「アクティブユーザーは、サイトに来た人の数のことだろう」。以前のGoogleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)で毎月「ユーザー」の数を報告してきた方ほど、GA4に移って名前が変わっただけの同じ数字だと受け取りがちです。
しかし、記事の制作とリライトのたびにGA4の数字を確かめてきた弊社の立場から言えるのは、アクティブユーザーは「来た人」ではなく「条件を満たした人」の数だということです。条件と期間を知らないまま前年や別のツールの数字と並べると、増減の理由を読み違えます。
本記事では、アクティブユーザーの意味からDAU・MAUの違い、GA4で数えられる条件、確認の手順、数字を読むときの注意まで、検索からの流入を見てきた制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- アクティブユーザーは、決めた期間に一度でも利用した人の数で、期間が1日ならDAU、1か月ならMAUと呼ぶ
- ユニークユーザーは来た人をすべて数え、アクティブユーザーは利用したと判定された人だけを数える
- GA4では、エンゲージメントのあったセッション・初回訪問・操作時間のどれかが記録された人が数えられ、レポートの「ユーザー」もこの数字を指す
- GA4のアクティブユーザー数は、ユニバーサルアナリティクスの「ユーザー」と数え方が違うため、1本のグラフにつないで比べられない
アクティブユーザーの意味と数える期間
アクティブユーザーとは、決めた期間の中で一度でもサイトやアプリを利用した人の数です。同じ人が期間中に何回訪れても1人と数えるため、利用の回数ではなく、利用している人の多さを表します。英語の頭文字を取って「AU」とも呼ばれます。
DAU・WAU・MAUは数える期間の違い
DAU・WAU・MAUは、アクティブユーザーを数える期間の長さで呼び分けた指標です。
呼び方 | 数える期間 | 主に使われるサービス |
|---|---|---|
DAU(Daily Active Users) | 1日 | 毎日開く前提のアプリ・ゲーム・SNS |
WAU(Weekly Active Users) | 1週間 | 週に数回使う業務ツール・学習サービス |
MAU(Monthly Active Users) | 1か月 | 月に数回の利用で目的を果たすサービス・Webサイト |
どの期間を主に追うかは、利用者がサービスを使う頻度で決めます。月末に1回開けば用が済む請求書の管理サービスでDAUを追うと、正しく使われていても数字が低く出るからです。

GA4の指標には「1 日間」「7 日間」「28 日間」のアクティブ ユーザー数があり、月の値は暦の1か月ではなく28日間で数えています。

サービスごとに違う「利用」の中身
アクティブユーザーの「利用した」の中身には共通の決まりがなく、数える側が決めています。ログインしただけで数えるサービスもあれば、メッセージを送る、記事を保存するといった主な機能を使った人だけを数えるサービスもあります。他社が公表するMAUと自社の数字を比べるときは、何をもって利用と数えたかが同じかを先に確かめます。
ユニークユーザーとアクティブユーザーの違い
ユニークユーザー(UU)とアクティブユーザーの違いは、来た人をすべて数えるか、利用したと判定された人だけを数えるかにあります。同じ人の重複した訪問を1人にまとめて数える点は、どちらも変わりません。
たとえば、ログインした人をアクティブと決めたサービスでは、トップページを見てログインせずに閉じた人はユニークユーザーに入り、アクティブユーザーには入りません。ユニークユーザーは「来た人」、アクティブユーザーは「使った人」と覚えると、2つの数字の差が何を表すかを読めます。
指標 | 数える単位 | 同じ人が1日に3回訪れたとき |
|---|---|---|
ユニークユーザー | 来た人 | 1 |
アクティブユーザー | 利用したと判定された人 | 条件を満たせば1 |
セッション | 訪問の回数 | 3 |
ページビュー | 表示されたページの数 | 3回の訪問で見たページの合計 |
GA4でのセッションの数え方はGA4のセッションとはで詳しく解説しています。
アクティブ率の計算式と使い方
アクティブ率とは、登録した人やMAUのうち、実際に使っている人がどれだけいるかを割合で表した指標です。使い分けられる計算式は主に2つあります。
MAU÷登録者数(またはダウンロード数):登録した人のうち、月に1回以上使った人の割合を表します。DAU÷MAU:月に1回以上使った人のうち、平均して1日に使う人の割合を表します。DAUが3,000人、MAUが1万人なら30%です。
ダウンロード数を分母にするときは、アプリを削除した人も分母に残り続けるため、サービスが長く続くほどアクティブ率は下がって見えます。DAU÷MAUは、毎日使う前提ではないサービスでは低く出るのが普通なので、同じ使われ方をするサービスどうしか、自社の過去の値と比べます。GA4の探索でも「DAU / MAU」の指標を選べます。
GA4でアクティブユーザーと数えられる条件
GA4でアクティブユーザーと数えられるのは、期間中に次の3つのどれかが記録されたユーザーです。
- エンゲージメントのあったセッションが1回以上ある
- 初めての訪問を示す first_visit イベントが記録された(アプリでは first_open)
- ページを操作していた時間を示す engagement_time_msec が記録された
エンゲージメントのあったセッションとは、10秒を超えて続いた、キーイベントが1回以上起きた、2ページ以上が表示された、のどれかに当たる訪問です。10秒の基準はプロパティの設定で変えられるため、他のサイトとエンゲージメント率を比べるときは、基準の秒数が同じかを確かめます。
※ 出典:Google アナリティクス ヘルプ「[GA4] ユーザー指標」「[GA4] エンゲージメントのあったセッション」

