「PageRankを調べれば、自社サイトがGoogleにどれだけ評価されているかを数字で確かめられそう」。PageRankは、かつてGoogleのツールバーに数値で表示されていたため、今も確かめられる指標だと思われがちです。ところが、GoogleはPageRankを今も順位付けの一部に使っていると説明する一方で、順位付けに使う値を公開していません。PageRankは、数値ではなくリンクで評価が渡る考え方として使います。
本記事では、PageRankの仕組みから、今も指標として使えるか、自社サイトのリンクをどう扱うかまで、企業サイトのSEO対策を手がける会社の視点で順を追ってお伝えします。
- PageRankは、リンク元の評価をリンクの本数で分けて、リンク先へ渡す
- Googleは今もPageRankを順位付けに使っているが、順位付けに使う値は公開していない
- AhrefsやMozのスコアは、各社が自社で集めたリンクから計算した値で、GoogleのPageRankではない
- 自社サイトでは、被リンクを買わず、内部リンクで問い合わせにつながるページへつなぐ考え方として使う
PageRankとは
PageRankとは、あるページに張られたリンクから、そのページの重要さを計算するアルゴリズムです。Googleを創業したラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが、スタンフォード大学に所属していたときの論文で計算方法を示しました。
Googleのランキングシステムガイドによると、PageRankは、Googleがサービスを始めた当初から使っているコアランキングシステムの1つです。同じガイドには、PageRankの仕組みは当時から大きく進化し、今もコアランキングシステムの一部として働いていると書かれています。
PageRankは、今もGoogleの順位付けに使われています。ただし、GoogleのSEOスターターガイドには、Googleは多数のランキングシグナルを使っており、PageRankはその1つにすぎないと書かれています。
リンクで評価が渡るPageRankの仕組み
PageRankの仕組みは、リンク元のページが持つ評価を、リンク元にあるリンクの本数で分けて、リンク先へ渡すというものです。あるページのPageRankは、そのページにリンクしているすべてのページから渡された評価を足して求めます。
減衰係数を掛ける前の値で考えると、評価が10のページは、リンクが2本なら1本あたり5を、10本なら1本あたり1を渡します。

PageRankを求める計算式
PageRankの計算式は、創業者2人の論文「The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine」に、次のように書かれています。
PR(A) = (1-d) + d (PR(T1)/C(T1) + ... + PR(Tn)/C(Tn))式の記号の意味は、次の表のとおりです。
記号 | 意味 |
|---|---|
PR(A) | ページAのPageRank |
T1〜Tn | ページAにリンクしているページ |
C(T1) | ページT1から出ているリンクの本数 |
d | 減衰係数。論文では通常0.85にすると書かれている |
論文は式の意味を、ランダムサーファーと呼ぶ人の動きでも説明しています。ランダムサーファーは、リンクを押し続け、ときどき飽きると無作為に別のページへ移ります。ランダムサーファーがあるページを訪れる確率が、そのページのPageRankです。
今のGoogleが同じ式と係数で計算しているかは、公式には確認できていません。Googleのランキングシステムガイドには、仕組みが当時から大きく進化したとだけ書かれ、今の計算式は示されていないためです。

評価が高くなるページの条件
PageRankが高くなるのは、多くのページからリンクされているページか、PageRankの高いページからリンクされているページです。論文は後者の例として、Yahoo!のトップページから1本だけリンクされたページを挙げ、見る価値のあるページであることが多いと説明しています。
リンクの位置によって評価の渡し方が変わるという、Googleの別の特許の考え方は、リーズナブルサーファーモデルの記事で紹介しています。
PageRankは今も指標に使えるか
PageRankは、Googleが今も順位付けに使っている一方で、順位付けに使う値が公開されていないため、指標には使えません。Googleは2009年に、ウェブマスターツール(今のSearch Console)からPageRankのデータを外しています。
Googleの2011年の公式ブログでは、ツールバーに表示するPageRankの更新は年に数回で、スパム行為が疑われるサイトでは表示を下げることもあると説明されました。同じ記事には、公開されているPageRankは、アルゴリズムが順位付けに実際に使う数値とは違うと書かれています。
ツールバーでのPageRankの表示は、2016年に終わりました。Googleは2016年3月に、SEOの専門メディアの取材に対して終了を認めています。今のSEOスターターガイドでも、PageRankは「Googleが重要でないと考えること」の項目に挙げられています。

