「Mozに登録して自社サイトを調べたら28だった。これは低いのだろうか」。ドメインパワーについてご相談をいただくとき、最初に出てくるのはたいていこの形の質問です。Mozの管理画面は大きな数字をひとつだけ真ん中に表示する作りになっているため、その数字自体に合格ラインが存在するように見えるのだと思います。
しかし、多くのSEO記事を制作し、公開後の順位を追いかけてきた弊社の立場から言えるのは、28という数字だけでは次に打つ手が何ひとつ決まらない、ということでした。手が決まるようになるのは、同じMozで狙っているキーワードの検索結果を調べ、そこに並んだサイトの数値を横に置いたときになります。Mozのドメインパワーは、並べて初めて読める数字です。
本記事では、MozのDAが何を表しているのかから、Link ExplorerとMozBarでの調べ方、無料アカウントで調べられる回数の上限、AhrefsやSemrushと数値がずれる理由、そして検索結果の10件と並べて読む手順まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- MozのDA・PA・スパムスコアがそれぞれ何を表しているか
- Link ExplorerとMozBar、2通りの調べ方と使い分け
- 無料アカウントの回数の上限と、限られた回数の割り振り方
- AhrefsやSemrushと数値が食い違う理由
- 検索結果の10件と並べて、次の一手を決める手順
Mozのドメインパワー(DA)とは
ドメインパワーという言葉は日本での通称で、Mozが公開している正式な名前はDomain Authority(ドメインオーソリティ、略してDA)です。これは、あるドメインが検索結果の上位に出てくる可能性を、Mozが独自に予測した数値にあたります。
現在のモデルは2019年に作り直されたもので、Mozが保有する被リンクのデータと実際のGoogle検索結果を突き合わせ、機械学習で「上位に出やすいか」を予測しています。つまりDAは、Googleが内部で持っている点数を覗き見た数字ではなく、Googleの結果を外から当てにいった推測値なのです。
DAはMozが独自に算出している予測値であり、Googleが順位を決めるときに参照している指標ではありません。Google側は長らく、サイト単位の権威スコアという形の指標は持たないと説明してきました。2024年には社外へ出た検索関連の内部資料にサイト単位の項目が含まれていたと報じられ、議論も起きましたが、Mozのスコアがそこに使われているわけではない点は変わりません。
この前提を押さえておかないと、DAが上がった下がったで一喜一憂する運用に陥りやすくなります。見るべきは自分の点数の絶対値ではなく、同じ物差しで測った他サイトとの位置関係です。

1から100までの数字が表すもの
DAは1から100までの範囲を取りますが、目盛りが等間隔ではありません。対数のスケールが使われているため、20から30へ動かす労力と、70から80へ動かす労力はまるで違います。上に行くほど1点の重みが増していく設計だと考えてください。
新しく取得したドメインは、ほぼ例外なく1桁から始まります。そこから数字が動き出すのは、外部のサイトから参照され始めてからです。弊社が制作や運用に関わってきたサイトでは、おおよそ次のような分布で見えることが多いという印象があります。
DAのおおよその帯 | よく見かけるサイトの状態 |
|---|---|
1〜10 | 公開から1年未満で、外部からのリンクがほとんどない |
10〜20 | 記事が数十本たまり、取引先やSNSからのリンクが付き始めた |
20〜30 | 業界内で名前を挙げられ、参照されるようになってきた |
30〜50 | 業界メディアとして認知され、他社記事から引用される |
50以上 | 全国規模のメディアや大企業のコーポレートサイト |
※ 弊社が関わったサイトで見られた傾向であり、業種、運営年数、広報活動の有無によって大きく変わります。同じDA20でも中身はまったく違うため、目標値として使うものではありません。
DA・PA・スパムスコアの違い
Mozの画面には3つの数値が並びます。混同されやすいので、対象範囲と用途を分けて押さえておきましょう。
指標 | 測る対象 | 使いどころ |
|---|---|---|
DA(Domain Authority) | ドメイン全体 | サイトごしの比較、キーワードの難易度の見立て |
PA(Page Authority) | 個別のページ | 特定の1ページ同士の比較、リライトの優先順位 |
Spam Score | ドメイン全体 | 被リンクを受けた相手の素性を疑うとき |
実務で頻繁に使うのはDAですが、リライトの順番を決める場面ではPAのほうが役に立ちます。DAはサイト全体で共通の数字なので、同じサイト内の記事を比べても差が出ないからです。Spam Scoreは、そのドメインが過去にスパム判定を受けたサイトと似た特徴をどれだけ持っているかを示すもので、被リンクの精査で使います。数値が高いサイトからリンクを受けている場合は、そのリンクの経緯を確認したほうがよいでしょう。
