「ドメインをそのまま使うなら、新しいWordPressのサイトを作って入れ替えるだけで済みそう」。ホームページのアドレスが変わらないので、ドメインには何の手続きも要らないと思われがちです。ところが、サーバーも移すリニューアルでは、ドメインのDNSの設定を新しいサーバーへ向け直す必要があり、その変更はドメインの名義を持つ人か、管理を任された人でなければ進められません。前の制作会社がドメインを取っていたなら、手順に入る前に、名義と管理者が誰かを確かめます。
本記事では、ドメインの名義と管理者の調べ方から、WordPressで作り直して切り替える手順、URLが変わるページの転送まで、小さなお店のホームページ制作を請け負う会社の視点で順を追ってお伝えします。
- ドメインをそのまま使っても、サーバーを移すならDNSの設定を新しいサーバーへ向け直す
- 名義は.jpならJPRS WHOIS、.comなどならICANN Lookupで調べ、管理者は管理画面に入れる人で確かめる
- 名義や管理が前の制作会社にあるときは、ネームサーバーの変更を頼むか、名義と管理会社を自社に移す
- URLが変わるページは、旧URLから新URLへ301リダイレクトで転送し、1年以上残す
ドメインをそのまま使うリニューアルの2つの型
ドメインをそのまま使うリニューアルは、サーバーを今のまま使うか、新しいサーバーへ移すかで、次の表の2つの型に分かれます。どちらの型でもドメインの契約は変えず、サーバーも移す型でだけ、ドメインのDNSの設定を変えます。
型 | 切り替えで変えるもの | 使う管理画面 |
|---|---|---|
同じサーバーで作り直す | WordPressの設定、ファイルの置き場所 | サーバー、WordPress |
サーバーも移す | ファイルとデータベースの置き場所、DNSの設定 | サーバー、WordPress、ドメインかDNS |
DNSには、ドメインのWebサイトがどのサーバーにあるかと、メールをどのサーバーに届けるかが記録されています。Webサイトの行き先の記録を新しいサーバーに書き換えるには、ドメインかDNSの管理画面に入れる人が要ります。

静的なHTMLで作ったサイトをWordPressに移すときは、どちらの型でも、ページのURLが変わることがあります。
手順の前に確かめるドメインの名義と管理者
ドメインの名義と管理者を手順の前に確かめるのは、ネームサーバーの変更も名義の移転も、ドメインの管理会社を通じて申し込むからです。JPドメイン名では、申請はすべて指定事業者が取り次ぎ、JPRS(株式会社日本レジストリサービス)に直接申し込むことはできません。
名義は、ドメインを登録した組織や人のことで、JPRSは「登録者」と呼んでいます。ドメインの管理会社は、ドメインの登録と更新を取り次ぐ会社で、JPドメイン名では管理指定事業者、.comなどではレジストラと呼ばれます。管理者は、管理会社の管理画面に入って、設定の変更や更新を申し込める人です。
前の制作会社がドメインを取っていた場合、名義が制作会社のままだったり、管理画面のアカウントを制作会社が持っていたりすることがあります。
ドメインの名義の調べ方
ドメインの名義は、ドメインの末尾ごとに、次の表の検索の画面で誰でも調べられます。
ドメインの末尾 | 調べる画面 | 表示されるもの |
|---|---|---|
.jp、.co.jpなど | 登録者の名前、ネームサーバー、有効期限 | |
.com、.netなど | レジストラの名前、ネームサーバー、有効期限 |
JPRS WHOISに表示される項目には、管理指定事業者の名前は含まれません。末尾が.jpだけの汎用JPドメイン名と都道府県型JPドメイン名では、登録者が管理指定事業者を通じて申し込み、登録者の名前を表示しない設定にしていることがあります。.comなどでは、法令やレジストラの方針によって、登録者の名前が伏せられていることがあります。
ドメインの管理者の確かめ方
ドメインの管理者は、管理会社の管理画面に入るIDとパスワードを、社内の誰が持っているかで確かめます。心当たりが無ければ、ドメインの更新の料金を、誰がどの会社に払っているかをたどります。
