「ドメイン名に狙っているキーワードを入れておけば、SEOで有利になる」。新しくサイトを立ち上げる段階で、この前提のままドメインを探している方は今も多くいらっしゃいます。無理のない受け取り方だと思います。ドメイン取得サービスの検索窓は業種名や地域名を打ち込むと候補をずらりと並べる作りになっていますし、実際に2012年ごろまでは、キーワードをそのまま並べたドメインが検索結果の上に出やすい時期があったからです。
しかし、その後Googleが完全一致ドメインの優遇を弱める更新を入れて以降、状況は変わりました。弊社はこれまで、公開前のサイトから数百本の記事が積み上がったメディアまで、記事制作の側で関わってきました。その経験から申し上げると、ドメイン名そのものに順位を押し上げる力はありません。ただし、ドメインの決め方が別のところで確実に効いてきます。後からサイトを分けたり移したりするときの作業量です。
本記事では、ドメインがSEOに効く経路と効かない経路の切り分けから、名前とトップレベルドメインの決め方、サブドメインとサブディレクトリの分かれ目、変更したときに起きることまで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- ドメイン名が順位を決めない理由と、間接的に効く3つの経路
- ドメイン名を決めるときに見る4つの観点
- .comと.jp、.co.jpをどう選び分けるか
- サブドメインとサブディレクトリの分かれ目になる条件
- ドメインを変更したときに実際に起きること
ドメインがSEOに効く経路と効かない経路
最初に結論からお伝えします。ドメイン名の文字列は、検索順位を直接動かす要素として扱われていません。一方で、ドメインの決め方が順位に間接的な影響を及ぼす経路はいくつも存在します。この2つを混ぜて語られることが、ドメインまわりの話をややこしくしている原因だと見ています。

文字列の一致が効かなくなった経緯
かつては、キーワードをそのまま並べただけのドメインが上位に出やすい時期がありました。完全一致ドメインと呼ばれるものです。Googleがこの優遇を弱める更新を入れて以降、文字列の一致だけで評価が動くことはなくなりました。
現在も残っているのは、検索結果に表示されたときに読者が受ける印象のほうです。 検索した語がドメインに含まれていれば、クリックの判断材料にはなります。ただしそれは検索エンジンの評価ではなく、人の目に対する効果です。順位が上がるのではなく、同じ順位でクリックされやすくなるかどうかという話になります。
間接的に効く3つの経路
では、ドメインはどこで効いてくるのか。実務で観察していると、経路は次の3つに整理できます。
1つめは、サイトの評価が集まる単位を決めてしまうという性質です。検索エンジンは、外部から受けたリンクや記事の積み上がりを、原則としてドメイン単位で受け止めます。同じ会社のサイトでも、別ドメインに分けた瞬間から評価は別々に積み上がります。
2つめは、変更したときの作業量です。ドメインを変えるということは、サイト内の全URLが変わるということでもあります。リダイレクトの設定、内部リンクの書き換え、外部サイトへの連絡と、作業は公開済みのページ数に比例して増えていきます。
3つめは、読者からの信頼です。企業サイトが聞いたことのない文字列のドメインで運営されていると、問い合わせの手前で止まる方が一定数いらっしゃいます。順位の話ではありませんが、検索から来た人が動くかどうかには効いています。
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ドメイン名を決めるときの4つの観点
ここまでの整理を、実際に名前を決める場面に落とし込みます。SEOで有利な文字列という基準がない以上、判断の軸は別に置く必要があります。弊社が相談を受けたときに確認しているのは、次の4つです。
キーワードを入れるかどうか
入れても順位は上がりませんが、入れてはいけないわけでもありません。判断の分かれ目は、そのキーワードを3年後も自社の看板として使い続けるかという点にあります。
たとえば地域名や特定の商材名をドメインに入れると、事業の範囲がその文字列に縛られます。扱う商材が増えたとき、ドメインだけが古い事業を指したままになります。社名やブランド名を使っておけば、事業が広がっても名前のほうは生き残るでしょう。
短さと打ちやすさ
短いドメインが評価されるという事実はありません。それでも短さを勧めているのは、口頭で伝わるかどうかが実務で効くからです。電話口で言えるか、名刺で読み違えられないか、ハイフンの位置を説明せずに済むか。この3点を満たせば十分です。
ハイフンは使えますが、2本以上はお勧めしません。伝えるときに毎回位置の説明が必要になり、入力ミスも増えます。
日本語ドメインの扱い
