BLOG

リーズナブルサーファーモデルの仕組み|内部リンクを置く位置の決め方

リーズナブルサーファーモデルは、読者が押しそうなリンクほど多くの評価を渡すというGoogleの特許の考え方で、Googleが順位付けに使っていると公表したものではありません。それでも、内部リンクの位置を決める判断には使えます。次に読んでほしいページへのリンクは、記事末の一覧だけに頼らず、読者がその疑問を持つ本文の段落に置いてください。

記事のページから伸びるリンクの矢印のうち、本文の中のリンクへの矢印は太く、フッターや広告のリンクへの矢印は細く描かれている様子。

「ページの中のリンクは、どこに置いても同じだけ評価を渡すはず」。ページランクの解説では、ページの評価がリンクの本数で等分されて各リンク先へ渡ると説明されることが多く、置き場所は関係ないと思われがちです。

ところが、Googleが2004年に出願した特許には、リーズナブルサーファーモデルと呼ばれる考え方が書かれています。読者が押しそうなリンクには多くの評価を渡し、利用規約のリンクやバナー広告のように押されにくいリンクには少なく渡す、という考え方です。リーズナブルサーファーモデルに沿うなら、内部リンクは本数より、読者が押す位置に置けているかで判断することになります。

本記事では、ページランクとの関係から見たリーズナブルサーファーモデルの仕組みから、内部リンクを置く位置の決め方まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • リーズナブルサーファーモデルは、押される確率が高いリンクほど多くの評価を渡すというGoogleの特許の考え方
  • ページランクの元の計算は、ページの評価をリンクの本数で等分して渡す
  • 押される確率の材料として、特許はリンクの位置や文字の大きさ、ページどうしのトピックの関係などを例に挙げている
  • Googleは、特許の仕組みを順位付けに使っているかを公表していない
  • 次に読んでほしいページへのリンクは、読者がその疑問を持つ本文の段落に置く

リーズナブルサーファーモデルとは

リーズナブルサーファーモデルは、ページの中のリンクがすべて同じ確率で押されるわけではないという前提に立った考え方です。押される確率が高いリンクほど、多くの評価をリンク先へ渡します。リーズナブルサーファーモデルが書かれているのは、Googleが2004年6月に出願し、2010年5月に米国で登録された特許です。特許の名前は「Ranking documents based on user behavior and/or feature data」(US7716225B1)です。

特許の本文は、リンクの並んだページを開いた人が、一部のリンクをほかのリンクより高い確率でたどると説明しています。たどられにくいリンクの例として挙がっているのは、利用規約のリンク、バナー広告、ページの内容と関係のないリンクです。リンクの本数ではなく、押される確率で評価の渡し方を変える点が、リーズナブルサーファーモデルの中身です。

US7716225B1 - Ranking documents based on user behavior and/or feature data - Google Patents
A system generates a model based on feature data relating to different features of a link from a linking document to a linked document and user behavior data relating to navigational actions associated with the link. The system also assigns a rank to a document based on the model.
🌐 patents.google.com
外部リンク

リーズナブルサーファーモデルは特許に書かれた考え方で、Googleが公開している検索ランキングシステムの解説には出てきません。Googleは、特許に書いた仕組みを実際の順位付けに使っているかを公表していません。

ページランクが評価を渡す仕組み

ページランクは、リンク元のページの評価を、リンク元が持つリンクの本数で割ってリンク先へ渡す計算です。ページランクの特許「Method for node ranking in a linked database」(US6285999B1)は、スタンフォード大学が1998年に出願しました。特許の計算では、あるページへリンクしている各ページの評価を、それぞれが持つリンクの数で割り、割った値の合計をもとにページの評価を求めます。

ページランクの特許は、計算の意味を「ランダムサーファー」のモデルでも説明しています。リンクを無作為にたどり続ける人を想定し、その人が最終的にあるページにいる確率を、ページの評価とみなす考え方です。無作為にたどる人にとって、ページの中のリンクはどれも同じ確率で押されるので、評価はリンクの本数で等分されます。

Googleは、ページランクを、サービス開始当初から使っているコアランキングシステムの1つと説明しています。同じ解説には、ページランクの仕組みは当時から大きく進化し、今もコアランキングシステムの一部として働いていると書かれています。特許に書かれた計算式が、今のGoogleの計算と同じとは限りません。

