「アクセス数が激減したのは、Googleのアップデートで順位が落ちたか、検索結果のAIによる概要に読者を取られたからだろう」。アップデートやAIの話題がSNSや業界のニュースで取り上げられるたびに、急な減少をまずそのどちらかと結び付けて考えがちです。ところが、アクセス数は計測の不具合や、検索される回数の減少でも同じように減ります。どれが原因かは、Search ConsoleとGA4の数字を決まった順に比べれば絞り込めます。
本記事では、減り始めた日の決め方から、Search ConsoleとGA4で見る数字の順番、数字の組み合わせごとに疑う原因と次に開くレポート、前年と比べるときの注意まで、SEO対策で毎月サイトの数字を見直している会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 先に見るのはSearch Consoleのクリック数で、減ったのが検索からのアクセスかどうかが分かる
- GA4のチャネル別のセッションと並べると、計測の不具合と、検索以外の経路の減少を見分けられる
- 検索からの減少なら、表示回数・平均掲載順位・クリック率のどれが動いたかで、次に開くレポートが決まる
- 2025年5月13日〜2026年4月27日の期間と比べるときは、Search Consoleの表示回数の減少だけで原因を決めない
- 順位が2位から4位に下がった程度のページは、急いで書き直さない
アクセス数の激減を切り分ける4つの手順
アクセス数の激減は、次の4つの手順で、検索・計測・ほかの経路のどこで減ったかを切り分けます。GA4のチャネル別のセッションより先にSearch Consoleのクリック数を見るのは、Googleが検索結果の側で数えた数字なので、サイトに入れたGA4の計測タグが外れても変わらないからです。
GA4の「レポート」から「集客」、「トラフィック獲得」を開き、右上の日付選択ツールで期間を過去3か月ほどに広げます。折れ線グラフの右上のプルダウンで「日」を選び、線が下がり始めた日を探します。続けて日付選択ツールの「比較」で「前年」を選び、前年の同じ時期にも同じように減っていなかったかを見ます。減り始めた日が決まったら、その前後に行ったサイトの改修やURLの変更、広告の停止などを書き出しておきます。
Search Consoleの検索パフォーマンス レポートで、「日付」フィルタの「比較」タブから、減り始めた日より後の期間と、その前の同じ長さの期間を並べ、クリック数が減ったかを見ます。曜日による増減をならすため、比べる期間は1週間単位でそろえます。直近の2〜3日分はまだ数字がそろっていないことがあるので、比べる期間から外します。
GA4の「トラフィック獲得」に戻り、日付選択ツールで、Search Consoleで比べたのと同じ2つの期間を指定し直します。そのうえで、表の「セッションのデフォルト チャネル グループ」の列で、どのチャネルのセッションが減ったかを見ます。
検索のクリック数とオーガニック検索のセッションがどちらも減っていたら、Search Consoleに戻ります。グラフの上の「平均 CTR」と「平均掲載順位」を押してグラフと表に加え、表示回数、平均掲載順位、CTR(クリック率)のどれが動いたかを、「クエリ」と「ページ」のタブで確かめます。画像検索から来る訪問が多いサイトは、グラフの上の「検索タイプ」を「画像」に切り替えても比べます。
比べる期間に「前年」も入れるのは、毎年決まった時期にアクセスが減るサイトだと、前の期間とだけ比べて例年どおりの減少を激減と見誤るからです。Googleも検索トラフィックの減少の調べ方の中で、期間を過去16か月に広げ、前年の同じ時期にも減っていたかを確かめるよう勧めています。
ただし、Search Consoleで前年と比べるときは、表示回数の扱いに気をつけてください。GoogleはSearch Consoleのデータ異常のページで、2025年5月13日から2026年4月27日までの表示回数が、記録の誤りで正しく数えられていなかったと公表しています。誤りは直っていますが、この期間と、直ったあとの期間を比べると、表示回数が減ったように見えることがあります。影響を受けたのは表示回数と、そこから計算するクリック率と平均掲載順位で、クリック数は影響を受けていません。比べる2つの期間のうち片方だけがこの範囲に入るときは、クリック数の増減を先に見て、表示回数の減少だけで原因を決めないようにします。
データ異常のページには、Search Console側の集計の不具合が日付つきで載ります。減り始めた日と重なる記載がないかも、あわせて見ておきましょう。

検索とアクセスの数字の組み合わせで分かる原因
Search Consoleのクリック数とGA4のセッション数は数え方が違い、数字そのものがそろうとは限らないので、比べるのは同じ期間での増減の向きです。
Search Consoleのクリック数 | GA4のセッション | 疑う原因 |
|---|---|---|
減った | オーガニック検索が減った | Google検索からのアクセスの減少 |
変わらない | 多くのチャネルが同じ日から減った | GA4の計測の不具合 |
変わらない | オーガニック検索だけが減った | Yahoo! JAPANやBingなど、Google以外の検索からの減少 |
変わらない | オーガニック検索以外のチャネルが減った | 検索以外の経路の減少 |