関連記事:【2025年最新版】初心者でもできるSEOのやり方完全ガイド | 上位表示するための具体的な方法を徹底解説
Mozでドメインパワーを調べる2つの方法
調べ方は大きく2通りあります。Link Explorerで1件ずつ入力する方法と、MozBarという拡張機能を入れて検索結果の画面にそのまま表示させる方法です。多くの解説記事は前者だけを紹介していますが、実務で使う頻度が高いのは後者のほうだと感じています。
Mozのサイトで無料アカウントを登録します。メールアドレスとパスワードを入力し、届いた確認メールのリンクを踏めば有効化されます。クレジットカードの登録は不要です。
ログイン後、Link Explorerの入力欄に調べたいURLを入れます。ドメイン全体のDAを知りたいときは「Root Domain」、特定のページのPAを知りたいときは「Exact Page」を選びます。
分析を実行すると、Domain Authority、被リンク数、リンク元ドメイン数、Spam Scoreが一画面に表示されます。DAの横に出る推移グラフで、過去の動きも合わせて確認できます。
Chromeの拡張機能ストアからMozBarを追加し、Mozのアカウントでログインします。設定はここまでで、あとはGoogleの検索結果を開くたびに、各サイトのDAとPAが行ごとに表示されるようになります。
4つ目まで進めば、以降は検索するだけでDAが目に入る状態になります。準備にかかる時間は10分程度でしょう。

Link Explorerで1件ずつ調べる
自社サイト1件の現在地を確認したいときや、被リンクの一覧まで踏み込んで見たいときはLink Explorerを使います。リンク元のドメイン名、アンカーテキスト、新しく増えたリンクと失われたリンクまで並べて確認できるため、被リンクの中身を精査する用途ではこちらが必要です。
一方で、URLを1件入力するたびにクエリを1回消費します。競合を10社調べようとすれば、それだけで無料枠を使い切ってしまうことになります。
MozBarを使った一覧での確認
MozBarを入れておくと、Googleで検索した瞬間に上位10件のDAが縦に並びます。1回の検索で10サイト分の数値が手に入るため、キーワードごとの競合状況を見るならこちらが圧倒的に速いのです。
ここが実務での分かれ目になります。Link Explorerは1つのサイトを深く見るための道具で、MozBarは1つの検索結果を横に見るための道具にあたります。役割が違うので、どちらか片方だけで済ませている状態はもったいないと言えるでしょう。
関連記事:Ahrefs(エイチレフス)で競合調査をする方法|見るレポートと結果の使い方
無料アカウントで調べられる回数の上限
Mozの無料アカウントには、調べられる回数の制限があります。目安は月10回程度で、1回あたりに表示される被リンクの行数にも上限が設けられているのです。枠を使い切った場合、その月は翌月まで待つか有料プランに切り替えるかの二択になります。
無料枠の条件はMoz側の都合で変更されることがあります。実際に何回残っているかは管理画面に表示されるため、作業前に残数を確認してから調べる対象を決めてください。
この制限があるからこそ、開く前に「何を確かめたいのか」を決めておく必要があります。思いつくままURLを入力していくと、判断材料が揃わないまま枠だけが消えていきます。
無料の10回は、どう割り振るのが現実的でしょうか。競合も気になるし、自社の被リンクも見たいのですが。
編集部
競合のDAを知りたいだけなら、Link Explorerは使わずMozBarで検索結果を見てください。回数を消費せずに上位10件分が並びます。貴重な10回は、自社サイトの被リンクの中身と、参考にしたい他社1〜2件の詳細に絞るのがおすすめです。
回数の割り振りを整理すると、次のような形に落ち着きます。自社の状況把握に3回程度、比較対象として選んだ他社の深掘りに2〜3回、残りを月内の再確認用に空けておく配分です。競合全体の水準はMozBarで無制限に見られるので、有限のクエリは「一覧では見えない情報」だけに使うのが理にかなっています。
関連記事:Ahrefsで被リンクを調べる方法|無料でできる範囲と数値の読み解き方
Mozの数値が他のツールと食い違う理由
Mozで28だったサイトが、Ahrefsでは15、パワーランクチェックツールでは40と出る。この食い違いに戸惑う方は多いのですが、これは不具合ではありません。それぞれが別々のデータベースを持ち、別々の計算式を使っているためです。
| Moz DA* | Ahrefs DR | Semrush Authority Score | パワーランクチェックツール | |
|---|---|---|---|---|