管理会社がわからないとき、JPドメイン名はドメイン名を添えてJPRSの窓口に問い合わせます。JPRSが管理指定事業者を教えるのは、問い合わせた人が登録者か、登録や技術の連絡の担当者だと確かめられたときだけです。.comなどは、ICANN Lookupの「Registrar」の欄にレジストラの名前が出ます。
確かめた結果は、次の5つにまとめておくと、制作会社やサーバー会社に作業を頼むときにそのまま渡せます。
- 登録者の名前
- ドメインの管理会社
- 管理画面に入れる人
- ネームサーバーの設定先
- 有効期限と更新の支払い先
有効期限がリニューアルの期間中に来るなら、切り替えの日より前に更新を済ませます。
ドメインは前の制作会社に取ってもらいました。JPRS WHOISで見ると、登録者の名前も制作会社でした。このままリニューアルできますか。
編集部
同じサーバーで作り直すなら、名義はそのままでも進められます。サーバーも移すなら、ネームサーバーの変更を制作会社に頼むか、先に名義と管理を自社に移すかを決めてから切り替えます。
名義や管理者が前の制作会社のときの3つの進め方
名義や管理者が前の制作会社のときの進め方は、次の3つです。どれを選ぶかは、制作会社との契約が終わった後も、そのドメインを使い続けるかで決まります。

ネームサーバーの変更の依頼
ネームサーバーの変更の依頼は、名義と管理を制作会社に残したまま、新しいサーバーへの切り替えだけを制作会社に頼む進め方です。名義を移す手続きが要らないので、切り替えの日を制作会社と合わせれば進められます。
契約が終わった後もドメインを使い続けられるかは、制作会社との契約の中身で決まります。契約の終わりに名義やサーバーの契約者がどうなるかは、ホームページの月額管理費の内訳|契約終了後のサイトとドメインの持ち主で紹介しています。
登録者の移転
登録者の移転は、ドメインの名義を制作会社から自社に移す進め方です。JPドメイン名では、登録しているドメイン名を別の会社に移す手続きを「移転申請」と呼び、管理指定事業者を通じて申し込みます。
.comなどでは、今のレジストラに登録者の変更を申し込むと、レジストラが今の登録者に、多くはメールで意思を確かめます。名義が制作会社なら、制作会社がこの確認に答えない限り、変更は進みません。
管理会社の変更
管理会社の変更は、ドメインの管理を、自社が契約する管理会社へ移す進め方です。JPドメイン名では、登録者が今の管理指定事業者から認証コード(AuthCode)を受け取り、移る先の指定事業者に申し込みます。
今の管理指定事業者が登録者に意思を確かめ、登録者が承認すると変更が終わります。JPRSは、手続きに数日かかる場合があるとしており、認証コードの有効期限は、JPRSが作った日の翌日を1日目とした35日後の23時59分59秒です。.comなどでも、レジストラを移すには、今のレジストラが出す認証コードが要ります。
作り直した後のドメインを、自社のものとして持ちたいですか
Writers-hubの「滋賀のホームページ制作」は、小さなお店向けの月額制のホームページ制作で、今あるサイトの作り直しにも使えます。2年たつと、サイトとドメインはお店のものになります。公開した後の文章や写真は、お店が管理画面で差し替えます。
WordPressのリニューアルの5つの手順
ドメインをそのまま使うWordPressのリニューアルは、次の5つの手順で進めます。5つのうち、2つの型で中身が違うのは本番への切り替えだけです。
今のWordPressのファイルとデータベースを、両方とも保存します。ファイルには、WordPressのディレクトリ、画像、プラグインが入ります。
新しいサイトを、今のサイトとは別の場所で作ります。Googleは、IPアドレスで見られる人を限るなどしてテスト環境を作り、テスト用のサイトが検索に登録されないよう noindex を付ける方法を案内しています。
デザインとページを作り、公開の前に、ページ、画像、フォーム、PDFなどのダウンロードを一通り開いて確かめます。フォームは、実際に送って届くかまで確かめます。
