「SEOのKPIですか。順位と、あとはセッション数ですかね」。目標設定の打ち合わせに同席すると、最初の答えはたいていここに落ち着きます。無理もないところで、順位計測ツールもアクセス解析も、画面を開いてまず目に入るのが順位とセッションの推移だからです。毎日眺めている数字がそのまま目標になるのは、ごく自然な流れでしょう。
しかし、事業会社のSEOを記事制作と運用の両面から支援してきた弊社の立場から言えるのは、順位とセッションだけを並べたKPIは、報告の場では成立しても、翌週の作業予定を一行も変えてくれないということです。KPIは、担当者が自分の判断で動かせる数字から選びます。順位のように自分たちでは直接触れない数字は、目標ではなく結果を確かめるための観測値として別の欄に置きます。そう切り分けると、追う数字は自然に減り、打ち合わせの時間も短くなるはずです。
本記事では、KGIとの違いという入口から、指標の選び方、目標値を数字で積み上げる手順、ビジネスモデル別とフェーズ別の設計例、そして半年後に形だけのものにしないための工夫までを、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- KGIとKPIの関係と、SEOのKPIが決まらなくなる理由
- 自分たちで動かせる指標と、結果としてしか動かない指標の分け方
- 検索回数からCV数まで、目標値を数字で積み上げる手順
- ビジネスモデル別とサイトのフェーズ別のKPI設計例
- 設定したKPIが半年後に形だけのものになる原因と避け方
SEOにおけるKPIとは
KPIは重要業績評価指標の略で、最終的なゴールへ向かう途中経過を測る数字を指します。SEOの文脈では、検索経由で事業の成果を増やすという道のりを、いくつかの中間地点に区切って観測するための目盛りにあたります。
KPIとKGIの違い
KGIは最終的に達成したいゴールそのもので、多くの場合は売上や問い合わせ件数、受注件数といった事業側の数字になります。KGIは1つに絞り、KPIはそこへ届くまでの途中の数字です。ここを曖昧にしたまま指標を並べると、どれが目的でどれが手段なのかが混ざり、月次の報告が数字の朗読になってしまいます。
「年間の問い合わせ400件」がKGIなら、「検索経由の問い合わせ月20件」「対象キーワード30語のうち10位以内が15語」あたりがKPIの候補です。KPI単体を眺めても妥当かどうかは判断できず、KGIから割り下げて初めて数字の意味が決まります。
なお、KGIをSEO単独で立てようとすると行き詰まります。検索流入は事業のゴールを支える経路のひとつであって、それ自体が目的になることはめったにありません。KGIには事業の目標をそのまま置き、そのうち検索経由でどれだけ担うのかという分担の話に落とすほうが、社内の合意も取りやすくなります。
SEOのKPIが決まらない理由
相談の場でKPIが決まらないとき、原因は指標の知識不足ではないことがほとんどです。多いのは次の2つ。ひとつは、事業側のゴールが数字になっていないまま、Web側だけで目標を立てようとしている状態。もうひとつは、指標の候補を並べたところで止まり、「その数字が動いたら次に何をするのか」まで決めていない状態です。
後者はとくに厄介で、指標としては正しくても運用では機能しません。動いても打ち手が変わらない数字は、KPIの欄から外して構わないと考えています。
上司からは「順位を上げろ」と言われています。それをKPIにするのは間違いなのでしょうか。
編集部
間違いというより、置き場所の問題です。順位は結果として出てくる数字ですから、目標に掲げても「では今週何をするか」が決まりません。順位は月次で確認する観測値に置き、KPIには順位を動かすための実行量、たとえば対策記事の公開本数や改善本数を置く。すると上司への説明も「順位は先月より2語改善、今月は改善予定の8本を消化」と具体的になります。
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動かせる数字と動かせない数字
ここが本記事のいちばんの要点です。SEOの指標は、担当者の判断で今週動かせるものと、施策の結果として数カ月後にしか動かないものが混在しています。両者を同じ欄に並べたまま運用すると、目標が達成できない理由を説明できなくなります。

検索順位はKPIにできるか
結論から言えば、順位はKPIに置けますが、置き方に条件が付きます。順位を決めるのは検索エンジン側であって、こちらが直接触れる数字ではないからです。掲げるなら対象キーワードを限定し、達成までの期間を長めに取るのが現実的でしょう。
- 対策キーワードが10語から30語程度に絞れている