| 数値の範囲 | 1〜100 | 0〜100 | 0〜100 | 0〜100 |
| 材料 | Mozのリンクデータと検索結果 | Ahrefsのリンクデータ | リンクと検索流入とトラフィック | 独自の集計 |
| 無料での確認 | 月10回程度 | 制限つきで可 | 制限つきで可 | 回数制限なし |
| 日本語サイトの収録 | 英語圏に比べて薄め | 比較的厚い | 比較的厚い | 国内サイトに強い |
弊社が国内の中小規模サイトを見てきた範囲では、MozのDAはAhrefsのDRより低めに出る場面が多いという実感があります。Mozのリンクインデックスが英語圏を中心に育ってきた経緯があり、日本語サイト同士の被リンクを拾いきれていないケースがあるためだと考えています。
だからこそ、ツールをまたいで数値を比べても判断材料になりません。自社をMozで測ったなら、競合もMozで測る。この一貫性さえ守れば、数値が絶対的に正しいかどうかは実は問題になりません。

1社分の数値だけでは判断できない理由
ここまでで調べ方は揃いました。では、出てきた数字をどう扱えば次の作業が決まるのか。ここが本記事でいちばんお伝えしたい部分です。
DAは相対的な指標です。Web全体の中での位置を1から100に押し込めた数字なので、「28」という値そのものには、それ以上の情報が含まれていません。28が意味を持ち始めるのは、比較する相手が決まった瞬間からです。
検索結果の10件を横に並べる見方
具体的な手順は単純です。狙いたいキーワードをGoogleで検索し、MozBarが表示している上位10件のDAをそのまま書き出します。そこに自社の数値を加えて並べ替えれば、自分が何番目に位置しているかがひと目で分かります。
- 狙うキーワードで検索し、上位10件のDAを控える
- 自社サイトのDAを同じ一覧に加える
- 上位10件のうち、自社と同じ水準のサイトがいくつあるか数える
- そのサイトがどんな記事で上位に入っているかを開いて読む
4つ目まで進むと、単なる数字の比較が「自分にも書けそうな記事かどうか」の判断に変わります。DAが近いのに上位にいるサイトは、コンテンツの作り方で差をつけている可能性が高いからです。その記事の構成、扱っている論点、更新日を見れば、追いつくために何を書けばよいかが具体的に見えてきます。
平均でなく最小値を見る理由
上位10件のDAを見るとき、多くの方は平均値を出そうとします。しかし実務で判断に効くのは平均ではありません。見るべきは平均でも中央値でもなく、上位10件の最小値です。
理由は単純で、大手メディアが2件混ざっているだけで平均は簡単に吊り上がるからです。DA70のサイトが2件、DA20台のサイトが8件という検索結果は珍しくありません。平均を取れば30を超えますが、実際にそこで戦っているのはDA20台の層です。
裏を返せば、上位10件の中に自社と同じ水準のサイトが1つでも混ざっていれば、そのキーワードはコンテンツの作り込みで入り込む余地があると見ていいでしょう。逆に、10件すべてがDA60以上で埋まっているなら、記事の質をどれだけ上げても短期では届きません。そのキーワードは後回しにして、別の切り口を探したほうが早いはずです。

この「最小値を見る」という視点は、比較記事ではあまり語られない部分です。平均値の一覧表を眺めているうちは、勝てるキーワードと勝てないキーワードの線引きができません。
上位10件のDAは並べたものの、どこから書くか決めきれていませんか
数値の並びから「今の自社で入り込めるキーワード」を選び出す作業は、検索意図の読み取りと記事本数の見積もりまで含めて考える必要があります。弊社ではキーワードの洗い出しから優先順位づけ、記事構成の設計までをまとめてお引き受けしています。
Mozの数値が動いたときの確認点
何も手を加えていないのにDAが2下がった、というご相談もよくいただきます。まず落ち着いて確認していただきたいのは、その変動が自社に起因するものかどうかです。
DAは相対的な指標なので、Web全体の分布が変われば自分の数値も動きます。Mozがリンクインデックスを更新したタイミングで、多くのサイトのDAが一斉に上下することがあります。自分が何もしなくても数値は動きます。
DAの変動を見るときは、自社の数値だけでなく、比較対象にしている競合数社の数値も同時に控えておいてください。競合も一律に下がっているなら、それはMoz側の更新による影響である可能性が高いと判断できます。
そのうえで自社だけが下がっているなら、被リンクが失われた可能性を疑います。Link Explorerの「Discovered and Lost」で、直近に消えたリンク元を確認しましょう。相手サイトの閉鎖、記事の削除、リンクの張り替えなど、原因が特定できることも少なくありません。
こうした理由から、DAを月次のKPIに設定する運用はおすすめできません。自分の努力と数値の動きが対応しないため、担当者の評価指標としては機能しないのです。DAは月に一度、キーワードを選び直すタイミングで確認する程度で十分でしょう。
