「ホームページ制作の相場さえ分かれば、届いた見積もりが高いか安いかを判断できるはず」。相場の表に並ぶ金額も見積書の合計も、公開までに払う制作費が中心なので、その金額どうしを比べれば足りると思われがちです。ところが、ホームページは公開した後も月額や更新の費用がかかり、自分で直せば店の時間も使います。見積もりは制作費ではなく、2年でかかる総額と、その間に返ってくる予約や問い合わせで比べます。
本記事では、自分の店の数字で2年の総額を出す式から、月に何人来れば元が取れるかの出し方まで、ホームページを作る側の視点で順を追ってお伝えします。
- 2年の総額は「制作費+月額×24+更新を頼む費用×回数+サーバーとドメインの費用」で出す
- 自分の時間は「作業時間×1時間あたりの売上」で金額に直して足す
- 支払いだけなら自作が安く見えても、自分の時間を足すと順番が入れ替わることがある
- 元が取れる1か月の人数は「2年の総額÷24÷お客さん1人あたりの粗利」で出す
- 見積書では、ページ数、文章と写真の用意、公開後の修正の料金、ドメインの名義を確かめる
制作費の相場に入っていない費用
制作費の相場に入っていないのは、公開した後にかかる費用と、店主が作業に使う時間です。相場の早見表は、ページ数や依頼先ごとに、公開までに払う制作費の幅を示したものが中心です。
制作費のほかに、2年でかかる主な費用と時間は次の4つです。
- 月額の費用:保守や更新の作業を、月ごとに払う契約の費用
- 更新を頼む費用:月額に含まれない直しを、頼むたびに払う費用
- サーバーとドメインの費用:サイトを公開しておくために、毎年か毎月払う費用
- 自分の時間:文章と写真の用意、打ち合わせ、自分で直す作業に使う時間
ドメインはサイトのURLの「〇〇.jp」にあたる部分で、サーバーはサイトのデータを預けておく場所です。

自分の時間は、どの見積書にも載りません。文章と写真を店で用意する場合や、公開後に自分で直す場合は、その時間を金額に直して足します。
制作費がいちばん安い見積もりを選べば、結局いちばん安く済むのではないでしょうか。
編集部
公開するまでに払う額だけなら、そのとおりです。ただ、更新を頼むたびに料金がかかる契約では、2年で払う額が制作費の差を上回ることがあります。どの見積もりが安いかは、2年分を足してから決めます。
2年の総額と自分の時間で比べる理由
見積もりを2年の総額と自分の時間で比べるのは、払い方の違う頼み方を、同じ期間と同じ単位にそろえて並べるためです。制作費を一度に払う形と月額で払う形は、期間を区切らないと、どちらが多く払うのか比べられません。
期間を2年にするのは、月額で払う契約には最低2年のように契約期間を決めたものがあり、サイトから来る予約を数える期間も要るためです。SEOの効果が出るまでには一般に3〜6か月ほどかかりますが、検索結果に出る時期や順位の変化は、サイトの状態や同じ地域の競合で変わります。2年あれば、効果が出始めた後の予約や問い合わせも数えられます。

自分の時間を足すのは、自分で作る方法や自分で直す方法では、払うお金が減る代わりに使う時間が増えるからです。お金だけで比べると、時間を使う方法ほど安く見えます。
2年の総額と自分の時間を出す式
2年の総額と自分の時間は、見積書の金額と店の数字を、次の2つの式に入れて出します。式に入れる金額は、税込か税別のどちらかにそろえます。
支払いの2年の総額を出す式
支払いの2年の総額は、見積書から拾った4つの金額を足して出します。
2年の総額=制作費+月額×24+更新を頼む費用×回数+サーバーとドメインの費用
記入例は、制作費が30万円で、更新を頼むたびに料金がかかる見積もりを式に入れたものです。
式の項目 | 見積書で見る欄 | 記入例 |
|---|---|---|
制作費 | 初期費用、制作費の合計 | 30万円 |
月額×24 | 月額、保守費 | 0円 |
更新を頼む費用×回数 | 修正や更新の1回の料金 | 5,000円×24回=12万円 |
サーバーとドメインの費用 | サーバー代、ドメイン代 | 2万円×2年=4万円 |
2年の総額 | 上の4つの合計 | 46万円 |
※ 金額は式の使い方を示すための仮の数字で、相場ではありません。届いた見積書の金額に入れ替えて計算してください。
更新を頼む回数は、去年メニューや料金、休みの案内を変えた回数から見積もります。月に1回変えていれば、2年で24回です。見積書の項目をどの欄に入れるかは、ホームページの作成費用は2年の総額で比べるで詳しく紹介しています。
自分の時間を金額に直す式
