「クリニックのSEOは、症状を解説するコラムを毎月書き続けないと、上位に出られなさそう」。企業のSEOの解説では、記事を増やして検索から読者を集めるやり方がよく紹介されるため、クリニックも同じだと思われがちです。ところが、2026年10月に「眼科 船橋」と「ほくろ除去 吉祥寺」で検索すると、上位10件にコラムの記事は1件もなく、クリニックのトップページと診療ページが並んでいました。コラムより先に、トップページと診療ページを整えます。
本記事では、患者が検索するキーワードの種類から、医療広告等ガイドラインで自院のサイトに書けない表現、効果の確かめ方まで、記事制作とSEOを手がける会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 地域名と診療科の検索で上位に並ぶのは、近くのクリニックのトップページです
- 検査や治療の名前の検索では、治療ごとに分けた診療ページが上位に入ります
- 症状のコラムは通えない地域の人にも読まれるため、診療ページの後に、診療ページへの案内を付けて書きます
- 患者の体験談や院長自身の体験記、「日本一」などの表現は、自院のサイトに載せられません
- 効果は順位より、診療ページの表示回数と、予約ボタンが押された回数で確かめます
クリニックのSEOで狙う3種類のキーワード
クリニックのSEOで狙うキーワードは3種類あり、種類ごとに上位に入るページの形が違います。2026年10月5日に、種類ごとにキーワードを選んで検索し、上位10件に入ったページを数えました。検索結果は、検索する場所や日によって入れ替わります。

地域名と診療科
地域名と診療科のキーワードで上位に入るのは、近くのクリニックのトップページです。「眼科 船橋」では、上位10件のうち9件が眼科のトップページで、残る1件は医院を探すポータルサイトでした。「皮膚科 吉祥寺」でも、10件のうち8件がクリニックのトップページです。
検査や治療の名前と地域名
検査や治療の名前のキーワードで上位に入るのは、治療ごとの診療ページです。「ほくろ除去 吉祥寺」では、上位10件のうち6件が、クリニックのサイトの中でほくろ除去を説明するページで、残る4件はクリニックのトップページ2件とポータルサイト2件でした。「白内障手術 船橋」でも、1位と3位は眼科のサイトにある白内障手術のページです。
症状を表す言葉
症状を表す言葉のキーワードで上位に入るのは、全国のクリニックが書いた解説ページです。「目がかすむ 原因」では、上位10件のうち7件がクリニックの解説ページでした。所在地は、大阪府交野市や鳥取県米子市、香川県丸亀市など7つの市に分かれていました。
症状だけで検索する人は全国にいるので、解説ページの読者には、自院に通えない地域の人が多く含まれると見ています。症状の解説ページは診療ページを作った後に書き、本文の最後に自院の診療ページへの案内を置きます。
症状に地域名を付けた検索では、近くのクリニックの症状のページが上位に入ることもあります。「肩の痛み 札幌駅」では、1位が札幌駅の近くにある整形外科クリニックの、肩の痛みを説明するページでした。

クリニックのSEOを始める4つの手順
クリニックのSEOを始める手順は4つあり、どれも今あるサイトとGoogleビジネスプロフィールで進められます。
Googleビジネスプロフィールは、Google検索とGoogleマップに出る医院の情報を、医院が自分で登録して直せる仕組みです。住所や電話番号、診療時間、休診日などを自院のサイトと同じ表記で入れ、医院の代表者であることを示すオーナー確認を済ませます。Googleのヘルプは、近くの店や施設を探す人に出す検索結果は主に関連性・距離・知名度で決まり、情報が充実して正確なほど表示されやすいと説明しています。
検索結果に表示されるページの題名(タイトル)には、医院名に加えて、市区町村名か駅名と、診療科名を入れます。「眼科 船橋」と「皮膚科 吉祥寺」で上位に入ったクリニックのページ18件のうち16件は、表示されたタイトルに地域名と診療科名が入っていました。Googleも、タイトルに含めるとよい情報の例に、会社の名前や住所を挙げています。
胃カメラや白内障手術のように、患者が名前で検索する検査と治療ごとに、1ページずつ作ります。ページには、対象になる症状、検査や治療の流れ、かかる時間、保険が使えるかなどを書きます。
診療ページから、担当する医師の名前と経歴を載せた医師紹介のページへリンクします。Googleは、人の健康や安全に大きく関わる話題では、経験・専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T)が優れたコンテンツを特に重視し、著者を明確にするよう勧めています。医療従事者の氏名と略歴は、医療広告等ガイドラインで広告できる事項に入っています。
自由診療を詳しく説明する診療ページには、次の5つをすべて同じページに書きます。
- 通常必要とされる治療の内容
- 標準的な費用
- 治療の期間と回数
- 主なリスクと副作用
- 問い合わせ先
医療広告等ガイドラインは、患者が自ら求めて見るWebサイトで5つを示すことを、広告できる事項より詳しい情報を載せる条件(限定解除)にしています。標準的な費用が決まっていない治療は、最低額から、よく発生する追加費用を含めた最高額までの範囲で書きます。国内で承認されていない医薬品や医療機器を使う治療では、未承認であることや入手経路なども書き足します。
近くの町から探す人にも見つけてもらえるように、地域名をたくさん並べたほうがいいですか?
