「新しいメディアはサブディレクトリに置けば、本体サイトの評価を引き継げて有利になりそう」。サブディレクトリのURLは本体のURLの続きに並ぶため、本体が積み上げた評価もそのまま使えると思われがちです。ところが、Googleの文書でサブディレクトリとサブドメインの扱いが分かれるのは、クロールバジェットやrobots.txt、検索結果のサイト名など、ホスト名ごとに管理される項目です。数千〜数万ページの大規模サイトで置き場所を決める材料は、評価の引き継ぎより、クロールバジェットやrobots.txt、サイト名を本体と共有してよいかです。
本記事では、サブディレクトリの意味とサブドメインとの違いから、大規模サイトでメディアをサブディレクトリに置くか切り出すかの決め方まで、データベース型サイトのSEOを手がける会社の視点で順を追ってお伝えします。
- サブディレクトリは、「example.com/blog/」の「/blog/」のように、ドメインの下に作る階層です
- サブドメインとの違いは、本体と同じホスト名に置くか、別のホスト名として立てるかです
- サブディレクトリに置いた記事は、クロールバジェットやrobots.txt、検索結果のサイト名などを本体と共有します
- 数千〜数万ページのサイトでは、本体と同じサイト名で出てよく、本体のURLの重複を整理できていて、同じホスト名で運用を続けられるときだけ、サブディレクトリに置けます
- 後から置き場所を変えると、URLが変わるサイトの移転になり、リダイレクトを1年以上残す作業が要ります
サブディレクトリとは
サブディレクトリとは、ドメインの下に作る階層のことで、URLでは「https://example.com/blog/」の「/blog/」の部分にあたります。サブディレクトリに置いたページは、本体サイトと同じドメインの中のページです。
もとはパソコンの用語で、ディレクトリ(フォルダ)の中に作ったディレクトリを指します。Webでは、URLの「/」で区切った階層を、サーバーのフォルダの階層になぞらえてサブディレクトリと呼びます。CMSで作ったサイトでは、サーバーに実際のフォルダが無くても、URLの階層をサブディレクトリと呼ぶのが普通です。
企業のサイトでは、記事メディアを「/media/」、採用情報を「/recruit/」に置くように、目的ごとにサブディレクトリを分ける使い方がよく見られます。
サブディレクトリとサブドメインの違い
サブディレクトリとサブドメインの違いは、新しいページ群を本体と同じホスト名の中に置くか、別のホスト名として立てるかです。ホスト名は、URLの「https://」の後ろから最初の「/」までの部分です。
記事メディアを例にとると、サブディレクトリなら「example.com/media/」、サブドメインなら「media.example.com」になります。Googleはクロールやサイト名をホスト名の単位で扱うため、置き場所によって、本体と共有するクロールバジェットやサイト名が変わります。

Googleの文書で、サブディレクトリとサブドメインの扱いが分かれる主な項目は、次の表のとおりです。クロールバジェットは、Googleが1つのサイトのクロールに使う時間と資源の割り当てのことです。
項目 | サブディレクトリ(example.com/media/) | サブドメイン(media.example.com) |
|---|---|---|
クロールバジェット | 本体と共有する | 本体と別に割り当てられる |
robots.txt | 本体のルートに置いた1つのファイルに従う | サブドメインのルートに別のファイルを置く |
検索結果のサイト名 | 本体と同じ名前が出る | 別の名前を指定できる |
検索結果のファビコン | 本体と同じものが出る | 別のものを設定できる |
Search Consoleで分けて見る方法 | パスを指定したURLプレフィックスのプロパティ | サブドメインのプロパティ |
※ 出典:Google「クロール バジェットを最適化する」「Google による robots.txt の指定の解釈」
※ 出典:Google「Google 検索に対してサイト名を指定する」「検索結果に表示されるファビコンを定義する」、Search Console ヘルプのプロパティの種類の説明
Search Consoleでは、どちらの置き場所でも記事の数字を本体と分けて見られます。計測のしやすさは、置き場所を決める材料になりません。
SEOで有利なのはどちらか