日本語のドメインも取得できますし、検索エンジンも問題なく扱えます。ただし内部的にはPunycodeと呼ばれる英数字の形式に変換されており、SNSやメールに貼ったときに「xn--」で始まる意味の読めない文字列として表示される場面があります。
紙媒体や看板が主な接点であれば選択肢に入りますが、Web上で共有される前提のサイトでは扱いにくいというのが実感です。
3年後の事業範囲との整合
4つのうち、最も効いてくるのがここです。ドメインは事業の器を先に決めてしまいます。新規事業を始めたときに、既存ドメインの下に置けるか、別に立てなければならないか。その分岐は名前の抽象度で決まります。
- 社名やブランド名を含めておくと、事業が広がっても名前が残る
- 口頭で説明せずに伝わる長さに収める
- ハイフンは使っても1本まで
- 日本語ドメインはWeb上での共有が多いサイトでは避ける
- 3年後に扱う商材を想像して、それが入る器かどうかを見る
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トップレベルドメインの選び分け
.comや.jpといった末尾の部分をトップレベルドメインと呼びます。ここも順位そのものを動かす要素ではありませんが、選び分けの基準はあります。
| 取得条件 | 向いているサイト* | 注意点 | |
|---|---|---|---|
| .com | 誰でも取得可能 | 海外も視野に入れる事業 | 短い文字列は取得済みが多い |
| .jp | 日本国内に住所があれば取得可能 | 国内向けの事業全般 | 年間費用が.comより高め |
| .co.jp | 日本で登記した法人が1社1つ | 企業サイト、採用サイト | 取得に登記情報の確認が必要 |
| 新しいTLD | 種類により異なる | 用途が明確なサービスサイト | 見慣れない末尾は信頼されにくい |
.jpのような国別のトップレベルドメインは、そのサイトが特定の国に向けたものだと検索エンジンに伝える手がかりになります。日本国内の読者だけを想定しているなら、この点は小さな後押しになります。逆に海外展開の可能性があるなら、国を限定しない.comのほうが扱いやすいでしょう。

.co.jpは、日本で登記された法人が1社につき1つだけ取得できる仕組みです。 取得の時点で法人であることが確認されるため、企業サイトとしての信頼の裏付けになります。採用サイトを別ドメインで立てる場合に、ここを気にされる企業は多いという印象があります。
新しいトップレベルドメインについては、Googleが特別に優遇も冷遇もしない立場を示しています。判断材料になるのは読者の受け取り方のほうで、見慣れない末尾は詐欺サイトと誤解される場面がある点だけ頭に入れておいてください。
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独自ドメインと借りたドメインの差
無料のブログサービスやECカートを使うと、そのサービスのドメインの下にサイトが置かれます。自分で取得する独自ドメインとの差は、SEOの観点では明確です。
- 積み上げた評価が自分のものとして残る
- サービスを乗り換えてもURLを変えずに済む
- 会社名やブランドと一致させられる
- サービスの評価に影響されるが、自分では制御できない
- 乗り換え時にURLが全部変わり、評価を引き継げない
- 同じドメイン内の他ユーザーの状態に左右される
年間で千数百円から数千円の費用がかかりますが、サービスを乗り換える可能性が少しでもあるなら、最初から独自ドメインで始めるほうが後の作業が減ります。ここは迷う理由がほとんどないところです。
今は無料のブログで始めて、記事が増えてから独自ドメインに移すのでも間に合いますか。
編集部
間に合わないわけではありませんが、移すタイミングが遅いほど作業は増えます。記事が10本のときと100本のときでは、リダイレクトの確認も内部リンクの直しも桁が変わります。それに、借りたドメインで積んだ評価は移した先にそのまま引き継げるものではありません。最初の1本を出す前が、いちばん費用のかからないタイミングです。
サブドメインとサブディレクトリの分かれ目
既存サイトがある状態で新しいコンテンツ群を立ち上げるとき、置き場所の選択肢は3つあります。既存ドメインの下の階層に置くサブディレクトリ、既存ドメインの手前に文字列を足すサブドメイン、そしてまったく別のドメインです。

Googleはサブドメインとサブディレクトリのどちらかを順位の上で優遇するという立場を示していません。実務でも、片方に変えただけで順位が動いた例は見当たりません。それでも選択を迫られるのは、評価が積み上がる場所と、運用する人が変わるからです。
サブディレクトリに置くと、記事が集める評価は本体のサイトと同じ場所に積み上がります。すでに一定の評価を持つ企業サイトがあるなら、新しいコンテンツ群は本体の力を借りて立ち上がります。オウンドメディアを本体の下に置く判断は、ほとんどの場合これが理由です。