自分の時間は、作業にかかる時間に、自分の1時間あたりの売上を掛けて金額に直します。
自分の時間の費用=作業時間×1時間あたりの売上
1時間あたりの売上は、1か月の売上を、1か月に店を開けている時間で割って出します。月の売上が90万円で、月に180時間店を開けているなら、1時間あたり5,000円です。売上を使うのは、店を開けて働ける1時間をホームページの作業に回すと考えるためです。
作業時間には、文章と写真の用意や打ち合わせ、公開後に自分で直す時間などを入れます。制作会社に頼む場合も、文章と写真の用意と打ち合わせの時間はかかります。記入例の見積もりで作業時間が12時間なら6万円で、2年の総額46万円に足すと52万円です。
買い切り・月額制・自作の2年の総額
買い切り・月額制・自作の3つの頼み方は、2年の総額のうち、お金で払う分と自分の時間で払う分の割合が違います。買い切りは制作費をまとめて払って作ってもらう形、月額制は制作費を月額に含めて払う形、自作はホームページ作成サービスなどを使って自分で作る形です。
3つの頼み方でかかる費用と時間
3つの頼み方でかかる費用と時間は、次の表のように分かれます。
| 買い切りで頼む | 月額制で頼む | 自分で作る | |
|---|---|---|---|
| 最初に払う額 | 制作費をまとめて払う | 0円の契約がある | 作成サービスの初期費用だけ |
| 毎月か毎年払う額 | サーバーとドメインの費用 | 月額 | 作成サービスとドメインの費用 |
| 公開後の直し | 頼むたびに払うか、自分で直す | 月額の範囲で頼むか、自分で直す | すべて自分で直す |
| 自分の時間 | 文章と写真の用意、打ち合わせ | 文章と写真の用意、打ち合わせ | 作る時間と直す時間のすべて |
| 2年後のサイト | ドメインの名義と、データを渡す契約かで決まる | 契約が終わった後の扱いで決まる | 作成サービスを続ける間は使える |
記入例で並べた2年の総額
記入例で並べた2年の総額は、支払いだけなら自作が最も少なく、自分の時間を足すと月額制が最も少なくなります。1時間あたりの売上を5,000円として、3つの頼み方を同じ式に入れると次のとおりです。
2年の総額の内訳 | 買い切りで頼む | 月額制で頼む | 自分で作る |
|---|---|---|---|
制作費 | 30万円 | 0円 | 0円 |
月額×24 | 0円 | 1万5,000円×24=36万円 | 2,500円×24=6万円 |
更新を頼む費用×回数 | 12万円 | 0円 | 0円 |
サーバーとドメインの費用 | 4万円 | 月額に含む | 月額に含む |
支払いの合計 | 46万円 | 36万円 | 6万円 |
自分の時間 | 12時間=6万円 | 24時間=12万円 | 86時間=43万円 |
2年の総額 | 52万円 | 48万円 | 49万円 |
※ 金額と時間は式の使い方を示すための仮の数字で、相場ではありません。
自分の時間は、頼む2つの方法では、文章と写真の用意と打ち合わせの12時間です。月額制には、管理画面(文章や写真を差し替える画面)で月に1回30分直す時間を2年分足しています。自作は、操作を覚える時間を含めて作るのに50時間、公開後の直しに月1回1時間半かかる前提で計算しています。
ただし、月額制と自作の差は1万円です。どれが安いかは、自分の1時間あたりの売上で変わります。1時間あたりの売上が2,500円の店なら、自作の時間の費用は21万5,000円で、2年の総額は27万5,000円と3つの中で最も少なくなります。
月額制の列に入れる金額を、契約の中身から確かめたいですか
月額制の2年の総額は、月額にサーバーとドメインの費用が含まれるかと、公開後の直しを誰がするかで変わります。当社の小さなお店向けのホームページ制作は、お店が管理画面で文章や写真を差し替える作りで、毎月30分までの打ち合わせがあります。サービスのページは滋賀のお店向けの案内ですが、県外のお店にはオンラインで対応しています。
予約1件あたりの費用と元が取れる人数
ホームページの費用が店に見合うかは、元が取れる人数と、サイトから来る予約と問い合わせの1件あたりの費用を出して判断します。見積もりを頼む前には元が取れる人数を出し、公開した後は1件あたりの費用を毎月出します。
元が取れる1か月の人数
元が取れる1か月の人数は、2年の総額を24で割った1か月の費用を、お客さん1人あたりの粗利で割って出します。
元が取れる1か月の人数=2年の総額÷24÷お客さん1人あたりの粗利