編集部
地域名は必要ですが、タイトルとアクセスの説明に書く市区町村名と最寄り駅で足ります。Googleのスパムに関するポリシーは、特定の地域の検索で上位に出るために都市名や地域名を並べたテキストを、キーワードの乱用の例に挙げています。
近くの町から通う患者には、地域名を並べる代わりに、アクセスのページに最寄り駅やバス停からの道順と駐車場の有無を書きます。
自院のサイトが、どの検索で何番目に出ているか分かりますか
どの検査や治療のページが足りないかは、検索結果と自院のサイトを照らし合わせると分かります。弊社のSEO対策では、狙うキーワードで上位に出ているページを調べ、サイトに足りないページや文章を作り直し、書き足します。最初の無料診断では、サイトが今の検索とGoogleのAI「Gemini」の回答でどう出ているかをお返しします。
クリニックのサイトで使えないSEO記事の書き方
クリニックのサイトでは、一般的なSEO記事でよく使う書き方のうち、次の表の7つが、医療広告等ガイドラインに反するか、条件を満たさないと使えません。医療機関のWebサイトは、2017年に成立した医療法の改正で、2018年6月からチラシや看板と同じく広告規制の対象になりました。症状の解説ページやスタッフブログも、自院のサイトに載せれば規制の対象です。
ガイドラインで制限される書き方の一覧
SEO記事でよく使う書き方 | クリニックのサイトでの扱い |
|---|---|
利用者の声や口コミを載せる | 治療の内容や効果についての体験談は、口コミサイトから転載したものも含めて載せられない |
書き手が自分で試した体験記にする | 院長やスタッフが自分で受けた治療の体験談も、患者の体験談と同じく載せられない |
「日本一」「最高」と書く | 他院より優れていると伝える表現は、事実であっても使えない |
満足度や効果を数字で示す | 調査の方法などの根拠を示さない数字は、虚偽の広告として扱われる |
症状のリスクを強めて受診を促す | 科学的な根拠が乏しいまま「命に関わるので今すぐ受診を」と促すと、誇大な広告になる |
キャンペーンや割引を前に出す | 費用を強調する広告として、ガイドラインで慎むべきとされている |
治療の前後の写真を載せる | 治療の内容・費用・期間と回数、主なリスクと副作用の詳しい説明を写真と同じページに書き、問い合わせ先を示した場合だけ載せられる |
公開前の原稿の確かめ方
外注した原稿や院内で書いた記事は、公開の前に、表の7つに当たる文がないかを確かめます。とりわけ見落とされがちなのが、院長が自分で施術を受けてみた体験記です。厚生労働省の事例解説書は、医療機関のスタッフ自身の体験談も、患者の体験談と同じく認められない例に挙げています。
治療の前後の写真に付ける説明を、リンク先の別ページに置いたり、利点の説明より極端に小さな文字で書いたりする形は、ガイドラインで認められていません。
ガイドラインの本文と、Webサイトの違反の例を図で示した事例解説書は、厚生労働省の広告規制のページから読めます。

※ 出典:厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」
クリニックのSEOの効果が出る時期と確かめ方
クリニックのSEOの効果は、ページを公開したり直したりしてから、数週間以上たって確かめます。Googleは、変更が検索結果に反映されるまでに数時間から数か月かかるとし、数週間待ってから効果を確かめるよう勧めています。ただし、Googleの同じページによると、変更すれば必ず目に見える変化が出るわけではありません。
Search Consoleは、自院のサイトがGoogle検索で表示された回数とクリックされた回数を、キーワードごと・ページごとに見られるGoogleのツールです。効果を確かめるときは、1つのキーワードの順位を追うより、次の3つの数字を見ます。
見る数字 | 見る場所 | わかること |
|---|---|---|
トップページと診療ページの表示回数とクリック数 | Search Consoleの検索パフォーマンスのレポート | 地域の患者が使うキーワードで、ページが見られ始めたか |