同じサーバーなら、WordPressの設定とファイルの置き場所を入れ替えます。サーバーも移すなら、切り替える前に、テスト中に付けた noindex と、robots.txt でクロールを止める設定を外し、そのうえでDNSの設定を新しいサーバーへ向けます。
Search ConsoleのURL検査ツールで、Googleが新しいページを読めるかを確かめます。
Search Consoleの所有権の確認にHTMLファイルを使っているなら、新しいサイトにも同じ確認ファイルを置きます。置き忘れると、切り替えの後にSearch Consoleで所有権の確認が通らなくなります。
同じサーバーでの切り替え方
同じサーバーでの切り替えは、新しいWordPressをサーバーの中の別のフォルダで作り、完成したらトップのURLで表示されるように設定を変える方法です。WordPressの公式ドキュメントにある方法で、ドメインのDNSには触れません。
トップのフォルダにある今のサイトの index.php と .htaccess は、切り替えで上書きされます。作業の前に、別の場所へ保存しておきます。
新しいWordPressを /new というフォルダで作った場合、切り替えの作業は次の3つです。
- 新しいWordPressの「設定」→「一般」で、「サイトアドレス (URL)」をトップのURLに変える
- /new にある index.php と .htaccess を、トップのフォルダへ移さずにコピーする
- コピーした index.php の読み込み先を、/new の中のファイルに書き換える
// 書き換え前
require __DIR__ . '/wp-blog-header.php';
// 書き換え後
require __DIR__ . '/new/wp-blog-header.php';切り替えた後は「設定」→「パーマリンク」を開き、パーマリンク構造を更新します。テスト中に /new を含むURLで書いた内部リンクは、そのURLのまま残ります。WordPress.orgの「WordPress の移行」は、URLの置き換えにBetter Search Replaceなどのプラグインや、WP-CLIのsearch-replaceを挙げています。

※ 出典:WordPress.org 日本語「WordPress を専用ディレクトリに配置する」
サーバーも移すときのDNSの切り替え
サーバーも移すときは、新しいサーバーにサイトを移して確かめた後、DNSの設定を新しいサーバーへ向け直した時点で、サイトの移転が始まります。ドメインとURLを変えないWordPressの移動は、WordPress.orgの案内では、ファイルとデータベースを新しいサーバーへコピーすれば済みます。データベースの名前やユーザーが変わるときは、wp-config.php の値を書き換えます。
DNSの向け直し方
DNSの向け直し方は、ネームサーバーを新しいサーバー会社のものに変えるか、今のネームサーバーのまま、Webサイトの行き先を記録したAレコードを新しいサーバーのIPアドレスに書き換えるかの2つです。ネームサーバーの変更はドメインの管理会社を通じて申し込み、Aレコードは今のネームサーバーを運用している会社の管理画面で書き換えます。
ネームサーバーを変えると、メールの配送先を記録したMXレコードも、新しいネームサーバーから読まれるようになります。ドメインのメールアドレスを使っているなら、新しいネームサーバーにも今と同じMXレコードを入れてから切り替えます。
切り替えの前後の作業
切り替えの前後の作業は、Googleの「ホスティングの変更」の案内に沿うと次の4つです。
時期 | すること |
|---|---|
切り替えの1週間以上前 | DNSのTTLを数時間などの短い値に下げる |
切り替えの日 | ネームサーバーかAレコードを新しいサーバーへ向ける |
切り替えの後 | 古いサーバーと新しいサーバーのアクセスの記録を見比べる |
古いサーバーへのアクセスが無くなった後 | 古いサーバーを止める |
