「合格率が7割もあるなら、SEO検定は少し勉強すれば受かりそう」。SEOを学び始めた方が受験を考えたとき、最初に抱きやすい見通しです。主催する全日本SEO協会の公式サイトにも、2025年の合格率は全級平均で70%と掲載されており、数字だけを見れば難しい試験には見えません。
しかし、弊社はこれまで、SEO未経験の書き手が知識を体系立てて身につけていく過程に、社内研修や案件を通じて何度も立ち会ってきました。そこから言えるのは、SEO検定の難しさは合格率ではなく、得点8割の合格ラインと試験範囲の広さで決まるということです。さらに、合格して得られるのは知識の証明であり、記事の順位を上げる作業は合格後に別に身につける必要があります。
本記事では、公式サイトの合格率と試験概要をもとに、級ごとの難易度、何級から受けるかの判断、勉強の進め方と費用、合格後の実務で足りなくなる工程までを、SEO記事の書き手を育成してきた立場で順にお伝えします。
- SEO検定4つの級の違いと、試験の基本条件
- 公式データで見る合格率の推移と級ごとの差
- 合格率7割でも難しいと感じる3つの理由
- 何級から受けるべきかの判断基準
- 検定の知識と、記事制作の実務で必要な工程の差
SEO検定の4つの級と試験の基本
SEO検定は、一般社団法人全日本SEO協会が主催する民間の検定試験です。4級から1級までの4つの級があり、学歴・職歴・年齢・国籍による受験制限はありません。
級ごとの出題テーマは次のとおりです。
級 | 公式サイトでのテーマ | 主な内容 |
|---|---|---|
4級 | SEOの基礎知識 | Webと検索エンジンの仕組み、SEOの3大要素 |
3級 | キーワードリサーチと内部要因最適化 | キーワード調査、ページ構造、サイト内リンク、構造化データ |
2級 | コンテンツSEOと外部要因最適化 | コンテンツ作成、被リンク、アクセス解析と競合調査 |
1級 | AI時代のSEOとモバイルSEO | モバイルSEO、ローカルSEO、順位の復旧、生成AIの活用 |
試験の形式は4つの級で共通しています。選択式80問を60分で解き、得点率80%以上で合格です。会場試験は東京・大阪・名古屋・神戸・福岡で行われ、オンライン試験は偶数月の日曜日に開催予定と公式サイトに掲載されています。
※ 出典:一般社団法人全日本SEO協会「SEO検定1級 試験概要」「試験日程」(2026年9月時点)
SEO検定の難易度と合格率の推移
SEO検定の難易度を測る公式の手がかりは、協会が公開している級別の合格率です。2017年から2025年までの数字は次のとおりです。
年 | 1級 | 2級 | 3級 | 4級 | 全級平均 |
|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 64% | 73% | 67% | 76% | 70% |
2024年 | 63% | 71% | 68% | 73% | 69% |
2023年 | 64% | 69% | 70% | 69% | 68% |
2022年 | 65% | 68% | 71% | 72% | 69% |
2021年 | 70% | 63% | 68% | 81% | 70% |
2020年 | 77% | 87% | 77% | 89% | 81% |
2019年 | 81% | 84% | 78% | 86% | 82% |
2018年 | 89% | 84% | 73% | 79% | 79% |
2017年 | 87% | 86% | 91% | 89% | 89% |

表から読み取れる点は3つあります。1つ目に、全級平均は2020年の81%から2021年に70%へ下がり、以降は68〜70%の間で推移してきました。2つ目は、2022年から2025年までの4年間、1級の合格率が4つの級の中で最も低いことです。
3つ目は、級の数字と合格率が順番どおりに並ばない年があることでしょう。2025年は3級が67%で、2級の73%より低くなっています。合格率が下がった理由は公式サイトに書かれていないため、推測で断定はできません。
ここで見落とされがちなのが、公式ページには受験者数が載っていない点です。何人が受けた中での7割なのかはわかりません。受験者の多くは教材で準備してから申し込むはずで、合格率は「準備して臨んだ人の中での割合」と読むのが妥当だと見ています。
合格率7割でも難しいと感じる3つの理由
合格率が7割ということは、受験者の3割前後は不合格になっている計算です。数字の印象より難しく感じる理由は、試験の条件そのものにあります。

合格ラインは得点率80%以上
1つ目の理由は、合格ラインの高さです。80問中64問以上の正解が必要で、落とせるのは16問までになります。
