ブログ記事のタイトルは、本文を書き終えたあとに数分で決めてしまうことが少なくありません。ところが検索結果に並んだとき、読者が見ているのは本文ではなく、その一行だけです。同じ内容を書いていても、タイトルが違えばクリックされる数は変わります。
タイトルの付け方を扱った記事の多くは「数字を入れる」「30文字前後に収める」といったコツを並べています。コツ自体は間違っていません。ただ、実際に手を動かす段になると「どのコツを、どの記事に、どの順番で使えばいいのか」で迷うはずです。
本記事では、SEO記事の制作を業務として請け負ってきた立場から、ブログ記事のタイトルを決める手順と7つの型、そして公開後の見直し基準までをまとめました。コツの一覧ではなく、明日から同じ手順で回せる形にしています。
- 記事タイトルが検索順位とクリック率の両方に効く仕組み
- タイトルを考える前に決めておくべき3つの材料
- そのまま当てはめられる7つの型と、書き換えの実例
- 文字数の目安と、表示が切れることを前提にした組み立て方
- 公開後にタイトルを直すべき記事の見分け方
ブログ記事のタイトルで検索順位とクリック率が変わる理由
タイトルが重要だという話は、ほとんどの人がすでに聞いています。ここで押さえておきたいのは「なぜ重要なのか」が二層に分かれている点です。検索エンジンに対する意味と、読者に対する意味は、まったく別のものとして働きます。
検索エンジンはタイトルからページの主題を判断する
HTMLのtitle要素は、そのページが何について書かれているかを検索エンジンに伝える最初の手がかりです。本文をどれだけ丁寧に書いても、タイトルに主題が入っていなければ、ページ全体の焦点はぼやけて伝わります。
一方で、Googleは検索結果に表示するタイトルリンクを、ページの内容に応じて書き換える場合があると公式に説明しています。つまり、設定したタイトルがそのまま表示されるとは限りません。書き換えを避けたいのであれば、ページの内容を素直に言い表したタイトルにしておくのが近道になります。

※ タイトルリンクの生成方法についてはGoogle検索セントラルの公式ドキュメントを参照。
読者は一覧の中の一行として比べている
検索結果の画面には、10件前後の記事が縦に並びます。読者は上から順に読むわけではなく、タイトルを数秒ずつ見比べて、自分の疑問に答えてくれそうな一件を選びます。タイトルは単体ではなく、競合10本との相対比較で評価されています。
ここが、コツを並べただけの解説では抜けやすい視点です。「数字を入れる」というコツも、上位10件すべてが数字入りなら差になりません。逆に全員が数字を使っている場面では、数字を外して読者の状態を名指ししたほうが目立つ場合もあります。
上位表示されている記事のタイトルを真似れば、それなりのものになりますか。
編集部
真似ると横並びになるので、選ばれる理由がなくなります。上位を見るのは真似るためではなく、「まだ誰も言っていない切り口」を見つけるためです。10件を書き出すと、意外と全員が同じことしか約束していないと気づきます。
関連記事:SEO記事の書き方完全ガイド|上位表示を実現する18のテクニックと対策
タイトルを考える前に決めておく3つの材料
タイトルが決まらないとき、多くの場合は言い回しの問題ではありません。記事そのものの設計が固まっていないだけです。次の3つが埋まっているか、先に確認してください。
- この記事で狙う検索キーワードが1つに絞れている
- 読者がその言葉を検索した時点で、何を知っていて何を知らないかが言える
- 記事を読み終えた読者が取れる行動、つまり記事の結論が一文で書ける
3つ目が特に抜けやすい部分です。結論が決まっていない状態でタイトルだけ先に作ると、本文を書き進めるうちに話がずれ、最後にタイトルと中身が噛み合わなくなります。
逆に言えば、この3つが埋まっていれば、タイトルはほぼ組み立てるだけの作業になります。狙うキーワードを前半に置き、読者の状態を示す語を添え、結論の方向を示す。基本の形はそれだけです。

なお、タイトルは書く前に一度、公開前にもう一度決めます。書く前のものは仮タイトルで、記事の約束を固定するために置きます。本文が完成したら、実際に書けた結論と照らし合わせて確定させる。この二段構えにしておくと、内容とタイトルのずれが構造的に起きにくくなります。
関連記事:Webライティングのタイトルの付け方|クリックされる型と決め方
ブログ記事のタイトルの付け方7つの型
材料がそろったら、型に当てはめます。ゼロから言葉をひねり出すより、型を3つ試して比べるほうが速く、品質も安定します。実務でよく使う7つを挙げます。
型 | 使いどころ | 例 |
|---|---|---|
数量提示 | 方法や選択肢を並べる記事 | 経費精算をペーパーレス化する4つの方法 |
手順 | 作業の順番を示す記事 | 議事録を30分で仕上げる5ステップ |
疑問代弁 | 検索意図が疑問形の記事 | 業務委託契約に印紙は必要か |
対象名指し | 読者層が限られる記事 | 一人広報のためのプレスリリース作成術 |
失敗回避 | 損失を避けたい読者向け | 採用サイト制作で予算を無駄にしない進め方 |