粗利は、1回の会計の額から、材料費や仕入れのようにその会計のためにかかった費用を引いた額です。記入例の月額制の48万円なら1か月2万円で、客単価6,000円から材料費2,000円を引いた粗利4,000円で割ると、月5人です。

2年のうちに何度も通うお客さんが多い店は、1回分の粗利で割ると、元が取れる人数を多めに見積もります。1人が2年で通う回数を粗利に掛けてから割ると、店に合った人数になります。元が取れる人数が分かれば、見積もりの額が店に見合うかを判断できます。
公開後に出す予約1件あたりの費用
公開した後は、1か月の費用を、その月にサイトから来た予約と問い合わせの数で割って、1件あたりの費用を出します。1か月2万円で8件なら、1件あたり2,500円です。
サイトを見て来たお客さんかどうかは、どうやって見分ければよいのでしょうか。
編集部
予約の電話や来店の受付で「何を見て知りましたか」と1つ聞けば数えられます。予約フォームや問い合わせフォームから届いた分は、届いた件数をそのまま数えます。
公開した直後は、件数が少なく出ます。元が取れるかは、公開直後を含む2年間の累計の件数で判断します。
チラシや予約サイトの1件あたりの費用
チラシや予約サイトも、かけた費用をそこから来た人数で割ると、ホームページと同じ1件あたりの費用で比べられます。チラシなら、印刷と配る費用をチラシを見て来た人数で割ります。予約サイトなら、1か月の掲載料と手数料を予約サイトから来た人数で割ります。
来る件数が増えたときに1件あたりの費用がどう動くかも、手段によって違います。月額や年額で費用が決まっているホームページは、来る件数が増えるほど1件あたりの費用が下がります。チラシは配るたびに費用がかかり、予約1件ごとに手数料がかかる予約サイトの契約では、件数が増えるほど払う額も増えます。
見積もりを頼む前の準備と任せる場合
ホームページ制作の見積もりを頼む前に準備するのは、自分で引き受ける作業の線引きと、見積書で確かめる4つの項目です。手が回らないときは、作業ごと任せる方法もあります。
自分で引き受ける作業の線引き
自分で引き受ける作業は、文章と写真の用意と、公開後の直しの2つから決めます。どちらを自分でするかで、2年の総額の式に入る金額と、自分の時間の両方が変わります。依頼の文に「文章と写真は店で用意する」「公開後の直しは自分でしたい」のように書くと、各社から同じ前提の見積もりが届きます。
見積書で確かめる4つの項目
見積書が届いたら、式に入れる前に、ページ数、文章と写真を誰が用意するか、公開後の修正の料金、ドメインの名義の4つを確かめます。依頼の文に4つを書いておけば、届いた見積書をそのまま同じ表に並べられます。
- ページ数:制作費が何ページ分で、ブログやお知らせの記事を1ページと数えるか
- 文章と写真:誰が用意し、店が用意するならどれだけの量か
- 公開後の修正の料金:月額で直してもらえる回数と、超えた分の1回の料金
- ドメインの名義:誰の名前で登録し、契約が終わった後も同じURLを使えるか
手が回らない場合の任せ方
数字を集めて式に入れる時間が取れないときや、ホームページの作業そのものを手放したいときは、制作から公開後のサポートまでを月額でまとめて任せる方法があります。
私たち合同会社Writers-hubの小さなお店向けのホームページ制作は、10ページまでのサイトを、地域名と業種で探す人に見つかり、AIの回答に出る作りにします。ブログやお知らせの個別のページは、10ページに数えません。お店が管理画面で文章や写真を差し替えられる作りにし、毎月30分までの打ち合わせを行います。サイトを作るときに、Googleマップの店の情報もサイトと同じ店名・住所・営業時間・料金にそろえます。
2年後にサイトとドメインがお客様のものになり、運用を続ける場合は月額5,000円か年5万円(税別)です。途中で解約するときは、制作費の残りを払います。打ち合わせはオンラインのほか、彦根市とその周辺は訪問もでき、県外はオンラインで対応します。
見積もりは、制作費の相場ではなく、2年でかかる総額と、その間に返ってくる予約や問い合わせで比べます。計算の式は、どの会社に頼む場合にも使えます。当社の料金(初期費用0円・月額19,800円、税別・最低2年)で同じ計算をしたい場合は、数字を持って相談してください。
自分の店の数字で、月に何人来れば元が取れるかを出してみますか
1時間あたりの売上とお客さん1人あたりの粗利、届いている見積もりの金額をお持ちいただければ、当社の料金で出した2年の総額と並べて、元が取れる人数を出す計算について相談できます。サービスのページは滋賀のお店向けの案内ですが、県外のお店にはオンラインで対応しています。