テキストを一度読んで「だいたいわかった」と感じた段階では、この水準に届かないことが多いでしょう。用語の定義やGoogleのアップデート名など、似た選択肢から正確に選ぶ問題で失点が重なるからです。
80問を60分で解く時間配分
2つ目は時間です。60分で80問を解くには、1問あたり45秒で答えを決める必要があります。
選択肢を見てから考え始めると、後半で時間が足りなくなります。問題集を解くときも時間を測り、45秒で選べる状態まで反復しておくと本番で慌てずに済むはずです。
上の級ほど試験範囲が積み上がる
3つ目は範囲の広さです。2025年1月以降の試験範囲は、3級が3級と4級のテキスト、2級が2級から4級、1級は1級から4級までの公式テキスト4冊の全章と定められています。
上の級ほど、自分の級のテキストに加えて下の級の内容も問われるわけです。1級の合格率が4年続けて最も低い背景には、覚える量の差があると考えられます。
合格率は「難しさ」の指標として使うより、合格ラインと範囲から必要な学習量を見積もるほうが、受験計画を立てやすくなります。
SEO検定は何級から受けるべきか
公式サイトのよくある質問では、どの級からでも申し込めると回答されています。同時に、確実に力を付けるには4級から順に受けるのがよいとも書かれています。
判断の材料になるのが、先ほどの試験範囲です。3級の範囲には4級のテキストも含まれるため、3級から受けても4級の内容を学ぶことに変わりはありません。
| 4級から | 3級から | 2級・1級から | |
|---|---|---|---|
| 向いている人 | Webの仕組みから学びたい人 | Web担当・ライターとして実務に関わり始めた人 | SEOの実務経験があり、体系を確認したい人 |
| 学ぶテキスト | 4級の1冊 | 3級と4級の2冊 | 2級は3冊、1級は4冊 |
| 受験回数の目安 | 1級まで4回 | 1級まで3回 | 1〜2回 |
| 注意点 | 合格まで一歩ずつ進められるが、1級までの受験料が最も多くかかる | 4級の内容も出題されるため、4級テキストを飛ばさない | 範囲が最も広く、1級は直近4年の合格率が最も低い |
会場試験は同じ日に複数の時間枠があり、時間をずらせば別の級を同じ日に受けられると公式サイトに明記されています。3級と2級を同じ日に受ける計画も立てられます。

いきなり1級を受けるか迷っている方から、次のような相談を受けることがあります。
業務でSEOを2年ほど担当しています。いきなり1級から受けても大丈夫でしょうか。
編集部
受けること自体はできます。ただ、1級は4級から1級までのテキスト4冊すべてが範囲です。まず4級と3級の問題集を時間を測って解き、8割を安定して取れるかを確かめてから、1級に申し込むか決めるのがよいと思います。
※ 出典:全日本SEO協会「よくいただくご質問」(2026年9月時点)
SEO検定の勉強時間と進め方
必要な勉強時間の目安は、公式サイトでは公表されていません。受ける級のテキストの冊数と、問題集で8割を取れるまでの反復回数で決まると考えてください。
公式テキストは2年ごとに改訂されます。公式のよくある質問では2027・2028年版が2026年後半に出版予定とされているため、受験日に適用される版を試験概要で確かめてから教材を買いましょう。
2級や1級を受ける場合も、4級のテキストから順に読みます。上の級の解説は下の級の用語を前提に書かれているためです。
間違えた問題はテキストの該当ページに戻って読み直します。正解の選択肢だけを覚えると、言い回しを変えた問題で失点します。
80問を60分で解き、1問45秒の感覚をつかみましょう。時間切れで残った問題の分野が、最後に見直す範囲です。
SEOの学び方全体の順番は、SEOの勉強方法5つでも詳しく整理しています。検定の勉強と並行して、自分が関わるサイトで用語を確かめる時間を取ると、知識が試験の選択肢から離れても使える形で残ります。
SEO検定の受験料と教材費
受験料と教材費は級と受け方によって異なり、2026年9月時点の公式価格表の税込金額は次のとおりです。
級 | 会場受験 | オンライン受験 | 公式テキスト | 問題集 | ダウンロード学習コース |
|---|---|---|---|---|---|
4級 | 6,600円 | 8,800円 | 2,178円 | 2,552円 | 13,200円 |
3級 | 6,600円 | 8,800円 | 2,552円 | 2,552円 | 15,400円 |
2級 | 7,700円 | 9,900円 | 3,102円 | 2,552円 | 19,800円 |
1級 | 9,900円 | 11,000円 | 3,762円 | 2,552円 | 22,000円 |
※ 出典:全日本SEO協会「価格早見表」。書籍版の送料500円は別途かかります。再受験には同じ受験料が必要です。
