「SEOツールの診断で出た指摘を、件数の多い順に直していけばよさそう」。数千ページのサイトを診断にかけると、titleの重複やmeta descriptionの抜けが何千件も並ぶため、多い指摘から片づけたくなります。ところが、ポータルサイトのページはデータベースの値をテンプレートに流し込んで作られており、何千件もの指摘が1つのテンプレートや1つのURLの作り方から出ていることがあります。直す順番は、構造(内部リンクとURLの設計)、ページの種類ごとのテンプレート、インデックスの制御です。
本記事では、3つの段階をこの順に進める理由から、段階ごとに直す箇所、自社サイトがどの段階にいるかの確かめ方まで、データベース型サイトのSEOを支援する制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- インデックスの制御を先に整えると、URLの設計を変えたときに書き直しになる
- 構造の段階では、すべての詳細ページへ一覧ページからリンクを張り、検索結果に出したい絞り込みだけに固有のURLを持たせる
- titleとmeta descriptionはデータベースの値から組み立て、構造化データには画面に表示している情報だけを入れる
- クロールさせたくないURLはrobots.txtで止め、重複したURLはcanonicalでまとめる
- Search Consoleの「ページのインデックス登録」で多い状態を見ると、どの段階から直すかの見当がつく
ポータルサイトのSEOで手を付ける3つの段階
ポータルサイトのSEOは、構造、ページの種類ごとのテンプレート、インデックスの制御の3つの段階を、この順に進めます。ポータルサイトのページは、施設や求人などのデータベースの値を数種類のテンプレートに流し込んで作られるため、直す単位が1ページずつではなく、URLの作り方とページの種類になるからです。
前の段階で決めたことが、次の段階で直す対象を決めます。3つの段階で決めることは次のとおりです。
どのURLを作り、どのページからどのページへリンクを張るかを決めます。構造の段階で決まるのは、Googleに見つけてもらうページの集まりです。
構造で決めたページの種類ごとに、title・meta description・構造化データを組み立てる型を直します。1つの型を直すと、同じ種類の数千ページに反映されます。
robots.txt・canonical・sitemapで、検索結果に出すURLとクロールさせないURLをGoogleに伝えます。
canonicalやsitemapがURLを名指しして書く設定だという点は、とりわけ見落とされがちです。インデックスの制御を先に整えても、後からURLの設計を変えれば書き直しになります。どの一覧ページを検索結果に出すかも、テンプレートを直して中身がそろってからのほうが判断できます。

最初に直す内部リンクとURLの設計
構造の段階で直すのは、詳細ページへの内部リンクの張り方と、絞り込み条件ごとのURLの作り方の2つです。Googleはリンクをたどってページを見つけるため、リンクが届かないページは見つけられないことがあり、不要なURLが多すぎると新しいページのクロールが後回しになります。
詳細ページへの内部リンクの張り方
インデックスに登録したいすべての詳細ページへ、どれかの一覧ページから内部リンクを張ります。Googlebotは通常、サイト内の検索窓にキーワードを入れて検索しません。サイト内検索からしか開けない詳細ページは、クロールでは見つからないことがあります。
一覧の続きを「もっと見る」ボタンだけで読み込む作りでも、続きに並ぶ詳細ページが見つからないことがあります。Googleのクローラーはボタンを押さないためです。一覧の2ページ目以降には「?page=2」のような固有のURLを持たせ、次のページへHTMLのリンクでつなぎます。
上位に出したいエリアとカテゴリの一覧ページへは、トップページやカテゴリページからリンクを張ります。Googleのeコマースサイト向けの説明には、URLの構造からサイトの構造を把握することは通常なく、ほかのページからのリンクが多いページほど相対的な重要度が高くなると書かれています。
絞り込み条件ごとのURLの決め方
絞り込み条件の組み合わせのうち、検索結果に出したいものにだけ固有のURLを持たせ、それ以外はクロールさせない形にします。エリアやカテゴリ、こだわり条件、並べ替えなどの組み合わせをすべてURLにすると、URLの数は掛け算で増えるためです。