ページが表示されたキーワード | 同じレポートのクエリの一覧 | 狙った検査や治療の名前で表示されているか |
予約ボタンと電話番号が押された回数 | アクセス解析ツール | 診療ページを読んだ人が予約に進んだか |
院内のパソコンで自院の順位を検索して確かめると、医院のすぐ近くから検索した結果になります。Googleマップの欄に出る医院は、検索する人と医院の距離でも変わるため、離れた地域に住む患者には違う順番で表示されることがあります。
クリニックのSEOを外注するときの分担
クリニックのSEOを外注するときは、キーワードの調査と原稿の下書きを外注先に任せ、診療の情報と公開前の確認を院内に残します。検査の流れや費用、リスクの説明が正しいかは、医師にしか確かめられないためです。
原稿を外注しても、自院のサイトに載せる広告の責任は医院にあります。医療広告の規制は誰にでも適用され、厚生労働省のQ&Aは、広告を作った広告代理店なども是正を命じられたり罰則を科されたりすることがあるとしています。
契約の前に、外注先に次の4つを確かめます。
- 医療機関のサイトを手がけた実績を見せてもらえるか
- 成果が出る時期と、成果を何の数字で測るかを説明できるか
- 検索順位を保証すると言っていないか
- 公開の前に医師が原稿を確かめる工程を組めるか
Googleも、SEO業者に同業種での実績や成果の測り方を聞くよう勧め、掲載順位を保証すると主張する業者には注意するよう呼びかけています。医療の記事の依頼先の選び方は、医療の記事制作を外注で成功させる方法で解説しています。
診療ページの原稿づくりを、院内だけで回せていますか
扱う検査や治療が多いほど、書くページも、医師が確かめる原稿も増えます。弊社の記事コンテンツの制作支援では、キーワードの設計から、ライターと監修者の分担、公開前の確認の流れまでを組んで記事を制作します。医療を含むさまざまな業界の記事を手がけています。
クリニックのSEOでよくある質問
クリニックのSEOについて、よく聞かれる質問は3つあります。
ポータルサイトに載っていれば十分?
ポータルサイトへの掲載だけでは足りません。本記事で調べた地域名を含む8つの検索では、上位10件に入ったポータルサイトは0件から3件で、残りの多くはクリニックや病院自身のページでした。ポータルサイトに載せている診療時間や休診日は、自院のサイトとGoogleビジネスプロフィールの表記と合わせておきます。
SEOとリスティング広告はどう使い分ける?
リスティング広告は、開院の直後のように、自院のページがまだ上位に入らない期間に使います。医療広告等ガイドラインによると、検索結果にスポンサーとして出る広告は、広告できる事項より詳しい情報を載せる条件(限定解除)を満たしません。スポンサーとして出る広告文には広告できる事項しか書けないので、治療の詳しい説明は、広告からつながる自院の診療ページに書きます。
ホームページを作り直さないとだめ?
ホームページを作り直さなくても、タイトルの書き換えと診療ページの追加は、今のサイトでできます。ページを足すたびに制作会社へ頼む必要があるサイトでは、追加にかかる費用と、作り直して院内で更新できるようにする費用を比べて決めます。
まとめ|クリニックのSEOは記事の数より診療ページ
クリニックのSEOは、症状のコラムを増やす前に、地域の患者が検索するキーワードに合わせて、トップページと検査や治療ごとの診療ページを整えるところから始めます。体験談や「日本一」に頼らず、診療の事実を書いたページで上位を狙います。
私たち合同会社Writers-hubは、記事コンテンツの制作支援と、SEO対策を手がけています。クリニックのサイトに足りないページの洗い出しから、診療ページの原稿づくりまでをご相談いただけます。
扱っている検査や治療のうち、まだページが無いものはいくつありますか
扱っている検査や治療を書き出し、それぞれ「検査名 地域名」で検索したとき、自院のページが上位10件に入っていないものが、これから作るページの候補です。ホームページのURLと、患者を増やしたい検査や治療をお知らせいただければ、どのページから作るかを一緒に確かめます。