サブディレクトリとサブドメインのどちらが検索順位で有利かは、両者の扱いを書いたGoogleの文書からは言えません。文書が定めているのはクロールやサイト名をホスト名ごとにどう扱うかで、どちらが上位に表示されやすいかには触れていないためです。
サブディレクトリなら本体サイトの評価を引き継げるので、新しいメディアは迷わずサブディレクトリでいいと聞きました。
編集部
本体と同じサイト名で検索結果に出せるのは、サブディレクトリの利点です。ただ、数万ページのサイトでは、記事は本体の絞り込みのURLとクロールバジェットを分け合い、robots.txtの設定も共有することになります。共有してよいかを先に確かめておけば、後から記事を移す手間を避けられます。
新しくドメインを取る選択肢まで含めた判断は、ドメインとSEOの関係を解説した記事で扱っています。
大規模サイトでサブディレクトリに置く3つの条件
数千〜数万ページのサイトでメディアをサブディレクトリに置けるのは、次の3つの条件がすべてそろうときです。1つでも欠けるなら、欠けた条件を本体側で直してから置くか、サブドメインに立てるかを選びます。

本体と同じサイト名で検索結果に出てよいこと
本体と同じサイト名で出てよいかが条件になるのは、サブディレクトリに置いた記事には、検索結果で本体と別のサイト名を付けられないからです。Googleの文書では、サイト名を指定できるのはドメインかサブドメインのホームページだけです。
記事の読者とデータベースのページの利用者が同じなら、本体と同じ名前で出る方が、読者は同じサイトの記事だと見分けやすいはずです。
メディアを本体と別の名前で知ってもらいたいなら、サブドメインが候補です。サブドメインのホームページにWebSiteの構造化データを置けば、別のサイト名を指定できます。構造化データを置かないと、サブドメインにも本体のサイト名が使われることがあります。
本体のURLの重複を整理できていること
本体のURLの重複が条件になるのは、サブディレクトリに置いた記事が、本体と同じホスト名のクロールバジェットの中でクロールされるからです。

クロールバジェットを気にする必要があるのは、Googleが文書の対象として挙げる次の3種類のサイトです。
- 重複のないページが100万以上あり、1週間に1回ほど更新されるサイト
- 重複のないページが1万以上あり、毎日のように更新されるサイト
- Search Consoleで、URLの大部分が「検出 - インデックス未登録」に分類されるサイト
Googleは、ページ数と更新の頻度の数値を、正確なしきい値ではなく目安だとしています。求人や物件のように毎日入れ替わるデータベースで1万ページを超えるなら、記事も同じクロールバジェットの中でクロールされる前提で置き場所を決めます。

データベース型のサイトでは、絞り込みや並べ替えの条件の組み合わせの数だけURLが増え、内容が同じページが数多く生まれます。Googleは、クロールすべきでないURLに時間をかけすぎると、サイトの残りの部分を探索しない可能性があると書いています。
整理できているかを確かめる場所は、Search Consoleのページのインデックス登録レポートです。サイトマップを本体のデータベースと記事で分けて送信しておけば、レポートを特定のサイトマップで絞り込み、記事のURLだけの登録状況を見られます。
重複が多いと分かったら、重複するURLを1つにまとめ、クロールさせない絞り込みのURLはrobots.txtで止めるのが、Googleの勧める順番です。整理を待たずにメディアを始めるなら、サブドメインに立てると、記事は本体と別のクロールバジェットでクロールされます。
本体と同じホスト名で運用を続けられること
同じホスト名で運用を続けられるかが条件になるのは、サブディレクトリに置いたメディアが、robots.txtとサーバーの設定を本体と一緒に使うからです。Googleのクローラーは、サブディレクトリの中に置いたrobots.txtを確認しません。
とりわけ見落とされがちなのが、本体の担当者が絞り込みのURLを止めるために書いたルールが、「/media/」の下の同じ形のURLにも当たることです。記事を出す担当とデータベースを直す担当が別のチームなら、robots.txtを書き換えるたびに両方で確かめる手順を決めておきます。
記事を本体と別のCMSで作るときも、同じホスト名で配信するには、「/media/」への要求だけを記事のサーバーへ振り分ける設定が必要です。Googleは、国や言語ごとにサイトを分けるときのURLの選び方を書いた多地域向けのサイトの文書で、サブディレクトリの短所に「サイトの分割が難しい」、サブドメインの長所に「サイトの分割が簡単」を挙げています。
