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エンティティSEOの意味と対策|社名や著者の情報をそろえる手順

エンティティSEOは、構造化データを足す前に、社名と著者名、サービス名とその説明を、サイトの内外で1つの書き方にそろえるところから始めることをおすすめします。会社概要と記事の著者欄、外部のプロフィールで書いてある事実が食い違っていると、構造化データを入れても、どれが正しい情報かが1つに決まらないためです。

中央に会社のアイコンを置き、自社サイトの会社概要、著者ページ、構造化データと、SNSやGoogleビジネスプロフィールなど外部のプロフィールから、同じ社名と説明が中央へ集まる様子を線で示した図。

「エンティティSEOは、構造化データのコードを書ける人がやる技術的な対策」。エンティティSEOという言葉を初めて聞いたWeb担当者には、そう受け止められることがよくあります。エンティティはもともとデータベースの設計で使われてきた言葉で、ナレッジグラフや構造化データといった検索エンジンの仕組みと一緒に語られることが多いためです。

しかし、これまで多くの企業のオウンドメディアで記事の制作に携わってきた弊社の立場から言えるのは、エンティティSEOで先に直したいのは、社名や著者の名前と説明のずれだということです。記事ごとに社名の書き方が違い、著者紹介の肩書きもばらばらなサイトでは、構造化データを入れても、サイトに書いてある事実どうしが食い違ったまま残ります。

本記事では、エンティティの意味とキーワードとの違いから、認識してもらう手順、認識されているかの確かめ方まで、記事を制作する立場で順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • エンティティは人物、組織、商品など他と区別して特定できる対象で、検索窓に打つ文字列であるキーワードとは別のもの
  • エンティティSEOはGoogleが公表した施策名ではなく、自社や著者についての事実を取り違えなく伝える取り組みの呼び名
  • 構造化データを入れる前に、社名と著者、サービスの書き方を決め、会社概要と著者ページに事実を書く
  • 記事制作では、書き手ごとの表記の違いと、名称を変えたあとに残る古い記事がずれの原因になる
  • 認識されているかは、社名での検索結果、Googleトレンドの入力候補、AI検索の回答で確かめられる

エンティティSEOとは何か

エンティティSEOとは、自社や著者、サービスといった対象を、検索エンジンが同じ名前の別の対象と取り違えず、正しい事実と結びつけて認識できるようにする取り組みです。エンティティ(entity)は英語で「独立して存在するもの」を意味し、SEOでは人物、組織、場所、商品、概念のように、他と区別して特定できる対象を指します。

エンティティSEOは、Googleが順位の仕組みとして公表している施策の名前ではなく、SEOの実務で使われている呼び名です。エンティティSEOの施策は、Googleが公表しているナレッジグラフの仕組みと、構造化データや著者情報の書き方をもとに組み立てられています。構造化データは、ページの内容を検索エンジンが読み取れる形式で書いたコードです。

キーワードとエンティティの違い

キーワードは検索窓に打たれた文字列で、エンティティは文字列が指している対象です。同じ文字列が別々の対象を指すことも、別々の文字列が同じ対象を指すこともあります。

比べる点

文字列(キーワード)で見る場合

対象(エンティティ)で見る場合

何を指すか

検索窓に打たれた文字の並び

文字が指している人物、組織、商品などの対象

同じ文字列が別の対象を指すとき

1つの文字列として扱う

対象ごとに分けて扱う

別の表記や別の言語で書かれたとき

別々の文字列として扱う

同じ対象としてまとめる

Googleが2012年にナレッジグラフを発表した記事には、「taj mahal」という検索語の例が挙げられています。「taj mahal」は、インドの建造物のほか、同じ名前の音楽家やカジノ、レストランを指すこともあります。文字列だけを見ていると4つの対象を区別できませんが、対象として扱えば、どの対象についての検索かを分けて考えられます。

1つの検索語が複数の対象を指し、対象ごとに事実が結びつく様子を示した図

ナレッジグラフとナレッジパネル

ナレッジグラフは、Googleが人物や組織、場所などのエンティティと、エンティティどうしの関係を集めたデータベースです。Googleは2012年の発表で、検索語を文字列でなく対象として理解する狙いを「things, not strings」と表現しました。