クリック数が変わらないのに、GA4で多くのチャネルが同じ日から減ったなら、まず計測を疑います。GA4のリアルタイム レポートを開いたまま自分でサイトのページをいくつか開き、「ページタイトルまたはスクリーン名ごとの視聴回数」のカードに、開いたページが出るかを見ます。社内の回線を集計から外す設定をしているときは、スマートフォンのモバイル回線から開きます。出ないページがあれば、サイトの改修やテンプレートの変更で計測タグが外れていないかを、制作の担当者に確かめましょう。Cookieの利用に同意を求めるバナーを入れた日から減った場合は、計測タグが動いていても、同意しなかった人の訪問がGA4に送られていないことがあります。同意しなかったときの計測の設定も、あわせて聞いておきます。

Search Consoleのクリック数が変わらず、GA4のオーガニック検索だけが減ったときは、Google以外の検索を疑います。Search Consoleが数えるのはGoogle検索からのクリックだけで、GA4のオーガニック検索には、Yahoo! JAPANやBingの検索から来た訪問も入るからです。「トラフィック獲得」の表の1列目の見出しをクリックし、ディメンションを「セッションの参照元 / メディア」に切り替えると、「google / organic」「yahoo / organic」「bing / organic」のように、検索エンジンごとのセッションを比べられます。「google / organic」も減っているなら、原因はGoogle以外の検索だけではありません。検索から読まれることの多い記事のページなど、一部のページだけ計測タグが外れていないかを、リアルタイム レポートでそのページを開いて確かめます。
検索以外のチャネルが減ったときは、そのチャネルの施策を受け持つ人に、減り始めた日の前後に何を変えたかを聞きます。「参照」なら紹介してくれていたサイトのリンク、「有料検索」なら広告の予算や配信の停止、「メール」ならメールマガジンの配信の回数を確かめます。
検索からの減少で見る3つの数字
検索からのアクセスの減少は、Search Consoleの表示回数・平均掲載順位・クリック率のどれが前の期間より動いたかで、疑う原因と次に開くレポートが変わります。3つの数字はどれも、先に触れた表示回数の記録の誤りの影響を受けているため、比べる2つの期間は、どちらも2026年4月28日以降にそろえます。
前の期間より動いた数字 | 疑う原因 | 次に開くもの |
|---|---|---|
表示回数が減り、平均掲載順位は変わらない | 検索される回数の減少、検索結果に出なくなったページ | Google トレンド、ページのインデックス登録レポート |
平均掲載順位が下がった | コア アップデートなどの変更、手動による対策 | 検索ステータス ダッシュボード、手動による対策レポート |
クリック率が下がり、表示回数と平均掲載順位は変わらない | 検索結果でのページの見え方の変化 | 実際の検索結果、検索の生成 AI パフォーマンス レポート、セキュリティの問題レポート |

表示回数
表示回数が減り、平均掲載順位が変わっていないときは、検索される回数そのものが減ったか、ページが検索結果に出なくなったかを疑います。
検索される回数は、クリック数の多いクエリを1つずつフィルタで絞り、そのクエリをGoogle トレンドで調べると確かめられます。Google トレンドでも同じ時期に関心が下がっていれば、季節や関心の変化による減少で、ページを書き直しても検索される回数は増えません。
サイト全体で表示回数が減っているときは、ページのインデックス登録レポートで、登録されていないページが急に増えていないかを見ます。サイトの改修で誤ってnoindexタグが付いたページは、検索結果に出なくなります。タグを外したら、URL検査ツールでインデックス登録をリクエストできます。URLを変えたページは、Googleがクロールし直してインデックスに登録し直すまで順位が変動します。中規模のサイトでは、新しいURLが古いURLに代わって検索結果に出るまでに数週間以上かかることがあります。
平均掲載順位
平均掲載順位が下がったときは、下がり始めた日が、Googleのコア アップデートなどの期間と重なるかを確かめます。コア アップデートは、Googleが年に数回、検索のランキングの仕組みに加える大きな変更で、開始日と終了日は検索ステータス ダッシュボードのランキングの履歴に載ります。履歴には、Googleのスパムに関するポリシーに反するサイトへの対策を強める、スパム アップデートの期間も載ります。
2026年10月10日時点の履歴では、2026年に始まったコア アップデートは3月27日と5月21日の2回、スパム アップデートは3月24日、6月24日、8月18日、9月24日の4回です(日付は米国太平洋時間)。
Googleは、アップデートの完了から1週間以上待ち、開始前の1週間と直近の1週間を比べるよう勧めています。順位が2位から4位のように少し下がっただけなら、大きな変更は要らないと説明しています。4位から29位のように大きく下がったときは詳しく調べ、サイト全体で大きく下がったままなら、サイト全体が読む人に役立つ内容になっているかを見直します。
あわせて、Search Consoleの手動による対策レポートに、サイトへの対策が出ていないかも見ます。対策が出ていたら、レポートに書かれた問題を直してから、同じレポートで審査をリクエストします。順位が下がったページごとの原因の調べ方は、検索順位が突然下がったときの原因の特定と復旧の手順にまとめています。
クリック率
