「数字を入れて30文字前後に収めれば、タイトルとしては形になるはず」。タイトルの付け方として挙げられる項目はどの解説でもよく似ているため、記事の種類を問わず同じ条件を当てはめればよいと受け取られやすくなっています。条件どおりに整えた候補をいくつ並べても、どれを選ぶかは決めきれません。
しかし、SEO記事の企画から執筆、タイトルの決定までを一貫してお引き受けしてきた弊社の立場から言えるのは、候補が決まらない原因は言葉選びの巧拙ではなく、その記事で読者が先に確かめたい情報を決めていないことにある、ということです。何を確かめたいかは記事の種類ごとに変わるため、そこを先に決めておけば、条件を満たす言い回しを探す作業はあとからでも間に合います。
本記事では、記事の種類ごとに変わるタイトルの型から、候補を5案つくって1案に絞る手順、公開後に書き換えるかどうかを判断する順番まで、数多くのSEO記事を手がけてきた立場で順を追ってお伝えします。
- 記事タイトルと記事名、見出しの違いと、タイトルが表示される場所
- ノウハウ、インタビュー、まとめ、ニュース、コラムで変わるタイトルの型
- 記事の種類が違っても外せない4つの条件
- 本文の結論から候補を5案つくり、1案に絞るまでの手順
- 公開後にタイトルを変えるかどうかを判断する順番
記事タイトルとは、読者が読むかどうかを決める一行
記事タイトルとは、その記事が何について書かれているかを一行で示した言葉を指します。HTMLではhead内のtitle要素に入り、記事ページを開いた直後の画面上部にはh1見出しとして表示されます。
現場によっては「記事名」という言い方をしますが、指しているものはほぼ同じと考えて差し支えありません。厳密に分けるなら、記事名は社内の管理台帳やCMSの一覧で記事を区別するための呼び名、記事タイトルは読者の目に触れる文言、という使い分けが通じやすいでしょう。

出ていく先は、検索結果のリンク、SNSでシェアされたときのカード、サイト内の記事一覧や関連記事の枠、メールマガジンの見出し行。書く場所は1か所でも、読者との接点のあちこちに同じ一行が並びます。
そして、そのどの場所でも読者がしていることは変わりません。本文を読む前に、読む価値があるかどうかを見積もっている。だから記事タイトルは本文の要約ではなく、読むかどうかの判断材料として書く必要があります。
関連記事:SEO記事の書き方完全ガイド|上位表示を実現する18のテクニックと対策
記事タイトルの正解は、記事の種類によって変わる
読まれるタイトルのコツとして語られる項目は、どの解説記事でもよく似ています。検索キーワードを前半に入れる、数字を使う、30文字前後に収める。どれも間違ってはいません。ただ、それだけを頼りに書くと、種類の違う記事に同じ顔のタイトルが並んでしまいます。
ここで見落とされがちなのが、読者がタイトルを見た瞬間に確かめようとしている情報は、記事の種類ごとに違うという点です。ノウハウ記事なら「読み終えたあと自分に何ができるか」、インタビュー記事なら「誰が何を言ったのか」、比較記事なら「何と何を、どの基準で比べたのか」。確かめたい情報が違えば、前半に置くべき言葉も変わってきます。
読者が先に確かめたいことは、記事の種類ごとに違います
記事の種類 | 読者がタイトルで先に確かめたいこと | 前半に置く言葉 |
|---|---|---|
ノウハウ記事 | 読み終えたあと自分に何ができるか | 対象の作業と得られる結果 |
インタビュー記事 | 誰が、何を言ったのか | 発言の一部と話し手の肩書 |
まとめ記事・比較記事 | 何が、いくつ、どの基準で並ぶのか | 対象カテゴリと件数 |
ニュース記事 | 何が起きたのか | 主語と述語 |
コラム記事・レビュー記事 | 書き手が何を言おうとしているのか | 立場を示す語と結論 |
型を全部覚えておけば、どの記事にも使い回せるのではないでしょうか。
編集部
型を知っておくこと自体は役に立ちます。ただ、先に決めるのは型ではなく記事の種類です。種類が決まれば、使える型は3つほどに絞られます。20個の一覧から選ぶより、決まるまでが早くなります。