ナレッジパネルは、ナレッジグラフの情報をもとに社名や人物名の検索結果に表示される情報の枠で、パソコンでは検索結果の右側に出ます。Googleの2020年の記事によると、ナレッジパネルはWeb上の情報源やデータベースをもとに自動で作られます。

Introducing the Knowledge Graph: things, not strings
We hope this will give you a more complete picture of your interest, provide smarter search results, and pique your curiosity.
🌐 blog.google
外部リンク

※ 出典:Google「Introducing the Knowledge Graph: things, not strings」(2012年5月16日)

エンティティがSEOに関わる3つの場面

エンティティがSEOに関わるのは、検索語が指す対象を見分けるとき、書いた人と運営者の信頼性を判断するとき、検索結果やAIの回答に情報を出すときの3つの場面です。

検索語が指す対象を見分ける場面

検索語が指す対象を見分けるには、ページの側にも、どの対象について書いたかを特定できる情報が要ります。社名だけでなく業種や所在地、人物なら肩書きや所属が書かれていれば、同じ名前の別の会社や人と区別できます。

区別できる情報を書く必要が大きいのは、社名が一般的な言葉と同じ会社や、同じ名前の会社がほかの地域にある会社です。社名がほかと重ならない会社なら、社名と事業内容が書かれていれば取り違えは起きにくいと見ています。

書いた人と運営者の信頼性を判断する場面

書いた人と運営者の信頼性を判断するには、著者と運営者が誰なのかを、読者と検索エンジンが特定できることが前提になります。Googleは有用で信頼性の高いユーザー第一のコンテンツの作成で、コンテンツの著者が誰かを明確にし、署名から著者の経歴や専門分野を書いたページへリンクすることを勧めています。同じページには、E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)自体はランキングに直接影響する要因ではないとも書かれています。

著者の名前と経歴がサイトの内外で一致していれば、著者が書いた記事や外部での活動を、同じ1人の情報として結びつけやすくなるはずです。E-E-A-Tの考え方はE-E-A-Tとは?Googleの評価基準の基本概念で扱っています。

ナレッジパネルとAI検索の回答

ナレッジパネルやAI検索の回答には、Web上から集められた社名や所在地、事業内容などの事実が使われます。組織の構造化データで指定したロゴは、検索結果とナレッジパネルに表示されるロゴに影響すると、Googleの説明ページに書かれています。

AI検索の回答は複数のWebページの情報を組み合わせて作られるため、社名や事業の説明がページごとに違うと、別会社や古い情報が混ざることがあります。

エンティティを認識してもらう5つの手順

エンティティを認識してもらう手順は5つあり、書き方を決めてページに事実を書いてから、構造化データやSNSの公式アカウント、記事の本文で同じ事実を示します。

サイトの内外で同じ社名と説明がそろっている様子を示した図

名前と説明の書き方を1つに決める

名前と説明の書き方は、社名とサービス名、著者名のそれぞれについて、サイトの内外で使うものを1つに決めます。決めておく項目は次の6つです。

  • 正式な社名(「株式会社」を前に付けるか後に付けるかまで)
  • 略称と英語表記、それぞれを使う場面
  • 会社が何をしているかを一文で言う説明
  • サービス名と、何をするサービスかを一文で言う説明
  • 著者の名前の表記(漢字とローマ字)と肩書き
  • 所在地、設立年、代表者名の書き方

同じ会社を指す表記が、カタカナ、英語、略称でページごとに割れていると、同じ会社のことだと読み取れるかは検索エンジンの推測に任されます。決めた書き方は、社内と外注先の書き手が参照できる表記ルールにまとめておきます。

会社概要と著者ページに事実を書く

会社概要のページと著者ページには、表記ルールどおりの社名や著者名で、会社と著者の事実を書きます。会社概要には正式な社名、所在地、設立年、代表者名、事業内容、連絡先を、著者ページには名前、経歴、担当している分野、SNSの公式アカウントなどへのリンクを書きます。

構造化データより先にページへ書くのは、Googleのガイドラインに沿うためです。ガイドラインでは、構造化データはページの内容を正確に表す必要があり、読者に表示されない内容はマークアップしないよう定められています。