Googleの絞り込み(ファセットナビゲーション)の説明では、URLパラメータで組み合わせを表す一般的な作り方は無限のURLを生むことがあるとされています。クロールが増えすぎるうえに、新しく有用なURLの発見が遅れます。

固有のURLを持たせるかの分かれ目は、その組み合わせで検索する人がいるかです。Googleも、詳細ページにたどり着くには少数の一覧で足り、内容に大差ない一覧を大量に作っても無駄になると説明しています。
組み合わせの例 | URLの扱い |
|---|---|
エリアとカテゴリを掛けた一覧 | 固有のURLを持たせ、内部リンクとsitemapに載せる |
並べ替え、表示件数、条件を何重にも重ねた絞り込み | robots.txtでクロールを止めるか、URLの「#」より後ろで条件を表す |
固有のURLを持たせる組み合わせは、URLの中の条件の並び順を常に同じにし、結果が0件になる組み合わせには404を返します。

URLの単語の区切り方や階層の決め方は、URLの構造とURL設計の決め方にまとめています。
絞り込みの組み合わせごとに、URLが増え続けていませんか
Writers-hubのデータベースSEOは、数千〜数万ページ規模のデータベース型サイトが対象です。どの絞り込みに固有のURLを持たせ、どの一覧から詳細ページへリンクを張るかを、内部リンクとURLの設計として整えます。
ページの種類ごとに直すテンプレート
テンプレートの段階では、構造で決めたページの種類ごとに、title、meta description、構造化データの3つを、データベースの値から組み立てる形に直します。一覧ページと詳細ページでは、そのページだけが持つ値が違うためです。
titleとディスクリプションの作り方
titleとmeta descriptionは、そのページだけが持つデータベースの値から組み立てます。Googleのタイトルリンクの説明では、長い定型文の一部だけを差し替えた「ボイラープレート」のtitleは、各ページの情報が伝わらず適切でないとされています。
ページの種類ごとに、titleとmeta descriptionへ入れる値の例は次のとおりです。
ページの種類 | titleに入れる値 | meta descriptionに入れる値 |
|---|---|---|
エリアとカテゴリの一覧 | エリア名、カテゴリ名 | エリア名とカテゴリ名、一覧で絞り込める主な条件 |
詳細ページ | 施設名や求人名、エリア名 | 住所、営業時間、料金など、そのページだけの値 |
Googleのスニペットの管理についての説明も、大規模なデータベースに基づくサイトでは、説明をページのデータから自動で作るほうが適していると勧めています。ただし、キーワードを長く並べただけの説明は、スニペットとして表示されにくくなります。
一覧の2ページ目以降は、1ページ目と同じtitleとmeta descriptionで構いません。Googleが、ページ分けされた一連のページでは同じタイトルと説明を使えると説明しているためです。
構造化データの入れ方
構造化データは、ページの種類に合う型を選び、画面に表示している情報だけをテンプレートから出力します。Googleが検索結果での表示に対応している型には、求人情報やイベント、商品、パンくずリストなどがあります。
型ごとの必須のプロパティをすべて入れることが、拡張表示の対象になるための前提です。推奨のプロパティは、不完全なものや不正確なものを数多く入れるより、少なくても完全で正確なものを入れるほうが重要だとGoogleは説明しています。
画面に表示していない情報は、正確な値であっても構造化データに入れません。データベースに項目があっても、ページに表示していなければ、テンプレートの出力から外します。
テンプレートを書き換えたら、ページの種類ごとに数ページをリッチリザルトテストで確かめてから、全ページへ反映します。Googleは、テンプレートや配信の仕方が原因で、公開後に構造化データに不具合が出ることがあると注意しています。公開後は、Search Consoleのリッチリザルトのステータスレポートを見ます。
最後に整えるインデックスの制御
インデックスの制御では、構造とテンプレートで作ったURLのうち、検索結果に出すURLとクロールさせないURLを、Googleに伝えます。使う道具はrobots.txt、noindex、canonicalの3つで、効き方の違いは次のとおりです。
| robots.txt | noindex | canonical | |