比較選定 | 選択に迷っている読者向け | 勤怠管理システムの選び方と比較の観点 |
結論先出し | 答えがはっきりしている記事 | 名刺管理は紙のまま運用しても問題ない |
型は組み合わせられます。「対象名指し+数量提示」であれば「小規模事業者が使える補助金3種」となり、読者の絞り込みと具体性を同時に出せます。ただし3つ以上を重ねると情報が渋滞し、かえって読みにくくなるので、多くても2つまでに抑えてください。
型を知っていると、いま書いているタイトルの弱点も見えるようになります。実際の書き換えを3本並べます。
書き換え前 ブログ運営で大切なこと書き換え後 ブログ運営で更新が止まる原因と、続けるための3つの仕組み(何が得られるか不明だったので、原因の提示と数量提示を足しました)
書き換え前 弊社サービスのご紹介書き換え後 請求書の発行作業を自動化する方法と導入時の注意点(書き手側の言葉で始まっていたので、読者が検索する言葉に置き換えました)
書き換え前 SEO対策で検索順位を上げるSEOの基本書き換え後 検索順位を上げるSEOの基本と、着手する順番(同じ語を二回重ねていたため一回に整理し、読者が得られるものを足しました)
3本目のような重複は、キーワードを入れようと意識しすぎたときに起こります。検索エンジンは同じ語の繰り返しを評価しませんし、読者の目にも不自然に映ります。
関連記事:SEOタイトルの付け方|文字数の目安とクリックされる書き方の手順
ブログ記事のタイトルの決め方4ステップ
型を知ったうえで、実際の手順に落とします。制作の現場では、次の4ステップを固定して回しています。
狙うキーワードで実際に検索し、表示されたタイトルをテキストに書き出します。全件を並べると、共通して使われている言葉と、誰も触れていない論点が浮かび上がります。ここで見つけた「空白」が、あとで差別化の材料になります。
本文を書く前に、仮のタイトルを一つ決めます。ここで決めるのは言い回しの巧拙ではなく、この記事が読者に何を約束するかです。仮タイトルは見出し構成を作るときの判断基準にもなり、話が脱線しかけたときに引き戻してくれます。
執筆が終わったら、仮タイトルと実際に書けた結論を突き合わせます。書いているうちに結論が変わることは珍しくありません。ずれていた場合、直すのはタイトル側です。本文を無理にタイトルへ寄せると、内容の説得力が落ちます。
確定した結論をもとに、異なる型で3案作ります。1案しか作らないと、それが良いのか悪いのか判断できません。3案を縦に並べ、ステップ1で書き出した競合10件のリストの中に混ぜて眺めると、選ばれるかどうかが見えてきます。
文言を決める作業そのものは、慣れれば10分ほどで終わります。ただし10分に含まれるのはステップ2から4まで、つまり3つの材料と競合10件のリストがそろった状態から、型を当てて3案を作り選ぶまでの時間です。ステップ1の調査や、本文の執筆はここに入っていません。逆に文言の検討だけで何十分もかかっているなら、競合の書き出しを省いて頭の中だけで言葉をこねている可能性が高いでしょう。
この手順を毎回まわす時間が取れない場合
タイトル設計だけを切り出しても、検索結果の調査、構成、執筆、公開後の確認まで含めると1本あたりの負担は小さくありません。合同会社Writers-hubでは、キーワードの選定から記事の納品までを一括で請け負っています。まずは現在の本数と体制をお聞かせください。
タイトルの文字数は何文字にすべきか
文字数については「30文字前後」という数字が広く共有されています。ただし、Googleが検索結果の表示文字数について明確な基準を公表しているわけではありません。表示できる幅はピクセル単位で決まるため、同じ文字数でも使う文字によって切れる位置は変わります。
実務では全角30文字前後を目安に置きつつ、重要な語ほど前に置き、切れても意味が通る形にします。後半が省略されても記事の主題が伝わるなら、多少長くても実害は出ません。
パソコンとスマートフォンでは表示できる幅が異なり、切れる位置もそろいません。両方を確認するのが理想ですが、毎回チェックするのは現実的ではないでしょう。そこで、前半20文字だけを読んで意味が通るかを自分で確かめる方法をとっています。前半で主題が伝われば、後半が切れても取りこぼしは起きません。

文字数の考え方をもう少し詳しく知りたい場合は、ブログのタイトル文字数は何文字が適切?省略されない決め方もあわせて確認してください。
タイトルでやりがちな失敗
制作物のチェックをしていると、指摘する内容はある程度決まってきます。頻度の高いものを挙げます。
- 本文に書いていない内容をタイトルで約束している
- 同じキーワードを一つのタイトルに二回入れている
- 社内でしか通じない言葉やサービス名から書き始めている
- 自メディア内の別記事とほとんど同じタイトルになっている
- 【】や|を飾りとして詰め込み、読み取りに時間がかかる
一つ目が最も重い失敗です。本文にない約束をしたタイトルは、順位より先に信頼を失います。クリックされたあとすぐ離脱されるため、短期的なクリック数が増えても長続きしません。