- すでに一定の評価があり、順位の変動が施策と結びつけて読める
- 四半期から半年の単位で評価する前提になっている
- 立ち上げ直後で、そもそも順位が付いていないページが大半
- 数百語を対象にしていて、平均順位の上下が何によるものか追えない
- 週次や月次で未達を問われ、説明のたびに外部要因の話になる
順位が苦しくなる場面に心当たりがあるなら、順位はKPIから外して観測値に移します。代わりに置くのは、順位を押し上げるために自分たちが積み上げた量です。
実行の指標と結果の指標
KPIは2層に分けて持ちます。上の層は結果の指標で、掲載順位、表示回数、クリック数、セッション数、CV数など。下の層は実行の指標で、記事の公開本数、既存記事の改善本数、内部リンクの追加数といった、自分たちの作業量そのものです。
下の層は週次で確認できます。今週3本公開する予定が1本しか出ていないなら、原因は原稿の遅れか確認待ちかのどちらかで、その場で手が打てます。上の層は月次や四半期で確認し、実行が計画どおり進んでいるのに結果が動かないときだけ、狙うキーワードや記事の型そのものを疑う。この順番なら、判断の材料が混ざりません。
成果が出るまでの時間差
SEOの難しさの多くは、作業と結果のあいだに数カ月の間があることに由来します。公開した記事が検索結果で安定するまでに時間がかかり、そこから流入が積み上がり、CVに変わるまでにもう一段の時間がかかります。
裏を返せば、今月の結果の数字は、数カ月前の実行量の答え合わせだということです。今月の流入が伸びなかった理由を今月の作業に求めても答えは出ません。見るべきは、3カ月前に計画どおり手を動かせていたかどうかです。
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SEOで使うKPI指標の一覧
候補となる指標を性質ごとに整理します。覚える必要はなく、自社の状況でどれが「動かせる」側に入るのかを判断する一覧として使ってください。
分類 | 代表的な指標 | 自分たちで動かせるか |
|---|---|---|
実行 | 公開本数、改善本数、内部リンク追加数、タイトル書き換え件数 | 動かせる |
検索エンジンの評価 | インデックス済みページ数、表示回数、平均掲載順位 | 結果として動く |
集客 | クリック数、クリック率、検索経由のセッション数、新規ユーザー数 | 結果として動く |
サイト内の反応 | エンゲージメント率、平均エンゲージメント時間、1訪問あたりの閲覧数 | ページ改善で動かせる |
成果 | キーイベント数、CV率、資料請求数、商談化数 | 導線と内容の改善で動かせる |
表を眺めると、真ん中の2分類だけが「結果として動く」側に寄っています。そして多くの現場でKPIとして採用されているのが、まさにこの帯です。動かせない数字ばかりを目標にしてしまう構図は、ここから生まれます。
指標を選ぶときの問いは「重要かどうか」ではなく「この数字が動いたら、来週の作業が変わるか」です。変わるならKPI、変わらないなら観測値。重要性で選ぶと、重要な数字がすべて目標欄に入り込み、結局どれも追えなくなります。
KPIに置く指標と観測値に置く指標
実務では、レポートを2段組にするのが扱いやすい形です。上段に「今月のKPI」として3つから5つ、下段に「観測値」として残りを並べ、観測値は達成や未達を問わず推移だけを見ます。実行のKPIが上段に並んでいれば、計画量を消化したうえでの未達なのか、そもそも作業が進んでいないのかを一目で区別できます。
指標は3つから5つに絞る
追う指標の数には上限を設けます。目安は3つから5つで、それ以上は運用が続きません。絞り方は単純で、KGIから割り下げたときに必ず通る地点だけを残します。
たとえば「検索経由の問い合わせ月20件」がKGIなら、通過点は「検索経由のセッション数」「問い合わせページへの到達数」「フォームの完了率」あたり。ここに直帰率や平均滞在時間を足しても、問い合わせ20件への道筋は変わりません。なお、SEO以外の施策も含めた指標の組み方はKPI設計とは?機能する指標の3条件とKGIの割り下げ方で整理しています。
関連記事:SEOの費用対効果とは?計算方法や高める方法を徹底解説
KPIの決め方を5つの手順で
ここまでの整理を、実際の手順に落とし込みます。順番を守ることに意味があり、とくに1番目を飛ばすと以降がすべて仮置きになります。
売上、問い合わせ件数、受注件数など、事業側がすでに追っている数字を、達成期限とセットでそのまま置きます。Web側で新しい目標を作らないのが要点です。
KGIのうち検索経由で担う分を決めます。すでに流入があるなら現在の構成比が出発点。ゼロから立ち上げるなら広告や既存チャネルの実績から逆算し、控えめに置いておくと後で説明しやすくなります。
