「アクセス数を増やすには、記事を増やして更新頻度を上げるしかない」。更新が止まったサイトから読者が離れていく様子を見てきた担当者ほど、まず書く本数を増やそうと考えがちです。
しかし、企業のオウンドメディアで記事の制作と公開後の書き直しを続けてきた弊社の立場から言えるのは、アクセスを伸ばす余地は、既に検索結果に出ているページに残っていることが多いということです。表示されているのにクリックされないページは、タイトルを直すだけでアクセスが増える場合があります。
本記事では、アクセス数が増える5つの経路から、今の数字で伸ばす経路を決める手順、検索と検索以外の打ち手、避けるべき増やし方まで、SEO記事を作る制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- Webサイトのアクセス数は、自然検索・SNS・広告・他サイト・直接の5つの経路の合計で、経路ごとに効き始めの速さと続き方が違う
- 伸ばす経路は、GA4の「トラフィック獲得」とSearch Consoleの数字を見てから1つに絞る
- 自然検索を伸ばすなら、新しい記事の前に、表示回数が多いのにクリック率が低いページと11〜20位のページを直す
- アクセスやリンクをお金で買う方法は問い合わせにつながらず、リンクの購入はGoogleのスパムポリシーに違反する
アクセス数が増える5つの経路
Webサイトのアクセス数は、訪問者がどこから来たかで5つの経路に分けられ、全体の数はその合計です。GA4では、訪問者が入ってきた経路が「チャネル」として自動で分類されます。
経路 | 訪問者の来かた | GA4の主なチャネル名 |
|---|---|---|
自然検索 | GoogleやYahoo!の広告でない検索結果から来る | Organic Search |
SNS | X・Instagram・Facebookなどの投稿のリンクから来る | Organic Social |
広告 | 検索広告やSNS広告をクリックして来る | Paid Search、Paid Social |
他サイト | 取引先のサイトやニュース記事のリンクから来る | Referral |
直接 | URLの入力やブックマークから来る | Direct |
メールマガジンのリンクは、計測用の文字列(UTMパラメータ)を付けないと「Direct」や「Referral」に混ざります。

5つの経路の効き始めと続き方の違い
5つの経路は、打ち手を始めてからアクセスが増えるまでの期間と、打ち手を止めた後にアクセスが残るかどうかが違います。すぐにアクセスが欲しいのか、1年後も続くアクセスが欲しいのかで、先に手を付ける経路が変わります。
| 効き始め | 主にかかるもの | 止めた後 | 向いている状況 | |
|---|---|---|---|---|
| 自然検索 | 数か月かかることが多い | ページを作り、直す人手か外注費 | 公開したページが残り、アクセスが続く | 1年以上続くアクセスを積み上げたい |
| SNS | 投稿した日から | 投稿を続ける人手 | 投稿をやめると減る | 投稿を続けられる担当者がいる |
| 広告 | 配信した日から | クリックごとの広告費 | 配信を止めると止まる | キャンペーンなど期間が決まっている |
| 他サイト | 掲載された日から | 掲載の依頼やプレスリリース配信の費用 | 掲載が残る間は続く | 新商品や調査結果など話題がある |
| 直接 | 既存客に知らせた日から | 名刺・印刷物・メールの手間 | 接点が続く間は続く | 既存客や取引先が多い |
急ぐ期間は広告、長く続くアクセスは自然検索と役割を分けると、予算を使う場所を決めやすくなります。
伸ばす経路を今の数字から決める手順
伸ばす経路は、GA4とGoogle Search Consoleで今のアクセスの内訳を見てから決めます。今の数字を見ずに打ち手を選ぶと、問い合わせにつながらない経路に人手を使うことになりかねません。
GA4の「レポート」から「集客」の「トラフィック獲得」を開き、直近3か月のセッション数をチャネル別に見ます。
同じ表で、問い合わせや資料請求などの成果(GA4では「キーイベント」)の数も経路ごとに見ます。アクセスが多くても成果の少ない経路は、増やしても問い合わせが増えにくい経路です。
Search Consoleの「検索パフォーマンス」で、ページごとの表示回数・クリック数・平均掲載順位を見ます。表示回数が多いのにクリック数の少ないページがあれば、自然検索には伸びしろがあります。
成果につながっている経路のうち、伸びしろがあり、社内の人手と予算で続けられるものを1つ選びます。
Search Consoleにサイトを登録していない場合は、まず登録してから数字を見ます。GA4の各指標の読み方は、ブログのアクセス解析で見る指標と打ち手の決め方で説明しています。
新しい記事より先に直すべき既存ページ
自然検索のアクセスを増やすとき、最初に直すのは、既に検索結果に表示されているのにクリックが少ないページです。新しい記事は検索結果に表示されるまで時間がかかりますが、既に表示されているページは、直した後のクリック数の変化を同じ画面ですぐに追えます。
アクセスを増やすなら、記事を毎日更新するのが一番の近道ではないのですか。
編集部