一方でサブドメインは、本体とは別の単位として扱われる場面があります。まったく無関係というわけではありませんが、本体の評価がそのまま乗るとは考えないほうが実態に近いでしょう。
置き場所を決める条件は、SEOの有利不利ではなく次の3点です。
- 本体サイトと読者層が同じか、まったく違うか
- 更新する担当者が本体と同じチームか、別の部署や外部か
- 将来その事業だけを切り離して売却や分社化する可能性があるか
読者層が同じで、担当も同じで、切り離す予定もない。3つとも当てはまるなら、迷わずサブディレクトリです。逆に、採用サイトのように読者も担当も別で、システムの都合で本体と同じ管理画面に入れられない場合は、サブドメインが現実的な選択になります。
つまり、分けるかどうかはSEOではなく運営の体制で決まります。技術的にどちらが有利かを比べる前に、誰が何本書き続けるのかを先に決めてください。
読者層も担当も決まらないまま、置き場所を選んでいませんか
サブドメインかサブディレクトリかは、誰に向けたメディアなのか、誰が更新を続けるのか、将来切り離す可能性があるのか。この3点が固まって初めて答えが出ます。弊社では、メディアを誰に向けて何を書き続けるのかを決めるところから、サイトの構成まで一緒に整理する支援を行っています。3点のうち答えの出ていないものがあれば、一度ご相談ください。
ドメインの判断が最も安いのは公開前
ここが本記事のいちばんの要点です。
ドメインに関する判断は、あとから覆せます。別ドメインに分けたものを本体の下へ統合し直すことも、逆に切り出すことも可能です。ただし、覆すための費用は時間とともに増え続けます。

増える理由ははっきりしています。ドメインを移すときの作業は、リダイレクトの設定、内部リンクの書き換え、外部サイトへのリンク変更の依頼、解析ツールの再設定、この4つが柱になります。どれも公開済みのURLの本数と、外部から受けているリンクの数に比例するものばかりです。記事が1本もない段階なら、作業はドメインを取り直すだけです。
とりわけ見落とされがちなのが、外部サイトからのリンクは自分では直せないという点です。 取引先の紹介ページ、業界メディアの掲載記事、過去のプレスリリース。これらのリンク先は先方に依頼しなければ変わりません。依頼が通らないものも当然あります。リダイレクトを設定すれば読者は迷いませんが、リンクの張り替えが進まない状態が長く続くのは避けたいところです。
だからこそ、ドメインの判断がいちばん安いのは記事を1本も出していない今です。制作の初期は決めることが多く、ドメインの話は後回しにされがちですが、後回しにして得をする判断ではありません。
すでに200本ほど記事がある状態です。サブドメインで運営しているメディアを本体の下に移したほうがいいか迷っています。
編集部
移して得られるものと、移す手間を並べて比べることになります。200本規模だと、リダイレクトの設定と検証だけで相応の時間がかかりますし、移行直後は順位が一時的に下がる前提で動く必要があります。判断材料としては、そのメディアが外部からどれだけリンクを受けているか、本体サイトと読者層が重なっているかの2点を先に確認してください。重なりが薄いなら、移さずに今の場所で記事を増やすほうが結果的に早い場合もあります。
ドメインを変更するときに起きること
すでに運用中のサイトでドメインを変える判断をした場合、何が起きるかを具体的にお伝えします。
まず、移行直後は順位が下がります。これは設定の失敗ではなく、検索エンジンが新しいURLを認識し直す過程で起きる通常の動きです。元の水準に戻るまでの期間はサイトの規模によって幅がありますが、数週間から数か月を見込んで計画を立ててください。
公開済みの全URLと、外部からリンクを受けているURLを書き出します。ここが漏れると、後から404が点在する状態になります。
旧URLから新URLへ、ページごとに対応させます。まとめてトップページへ飛ばす設定は、評価の引き継ぎという点で損です。設定方法は301リダイレクトの設定方法の記事で詳しく扱っています。
新旧どちらのサイトもSearch Consoleに登録したうえで、アドレス変更の機能を使います。移転の意図を検索エンジンに伝える工程です。
自社で直せない外部サイトのリンクは、影響の大きい順に連絡して差し替えてもらいます。全件は難しくても、上位の数件を押さえるだけで効果があります。
Googleはサイト移転の手順を公式に案内しています。作業前に一度目を通しておくと、抜けに気づきやすくなります。

そしてもう1つ、移行のあとに必要になるのが記事の更新です。順位が戻るまでの期間、更新が止まっていると回復は遅れます。移行作業に人手を取られて更新が空白になる状況は、実務でよく見かけます。
移行のあとに順位が戻らないまま、更新も止まっていませんか