成果に至るまでの経路を、検索回数、クリック数、セッション数、到達数、CV数の順に並べ、掛け算と足し算でつながるかを確認します。つながらない箇所があれば、計測が抜けているか経路の理解が間違っています。
分解した各通過点に、自分たちが動かせる作業を割り当てます。セッション数なら新規公開と既存記事の改善、到達数なら内部リンクと誘導ボタンの配置、CV率ならフォームと訴求内容の見直し。ここで割り当てた作業量が、週次で追うKPIになります。
各指標に目標値を入れ、確認の頻度を決めます。実行の指標は週次、結果の指標は月次、KGIへの寄与は四半期。頻度をそろえようとせず、数字の性質に合わせてずらすのが実務的です。
5つのうち、後から効いてくるのは3番目と4番目です。分解と紐づけを飛ばして数値目標だけを置いたKPIは、ほぼ確実に3カ月で動かなくなります。

目標値の出し方と計算の順番
指標が決まったら、数字を入れます。ここを勘で置くと、達成しても未達でも判断ができません。検索回数から順に掛け算で積み上げるのが基本の形です。
目標値を積み上げる計算式
対象キーワードごとに、次の順で数字を置きます。表の数値は説明のための仮置きで、実際には自社のデータに置き換えてください。
項目 | 置き方 | 仮置きの例 |
|---|---|---|
月間検索回数 | キーワード調査ツールの数値 | 1,000 |
目標順位 | 現在の順位と競合の強さから決める | 5位 |
想定クリック率 | 自社の順位別の平均クリック率 | 6% |
想定の月間クリック数 | 検索回数×クリック率 | 60 |
想定のCV率 | 同じ種類のページの実績値 | 2% |
想定の月間CV数 | クリック数×CV率 | 1.2 |
これを対象キーワードの数だけ作って合計します。KGIから割り下げた目標に届かないなら、対象キーワードを増やすか、目標順位を上げるか、CV率の改善を別施策として立てるかの三択です。どこを動かすかの選択肢が具体的に出てくるのが、この積み上げ方式の利点になります。
クリック率は自社のデータから取る
ここで多くの記事が外部のクリック率一覧を紹介しますが、実務では別の取り方を勧めています。クリック率は外部の一覧表ではなく自社の検索パフォーマンスから取ります。
理由は単純で、クリック率は業種、検索意図、検索結果に何が表示されているかで大きく変わるからです。同じ3位でも、上に強調スニペットや広告が並ぶ検索結果と、通常の10件が並ぶだけの検索結果では、クリックされる割合がまるで違います。外部の平均値を使うと、その差がすべて誤差になって跳ね返ってきます。
Search Consoleの検索パフォーマンスレポートでは、クエリごとに表示回数、クリック数、クリック率、平均掲載順位を確認できます。平均掲載順位が3位前後のクエリを集め、そのクリック率の中央値を取る。自社の検索結果の実態が織り込まれた数字になります。

CV率と歩留まりの仮置き
CV率は、同じ種類のページの実績から取ります。注意したいのは、記事ページとサービス紹介ページでCV率が一桁違う点です。記事経由のCV率をサービスページの実績で置くと、目標が過大になります。実績がまだないなら低めに仮置きし、3カ月後に実測値へ差し替える前提で進めてください。
BtoBの場合、フォーム送信からアポイント、商談、受注までに歩留まりがあります。KGIを受注件数に置くなら、この歩留まりも計算に入れないと、Web側だけが常に未達に見える構図になります。営業側の数字を持ち出すことになるため、KGIを決める最初の合意の場で一緒に確認しておくのが安全です。
計算を一度通してみると、多くの場合で数字が目標に届きません。そこで初めて、狙うキーワードが足りていないのか、記事の役割分担が偏っているのかという次の論点が見えてきます。
目標値を積み上げてみたら、対象キーワードが足りなかったとき
計算が合わない原因の多くは、狙うキーワードの選び方にあります。検索回数の大きい語だけを並べていて成果に近い語が抜けている、あるいは競合の強さに対して目標順位が高すぎる。弊社ではキーワードの洗い出しから、成果に近い順への並べ替え、記事単位の役割分担までを設計としてお引き受けしています。手元に一覧がある場合は、その精査からでも構いません。
ビジネスモデル別のKPI設計例
同じSEOでも、収益の作り方が違えば追う数字も変わります。代表的な3つの型で、通過点と実行の指標がどう変わるかを並べます。
| リード獲得型 | ECサイト | メディアサイト | |
|---|---|---|---|
| KGIの例 | 受注件数、商談件数 | 売上、購入件数 | 広告収益、会員登録数 |