Google 検索ランキング システムのご紹介 | Google 検索セントラル | Documentation | Google for Developers
コア ランキング システムの一部を担うシステムなど、Google 検索の重要なランキング システムについてご覧ください。これらのシステムは、クエリに対する検索結果を生成する基盤となるテクノロジーです。
🌐 developers.google.com
外部リンク

ランダムサーファーモデルとの違い

リーズナブルサーファーモデルとランダムサーファーモデルの違いは、1本のリンクが渡す評価を、リンクの本数で等分するか、押される確率で重みを付けて配るかにあります。リーズナブルサーファーモデルの特許も、評価の計算そのものはページランクの特許の方法を引き、そこへリンクごとの重みを掛ける形をとっています。

比べる点

ランダムサーファーモデル

リーズナブルサーファーモデル

想定する人の動き

ページの中のリンクを無作為に押す

一部のリンクをほかのリンクより高い確率で押す

1本のリンクが渡す評価

リンク元の評価をリンクの本数で等分

リンクが押される確率に応じた重みで配分

配分を決める材料

リンクの本数

リンクとページの特徴、利用者の行動

書かれている特許

ページランクの特許、1998年出願

Googleの特許、2004年出願

たとえばリンクが10本あるページなら、ランダムサーファーモデルでは、本文の中のリンクも利用規約へのリンクも、渡す評価は同じ10分の1です。リーズナブルサーファーモデルでは、読者が押しそうなリンクに10分の1より多く、利用規約のリンクに10分の1より少なく配られることになります。

ランダムサーファーモデルとリーズナブルサーファーモデルの評価の配り方を比べた図

リンクが押される確率を決める4種類のデータ

リンクが押される確率を見積もるデータとして、特許は次の4種類を挙げています。

データの種類

特許に挙がっている例

リンク自体の特徴

アンカーテキストの文字の大きさ、本文の中・フッター・サイドバーなどのリンクの位置、文字の色、アンカーテキストの語、リンクの前後の数語、画像リンクかどうか

リンク元ページの特徴

ページの中のリンクの数、見出しの語、ページのトピック

リンク先ページの特徴

リンク元と同じホストやドメインか、URLの語と長さ

利用者の行動

どのリンクを選んだか、利用者の言語と関心、検索した語

特許は、リンクとページの特徴の例について、挙げたものがすべてではないと書いています。特許の仕組みでは、利用者が実際に押したリンクのデータから、押されやすさのルールを作ります。

ルールの例として特許が挙げるのは、文字の大きいリンクは小さいリンクより選ばれる確率が高い、というものです。ページの上のほうにあるリンクは下のほうのリンクより、リンク元とリンク先のトピックが関係しているリンクは関係していないリンクより、選ばれる確率が高いというルールも例に挙がっています。

リンクが押される確率を決める4種類のデータを示した図

内部リンクの置き場所ごとの判断

内部リンクの置き場所は、リーズナブルサーファーモデルに沿って考えると、読者が押す理由を持てる場所かどうかで決まります。被リンクの位置はリンク元のサイトが決めるので、自社で位置を決められるのは内部リンクです。置き場所ごとの判断は次の4つです。

置き場所

特許の例との関係

置き方の判断

本文の段落の中

リンクの前後の語やページどうしのトピックの関係が、特許の例に挙がっている

次に読んでほしいページへのリンクを置く

記事末の関連記事欄

ページの下のほうのリンクは上のほうより選ばれにくいという、ルールの例に当たる

本文で触れなかった関連ページを並べる

サイドバーとフッター

特許はリンクの位置を測る例に挙げている

サイト全体の案内として残し、評価を渡したいページへのリンクをここだけにしない

利用規約やバナー広告

たどられにくいリンクの例に挙がっている

外さずに残す

特許は文字の大きさや色もリンクの特徴に挙げていますが、Googleが使っていると公表していない以上、リンクの見た目は読者がリンクだと分かる形にそろえれば足りると見ています。

Web担当者Web担当者

記事の最後に関連記事を10本並べています。本文の中にもリンクを入れたほうがいいでしょうか?