構造化データで同じ事実を記述する

構造化データに書く社名や所在地、著者名などの事実は、会社概要と著者ページの表記にそろえます。会社の情報は、トップページか会社概要のページに組織(Organization)の構造化データとして入れ、全ページに入れる必要はありません。

組織の構造化データに必須の項目はなく、Googleは組織に当てはまる項目を足すよう案内しています。社名をほかの会社と区別するために書いておきたいのは、社名(name)、サイトのURL(url)、ロゴ(logo)、SNSの公式アカウントなどのURL(sameAs)です。

JSON
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "Organization",
  "name": "株式会社〇〇",
  "alternateName": "〇〇",
  "url": "https://www.example.com/",
  "logo": "https://www.example.com/logo.png",
  "sameAs": [
    "https://www.facebook.com/example",
    "https://www.instagram.com/example"
  ]
}

記事の著者は、記事(Article)の構造化データのauthorに、人物(Person)の種類と著者ページのURLを書きます。Googleは、著者を正しく認識しやすくするために種類とURL(またはsameAs)を使うことを強く勧めていて、nameには名前だけを書くよう求めています。構造化データを正しく入れても、検索結果に表示されるとは限りません。

組織のスキーマ マークアップ | Google 検索セントラル | Documentation | Google for Developers
Organization マークアップを使用すると、組織に関する管理情報の詳細(住所、連絡先情報、ビジネス ID など)を Google に知らせることができます。
🌐 developers.google.com
外部リンク

※ 出典:Google 検索セントラル「組織(Organization)の構造化データ」

書き方の詳細はschema.orgとは?構造化データが効くページと書き方を解説で扱っています。

外部のプロフィールを同じ内容にそろえる

自社サイトの外に載っている会社や著者の情報も、表記ルールどおりにそろえます。対象になるのは、SNSの公式アカウント、Googleビジネスプロフィール、業界団体の会員名簿、取引先や掲載されたメディアの紹介ページです。

外部のプロフィールのURLを一覧にしておくと、移転や名称変更のたびに直す先を探さずに済みます。自社で管理しているアカウントのURLは、組織の構造化データのsameAsにも書きます。店舗や事務所の情報を検索結果に出すGoogleビジネスプロフィールは、ナレッジパネルとは別の手続きで、オーナー確認をしてから管理します。

記事で固有名詞を明記し関連ページをつなぐ

記事の本文では、対象を特定できるように固有名詞で書き、同じ対象を扱う記事どうしを内部リンクでつなぎます。「大手検索エンジン」「ある解析ツール」とぼかさず、「Google」「Googleサーチコンソール」と固有名詞で書きます。

同じ対象を扱う記事どうしと、記事からサービスページや著者ページへは、内部リンクでつなぎます。内部リンクの文字列にも「こちら」ではなく、リンク先が扱う対象の名前を入れます。

会社概要や外部のプロフィールで、社名や説明の書き方が割れていませんか

弊社では、会社概要、著者ページ、構造化データ、外部のプロフィールで社名や事業の説明がどう書かれているかを洗い出し、直す順番をまとめます。今のサイトのURLと、検索で見つけてほしい社名やサービス名をお聞かせください。

記事制作で社名や著者の情報がずれる原因

記事制作で社名や著者の情報がずれる原因は、次の3つです。複数の書き手や外注先が記事を書くサイトほど、3つの原因が重なります。

ずれ方

原因

防ぎ方

記事ごとに社名やサービス名の書き方が違う

表記ルールを書き手に渡していない

表記ルールを原稿の指示書に入れ、公開前の確認項目にする

著者の肩書きや経歴が記事ごとに違う

著者紹介を記事ごとに書いている

著者ページを1つ作り、記事の著者欄には著者ページの内容を表示する

古いサービス名や住所が過去の記事に残る

名称を変えたときにサービスページだけを直している

変更のたびにサイト内を旧名称で検索し、記事もまとめて直す

とりわけ見落とされがちなのが、名称を変えたあとに残る古い記事です。サービスページと会社概要はすぐに直しても、過去の記事の本文や著者紹介に古い名前が残ると、サイトの中に同じ対象を指す2つの名前が並びます。