|---|---|---|---|
| Googleに伝えること | このURLをクロールしない | このページを検索結果に出さない | 重複したページのうち、正規にするURL |
| クロール | 止まる | 続く | 続くが、回数は減ることがある |
| 気をつけること | ほかからリンクされたURLは、中身なしでインデックスに登録されることがある | クロールを減らす目的には使えない | Googleが別のURLを正規に選ぶことがある |
robots.txtとnoindexは、どちらもページを検索結果から外す道具に見えますが、クロールへの効き方が逆です。
インデックスされないページが多いのは、クロールバジェットが足りないからだと思っています。中身の薄いページをnoindexにすれば、ほかのページにクロールが回りますか。
編集部
薄いページを検索結果から外す考え方自体は合っています。ただ、noindexのページもGoogleはクロールし続けるため、クロールを減らす目的でnoindexを使わないようGoogleは書いています。数千〜数万ページの規模なら、まず絞り込みや並べ替えで増えたURLの数を減らすほうが先です。
クロールバジェットの考え方
クロールバジェットを気にする必要があるかは、ページ数と更新の頻度、それにSearch Consoleで「検出 - インデックス未登録」が多いかどうかで決まります。Googleのクロールバジェットの説明が主な対象にしているのは、次の3つのサイトです。
- 重複のないページが100万以上あり、週に1回ほど更新されるサイト
- 重複のないページが1万以上あり、毎日更新されるサイト
- Search Consoleで、URLの大部分が「検出 - インデックス未登録」になっているサイト
ページ数は大まかな目安で、正確な基準ではないとGoogleは断っています。数千〜数万ページのポータルサイトでも、掲載が毎日入れ替わり、重複のないページが1万を超えるなら対象に入ります。
頻繁に更新されるページが多くないサイトは、sitemapを最新に保ち、ページのインデックス登録レポートを定期的に見れば足りるとGoogleは説明しています。対象に入るサイトでも、最も確実に管理できる要素としてGoogleが挙げているのは、Googleがサイトで見つけたURLの集まりです。

robots.txtで止めても、空いた分がほかのページへ回るのは、Googleがサイトのクロール能力の上限に達している場合だけです。
sitemapの作り方
sitemapには、検索結果に出したい正規のURLだけを載せます。同じ内容を指すURLが複数あるときは、正規にする1つだけを載せ、ほかは原則として載せません。
1つのsitemapファイルに載せられるのは、圧縮前で50MBまで、URLは5万件までです。超える分は複数のファイルに分け、まとめて伝えるときはサイトマップインデックスファイルを送信します。
ファイルを分けると、Search Consoleでサイトマップごとに結果を追いやすくなります。sitemapをページの種類ごとに分けると、問題の出ている種類を見分けられます。
lastmodには、本文や構造化データ、リンクの変更のような重要な更新の日時だけを入れます。Googleはlastmodの値が一貫して正確だと確かめられる場合にだけ使い、priorityとchangefreqの値は使いません。
canonicalの使い方
canonicalは、同じ内容を複数のURLで見せているページに入れ、正規にするURLを指定します。Googleが挙げる正規URLの伝え方は、効果が高い順に次の3つです。
- リダイレクト:重複したページを廃止するときに使う
- canonicalの指定:重複したページを残したまま、正規にするURLを示す
- sitemapへの記載:シグナルとしては弱い
2つ以上を組み合わせると、希望したURLが検索結果に表示されやすくなります。canonicalは正規にするページ自体にも自分を指す形で入れ、相対パスでなく絶対URLで書きます。
サイト内のリンクも、重複したURLではなく正規のURLへ向けます。Googleは、重複をまとめる目的でrobots.txtを使わないよう書いており、noindexをその目的で使うことも勧めていません。canonicalの書き方と、指定が反映されないときの確かめ方は、canonicalタグの書き方と確認手順にまとめています。

自社サイトの段階を確かめる2つのレポート