ダウンロード学習コースには、テキストと問題集のPDF、講座、受験料1回分が含まれています。1級を受ける場合は下の級のテキストも範囲に入るため、4冊分の教材費を見込んでおきましょう。
検定の知識と記事制作の実務の差
検定に合格すると、SEOの用語と仕組みを体系で説明できるようになります。ただし、試験は選択式で知識を確かめるものです。ここで、記事を作ってきた立場から本音を言えば、順位を上げる作業は、検定範囲の知識に3つの工程を足して初めて回ります。
検索結果から読者の疑問を読む
検索意図やキーワードの種類は、3級の試験範囲です。実務では、狙うキーワードで実際に検索し、上位ページの見出しと検索結果に並ぶ質問から、読者が次に知りたい順番を決めます。
この作業は、キーワードごとに毎回やり直しになります。知識として「検索意図を満たす」と知っていても、どの疑問をどの順で並べるかは、検索結果を読まないと決められません。
一次情報を集めて書く
2級ではコンテンツの種類や作り方を学びます。記事の本文で読者の判断材料になるのは、自社の事例や担当者への取材、公式資料で確かめた数字です。
こうした材料は検定の範囲にはなく、取材の段取りや公式資料の探し方を記事ごとに身につける必要があります。
公開後に数値で確かめる
公開した記事の検索順位や表示回数、クリック数をサーチコンソールで確かめ、見出しや本文を直す工程です。検定の点数では、この改善を続けた量は測れません。

社内でSEOを任された方からは、こんな質問を受けます。
担当者が1級に受かれば、自社のブログ記事を任せても順位は上がるでしょうか。
編集部
1級の知識は、記事の直す場所を見つけるときに役立ちます。ただ、順位を上げるには、検索結果の読み方と公開後の直し方を、実際の記事で何本か回す経験が必要です。最初の数本は、構成案の作り方と直し方を記事ごとに確認しながら進めると、担当者が1人で書けるまでが早くなります。
知識を実務の手順に置き換えるには、実際の記事を題材に、構成案と公開後の直し方を担当者と一緒に確かめる時間が要ります。
検定で学んだ知識を、自社の記事で順位につなげたい方へ
検索結果の読み方から構成案の作成、公開後の直し方まで、担当者が自社の記事で実際に手を動かしながら身につける内製化の支援サービスです。検定の勉強を終えた担当者が、次に取り組む工程を決めるときにご覧ください。
SEO検定が向いている人と向かない人
ここまでの内容を踏まえ、SEO検定を受ける利点と注意点を整理します。
向いているのは、独学で断片的に覚えた知識を体系で整理したい方や、社内で担当を任されて用語をそろえたい方でしょう。一方、すでに記事を公開して順位を追っている方は、受験より実務の検証を優先したほうが得られるものが多いかもしれません。記事を書く仕事で求められる力はSEOスキルの中身と学ぶ順番で、ライター向けの資格の考え方はSEOライティングの資格は必要かで解説しています。
SEO検定の難易度に関するよくある質問
受験を検討している方から寄せられやすい質問と、公式サイトの記載に基づく回答です。
できます。公式のよくある質問でも、ダウンロード講座を受けずにテキストと問題集で学習して受験できると回答されています。問題集を時間を測って解き、8割を安定して取れるかを確かめてから受けましょう。
受けられます。時間をずらせば異なる級を同じ日に受験でき、級ごとに合否が判定されます。同じ級を同じ日に2回受けることはできません。
試験日から14日以内に、合否の通知が郵送で届きます。マイページで結果を確認することはできません。
ありません。公式のよくある質問では、協会への入会義務もないと回答されています。
できます。再受験にも同じ受験料がかかるため、間違えた分野をテキストで読み直してから申し込みましょう。
まとめ|難易度は合格率より合格ラインで見る
SEO検定の合格率は全級平均で7割前後です。ただし、全級とも80問を60分で解き、得点率80%以上が必要で、上の級ほど下の級のテキストも範囲に入ります。受ける級は、テキストの冊数と問題集で8割を取れるかどうかで決めてください。
また、合格で証明できるのはSEOの知識です。記事の順位は、検索結果から読者の疑問を読み、材料を集めて書き、公開後に数値で直す工程を重ねて上がっていきます。
私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作と、社内で記事を書く担当者の育成を支援しています。検定で学んだ知識を自社の記事で使える段階まで進めたい方は、現在の体制と記事の状況をお聞かせください。
検定の次に、社内の誰がどの記事から書くかを決めたい方へ
担当者の経験や公開済みの記事数をうかがい、最初に取り組む記事と、外部に任せる工程・社内で担う工程の分け方を一緒に整理します。