記事ごとに社名の書き方が違う状態と、表記ルールで1つにそろえた状態を比べた図

表記ルールは、作って共有するだけでは守られません。表記がそろうのは、ルールが指示書と公開前の確認項目の両方に入っているときだと見ています。書き手は指示書を見て書き、書き手が見落とした表記は公開前の確認で直せるためです。

外注先や社内の書き手ごとに、社名やサービス名の書き方が違っていませんか

弊社では、表記ルールと著者情報の管理方法を原稿の指示書と公開前の確認項目に組み込み、複数の書き手が書いても社名や著者の情報がそろう制作の流れを一緒に作ります。今の書き手の人数と、原稿が公開されるまでの確認の順番をお聞かせください。

エンティティとして認識されているかの確かめ方

エンティティとして認識されているかは、次の3つの方法で確かめられます。どれもGoogleが認識の有無を示す公式の方法ではないため、3つを合わせて判断します。

確かめ方

見るところ

社名やサービス名でGoogle検索する

ナレッジパネルが出るか、1ページ目に同じ名前の別会社の情報が混ざっていないか

Googleトレンドの検索窓に社名を入れる

入力候補に、社名が「企業」などの種類つきのトピックとして出るか

AI検索で「〇〇はどんな会社か」と聞く

回答に同じ名前の別会社の情報や、古い社名や住所が混ざっていないか

Googleトレンドでは、検索キーワードは打たれた文字列そのものを、トピックは表記や言語が違っても同じ概念を指す語のまとまりを表します。AI検索の回答は聞くたびに変わることがあるため、1回の回答で判断せず、日を変えて何度か確かめます。

経営者経営者

自社名で検索しても、ナレッジパネルが出ません。エンティティとして認識されていないということでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

そうとは限りません。ナレッジパネルは自動で作られ、表示される条件も細かく公開されていないため、出ないことだけでは判断できません。社名で検索して自社サイトが上位に出ていて、同じ名前の別会社の情報が混ざっていなければ、次は会社概要と外部のプロフィールの書き方がそろっているかを確かめてください。

エンティティSEOのよくある質問

構造化データを入れればナレッジパネルは表示されますか

構造化データを入れても、ナレッジパネルが表示されるとは限りません。Googleは、構造化データが検索結果に表示されるとは限らないと説明しており、ナレッジパネルもWeb上の情報をもとに自動で作られます。

Wikipediaに載っていないとエンティティとして認識されませんか

Wikipediaに載っていない会社も、エンティティとして認識されることはあります。Googleは2020年の記事で、ナレッジグラフの情報源としてWikipediaを含むWeb上の数百の情報源を挙げています。なお、Wikipediaは自分自身や自分の会社についての記事を作ることを基本的に推奨していないため、自社で記事を作って載せる方法は勧められません。

エンティティSEOとE-E-A-Tはどう違いますか

E-E-A-Tはコンテンツや書いた人の経験、専門性、権威性、信頼性をどう見るかという考え方で、エンティティSEOは書いた人や運営者が誰なのかを取り違えなく伝える取り組みです。書いた人が特定できなければ、経験や専門性を示す情報も、本人の情報として結びつきません。

まとめ|エンティティSEOは情報をそろえる施策

エンティティSEOは、自社や著者、サービスを、検索エンジンが同じ名前の別の対象と取り違えず、正しい事実と結びつけて認識できるようにする取り組みです。エンティティSEOは、施策を足すより社名と著者の情報をそろえる作業から始まります。まずは社名とサービス名、著者名の書き方を決め、会社概要と著者ページに同じ書き方で事実を書くところから手を付けてください。

私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作と、検索やAI検索で自社の情報が正しく扱われるための支援を行っています。社名や著者の情報がどのページにどう書かれているかを整理する段階からご相談いただけます。

自社の社名や著者の情報が、サイトの内外でそろっているか確かめてみませんか

社名やサービス名、著者の情報がどのページにどう書かれているかを伺い、先に直すページと構造化データの入れ方をご提案します。相談は無料です。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

読んで終わりにしないために

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