PageRankの代わりに見る2種類の数字
PageRankの代わりに見る数字は、リンクの強さをほかのサイトと比べる他社ツールのスコアと、問い合わせのように目的に直結する数字の2種類です。
他社ツールのリンクのスコア
AhrefsのURL Rating(UR)やMozのDomain Authority(DA)は、各社が自社で集めたリンクのデータから計算するスコアで、GoogleのPageRankの値ではありません。AhrefsのURの説明には、URの計算にPageRankと同じ基本的な考え方を使っていると書かれています。Mozも、DAはMoz独自の指標で、順位を直接決める要素ではないと説明しています。
数字 | 計算する会社 | 使えること |
|---|---|---|
PageRank | 順位付けに使う値は公開されていない | |
URL Rating(UR) | Ahrefs | ページのリンクの強さを、ほかのページと比べる |
Domain Rating(DR) | Ahrefs | サイトの被リンクの強さを、ほかのサイトと比べる |
Domain Authority(DA) | Moz | サイトの被リンクの強さを、ほかのサイトと比べる |
他社ツールのスコアは、ツールごとに使うリンクのデータが違うので、同じツールの中でほかのサイトと比べて使います。
AhrefsのURを上げれば、Googleの評価も上がると考えてよいでしょうか?
編集部
URが上がっても、Googleの評価が上がったとは限りません。URが示すのは、Ahrefsが集めたデータの中で、ページへのリンクが強くなったことです。Googleが同じリンクを同じ重みで数えているかは公開されていないので、順位や問い合わせの変化と合わせて見ます。
事業の目的に直結する指標
Googleは2011年の公式ブログで、PageRankを追う代わりに見る数字として、次の3つを挙げています。
- コンバージョン率
- 直帰率
- 検索結果のクリック率(CTR)
Googleが挙げた数字は、どれもPageRankより事業の目的に近く、毎日や毎週の変化を追えます。問い合わせを増やすためのSEOなら、Search Consoleでクリック率を、GA4で問い合わせの数を見ます。
PageRankの考え方で決めるリンクの扱い
PageRankの考え方を自社サイトに当てはめると、リンクの向きごとに自社で決められることが変わります。被リンクは買わずに引用されて集め、内部リンクは問い合わせにつながるページへつなぎ、発リンクは出典なら何も付けずに張ります。

他サイトから張られる被リンク
被リンクは、本数よりも、どのページから張られるかで見ます。PageRankの式のとおり、1本のリンクが渡す評価は、リンク元の評価とリンクの本数で変わるためです。
ただし、順位を上げるためにリンクを買うことは、Googleのスパムに関するポリシーでリンクスパムの例に挙げられています。物品やサービスとリンクを引き換えにすることや、過剰な相互リンク、自動のプログラムで作るリンクなども、リンクスパムの例です。
被リンクは、自社で取ったデータや手順の図のように、他のサイトが出典として引用できる情報をページに載せて集めます。リンクを買う場合の扱いは、被リンクの購入の記事で詳しく紹介しています。
自サイト内の内部リンク
内部リンクは、張る場所とアンカーテキストを自社だけで決められるリンクです。論文の式は、リンク元が同じサイトか別のサイトかを区別していません。Googleが今の計算で内部リンクをどう扱うかは、公式には確認できていません。
Googleのリンクに関するベストプラクティスは、関心のあるすべてのページに、同じサイトの別のページから1本以上リンクを張るよう勧めています。Googleがたどれるリンクは、原則としてhref属性を持つaタグのリンクです。
問い合わせにつながるサービスページへは、内容の近い記事の本文からリンクを張ります。
他サイトへ張る発リンク
発リンクは、出典として張るなら何も付けず、対価を受けて張るならsponsoredかnofollowを付けます。Googleのリンクに関するベストプラクティスには、情報提供元を引用する外部リンクでサイトの信頼性を高められると書かれています。
PageRankを外へ渡さないために、すべての発リンクにnofollowを付ける必要はありません。同じページで、nofollowは情報提供元を信用していない場合だけに使い、すべての外部リンクに使うことは避けるよう求められているためです。rel属性の使い分けは、SEOのリンクの種類の記事で紹介しています。
被リンクと内部リンクの見直しを、どこから始めるか決められていますか
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PageRankでよくある質問
PageRankについて、リンクを張るときと、仕組みを元の資料で確かめるときに出やすい2つの質問に答えます。
nofollowのリンクもPageRankを渡す?
nofollowを付けたリンクを順位付けに使うかどうかは、Googleがほかのシグナルと合わせて判断します。Googleは2019年に、sponsored・ugc・nofollowの3つの属性を、どのリンクを考慮するか除外するかのヒントとして扱うと公式ブログで発表しました。
同じ記事には、ugcやnofollowを付けた、コメント欄など利用者が投稿したリンクは、一般には以前のnofollowと同じくランキングの目的には使わないとも書かれています。nofollowは、リンク先を推奨しないことをGoogleに伝える属性です。
PageRankの論文や特許はどこで読める?
PageRankの元の論文と特許は、Googleのランキングシステムガイドからリンクされています。論文は「The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine」で、スタンフォード大学のサイトで公開されています。
特許は、スタンフォード大学が1998年に出願した「Method for node ranking in a linked database」(US6285999B1)で、Google Patentsで読めます。
まとめ|PageRankは数値より考え方で使う
PageRankは、リンク元のページの評価を、リンクの本数で分けてリンク先へ渡す計算です。Googleは今もPageRankをコアランキングシステムの一部に使っていますが、順位付けに使う値は公開していません。PageRankは数値として追わず、リンクで評価が渡る考え方として、自社サイトのリンクを決めるときに使います。
今日から進めることは、次の3つです。
- 他社ツールのスコアを、競合のサイトと被リンクの集まり方を比べる材料として見る
- 問い合わせにつながるページへ、内容の近い記事の本文から内部リンクを張る
- 記事の本文の発リンクに一括でnofollowを付ける設定があれば外す(対価を受けたリンクと、コメント欄など利用者が投稿したリンクは除く)
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