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見積をAIで作る手順|単価表と過去の見積から社員が下書きを出す

見積は社長にしか作れないと考えがちですが、見積の行の多くは、単価表の単価に数量を掛けた行と、過去の見積と同じ条件で付けた行のくり返しです。単価表と過去の見積10件の表を1つのファイルにまとめてAIに渡せば、下書きは社員にも作れ、社長は数量や値引きなどを確かめて金額を決めるだけになります。

社長が机で、社員がAIで作った見積の下書きと単価表を見比べ、下書きの行ごとに書かれた根拠に印を付けている様子。

「単価も値引きの加減も自分の頭の中にあるから、見積は社長の自分が作るしかない」。客ごとに作業の条件が違い、これまで金額を決めてきたのも社長なので、社員に任せると金額を間違えそうだと思われがちです。ところが、見積の行の多くは、単価表の単価に数量を掛けた行と、過去の見積と同じ条件で付けた行のくり返しです。単価表と過去の見積を1か所にまとめてAIに渡せば、下書きは社員にもAIにも作れ、社長は確かめて金額を決めるだけになります。

本記事では、単価表と過去の見積のまとめ方から、AIへの頼み方、社長が確かめる所まで、定型業務の自動化を引き受ける会社の視点でお伝えします。

この記事でわかること
  • 見積の行の多くは、単価表から引く行と、過去の見積と同じ条件の行のくり返しになっている
  • 事前に整える表は、単価表と過去の見積の表の2つで、AIには2つの表と案件の条件を渡す
  • AIには、根拠にした単価表や過去の見積の行を、下書きの行ごとに書き添えさせる
  • 社長は、数量、単価の当てはめ、値引き、例外の作業、有効期限の5つを確かめて金額を決める
  • 見積を出すまでの日数を、変える前と後で記録して比べる

見積を社長しか作れない会社で起きること

見積を社長しか作れない会社では、似た案件の古い見積を探して単価を書き写す作業を、社長が毎回1人で引き受けています。次の4つのうち1つでも当てはまれば、見積の下書きを社員やAIに任せられます。

  • 見積を作るたびに、似た案件の古い見積をフォルダから探している
  • 単価や値引きの決まりが、社長の頭の中にしか無い
  • 社長の手が空くまで、客に見積を待ってもらっている
  • 社員に見積を頼んでも、最後は社長が一から作り直している

社員が見積を作れないのは、社長と同じ金額を出すための材料が、どこにも書かれていないからです。単価は社長の記憶と案件ごとのファイルに散らばり、値引きの理由はどの見積書にも残っていません。社員が古い見積を開いても、なぜその金額にしたのかが読み取れず、結局は社長に聞くことになります。

経営者経営者

うちは客ごとに条件が違うので、AIや社員に見積を任せたら、金額を間違えそうで不安です。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

客ごとに条件が違うのは確かです。ただ、違いが出るのは値引きや追加の作業など一部の行で、残りの行は単価表の単価に数量を掛けるだけのことが多いはずです。違いの出る行だけを社長が決める形にすれば、間違えやすい所は社長が確かめる所として残せます。

見積の中身に多い単価表と過去の見積のくり返し

見積の中身は、金額の決め方で分けると3種類の行でできています。単価表や過去の見積にある行は下書きを作りやすく、表に無い行や今回だけ条件を変える行は社長が決めます。内装の工事の見積を例に並べると、次のとおりです。

行の種類

内装の工事での例

下書きを作れる人

単価表から引く行

クロスの張替えの単価に、部屋の面積を掛けた行

単価表があれば社員もAIも

過去の見積と同じ条件の行

2階以上の作業に足す養生や運搬の行、継続の客に付ける端数の値引き

過去の見積の表があれば社員もAIも

社長が判断する行

初めて受ける作業の単価、条件の悪い現場に足す手間の見込み

社長

単価表から引く行と、過去の見積と同じ条件の行は、社長が毎回考えて決めているように見えて、実際には前と同じ単価と決まりを当てはめています。同じ種類の仕事をくり返し受ける会社ほど、社長が判断する行は少なくなります。

1枚の見積書の行を、単価表から引く行、過去の見積と同じ条件の行、社長が判断する行の3種類に分けた図

AIは、渡された単価表と過去の見積の表を読み、案件の条件に合う行を選んで下書きの表にできます。反対に、表を渡さずに「見積を作って」とだけ頼むと、AIは自社の単価を知らないまま、一般的な品目と金額で表を埋めます。

AIで見積の下書きを作る4つの手順

AIで見積の下書きを作る手順は4つで、道具はExcelかGoogleスプレッドシートと、ChatGPTやGeminiのようなAIがあれば足ります。最初の3つの手順で用意する表は一度作れば使い回せるので、手間がかかるのは、目安として初めの1日ほどです。