Mozの数値を追うときに避けたい進め方
ドメインパワーを気にし始めた現場でよく見かける、成果につながりにくい進め方を挙げておきます。
- DAが低いことを理由に、記事の公開そのものを先延ばしにする
- DAを月次の目標値に設定し、達成度で担当者を評価する
- MozのDAとAhrefsのDRを並べて、上がった下がったを議論する
- スコアを上げる目的で、有料の被リンクサービスを利用する
- 業界平均とされる数値を探し、それを目標として掲げる
とりわけ避けていただきたいのが、4つ目の有料リンクです。順位を操作する目的で対価を伴うリンクを設置する行為は、Googleがスパムポリシーで明確に禁じています。短期的にDAが上がったとしても、検索からの評価は別の話です。

1つ目の「公開を先延ばしにする」も、実害の大きい判断です。DAは外部から参照されて初めて動く数字であり、参照される対象がなければ動きようがありません。記事がない状態でDAを上げる方法を探すのは、順番が逆になっています。
5つ目の業界平均については、そもそも母集団の定義がないため、数字を見つけても比較になりません。同じ「不動産業界」でも、全国展開のポータルサイトと地域の仲介会社では前提がまるで違います。平均を探す時間があるなら、自分が狙うキーワードの検索結果10件を見たほうが早く答えが出ます。
被リンクが自然に集まる記事を、社内の手を止めずに増やすには
他社から参照される記事は、独自の調査、実務でしか得られない手順、判断の理由といった「引用したくなる中身」を持っています。弊社は取材と実務ヒアリングを組み込んだ記事制作で、公開後に参照されるコンテンツづくりをお手伝いしています。
Mozのドメインパワーに関するよくある質問
現場でいただくご質問のうち、判断に直結するものをまとめました。数値の扱いに迷ったときの確認先としてお使いください。
調べられます。無料アカウントを作ればLink Explorerが月10回程度使え、MozBarを導入すれば検索結果の画面でDAを回数制限なく確認できます。クレジットカードの登録も不要です。
外部サイトからのリンクがまだ検出されていないためです。新規ドメインでは珍しくありません。取引先や業界団体のサイト、自社のSNSアカウントなど、実在する関係先からのリンクが付き始めると数値が動きます。
どちらか一方に決めて、自社と競合を同じツールで測ってください。両者は別のデータベースを使っているため、数値の高低を比べても意味がありません。日本語サイトを中心に見るならAhrefsのDRのほうが実感に近い場面が多いという印象があります。
出るとは限りません。DAはあくまでMozによる予測値で、Googleの順位はページ単位の内容や検索意図との一致で決まります。DAが高いサイトでも、内容が薄い記事は上位に残りません。
記事の公開頻度や外部からの参照のされ方で大きく変わるため、期間の目安を一律に示すことはできません。ただし1桁台から20前後までは、月数本の公開を1年以上続けた先で動き始めるケースが多いと見ています。
数値が残っている場合もありますが、運用を変えれば下がります。過去の運営者がスパム的な被リンクを集めていた場合、そのリスクごと引き継ぐことになるため、Spam Scoreと被リンク元を必ず確認してください。
まとめ|Mozの数値は並べて初めて読める
Mozのドメインパワーは、自社の点数を確認して終わりにすると、何も判断できない数字のまま残ります。同じMozで狙うキーワードの検索結果を測り、上位10件と横に並べたとき、初めて「今の自社で入り込めるか」という答えが出ます。
要点を整理します。DAはMozの予測値であってGoogleの指標ではないこと。無料枠は限られるので、競合の水準はMozBarで見て、貴重なクエリは被リンクの精査に回すこと。ツールをまたいだ比較はせず、平均ではなく上位10件の最小値を見ること。この3つを守れば、ドメインパワーは目標値ではなく、書く順番を決めるための道具として使えます。
私たち合同会社Writers-hubは、キーワードの選定から記事の制作、公開後の見直しまでを一貫してお引き受けしています。数値を眺めている段階から、実際に書く記事を決める段階へ進めずにいるなら、いまの検索結果の並びを一緒に見るところから始めていただければと思います。
自社のドメインパワーと検索結果の並びを、一度見てもらいたい方へ
狙っているキーワードと現在のサイトの状態をお聞かせいただければ、どのキーワードから着手するのが現実的か、記事だけで届く範囲はどこまでかを整理してお返しします。ご相談の段階で費用は発生しません。
なお、ドメインパワーという指標そのものの成り立ちや、Moz以外のツールでの計測方法については、ドメインオーソリティとは?調べ方と目安を記事制作会社が解説でも整理していますので、あわせてご覧ください。