四つ目の重複は、記事数が増えたメディアで起こります。似たタイトルの記事が複数あると、検索エンジンがどちらを評価すべきか判断しづらくなり、両方とも順位が伸びない状態になりがちです。記事一覧をタイトルで並べ替えて、近いものが隣り合っていないか定期的に見ておくと防げます。
設定したタイトルと、検索結果に表示されるタイトルが違う場合があります。Googleがページの内容やh1見出しをもとに書き換えているケースです。極端に長い、キーワードを詰め込んでいる、内容と合っていないといった条件で起きやすいため、書き換えが目立つときはタイトルそのものを見直す合図と受け取ってください。
公開後にタイトルを見直す判断基準
タイトルは公開して終わりではありません。ただし、やみくもに変えると順位が動く危険もあります。現在の検索順位によって、打つ手を分けています。
現在の順位 | 対応 | 理由 |
|---|---|---|
1〜3位 | 触らない | すでに評価されている状態で、変更が下振れの要因になり得る |
4〜10位 | タイトルの型を変えて様子を見る | 表示されているのにクリックされていない可能性がある |
11〜30位 | 本文の内容を優先して改善 | タイトル以前に、検索結果の1ページ目に届いていない |
圏外 | キーワードの選定から見直す | タイトルの問題ではなく、記事の狙いがずれている |
1〜3位の記事のタイトルは、原則として触りません。すでに評価を得ている状態から動かすと、下がったときに元へ戻せる保証がないためです。どうしても試したい場合は、順位変動を記録できる体制を先に用意してから着手してください。
4位から10位の記事は、変更の効果が見えやすい層です。検索結果に表示されているのに選ばれていないなら、タイトルの型が読者の状態と合っていない可能性があります。Google Search Consoleで表示回数とクリック数を確認し、表示回数のわりにクリックが少ない記事から手をつけると効率的です。

順位を変えたくない記事にどこまで手を入れるかは、判断が分かれる部分でしょう。変更の履歴と順位の推移を記録しておけば、次に迷ったときの材料になります。記録がないまま感覚で直し続けると、何が効いたのか永久にわからないままです。
この判断を担当者ごとの経験に頼らず回したい方へ
タイトルの見直し基準が担当者の頭の中にしかないと、人が変わるたびに同じ検討をやり直すことになります。Writers-hubの内製化支援では、判断基準の言語化からチェック体制の設計まで、社内で回せる状態づくりを支援しています。
よくある質問
タイトルまわりで受けることの多い質問をまとめます。
変更自体に問題はありません。ただし上位表示されている記事は、変更によって順位が下がる可能性があります。順位が伸び悩んでいる記事から試し、変更日と順位の推移を記録しておいてください。
検索からの流入を狙うのであれば入れてください。ページの主題を検索エンジンに伝える役割があるためです。ただし詰め込む必要はなく、1つのキーワードが自然な形で1回入っていれば足ります。
読みやすさが上がるなら使って問題ありません。区切りとして1つか2つまでにとどめ、飾りとして並べるのは避けてください。前半に置いた記号のせいでキーワードが後ろへ押し出されると、逆効果になります。
同一にしておくのが基本です。ずれていると読者は別の記事に来たと感じますし、Googleがタイトルリンクを書き換える要因にもなります。意図的に変えるのであれば、主題が同じであることを保ってください。
記事の結論が定まっていない可能性が高いと考えられます。タイトルの言い回しを増やすのではなく、読み終えた読者が何をできるようになるかを一文で書き出す作業に戻ってください。
ブログ記事のタイトルは二回決めると精度が上がる
ブログ記事のタイトルを決める作業は、感性の勝負ではなく手順の問題です。狙うキーワード、読者の状態、記事の結論という3つの材料をそろえ、7つの型から3案を作り、競合10件の中に並べて選ぶ。この流れを固定すれば、書き手が誰であっても一定の水準に収まります。
- 書く前に仮タイトルを立て、書き終えたら結論と照合して確定させる
- 上位10件を書き出し、誰も言っていない切り口を探してから型を当てる
- 前半20文字だけで主題が伝わる形にする
- 本文にない内容を約束しない
- 1〜3位の記事は触らず、4〜10位から見直す
タイトルだけを磨いても、本文が約束に応えていなければ読者は離れます。逆に中身が良くても、タイトルで選ばれなければ読まれる機会自体が生まれません。両方を同じ精度で回し続けられるかが、ブログ運用の分かれ目になります。
合同会社Writers-hubでは、キーワード設計から記事制作、公開後の改善までを一括で請け負うほか、社内で書ける体制づくりの支援も行っています。現状の本数や体制に合わせて進め方を組みますので、迷っている段階でも構いません。
自社の記事は、どこから手を入れるべきか
タイトルを直すべきか、本文を厚くすべきか、そもそもキーワードから見直すべきか。判断は現在の順位と記事の状態によって変わります。実際の記事を見ながら、優先順位の付け方をお伝えします。