条件が3つあるということは、サイトに初めて来た人は、すぐに閉じてもアクティブユーザーに入るのでしょうか。
編集部
Webサイトなら入ります。初めての訪問では first_visit が記録されるので、滞在が1秒でも数えられます。ただ、GA4のタグが読み込まれる前に閉じた人は、訪問そのものが記録されないため数えられません。
総ユーザー・新規ユーザー・リピーターとの違い
GA4でユーザーを数える指標は、アクティブユーザー数・総ユーザー数・新規ユーザー数・リピーター数の4つで、数える相手が少しずつ違います。
指標 | 数える相手 |
|---|---|
アクティブユーザー数 | 期間中にアクティブの条件を満たしたユーザー。レポートの「ユーザー」はこの数字 |
総ユーザー数 | 期間中にイベントが1回でも記録されたユーザー全員 |
新規ユーザー数 | 期間中に初めて訪れたユーザー |
リピーター数 | 期間中に訪れたユーザーのうち、それより前にも訪問の記録がある人 |
アクティブユーザー数は、総ユーザー数から条件を満たさなかった人を除いた数なので、総ユーザー数を上回りません。Webサイトでは、初めて来た人は first_visit で必ず数えられるため、2つの差はリピーターのうち操作時間が記録されなかった人に限られます。
新規ユーザー数とリピーター数を足しても、アクティブユーザー数とは一致しません。期間中に初めて来て、同じ期間にもう一度来た人は、新規ユーザーとリピーターの両方に入るからです。

GA4でアクティブユーザー数を確かめる手順
GA4でアクティブユーザー数を日ごとや期間ごとに確かめるには、探索で空白のレポートを作るのが手早い方法です。
左のメニューから「探索」を開き、「空白」を選びます。
左上の期間の欄で、見たい期間を選びます。前の期間と比べるときは、同じ欄で比較する期間も指定します。
「指標」の+から「アクティブ ユーザー数」「総ユーザー数」「新規ユーザー数」を選び、「ディメンション」の+から「日付」を選んで、それぞれ読み込みます。
読み込んだ「日付」を「行」へ、3つの指標を「値」へドラッグすると、日ごとの数字が表に並びます。
DAUやMAUを見たいときは、指標で「1 日間のアクティブ ユーザー数」「28 日間のアクティブ ユーザー数」を選びます。画面全体の見方はGA4の使い方で解説しています。
アクティブユーザー数を読むときの3つの注意
アクティブユーザー数の月次報告では、数え方の違い・1人の数え方・増えた人の中身の3点に注意が要ります。
ユニバーサルアナリティクスの数字と並べない
ユニバーサルアナリティクスの「ユーザー」は、条件を問わず来た人を数える、総ユーザー数に近い数字でした。GA4のアクティブユーザー数とは数え方が違うため、移行の前後を1本のグラフにつなげると、サイトの変化ではなく数え方の変化で段差が出ます。ユニバーサルアナリティクスは2023年7月1日に標準のプロパティでデータの処理を終えているので、比べるのはGA4に移ってからの同じ長さの期間どうしにします。
同じ人でも端末が違えば2人になる
GA4は通常、ブラウザに保存されるCookieで人を見分けるため、同じ人がスマートフォンとパソコンから訪れたり、Cookieを消してから訪れたりすると、2人と数えられます。ログインした人の識別子(User-ID)をGA4に送っているサイトなら、端末をまたいでも1人にまとめられます。
会員数や問い合わせ件数と割り算するときは、端末をまたいだ訪問が別の人として数えられている点を踏まえて読みます。
増えた人を流入元とページに分けて見る
アクティブユーザー数が伸びても、サイト全体の力が上がったとは限りません。SEOの記事を多く持つサイトでは、1本の記事が一時的に話題の検索語で表示されただけで、全体の数字が大きく跳ねることがあるからです。
とりわけ見落とされがちなのが、増えたのが新しい人か戻ってきた人かの違いです。探索のディメンションに「セッションのデフォルト チャネル グループ」と「ランディング ページ + クエリ文字列」を加え、新規ユーザー数とリピーター数を並べます。どの流入元のどの記事で、どちらが増えたかが分かります。新規ユーザーが増えていれば検索や広告で新しく届いた記事が、リピーターが増えていれば読者を呼び戻した記事が、次に手を入れる候補になります。
アクティブユーザーが増えた記事と減った記事、次にどれを直すか決まっていますか
GA4で流入元とページまで絞り込めたら、次は記事ごとに表示されている検索語と中身を見比べる段階です。どの記事を書き直し、どの検索語で新しく書くかの優先順位づけから、実際の記事の改善まで一緒に進めます。
まとめ|アクティブユーザーは条件を満たした人の数
アクティブユーザーは、決めた期間に利用したと判定された人の数で、来た人をすべて数えるユニークユーザーとは中身が違います。GA4では、エンゲージメントのあったセッション・初回訪問・操作時間のどれかが記録された人が数えられ、レポートの「ユーザー」もこの数字です。
数字を読むときは、ユニバーサルアナリティクスの数字とつなげず、端末ごとに別の人と数えられる点を踏まえ、増えた人を流入元とページに分けて見ます。アクティブユーザー数は、条件と期間をそろえて初めて比べられる数字です。
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