関連記事:ブログ記事のタイトルの付け方|7つの型と決め方の手順、失敗例
種類が違っても外せない4つの条件
種類ごとの型に入る前に、どの記事でも満たしておきたい条件を4つ挙げます。ここが崩れていると、型を正しく当てはめても読まれません。
検索されている言葉を前半に入れる
読者が検索窓に打つ言葉と、書き手が本文で使っている言葉は、しばしば食い違います。社内で「販促コンテンツ」と呼んでいるものが、読者にとっては「チラシ」であるように。読者側の言葉に合わせてください。前半に置く理由は単純で、スマートフォンの検索結果では後半が省略されやすいためです。
誰に向けた記事かを一語で示す
「初心者向け」「採用担当者の方へ」「一人で運用している方向け」。対象を一語入れるだけで、読者は自分に関係があるかどうかを判断できます。全員に向けた言い方をすると、結果として誰も自分ごとにできません。
本文にある内容だけを約束する
タイトルで約束してよいのは、本文に書いてあることだけです
「5つの方法」と書いたのに本文には3つしかない、「事例つき」と書いたのに固有名詞のある事例がない。こうしたずれは、読者が本文に入った直後に気づきます。滞在時間は短くなり、検索エンジンから見ても内容と一致しないページになってしまう。タイトルを強くしたつもりが、逆の結果を招きかねません。
表示される幅に収まる長さで書く
目安は全角30文字前後です。ただ、文字数そのものを守ることが目的ではありません。表示できる幅は端末や検索結果の画面によって変わるため、後半が切れる前提で並びを決めておく。切れた状態で読んでも意味が通るかどうかが、実務上の判断軸になります。
4つの条件は、書き終えたタイトルを声に出して読むと確認できます。前半だけを読んで内容が分かるか、対象が誰か言えるか、書いてある約束が本文にあるか、途中で切っても意味が通るか。4つとも答えられれば、種類ごとの型を検討する段階に進んで構いません。
関連記事:ブログタイトルの付け方|ブログ名と記事タイトルで違う決め方の手順
記事の種類別に見るタイトルの型
ここからは、種類ごとに前半と後半へ何を入れるかを具体的に見ていきます。

ノウハウ記事は、読み終えたあとにできることを前半に置く
もっとも件数の多い種類です。前半に作業の対象と得られる結果、後半に手数や範囲を置く並びが安定します。「議事録の書き方|そのまま使える型と共有までの手順」のように、動詞で終わる行動が前半にあると、読者は自分の作業と照らして判断できます。
数字を入れるなら、手数か時間のどちらかに限ってください。「7つのコツ」と「3分で作れる」を同じタイトルに詰め込むと、どちらが記事の主題なのかがぼやけます。
インタビュー記事は、話し手の言葉をそのまま前半に置く
インタビュー記事は、発言の一部をそのまま前半に置きます
要約した一行より、本人が実際に口にした短い言葉のほうが読まれます。編集された説明文と違い、言い切りや言いよどみがそのまま残っているためでしょう。後半には話し手の肩書と所属を添え、読者が発言の重みを判断できるようにします。
抜き出す発言を選ぶときは、本文全体でもっとも意外だった箇所を探してください。すでに知られている内容を要約した一行は、誰の発言でも成立してしまい、読む理由になりません。
まとめ記事と比較記事は、選ぶ基準と件数を示す
まとめ記事のタイトルで読者が確かめたいのは、網羅性と選定の基準です。件数だけを出した「おすすめ10選」は、同じ形のタイトルが検索結果に並ぶため区別がつきません。「価格と対応範囲で選ぶ」「一人で運用する場合に絞って選ぶ」のように、何を基準に絞ったのかを添えると、読者は自分の条件に合うかどうかを判断できます。
比較記事も同様で、比べた軸を出すかどうかで読まれ方が変わります。件数は本文の見出し数と必ず一致させてください。
ニュース記事は、何が起きたかを主語と述語で言い切る
新聞やニュースサイトのタイトルが短く読めるのは、主語と述語だけで組み立てられているからです。修飾語を削り、いつ、誰が、何をしたのかを残す。ノウハウ記事のように読者への呼びかけを入れると、事実の伝達が遅れます。
社内報や広報のお知らせ記事も、この型が使えます。読み手が知りたいのは書き手の意見ではなく、決まった事実そのものだからです。