新しい記事も必要です。ただ、公開した記事が検索結果に出てクリックされるまでには時間がかかります。先にSearch Consoleで、表示されているのにクリックされていないページを探してください。新しく1本書くより手間が少なく、直した後の変化もすぐ確かめられます。
表示回数が多いのにクリック率が低いページ
表示回数が多いのにクリック率が低いページは、検索結果に並んだとき、タイトルと説明文で選ばれていないページです。Search Consoleでそのページの「クエリ」を開き、表示されている検索語に対して、タイトルが答えを示しているかを確かめます。
たとえば「会議室 レンタル 料金」で表示されているページのタイトルが「会議室のご案内」だと、料金を知りたい人は料金を書いた別のサイトを選びます。タイトルを「会議室のレンタル料金と予約方法」に変えると、検索した人は答えのあるページだと判断できます。
クリック率を比べるのは、平均掲載順位が10位以内のページに絞ります。11位より下のページはタイトルに関係なくクリックされにくく、原因がタイトルなのか順位なのかを区別できないためです。
Googleは、ページのtitle要素でなく、大見出しなどの別の文字から検索結果のタイトルを作ることがあります。タイトルを変えても検索結果の表示が変わらないときは、Google検索セントラルのタイトルリンクの説明にあるとおり、ページの大見出し(h1)とtitle要素の中身をそろえます。
11〜20位にとどまっているページ
平均掲載順位が11〜20位のページは、上位10件のすぐ外にあり、10位以内に上がればクリックが増える見込みがあるページです。Search Consoleでそのページのクエリを見ると、本文で答えていない検索語で表示されていることがあります。
たとえば会議室の料金ページが「会議室 キャンセル料」でも表示されているなら、キャンセル料の決まりを書いた節を足します。ページの主題から外れる検索語は、書き足すより別のページを作る方が、どちらのページも何に答えるかがはっきりします。

既存ページを直したら、直した日を記録しておきます。Search Consoleの日付の「比較」で、直す前と後の同じ日数の期間を並べると、クリック数と平均掲載順位の変化を確かめられます。
表示されているのにクリックされないページ、どこから直すか迷っていませんか
Writers-hubのSEO・AI検索対策では、サイトの構造と検索順位の現状を調べ、施策の優先順位を決めたうえで、既存ページの書き直しまで提案します。新しい記事を増やす前に、今あるページで伸ばせる分を確かめたいときにご相談ください。
検索からのアクセスを増やす打ち手
既存ページを直した後に自然検索のアクセスをさらに増やすには、まだページの無い検索語に答えるページを足し、関連するページ同士をリンクでつなぎます。
検索される言葉ごとにページを作る
検索からのアクセスは、検索される言葉1つに対して、答えるページが1つあるときに集まります。顧客が問い合わせの前に調べる疑問を書き出し、疑問ごとに1ページを作ります。料金、選び方、他社との違い、よくあるトラブルの原因などが、書き出す疑問の候補です。
同じ疑問に答えるページを2つ作ると、Googleがどちらを検索結果に出すかを選ぶことになり、どちらの順位も上がりにくくなります。新しいページを作る前に、同じ疑問に答えている既存ページが無いかを確かめます。
どの言葉がどれだけ検索されているかは、Google広告の「キーワードプランナー」などで調べられます。キーワードプランナーを使うには、Google広告のアカウントが必要です。
関連するページを内部リンクでつなぐ
内部リンク(自社サイトのページ同士を結ぶリンク)は、読者が次の疑問の答えへ移る道になり、Googleが新しいページを見つける道にもなります。新しいページを公開したら、関連する既存ページの本文から新しいページへリンクを張ります。
リンクの文字は「こちら」でなく、「会議室のキャンセル料の決まり」のように、リンク先に何が書いてあるかが分かる言葉にします。読者はリンクの文字を見てクリックするかを決め、Googleもリンクの文字をリンク先の内容を知る手がかりにするためです。
スマートフォンでの表示を確かめる
Googleは、主にスマートフォン向けに表示される内容をもとにページを評価します。スマートフォンで文字が小さい、表がはみ出す、表示が遅いページは、検索から来た人がすぐに戻る原因になります。表示の速さは、GoogleのPageSpeed InsightsにURLを入れると確かめられます。
顧客が検索する疑問のうち、どれからページにするか決まっていますか
Writers-hubのSEOキーワード戦略設計では、検索される言葉を調べ、どの言葉にどのページで答えるかの計画を作ります。書き出した疑問が多く、どこから手を付けるか決めきれないときにご相談いただけます。
検索以外からアクセスを増やす打ち手
検索以外の経路は、効き始めが早い代わりに、打ち手を続けている間だけアクセスが入るものが多い経路です。自然検索が伸びるまでの数か月を、検索以外の経路で補うと考えると、どこまで手をかけるかを決めやすくなります。
SNSで新しいページを知らせる