メディアを数年のうちに別会社へ移す、売却するといった予定があるなら、最初からサブドメインか別のドメインに置く方が、後の移転を避けられるはずです。
絞り込みのURLが増えて、記事を同じホスト名に置くか迷っていませんか
データベースSEOは、数千〜数万ページ規模のデータベース型サイト向けのSEOです。支援の中身は、クロールバジェットの配分やsitemap、canonicalによるインデックスの制御と、内部リンクとURLの設計です。絞り込みのURLのどれをクロールさせ、どれを止めるかを決めてから、記事を同じホスト名に置けるかを判断できます。
後から置き場所を変えるときの作業
サブディレクトリとサブドメインの間で置き場所を変えると、記事のURLがすべて変わるため、GoogleがURLの変更を伴うサイト移転と呼ぶ作業になります。Googleの文書に沿うと、移転の作業は次の4つの手順です。
記事ごとに、どの新しいURLへ移すかを1対1で決めます。漏れを防ぐには、CMSから記事のURLの一覧を書き出すのが確実です。
新しいURLのページのcanonicalを自分自身のURLにし、内部リンクとサイトマップを新しいURLに書き換えます。
古いURLから新しいURLへ、301や308のリダイレクトをサーバー側で設定します。リダイレクトは1年以上残すのが目安です。
Search Consoleで新しいURLのサイトマップを送信し、古いURLと新しいURLの両方のクロールと流入の動きを見ます。
Googleは、移転中は掲載順位が一時的に変動することがあり、小規模から中規模のサイトで大半のページの移転が反映されるまで数週間、大規模なサイトではさらに長くかかるとしています。Search Consoleのアドレス変更ツールが必要になるのは、あるドメインまたはサブドメインから別のドメインまたはサブドメインへ移転する場合だけで、同じドメインの中でパスを移すだけなら要らないとされています。
サブディレクトリのよくある質問
サブディレクトリについて、呼び方とクロール、他社への貸し出しの3つの質問に答えます。
サブディレクトリとサブフォルダは同じ?
Webの話では、サブディレクトリとサブフォルダは同じものです。ディレクトリはフォルダの別の呼び方で、URLの「/blog/」の部分をサブフォルダと呼ぶ人もいます。
小さなサイトでもクロールを気にする?
ページ数が数百ほどで、毎日大量のページを入れ替えないサイトなら、置き場所を決めるときにクロールバジェットを気にする必要はありません。Googleは、頻繁に更新されるページが多くないサイトや、公開した日にクロールされるサイトなら、サイトマップを最新に保ち、ページのインデックス登録レポートを定期的に確かめれば十分だとしています。
サブディレクトリを他社に貸してもいい?
本体の評価で他社の記事を上げることが主な目的の貸し出しは、ポリシー違反です。Googleのスパムに関するポリシーは、ホストサイトが築いたランキングシグナルを使うことを主な目的に第三者のコンテンツを載せる場合を、サイトの評判に関するポリシーの違反としています。第三者のコンテンツを載せること自体は、違反の対象外です。EEA(欧州経済領域)の外(日本を含む)では、違反と判断されたページが手動による対策の対象になることがあります。
まとめ|置き場所は順位より共有の可否で決める
サブディレクトリは、ドメインの下に作る階層で、本体と同じホスト名の中にページを置く方法です。サブディレクトリに置いた記事は、クロールバジェットやrobots.txt、検索結果のサイト名などを本体と共有します。
数千〜数万ページのサイトでメディアをサブディレクトリに置くかは、次の3つの条件がすべてそろうかで決めます。
- 本体と同じサイト名で検索結果に出てよい
- 本体のURLの重複を整理できている
- 本体と同じホスト名で運用を続けられる
置き場所を決める基準は、順位の有利不利より、本体と何を共有するかです。私たち合同会社Writers-hubは、数千〜数万ページ規模のデータベース型サイトのSEOとして、内部リンクとURLの設計やインデックスの制御を支援している会社です。
記事を足す前に、本体のどのURLをクロールさせるか決めませんか
数万ページのデータベース型サイトでは、記事の置き場所より先に、絞り込みや並べ替えで増えたURLの扱いを決めると、記事がクロールされインデックスに登録されるまでの状況を追いやすくなります。データベースSEOでは、内部リンクとURLの設計、ページの種類ごとのtitle・meta description・構造化データの整備まで行います。