| 主な通過点 | 問い合わせ数、資料請求数 | 商品ページ到達数、カート投入数 | セッション数、閲覧ページ数 |
| 追うCV | フォーム送信、資料ダウンロード | 購入完了 | 広告クリック、会員登録 |
| 実行の指標 | 比較検討段階の記事の公開本数 | 商品ページへの内部リンク追加数 | 公開本数、既存記事の改善本数 |
| 評価の周期 | 四半期(商談化まで時間差あり) | 月次 | 月次 |
リード獲得型サイトのKPI
BtoBに多い型で、いちばん時間差が大きくなります。記事を読んだ人がその日に問い合わせるとは限らず、数カ月後に社名で検索して戻ってくることも珍しくありません。そこでフォーム送信だけをCVに置かず、資料ダウンロードやメールマガジン登録といった手前の行動も指標に加えます。ただし手前の行動が増えただけで終わらないよう、受注までの歩留まりは四半期で必ず確認してください。
ECサイトのKPI
購入という明確なCVがあるため、数字はつながりやすい型です。注意点は、記事から直接購入されるとは限らないことにあります。記事から商品ページへの遷移数を通過点として置き、そこから先は商品ページ側のCV率で評価すると、記事の貢献が見えてきます。
メディアサイトのKPI
閲覧量が収益に直結するため、セッション数と閲覧ページ数が中心になります。実行の指標は公開本数と改善本数がそのまま効いてきますが、本数を追いすぎると内容が薄くなり、結果として評価が下がる展開もあるでしょう。公開後3カ月時点で一定の流入に届いた記事の割合を併せて見ておくと、量と質のバランスが取れます。記事単位での指標の持ち方は記事のKPI設計——PVだけ見てると失敗する、成果指標の正しい設定方法でも扱っています。
サイトのフェーズ別に変わるKPI
サイトがどの段階にあるかでもKPIは変わります。同じ指標を3年追い続けることは、まずありません。
フェーズ | 状況 | KPIの中心 | 見ない指標 |
|---|---|---|---|
立ち上げ期(0から6カ月) | 記事が少なく順位も付いていない | 公開本数、インデックス済みページ数 | CV数、CV率 |
成長期(6カ月から18カ月) | 流入が積み上がり始める | 検索経由のセッション数、10位以内のキーワード数 | 平均順位の全体値 |
安定期(18カ月以降) | 流入が一定量で推移する | CV数、CV率、既存記事の改善本数 | 公開本数の絶対値 |
立ち上げ期にCV数を追うと、母数が小さすぎて数字が跳ねます。月に2件が3件になっただけで50%増と報告され、翌月には1件に戻る。振れ幅の大きい数字は、目標にしても判断の材料になりません。

では、いつフェーズが切り替わったと判断するのか。ここを月数だけで決めると、実態と合わないまま指標だけが先に変わってしまいます。
フェーズの切り替えは、カレンダーではなく数字で決めます。立ち上げ期から成長期へは「検索経由のセッションが前月比で安定して伸び始めたら」、成長期から安定期へは「主要キーワードの半数以上が10位以内に入ったら」。条件を先に決めておくと、切り替えの議論が短く済みます。
KPIが形骸化する4つの原因
設定したKPIが半年後に誰も見なくなる。この現象には、決まった原因があります。
- 指標を10個以上並べ、毎月すべてを報告している
- 目標値の根拠が「前年比120%」だけで、積み上げの計算がない
- 未達が続いているのに、目標値も施策も変えていない
- 計測の設定が途中で壊れ、数字が取れていないまま報告が続いている
1つ目がもっとも多く、そして直しやすい原因です。指標を増やすほど、次の打ち手は決まらなくなります。全部を見るという構えは、結局どれも見ないことと変わりません。
2つ目は、経営側との合意の取り方に原因があります。前年比で置いた数字は、達成しても未達でも理由が説明できません。積み上げの計算に戻り、どのキーワードで何件を狙うのかまで分解しておけば、未達の理由が「対象キーワードのうち3語で目標順位に届かなかった」という具体的な形になります。
3つ目は、KPIを固定物として扱っていることから起きます。四半期に一度は見直す前提で運用し、前提が変わったなら目標値も変える。動かさないことが誠実さだという感覚は、いったん脇に置いて構いません。
4つ目は地味ですが実害が大きく、計測が壊れたまま数カ月が過ぎている例に何度も出会ってきました。サイト改修、タグマネージャーの更新、フォームの差し替えといったタイミングで、計測は静かに止まります。改修のたびに動作確認を工程へ入れておくのが、いちばん確実な予防策でしょう。
四半期ごとに目標値を変えると、その場しのぎに見えませんか。