自社サイトをどの段階から直せばよいかは、Search Consoleの「ページのインデックス登録」と「クロールの統計情報」の2つのレポートで見当をつけます。順番は変えず、済んでいない最初の段階から手を付けます。
ページのインデックス登録レポート
ページのインデックス登録レポートでは、登録されていない理由のうち、件数の多い状態を見ます。多い状態ごとに、見直す段階の目安は次のとおりです。
多い状態 | 見直す段階 |
|---|---|
検出 - インデックス未登録 | 構造。URLの数と、詳細ページへのリンク |
クロール済み - インデックス未登録 | テンプレート。その種類のページに表示する中身 |
重複しています。Google により、ユーザーがマークしたページとは異なるページが正規ページとして選択されました | インデックスの制御。canonicalの指定 |
「検出 - インデックス未登録」は、Googleが見つけたもののまだクロールしていない状態です。サイトへの過負荷が予想されたためにクロールを後回しにした場合が多いとGoogleは説明しており、URLの数を減らすか、サーバーの応答を速めるかのどちらかが要ります。
「クロール済み - インデックス未登録」が、掲載の少ない一覧ページのように特定の種類に偏っていれば、その種類のテンプレートが表示する中身を見直します。
正規URLの食い違いを確かめる場所は、URL検査の「Googleが選択した正規URL」の欄です。
クロールの統計情報レポート
クロールの統計情報レポートでは、Googlebotのリクエストの数と、サーバーの応答時間、ホストのステータスを確かめます。Googleはページ数が1,000未満のサイトならこのレポートを使う必要はないとしており、数千ページを超えるポータルサイトは、見ておくべき規模です。
表の項目を開くと、サンプルのURLが表示されます。並べ替えや絞り込みのパラメータが付いたURLが多く並んでいれば、構造の段階に戻ってURLの作り方を見直します。
新しい掲載を増やした後に、クロールの目的のうち「検出」が増えていれば、新しいURLがGoogleに見つけられています。このレポートを開けるのは、ドメインプロパティか、ルートのURLプレフィックスプロパティだけです。
ポータルサイトのSEOでよくある質問
ポータルサイトのSEOについて、一覧のページ分け、掲載が終わったページ、記事を足す時期の3つの質問に答えます。
2ページ目以降のcanonicalはどこに向ける?
2ページ目以降は、各ページ自身のURLをcanonicalに指定します。Googleは、ページ分けされた一連のページの1ページ目を正規ページにせず、各ページに固有の正規URLを付けるよう説明しています。2ページ目以降に並ぶ詳細ページへのリンクも、Googleにたどってもらう必要があるためです。
掲載が終わった詳細ページはどうする?
掲載が終わり、同じ内容が戻らない詳細ページは、404か410を返します。Googleは、完全に削除したページに404や410を返すよう勧めています。
「掲載は終了しました」とだけ表示して200を返すページは、ソフト404と見なされることがあり、クロールが続きます。後を継ぐページがある場合の転送は、301リダイレクトです。
記事やコラムはいつ足す?
記事やコラムは、一覧ページでは応えられない「〜の選び方」のような検索に向けて足します。構造の段階でリンクのつなぎ方を決めてから足すと、記事から上位に出したい一覧ページへのリンクを最初から張れます。
Googleのeコマースサイト向けの説明でも、重要な商品にはブログ記事などからリンクすることが勧められています。
まとめ|ポータルサイトのSEOは構造から順に直す
ポータルサイトのSEOで直す順番は、構造、ページの種類ごとのテンプレート、インデックスの制御です。数千〜数万ページのサイトでは、施策を1つずつ選ぶより、URLとリンクを決め、型を直し、検索結果に出すURLを伝える順番を守るほうが、直した結果を作り直さずに済みます。
私たち合同会社Writers-hubは、数千〜数万ページ規模のデータベース型サイト向けに、構造・テンプレート・インデックスの制御の3つを扱うデータベースSEOを提供しています。
数千ページを超えたサイトで、どこから直すか迷っていませんか
内部リンクとURLの設計、ページの種類ごとのtitle・meta description・構造化データ、クロールバジェットの配分・sitemap・canonicalまで、3つの段階をまとめてご相談いただけます。