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

次に読んでほしいページが決まっているなら、本文の中にも入れてください。記事末の欄はページの下にあり、特許が挙げるルールの例でいえば、上のほうのリンクより選ばれにくい位置です。読者がその疑問を持った段落に置けば、リンク先で何が分かるかを前後の文で伝えられます。

サイト全体で、どのページからどのページへリンクを張るかの組み立て方は、記事の内部リンク設計で扱っています。

記事ページの中で内部リンクを置く場所ごとの判断を示した図

内部リンクの位置を決める5つの手順

内部リンクの位置は、1本のリンクごとに次の5つの手順で決めます。

1
STEP
次に読んでほしいページの決定

記事を読み終えた読者が次に持つ疑問を書き出し、その疑問に答えるページをリンク先に選びます。リンクを置く前に「このリンク先で読者は何が分かるか」を1文で書き、書けないページは本文に入れません。

2
STEP
疑問が生まれる段落の特定

リンク先が答える疑問を読者が持ち始める段落を、本文から探します。用語を初めて使った段落や、手順の途中で別の作業が要る段落が候補です。

3
STEP
アンカーテキストの決定

リンク先の内容が分かる語をアンカーテキストにします。Googleはリンクに関するベストプラクティスで、「こちら」「詳細」のような語を悪い例に挙げ、具体的で適度に簡潔な語を勧めています。書き方の例はアンカーテキストの書き方で扱っています。

4
STEP
前後の文の調整

リンクの前後の文で、リンク先で何が分かるかを伝えます。Googleは、リンクの前後にある文が重要になるとし、リンクのすぐ隣にリンクを並べないよう求めています。

5
STEP
押されたかの確認

公開から日を置いて、GA4の経路データ探索で記事を始点に選びます。記事の後に閲覧されたページは、初めは上位5つが表示され、[+追加]で1ステップ20個まで広げられます。20個の中にもリンク先が出てこないときは、段落の選び方とアンカーテキストを見直します。

公開済みの記事も、既存のリンク1本ずつに「このリンク先で読者は何が分かるか」を当てて見直せます。1文で書けないリンクは外すか、関係の近いページへ張り替えます。

記事が増えて、内部リンクの見直しが追いつかなくなっていませんか

公開済みの記事のリンクを1本ずつ見直すには、サイト全体で記事どうしがどうつながっているかを先に書き出す必要があります。「滋賀のSEO対策」では、1か月目に現状の分析と設計を行い、2か月目から実行に移ります。オンラインで全国に対応しています。

リーズナブルサーファーモデルでよくある質問

リーズナブルサーファーモデルについて迷いやすい質問に、3つ答えます。

リーズナブルサーファーモデルは今も使われている?

Googleは、リーズナブルサーファーモデルを使っているかどうかを公表していません。公式の解説で確かめられるのは、ページランクの仕組みが当初から大きく進化し、今もコアランキングシステムの一部として働いていることまでです。特許の考え方は、内部リンクの位置を決める手がかりとして使い、順位が上がる根拠にはしないのが安全です。

内部リンクは何本まで入れていい?

1ページあたりのリンクの数に、Googleは理想の値は無いとしています。あわせて、リンクの数が多すぎると感じるなら、実際に多すぎる可能性が高いとも書いています。リーズナブルサーファーモデルに沿えば、本数の上限を決めるより、1本ずつ読者が押す理由があるかで残すリンクを決めることになります。

フッターのリンクは外したほうがいい?

フッターのリンクを外す必要はありません。リーズナブルサーファーモデルでは、利用規約のように押されにくいリンクは、渡す評価が小さく見積もられるだけです。フッターは、読者がサイトの中を移動するための案内として残します。

まとめ|内部リンクは本数より押される位置で決める

リーズナブルサーファーモデルは、読者が押しそうなリンクほど多くの評価を渡すという、Googleが2004年に出願した特許の考え方です。リンクの本数で評価を等分するページランクの元の計算に、リンクごとの押される確率という重みを加えています。Googleは実際の順位付けに使っているかを公表していないので、効果を当てにするより、内部リンクの位置を決める判断に使うのが現実的です。次に読んでほしいページへのリンクは、読者がその疑問を持つ本文の段落に置き、リンク先の内容が分かる語でつなぎます。

私たち合同会社Writers-hubは、「滋賀のSEO対策」として、サイトの現状の分析と設計から実行までを月額で請け負っています。

記事ごとのリンクの次に、サイト全体のつながりを見直しませんか

記事ごとのリンクの置き方が決まったら、次はサイト全体でどの記事へリンクを集めるかを決める段階です。「滋賀のSEO対策」は、月額20万円〜(税別・6か月〜)で、毎月の報告と見直しを行います。オンラインで全国に対応し、彦根市とその周辺は訪問もできます。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

読んで終わりにしないために

記事の内容を自社に当てはめるとどうなるか、オンライン30分で一緒に整理します。費用はかかりません。