コラム記事とレビュー記事は、書き手の立場と結論を出す
コラムやレビューでは、書き手が何を言おうとしているのかが読む理由になります。中立を装った説明的なタイトルより、結論を先に出したほうが読まれる。「使ってみた感想」ではなく「3か月使って、結局この機能しか使わなかった」のように、判断まで書いてください。
ただし、本文で結論を保留するのであれば、タイトルでも言い切らないほうが誠実です。読後の落差は、次の記事を読まれない理由になります。
種類ごとに書き分けるところまで、社内の手が回っていますか
記事の種類を判別し、それぞれの型でタイトルと本文を組み立てる作業は、本数が増えるほど時間を取られます。企画から執筆、タイトルの決定までをまとめてお引き受けできますので、体制の状況をお聞かせください。
タイトルを決めるまでの5つの手順
種類と型が決まったら、実際に候補をつくって絞り込みます。手順は5つです。
記事全体で言いたいことを、装飾なしの一文にします。ここが二文以上になる記事は、主題が分かれている可能性があります。タイトルより先に本文の構成を見直してください。
狙うキーワードを決め、実際に検索して上位の記事が何に答えているかを読みます。同じ言葉でも、手順を知りたいのか、費用を知りたいのかで書くべき内容が変わります。
ノウハウ、インタビュー、まとめ、ニュース、コラムのどれで書くのかを言語化します。あわせて対象読者を一語で決めておくと、次の手順で候補が出しやすくなります。
前半と後半に入れる要素を差し替えながら、最低5案を書き出します。この段階で良し悪しを判断しないでください。判断しながらつくると、似た案ばかりが並びます。
上位の記事のタイトルと一緒に並べ、その中で読んで選びます。詳しい進め方は次の章でお伝えします。
順番を入れ替えて、言い回しを考えるところから始めるとどうなるか。候補は10案でも20案でも出ますが、選ぶ基準がないため決まりません。
結論と読者を先に固定しないまま候補を増やすと、判断が好みの問題になります。社内で「こっちのほうが良い」「いや、こちらだ」という議論が続いて決まらない場合、原因は語彙ではなく手順の順番にあると考えてください。
案が出そろったら、検索結果の並びに置いて選ぶ
ここからは、タイトルの解説記事ではあまり触れられない工程です。
候補が5案あっても、机の上で読み比べると「どれも悪くない」で止まります。理由ははっきりしていて、読者は候補を1案ずつ見ているわけではないからです。検索結果に並んだ10件のうちの1行として見ている。判断する状況が違うのであれば、選ぶときも同じ状況を作ります。
やり方は単純です。狙っているキーワードで実際に検索し、上位10件のタイトルをそのまま縦に書き出す。その11行目に自分の案を差し込んで、上から順に読みます。

そこで確認するのは3点だけです。
- 前半12文字が、他の10件と同じ言い回しになっていないか
- 10件のどれも書いていない情報が、自分の案に入っているか
- その情報が、本文に実際に書いてあるか
自分の案は、検索結果の並びに差し込んでから読みます
この作業で落ちる案は、思っているより多くなります。「初心者向け」「基本から解説」といった前半は、たいてい他の記事も使っている。埋もれる原因が案そのものではなく、並びの中での位置にあると分かります。
さらに、複数人で記事を作っている組織では、この工程が判断基準の共有にも使えます。書いた本人の好みではなく、実際の検索結果という共通の材料を見て話せるため、指摘が個人の感覚に寄りにくくなるはずです。
タイトルの良し悪しが、担当者ごとにばらついていませんか
候補の出し方と選び方を工程として決めておくと、レビューのやり直しが減ります。自社で書ける状態を目標にする場合の進め方と、外部が担う範囲の考え方をまとめています。
記事タイトルで避けたい書き方
最後に、修正の依頼として実際によく出てくるものを挙げます。
- 本文にない数や特典を書く
- 同じキーワードを2回以上入れる
- 前半をサイト名や飾り記号で埋める
- 本文で保留している内容を言い切る
- 過去に公開した記事と前半がほとんど同じになる
