まりがあります。付け方はnofollowの使い方を解説した記事で扱っています。
アンカーテキストの確認方法
自分のサイトのアンカーテキストは、他サイトから受けたリンクならGoogle Search Consoleのリンクレポート、サイト内のリンクならクロールツールで確かめます。
Search Consoleでは、左の「リンク」を開くと、外部リンクの欄に「上位のリンク元テキスト」が表示されます。他サイトがどんな文字で自分のサイトにリンクしているかを、多い順に確かめられます。内部リンクの欄は、ページごとのリンクされている数は見られますが、リンクの文字は表示されません。
サイト内のリンクの文字を一覧で見るには、Screaming Frog SEO Spiderのようなクロールツールを使います。無料版でも500URLまでのサイトなら、次の手順で確かめられます。
ツールの上部の入力欄にトップページのURLを入れ、サイト内のページを読み込ませます。
一覧から対応表に載せたページを選び、画面下の「Inlinks」タブを開きます。そのページへ向かうリンクが、リンク元のページごとに並びます。
「Anchor Text」の列に並ぶ文字が、対応表の「主に使う言葉」と「言い換えてよい範囲」に収まっているかを確かめます。
他サイトからのリンクの文字をさらに詳しく見たい場合は、Ahrefsなどの被リンク調査ツールも使えます。使い方はAhrefsで被リンクを調べる方法にまとめました。

アンカーテキストのよくある質問
貼っても問題はありません。Googleは、同じページへのリンクを1記事に何回まで貼ってよいかという数を示していません。ただ、読者が続きを読みたくなる箇所だけに置き、同じ段落に重ねないほうが、どのリンクを押せばよいか迷わせずに済みます。
使ってはいけないわけではありません。直前の文で行き先を言い切っている場合や、申し込みボタンの補助の文字としてなら機能します。本文中の内部リンクでは、リンク先の内容を書いた文字のほうが、読者にもGoogleにも行き先が伝わります。
決まった上限はありません。Googleは文字数を示しておらず、適度に簡潔であることを求めています。リンクの部分だけを読んで行き先が分かり、1文の一部に収まる長さが目安です。
まとめ|アンカーテキストはリンク先を約束する言葉
アンカーテキストは、リンク先のページに何が書いてあるかを、クリックする前の読者とGoogleに伝える文字です。キーワードを入れることから考えるのでなく、リンク先のページが答えている内容を書けば、キーワードは自然に含まれます。記事を公開する前に、次の3点を確かめてください。
- リンクの文字だけを読んで、リンク先の中身が分かる
- リンク先のページを開き、書いた言葉とタイトルや見出しがずれていない
- 対応表で、別のページに同じ言葉を向けていない
記事が増えるほど効いてくるのは、同じページには同じ中身の言葉を、別のページには別の言葉を向けるという決まりです。書き手が1人のうちは頭の中で守れても、書き手が増えると対応表なしでは守れなくなります。
私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作と、記事同士をつなぐ内部リンクの設計を手がけています。
書き手が増えても、リンクの言葉を揃えられる体制がありますか
対応表を作っても、書き手全員が記事を書くたびに引けなければ、リンクの言葉のずれはまた生まれます。Writers-hubの内製化支援では、アンカーテキストの対応表を含む執筆ルールと、公開前に確かめる手順を、社内の書き手が回せる形に整えます。