SNSからのアクセスは、ページを公開したときや書き直したときに投稿して集めます。投稿の中でページの答えの一部を見せ、続きをリンク先で読める形にすると、リンクを押す理由ができます。SNSから来る人の数は、フォロワーの数と投稿を続ける頻度に左右され、投稿をやめると減ります。
既存客との接点にURLを載せる
メールマガジン、名刺、パンフレット、請求書、メールの署名にサイトのURLを載せると、既存客や取引先が直接サイトを訪れるきっかけになります。紙の印刷物には、URLより読み取りやすいQRコードを添えます。メールマガジンのリンクにはUTMパラメータを付け、GA4で配信ごとのアクセス数を分けて見ます。
Googleビジネスプロフィールを整える
店舗や事務所を構えて地域で営業する会社は、無料のGoogleビジネスプロフィールにサイトのURLを載せると、Googleマップや地域名を含む検索からアクセスが入ります。店舗を持たずオンラインだけで営業する事業は、登録の対象にならないことがあります。
広告で期間を決めて集める
リスティング広告やSNS広告は、配信した日からアクセスを集められる反面、クリックごとに費用がかかり、止めるとアクセスも止まります。新サービスの公開時やキャンペーンなど、期間を決めて集めたいときに使います。
見落とされがちなのが、広告のデータを自然検索に回す使い方です。検索広告で問い合わせにつながった検索語は、自然検索で答えるページを作る候補になります。
業界メディアやプレスリリースで紹介される
業界紙やニュースサイトに記事として取り上げられると、記事のリンクから読者が訪れます。取り上げてもらうには、新商品、調査結果、導入実績のような、そのメディアの読者にとっての話題が要ります。プレスリリース配信サービスを使うと、話題を複数のメディアへまとめて届けられます。

お金でアクセス数を買う方法が逆効果な理由
アクセス数やリンクをお金で買う方法は、アクセスの数字が増えても問い合わせや売上にはつながらず、リンクの購入はGoogleのスパムポリシーに違反します。次の3つは、アクセス数を増やす方法として選ばないでください。
- プログラムに自動でサイトを訪問させるサービスでアクセス数を増やす
- 検索順位を上げる目的で、お金や物品と引き換えにリンクを張ってもらう
- 他サイトの文章を書き換えただけのページを大量に作る
自動で訪問させたアクセスは人ではないため、問い合わせをしません。GA4の数字も実際の訪問者とずれるので、どの経路を伸ばすかの判断を誤る原因になります。
リンクの売買は、Googleのスパムポリシーにリンクスパムとして明記されています。ポリシーに違反したサイトは、検索結果での掲載順位が下がったり、まったく表示されなかったりすることがあります。

広告費を払って広告枠に表示することは、アクセスを買う方法とは別の、正規の集め方です。記事広告のようにお金を払って掲載されたリンクも、リンクに有料であることを示す属性(sponsoredやnofollow)が付いていれば、Googleのポリシー違反にはなりません。
「アクセス数を保証」「被リンクを販売」とうたうサービスから提案を受けたら、増えるアクセスが人の訪問か、リンクが順位を上げる目的で売られていないかを確かめてから判断します。
アクセス数を増やす方法のよくある質問
アクセス数を増やす方法について、打ち手を決める段階でよく出る質問は次の4つです。
アクセス数が増えるまでの期間は経路で違います。広告は配信した日から、SNSは投稿した日からアクセスが入ります。自然検索は、新しいページが検索結果で順位を得るまで数か月かかることが多く、既存ページのタイトルの書き直しは、Googleが直したページを読み直した後に変化が出始めます。
記事の本数に決まった基準はありません。自然検索のアクセスは、検索される言葉に答えたページがいくつあるかで決まり、検索されない言葉のページを何本書いても増えません。本数を決める前に、顧客が検索する疑問の一覧を作ります。
増えたアクセスが、問い合わせる理由の無い読者から来ている場合に起こります。GA4でキーイベントの数を経路別・ページ別に見て、問い合わせにつながっているページへ内部リンクを張るか、問い合わせ前の疑問に答えるページを優先して作ります。
費用をかけずにできる方法は、既存ページのタイトルと本文の書き直し、内部リンク、SNSへの投稿、名刺やメールの署名へのURL掲載、Googleビジネスプロフィールの登録です。どれも費用はかかりませんが、社内の人手はかかります。
まとめ|アクセス数は経路を1つ選んで増やす
Webサイトのアクセス数は、自然検索・SNS・広告・他サイト・直接の5つの経路の合計で、経路ごとに効き始めの速さと続き方が違います。打ち手を全部並べる前に、今の数字から伸ばす経路を1つ選ぶことで、限られた人手を伸びしろのある経路に使えます。
自然検索を伸ばすなら、新しい記事を書く前に、表示されているのにクリックされないページと11〜20位のページを直します。私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作と公開後の書き直しを通じて、検索される言葉にページで答える仕事を続けてきました。
自社サイトで、どの経路から伸ばすべきか迷っていませんか
GA4とSearch Consoleの数字をもとに、伸ばす経路と最初に直すページを一緒に整理します。どのサービスが合うか決まっていない段階でも、無料でご相談いただけます。