とりわけ見落とされがちなのが、最後の1つです。記事が100本を超えるメディアでは、似た主題の記事が自然に増えていきます。前半が重なると、検索エンジンがどちらを表示すべきか判断しづらくなるうえ、読者から見ても違いが分かりません。新しい記事を書く前に、既存記事のタイトル一覧を見る習慣をつけてください。
編集部で言葉を強くしたところ、クリックは増えたのに読み終える人が減りました。
編集部
タイトルの表現が本文の内容より先に進んでしまった状態です。強い言葉を弱めるより、本文にその表現を裏づける内容を足せないかを先に検討してください。足せないのであれば、タイトルを本文に合わせます。
公開後にタイトルを変えるときは、本文の確認を先にする
思ったように読まれなかったとき、多くの現場ではタイトルの書き換えから手をつけます。順番としては逆です。
タイトルを直す前に、本文の中身が合っているかを確かめます
表示回数がそもそも少ないのであれば、原因は本文の内容や記事数の側にあり、タイトルを何度書き換えても数字は動きません。表示されているのにクリックされていない場合に限って、タイトルの検討に意味が出てきます。
判断の順番は、①表示回数を確認する、②表示されているのにクリックが少ないページを選ぶ、③本文が検索意図に答えているかを読み直す、④そのうえでタイトルを書き換える、の4段階です。①と②はSearch Consoleの検索パフォーマンスで確認できます。
なお、検索結果に出ているタイトルが自分で設定した文言と違う場合があります。Googleは本文の見出しや他サイトからのリンク文言をもとに、表示上のタイトルを別の文言に置き換えることがあると公表しています。書き換えが起きているときは、タイトルとh1見出しの内容が食い違っていないかを先に確認してください。

※ 出典 Google 検索セントラル「Google 検索結果のタイトルリンク(見出し)の変更」
記事タイトルに関するよくある質問
制作の現場で相談を受けることの多い4点をまとめました。
CMSのタイトル入力欄に書きます。多くのCMSでは、そこに入れた文言がhead内のtitle要素と、記事ページ先頭のh1見出しの両方に反映されます。検索結果に出す文言だけを変えたい場合は、SEO設定の項目で別途指定できるCMSもあります。
ほぼ同じ意味で使われています。区別するなら、記事名は社内の管理台帳やCMSの一覧で記事を見分けるための呼び名、記事タイトルは読者が目にする文言と考えると混乱しません。
本文のなかでもっとも意外だった発言を、要約せずそのまま前半に置いてください。後半に話し手の肩書と所属を添えます。すでに知られている内容を要約した一行は、誰の発言でも成立してしまうため避けます。
タイトルの前半を変えるだけでは足りません。対象読者か、答える範囲のどちらかをずらしてください。それでも重なるのであれば、2本を1本に統合したほうが読者にとって分かりやすくなります。
まとめ|記事タイトルは種類ごとに読者が確かめたいことから決める
記事タイトルに、すべての記事へ当てはまる型はありません。ノウハウ記事とインタビュー記事では、読者が先に確かめたい情報が違うためです。まず記事の種類を決め、読者が知りたい一点を前半に置く。そのうえで候補を5案以上つくり、検索結果の並びに差し込んで1案に絞る。この順番であれば、判断が好みの問題になりにくくなります。
公開後に数字が伸びないときも、タイトルの書き換えより本文の確認が先です。表示されているのにクリックされていないページに限って、書き換えの効果が確認しやすくなります。
私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の企画から執筆、タイトルの決定までを一貫してお引き受けしてきました。記事の種類ごとに型を使い分ける作業は、本数が増えるほど時間を取られる工程です。手が回っていない範囲があれば、現状をお聞かせください。
いま公開している記事のタイトルを、一度見てもらいたいときは
既存記事のタイトルが本文の内容と合っているか、前半が重なっていないかは、外から見たほうが早く分かる部分です。記事本数と主題をお伝えいただければ、確認できる範囲からお返しします。