クリック率が下がり、表示回数も平均掲載順位も変わっていないときは、検索結果でのページの見え方が変わったことを疑います。Googleは理由として、ページのタイトルとスニペット(検索結果に出る説明文)が内容を伝えていないことと、ほかのサイトがより目を引くリッチリザルトを使っていることを挙げています。
クリック数の減ったクエリで実際に検索し、自社のページのタイトルと説明文、上に並ぶほかのサイトの表示を見比べます。検索結果は、検索した時間や場所、端末、それまでの検索の履歴で変わるため、自分の画面がほかの人の画面と同じとは限りません。
検索結果の上にAIによる概要が出るクエリでは、概要を読んだだけで検索を終える人もいるため、順位が変わらなくてもクリック率が下がることがあります。
Search Consoleの検索の生成 AI パフォーマンス レポートでは、AIによる概要やAIモードにサイトのページが表示された回数を、ページごと・日ごとに見られます。2026年8月31日から、すべてのサイトで使えるようになりました。クリック数の減ったページが、減り始めた日のころからこのレポートに表示されるようになっていれば、そのページがAIによる概要かAIモードに出始めたと分かり、影響を疑う手がかりになります。ただし、このレポートで分かるのは表示された回数だけで、クリック数は分かりません。AIによる概要が出ていても、自社のページが概要の中にリンクされていなければ載らないので、実際の検索結果もあわせて確かめます。
記事の種類によって影響の大きさがどう違うかは、AI Overviewでアクセスが減る記事と減らない記事の分かれ目で詳しく取り上げています。
ハッキングされたサイトには、検索結果に警告が付くことがあり、クリックされにくくなります。Search Consoleのセキュリティの問題レポートに、指摘が出ていないかも見ておきましょう。
原因が分かる前に避けたい対策
原因が分かる前に避けたい対策は、数字の動きを確かめないまま、ページを大きく書き換えたり消したりすることです。
- 順位が2位から4位に下がった程度のページの書き直し
- SEOに悪いと聞いただけで、ページの一部を消すこと
- アクセスの減った記事のまとめての削除
アクセスが半分になったので、まずは記事を全部リライトしようと思っています。
編集部
計測の不具合や検索される回数の減少が原因なら、書き直してもアクセスは戻りません。先に減り始めた日を決めて、Search ConsoleとGA4の数字を比べてください。
ページを直した効果が検索結果に出るまでには、数日のこともあれば、数か月かかることもあります。原因を絞らずに次々と直すと、どの変更で数字が動いたかが分からなくなります。
原因の候補は絞れたのに、どのページから直すか決めきれずにいませんか
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アクセス数の激減でよくある質問
アクセス数が激減した原因を調べるときに出てくる、4つの質問に答えます。
検索のクリック数とセッション数が合わないのは?
Search Consoleのクリック数とGA4のセッション数は、数え方が違うため、一致するとは限りません。Googleは違いが出る理由に、計測を断った人がいるとGA4の数字にずれが出ることや、2つのツールで1日の区切りの時間帯が違うこと、GA4が既知のボットを除くことを挙げています。Search Consoleのレポートは、24時間のビューを除いて1日を太平洋時間で区切ります。
一部のページだけ減ったときは?
一部のページだけ減ったときは、URL検査ツールで、そのページがインデックスに登録されているかを確かめます。減ったページは、検索パフォーマンス レポートで減った期間を前の期間と比べ、「ページ」の表を「クリック数の違い」で並べ替えると、減り方の大きい順に並びます。
スマートフォンだけ減ったときは?
スマートフォンからの検索だけが減ったときは、スマートフォンでページを開き、表示の崩れや読み込みの遅さがないかを確かめます。スマートフォンだけで減っているかは、検索パフォーマンス レポートの「デバイス」のタブで、端末ごとのクリック数を前の期間と比べると分かります。
ページビューだけが減ったときは?
GA4の「表示回数」(ページが見られた回数)だけが減り、セッション数が変わっていないときは、サイトへの訪問の数は減っておらず、1回の訪問で見られるページの数が減っています。サイト内のリンクやメニューを変えていないか、複数のページを1つにまとめていないかを確かめます。GA4の「表示回数」は、Search Consoleの「表示回数」(検索結果にページが出た回数)とは別の数字なので、比べるときは取り違えないようにしましょう。
まとめ|アクセス数の激減は数字を見る順番で原因を絞る
アクセス数が激減したときは、対策を打つ前に減り始めた日を決め、Search Consoleのクリック数、GA4のチャネル別のセッションの順に比べます。2つの数字の増減を並べると、Google検索からのアクセスの減少か、GA4の計測の不具合か、Google以外の検索や検索以外の経路の減少かを分けられます。検索からの減少なら、表示回数、平均掲載順位、クリック率のどれが動いたかで、次に開くレポートが決まります。前年と比べるときは、Search Consoleの表示回数に記録の誤りがあったことを踏まえ、クリック数の増減から先に見ます。原因が1つに絞れるまで、ページの書き換えや削除は待ちます。
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