案件の条件と単価表と過去の見積の表をAIに渡し、行ごとに根拠を書いた見積の下書きが出る図

見積を出すまでの日数の記録

見積を出すまでの日数は、変える前の数字を先に残しておかないと、変えた後に比べられません。直近の見積10件について、客から依頼を受けた日と客に見積を出した日を、メールやLINEの履歴から書き出します。目安として30分ほどで終わる作業です。

記録の表は、次のような4列にします。

依頼を受けた日

見積を出した日

かかった日数

下書きを作った人

10月1日

10月6日

5日

社長

AIで下書きを作り始めたら、同じ表に次の10件を書き足し、変える前の10件の日数と比べます。

単価表のとりまとめ

単価表は、よく出る品目を1行に1つずつ並べ、4つの列で1つの表にまとめます。仕入れ先の価格表と過去の見積書を開き、例のように書き出します。

品目

単位

単価

よく付く条件

クロスの張替え(量産品)

m²

自社の1m²あたりの単価

10m²未満は最低料金、下地の補修は別の行

チラシの印刷(A4片面カラー)

1,000枚

自社の1,000枚あたりの単価

3日以内の納品は特急の料金を足す

よく付く条件の列には、社長が頭の中で当てはめてきた決まりを書きます。最低料金や特急の料金の決まりが書いてあれば、社員もAIも社長と同じ行を足せます。

品目が30〜50行なら、目安として半日ほどで書き出せます。全部の品目がそろうのを待たず、過去の見積10件に出てくる品目から始めて、足りない品目は見積を作るたびに足していきます。列ごとの書き方の例と、工事や加工の会社で材料費と手間の行を分ける考え方は、見積の自動化を無料のAIで試して合わない原因にまとめました。

過去の見積10件の一覧づくり

過去の見積の一覧は、最近出した見積から10件を選び、1件を1行にして、案件の条件と金額を並べた表にします。よく受ける仕事の種類がひととおり入るように選び、値引きをした見積も入れます。表の列は次の4つです。

列

書く内容

案件の条件

作業の中身、量、場所、納期、新規か継続の客か

主な品目と数量

見積書に載せた品目と数量

合計の金額

値引きの前と後の金額

値引きと理由

引いた額と、継続の客だから、端数を切ったから、などの理由

値引きの理由は、見積書の数字だけを見ても分かりません。理由が書いてあれば、AIは同じ条件の案件で値引きの候補を備考に挙げられます。10件を書き出すのは、目安として1〜2時間の作業です。

根拠の行を添えた下書きの依頼

AIへの依頼では、案件の条件を書き、単価表と過去の見積の表を貼り付けて、下書きの行ごとに根拠にした行を書かせます。根拠が書いてあれば、社長は下書きの全部を見直さず、根拠の行と案件の条件が合っているかを見れば済みます。頼み方の例は次のとおりで、案件の条件を書き換えれば社員もそのまま使えます。

TEXT
添付の単価表と過去の見積の表だけを使って、次の案件の見積の下書きを作ってください。

【案件の条件】
作業:6畳の洋室2室のクロスの張替え
場所:2階の住宅
客:継続の客(A様)
納期:2週間以内

【作り方】
・品目、数量、単位、単価、金額を1行ずつ表にする
・各行の備考に、根拠にした単価表の品目名か、過去の見積の何件目かを書く
・単価表に無い品目と、数量が分からない品目は、金額を空欄にして「要確認」と書く
・値引きは金額に入れず、同じ条件の過去の見積に値引きがあれば、その件と理由を備考に書く

下書きの表はAIの画面からコピーし、自社の見積書のExcelに貼ってから社長に回します。金額と合計は、AIの数字を使わずにExcelの式で出し直します。AIは、行の多い表の掛け算や足し算を間違えることがあるためです。

⚠

客の名前、住所、電話番号はAIに入れず、「A様」と置き換えます。客から預かった図面や仕様書は、秘密を守る約束をしていないかを先に確かめ、分からなければ寸法と数量だけを書き写して渡します。社員に使わせる前に、そのAIの設定画面やプランの説明で、入力した内容がAIの学習に使われるかを確かめます。単価表も自社の大事な情報なので、学習に使わない設定にできないAIには入れません。