編集部
変更の記録を残せば問題になりません。実務では「変更した日付、変更前後の数値、変更の根拠」の3点を一行で残しています。根拠は「対象キーワードを12語から20語に拡張したため」のように事実だけで十分。むしろ、根拠を書けない変更が続くようなら、そのときはKPIの立て方自体を見直す合図だと考えています。
4つの原因はいずれも、指標の知識ではなく運用の設計から生じています。指標を選び直すより先に、誰がいつ数字を見て、未達のときに何を変えるのかを決めておくほうが効きます。
数字は見ているのに、翌月の打ち手が決まらない状態が続いていませんか
形骸化の多くは、指標の選び方ではなく、指標と施策がつながっていないことから起きます。弊社では現状の計測環境と対象キーワードを確認したうえで、どの数字を追い、その数字が動かないときに何から手を付けるのかまでを施策の側から組み立てています。
KPI計測に使う3つのツール
最後に数字を取る手段です。有料ツールを増やす前に、無料で取れる範囲を使い切るのが順番になります。
ツール | 取れる数字 | 主な用途 |
|---|---|---|
Google Search Console | 表示回数、クリック数、クリック率、平均掲載順位 | 検索エンジン側の評価と集客の確認 |
Googleアナリティクス(GA4) | セッション数、エンゲージメント率、キーイベント数 | サイト内の反応と成果の確認 |
順位計測ツール | 指定したキーワードの日次順位 | 個別キーワードの推移確認 |
前の2つは無料で使えて、KPIの大半はここで足ります。順位計測ツールは、対象キーワードが数十語を超えて手作業での確認が追いつかなくなってから検討すれば十分でしょう。なおGA4側では、問い合わせや資料請求をキーイベントとして設定しておく必要があります。設定していないとCV数が取れず、積み上げ計算の最後がつながりません。

オウンドメディア全体としての指標の持ち方はオウンドメディアのKPIとは?指標の決め方と運用でつまずかない設定手順でも扱っています。
よくある質問
3つから5つが目安です。それ以上並べると月次の確認で全項目を追えなくなり、結局どれも判断に使われません。残りは推移だけを見る観測値の欄へ移してください。
置けます。ただし対象キーワードを絞り、四半期以上の期間で評価する前提が必要です。数百語の平均順位を週次で追う形にすると、変動の理由が追えず、報告のたびに外部要因の話になります。
記事が検索結果で安定し、そこからCVに変わるまでには数カ月かかります。立ち上げ期はCV数をKPIに置かず、公開本数とインデックス済みページ数で進捗を測るほうが実態に合うでしょう。
資料ダウンロードやメールマガジン登録といった手前の行動を通過点に加え、月次で読める母数を確保します。そのうえで受注までの歩留まりを四半期に一度確認してください。
まとめ|SEOのKPIは順位より動かせる数字から
指標の一覧を眺めるところからKPIを決め始めると、たいてい「結果として動く数字」ばかりが目標欄に並びます。そこを入れ替えて、自分たちが今週動かせる数字を下の層に置き、順位や流入は答え合わせとして上の層で確認する。この二段構えが、本記事でお伝えしたかった要点です。
動かせる数字は週ごと、動かせない数字は月ごとに見ます。頻度をそろえようとせず数字の性質に合わせてずらすと、打ち合わせの議題が「今週の作業が計画どおりか」と「3カ月前の作業が結果に出ているか」に整理されます。
目標値は、検索回数から順に掛け算で積み上げてください。クリック率は外部の一覧ではなく自社のSearch Consoleから取り、CV率は同じ種類のページの実績から取る。計算が合わなければ、対象キーワードを増やすか、目標順位を上げるか、別の施策を立てるかを選ぶ。判断の選択肢がその場で出てくる状態が、機能しているKPIの姿だと考えています。
私たち合同会社Writers-hubは、キーワード戦略の設計から記事の制作、公開後の改善までを一貫してお引き受けしています。手元の目標シートが動かなくなっているなら、その状態のままお持ちください。
いまのKPIが実態に合っているか、外から一度見てほしいとき
運用中のサイトであれば、Search ConsoleとGA4の数字を見るだけで、追うべき指標がずれているかはおおよそ判断できます。現状の目標設定と計測環境を共有いただければ、どこから手を付けるのが早いかをお伝えします。
※ 検索パフォーマンスの各指標の定義は、Google Search Consoleヘルプの検索パフォーマンスレポートの説明に基づいています。キーイベントの設定手順はGoogleアナリティクスヘルプを参照しました。