ドメイン移行の直後は、リダイレクトの検証や外部への連絡に人手が取られ、記事の更新が止まりやすい時期です。リダイレクトや申請が終わったあとも、更新が止まったままでは回復が遅れます。弊社ではこの時期の制作を引き受ける形での支援も行っていますので、社内の手が足りない期間だけでもご相談いただけます。
中古ドメインを勧めない理由
過去に運用されていたドメインを買い取る、いわゆる中古ドメインという選択肢があります。すでに外部からリンクを受けている状態から始められるという触れ込みで販売されています。
弊社では、企業サイトやオウンドメディアでこれを使うことをお勧めしていません。中古ドメインは過去の履歴ごと引き継ぐ買い物です。
- 前の運営者が受けた不自然なリンクも一緒に引き継ぐ
- 過去に検索エンジンから手動の対策を受けていた場合、それも残る
- 以前のサイトを覚えている読者が、まったく別の企業サイトに変わっていることに違和感を持つ
- 前の運営者の商標や社名と紐づいたまま、検索結果に古い情報が残る
- 販売時に示される指標からは、過去にどんな運用がされていたかまでは読み取れない
過去の状態をすべて調べ切るのは難しく、見えないリスクを抱えたまま事業の看板を載せることになります。新規ドメインは評価がゼロから始まりますが、抱えるものもゼロです。長く運営する前提のサイトであれば、こちらのほうが安心して手を入れられるでしょう。
ドメインパワーという言葉の読み方
ドメインまわりを調べていると、必ずドメインパワーという言葉に行き当たります。ここで一点だけ補足しておきます。
ドメインパワーやドメインオーソリティと呼ばれる数値は、Googleが公開している指標ではありません。SEOツールの提供会社が独自の計算式で出している予測値で、ツールごとに数字が違います。参考にはなりますが、その数値を上げること自体を目標に据えると、判断を誤ります。
数値の調べ方や読み方については、ドメインオーソリティとは?調べ方と目安を記事制作会社が解説とMozのドメインパワーの調べ方の記事で詳しく扱っています。本記事の文脈で押さえておきたいのは、新しくドメインを取る段階でこの数値を気にする意味はほとんどないという点だけです。新規ドメインの数値は当然低く、記事と被リンクが積み上がるにつれて動きます。
ドメインとSEOに関するよくある質問
最後に、ドメインの相談を受けるなかで繰り返し出てくる質問をまとめます。ここまでの内容の確認としてもお使いください。
上がりません。かつては効いた時期がありましたが、現在は文字列の一致だけで評価が動くことはありません。検索結果でクリックされやすくなる効果は残っています。
どちらも有利不利はありません。日本国内の読者だけを想定するなら.jpや.co.jpが選択肢になり、海外展開の可能性があるなら.comのほうが扱いやすいという違いです。
年数そのものが評価されるというより、その間に積み上がった記事と被リンクが評価されていると見ています。何も運営していない期間が長くても、順位には結び付きません。
読者層と運用担当が本体サイトと同じならサブディレクトリです。読者も担当も別で、将来切り離す可能性があるならサブドメインを検討してください。
規模によって幅がありますが、移行直後は一時的に下がる前提で計画してください。301リダイレクトを1対1で設定し、更新を止めなければ数週間から数か月で戻っていきます。
ほとんどありません。使わずに置いておいても評価は積み上がらないため、取得したら早めにサイトを公開して記事を出すほうが早く進みます。
質問の多くは、ドメインを決めたあとに何をするかへ自然につながっていきます。器が決まれば、次は中身をどう埋めるかの話になるためです。
ドメインを決めたあと、最初の10本をどう選ぶか決まっていますか
ドメインの判断が済んでも、次に決めるのはどのキーワードでどの順に記事を出すかです。ここが決まらないまま公開だけ先に進むと、後から置き場所ごと見直すことになります。何から手を付けるか整理したい段階でしたら、無料相談で現状をお聞かせください。
まとめ|ドメインは順位より移行の費用を決める
ドメイン名にキーワードを入れても順位は上がりません。.comか.jpかで有利不利が生まれることもありません。それでもドメインの決め方が大事なのは、決まるのが順位ではなくやり直しの費用のほうだからです。
これから立ち上げる方は、名前選びに時間をかけるより、3年後の事業範囲が入る器かどうかと、既存サイトの下に置くか別にするかの2点を先に決めてください。すでに運用中で変更を考えている方は、移すURLの本数と外部から受けているリンクを数えるところから始めると、判断の材料がそろいます。
私たち合同会社Writers-hubは、キーワードの戦略設計から記事の制作まで、検索から人が来る状態をつくる支援を行っています。ドメインを決めた先で「何を、どの順に、何本書くか」が決まらずに止まっている場合は、そこから一緒に組み立てます。置き場所の判断に迷っている段階でも構いませんので、お気軽にお声がけください。