社長が確かめる所と例外の多い案件の扱い

社長がAIの下書きで確かめる所は5つの項目で、例外の多い案件は下書きを使わずに社長が最初から作ります。AIが出した金額は、社長が確かめるまで客に出しません。

下書きで確かめる5つの項目

社長が下書きで確かめる5つの項目と、見る所は次の表のとおりです。どれか1つでも合わなければ、社員に下書きの行を直させてから客に出します。

項目

確かめること

見る所

数量

現場のメモや図面の数字と合っているか

案件の条件のメモ

単価の当てはめ

根拠の品目が今回の作業と同じで、単価が単価表のままか

備考の根拠と単価表

値引き

同じ条件の過去の値引きに合わせるか、今回は入れないか

過去の見積の表の値引きの列

例外の作業

「要確認」の行の単価と、表に無い作業の入れ漏れ

要確認の行と現場のメモ

有効期限

値上がりしやすい材料を含むなら、期限を短くするか

見積書の有効期限の欄

確かめる中で単価を変えたときは、その場で単価表も書き換えます。単価表が古いままだと、次の下書きも古い単価で出てくるからです。

社員が案件の条件を書いてAIに下書きを作らせ、社長が5つの項目を確かめて金額を決め、客に見積を出す流れの図

例外の多い案件の扱い

例外の多い案件は、AIの下書きを使わず、社長が最初から見積を作ります。たとえば、下書きに「要確認」の行が3行以上ある案件と、過去の見積10件に作業の中身が近い案件が無い案件は、社長が作ると社内で決めておきます。

社長が作った見積は、出した後に過去の見積の表へ加え、新しい品目は単価表に足します。表に載る見積と品目が増えるほど、同じ種類の案件が次に来たとき、下書きで済む行が増えます。

毎回の作業が大きく違う一品物の仕事が多い会社では、例外の案件が多くなり、下書きで済む行は少なくなります。その場合も、よく出る品目だけを単価表にしておけば、社長が古い見積を探して書き写す時間は減らせます。

案件の条件を書くだけで、根拠つきの下書きが出る形にしませんか

社員が案件の条件を書くたびに、単価表と過去の見積の表をAIに貼り、Excelに写す作業は、毎回同じ手順のくり返しです。当社は定型業務のAI自動化から社内システム開発まで引き受けていて、引き受ける作業の範囲は、サービスのページに載せています。

AIで見積の下書きを作るとつまずく3つの場面

AIで見積の下書きを作り始めると、つまずきやすい場面が3つあり、どれも単価表か依頼文、社内の決まりを直せば乗り越えられます。

単価が決まっていない品目があるとき

単価が決まっていない品目は、過去の見積10件で同じ品目に付けた単価を並べ、今の単価を1つ決めてから単価表に書きます。案件ごとに単価を変えてきた品目でも、並べると幅が見え、どの条件で高くしたかが分かります。決めきれない品目は、単価の欄に「社長が決める」と書き、AIには金額を空欄にさせます。

AIが単価表に無い金額を書くとき

AIが単価表に無い金額を書いたときは、依頼文の最初の行に「単価表に無い金額は書かない」と足し、もう一度頼みます。AIは、表に無い単価を推測で書き込むことがあるためです。備考の根拠が空いている行は、社長に回す前に社員が見つけて「要確認」に直します。

社員が確かめずに出そうとするとき

社員が確かめずに見積を出そうとするときは、客に見積を送る人を、社長か社長が決めた1人に絞ります。下書きが早くできるようになると、客を待たせたくない社員ほど、社長の確認を待たずに送りたくなるからです。送る人が決まっていれば、社長が確かめていない下書きが客に届くのを防げます。

単価表をまとめる時間が取れない場合

単価表をまとめる時間が取れない場合は、どの品目と条件を表に載せるかだけを社長が決め、表づくりと下書きを出す仕組みづくりを任せる道があります。どの値引きを残し、どの作業を例外にするかは、客との付き合いを知っている社長にしか決められないからです。

任せる前にそろえておくものは、次の3つです。

  • 直近の見積書10件
  • 仕入れ先の価格表
  • よく付く条件を書き出したメモ

見積書は、客の名前、住所、電話番号を消してから渡します。

単価表をまとめる時間が取れず、客を待たせていませんか

当社は定型業務のAI自動化から社内システム開発まで引き受け、料金は個別にお見積もりします。

まとめ|見積の下書きは単価表と過去の見積でAIに任せる

見積の行の多くは単価表と過去の見積のくり返しなので、2つの表をAIに渡せば、下書きは社員にもAIにも作れ、社長は確かめて金額を決めるだけになります。今日から進めることは、次の4つです。

  • 直近の見積10件で、依頼を受けてから見積を出すまでの日数を書き出す
  • よく出る品目を、品目、単位、単価、よく付く条件の4列の単価表にまとめる
  • 過去の見積10件を、案件の条件と金額と値引きの理由を並べた表にする
  • 根拠の行を書かせる依頼文で下書きを作り、社長が5つの項目を確かめる

やり方はこれで全部です。単価表をまとめる時間が取れない場合や、見積の下書きを社内の仕組みとして自動で出したい場合は、私たち合同会社Writers-hubが定型業務のAI自動化から社内のシステム開発まで引き受けます(料金は個別にお見積もりします)。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

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