TTLは、DNSの設定がISP(インターネット接続事業者)のキャッシュに保存される時間で、短くしておくと新しい設定が早く行き渡ります。

古いサーバーを止めるのは、Googlebotを含むすべての訪問者が新しいサーバーから表示していると確かめられてからです。

※ 出典:Google 検索セントラル「ホスティングの変更」
URLが変わるページの転送
URLが変わるページは、旧URLから新URLへ、サーバー側の恒久的なリダイレクトで転送します。Googleは、URLを変えるサイトの移転では、301か308の恒久的なリダイレクトを使うようすすめています。たとえば会社概要のURLが example.com/company.html から example.com/company/ に変わるなら、旧URLから新URLへの転送を1件ずつ設定します。
Googleの「サイトを移転する方法」から、転送で守ることを3つ挙げます。
- 多数の旧URLを、新しいサイトのトップページのような関連の薄い1つのURLへまとめて転送しない
- 転送はできるだけ長く、一般には1年以上残す
- 新しいサイトの内部リンクを、旧URLから新URLに書き換える
トップページへのまとめての転送は、soft 404 エラーとみなされる場合があります。複数のページの中身を1つのページにまとめたときは、元の複数のURLをまとめたページへ転送できます。どのページをどのURLへ転送するかの対応表の作り方は、ホームページのリニューアルの進め方|検索順位を落とさない手順で紹介しています。

※ 出典:Google 検索セントラル「サイトを移転する方法」
転送先を決める前には、今のサイトで検索から人が来ているページを調べます。Writers-hubの「滋賀のSEO対策」も、1か月目に現状の分析と設計を行い、2か月目から実行に移ります。オンラインで全国に対応しています。
ドメインをそのまま使うリニューアルのよくある質問
ドメインをそのまま使うリニューアルについて、よく出る質問と答えは次の2つです。
名義が制作会社のままだと困る?
名義が制作会社のままでも、サイトの公開と更新は続けられます。困るのは、制作会社との契約が終わり、ドメインの更新が止まったときです。JPRSによると、廃止されたドメイン名は一定期間の後に第三者が登録できるようになり、残っているリンクや検索の評価を狙って悪用される可能性があります。
JPドメイン名は、廃止から20日以内なら登録回復を申請でき、通常は手数料がかかります。受け付けの扱いと期間は、指定事業者によって異なる場合があります。制作会社との契約が終わる前に、名義を自社に移すかを決めます。
切り替えで検索順位は落ちる?
URLを変えずにサーバーだけを移す場合、Googleは、移転の直後にGooglebotのクロールの頻度が一時的に下がり、数日かけて戻るのは通常の動作だとしています。URLも変えるリニューアルでは、Googleが新しいURLを読み直す間、順位が一時的に変動することがあります。中規模のサイトでは、古いURLの代わりに新しいURLが表示され始めるまでに数週間以上かかることがあります。
まとめ|ドメインをそのまま使うなら名義と管理者の確認から
ドメインをそのまま使うWordPressのリニューアルでは、手順に入る前に、ドメインの名義と管理者が誰かを確かめます。サーバーも移すならDNSの設定を変える作業が要り、その変更はドメインの管理会社かDNSを運用する会社の管理画面で行うためです。名義や管理が前の制作会社にあるなら、ネームサーバーの変更を頼むか、名義と管理会社を自社に移すかを、契約が終わった後の使い方で選びます。
私たち合同会社Writers-hubは、小さなお店向けの「滋賀のホームページ制作」で、今あるサイトの作り直しもお受けしています。
お店のサイトの作り直しを、初期費用をかけずに始めますか
Writers-hubの「滋賀のホームページ制作」は、初期費用0円・月額19,800円(税別・最低2年)で、10ページまでのサイトを作ります。ブログやお知らせの個別ページは、10ページに数えません。毎月30分までの打ち合わせがあり、2年の途中で解約するときは、制作費の残りをお支払いいただきます。







