「記事にキーワードは何個入れるのが正解なのか」。SEOの相談を受けていて、最初に出てくる質問のひとつです。原稿を出現率チェックのツールに通すと、語の回数と割合が数字で返り、競合の平均値まで横に並びます。数字で返ってくる以上そこに適正値があるはずだと考えるのは、自然な受け止め方でしょう。
しかし、企業のSEO記事を継続して制作してきた弊社の立場から言えるのは、キーワードの数は答える問いを1つに決めた結果として後から決まるということです。先に数を決めて本文を合わせにいくと、語は揃うのに順位は動きません。
本記事では、混同されやすい3種類の「キーワード数」を切り分けるところから、関連キーワードや共起語の扱い方、サイト全体でいくつのキーワードを狙うかまで、制作の現場で実際に使っている判断の順にお伝えします。
- 「キーワード数」という言葉に混ざっている3つの問いの違い
- 1記事で狙うキーワードを1つに絞る理由と、まとめてよい条件
- 出現回数や出現率を数えても順位が動かない理由
- 関連キーワードと共起語を見出し・本文・不使用に仕分ける手順
- サイト全体で狙うキーワード数の決め方
SEOのキーワード数に混ざる3つの問い
「キーワード数」という言葉は、話す相手によって指しているものが違います。書き手は1つの語を何回書くかを気にし、編集担当は1記事にいくつの語を割り当てるかを考え、責任者はサイト全体でいくつの検索語を取りにいくかを見ています。同じ言葉で話しているのに噛み合わないのは、数える対象がそもそも別だからです。
1記事のなかで同じ語を何回使うか
出現回数や出現率と呼ばれる数字です。本文の総文字数に対して、対策キーワードが何回・何パーセント出てくるかを測ります。ツールが真っ先に返してくるのもこの数字で、キーワード数という言葉から多くの方が最初に思い浮かべるのもここでしょう。
結論から書くと、この数字を目標にする必要はありません。理由は後の章で説明します。
1記事でいくつのキーワードを狙うか
記事1本に割り当てる対策キーワードの個数です。「SEOのキーワード数」と「SEOのキーワードは何個まで」を1本にまとめるのか、別々に書くのかという判断がここに当たります。実務でいちばん影響が大きいのはこの問いで、ここを外すと後からいくら文章を直しても順位は戻りません。
サイト全体でいくつのキーワードを取りにいくか
メディア全体で何語のキーワードから流入を作るかという、設計の話です。記事を増やすかどうかの判断や、年間の制作本数の見積もりがここにつながります。1記事の話と全体の話を同じ「キーワード数」という言葉で往復すると、議論が噛み合わなくなります。
| 1語の出現回数 | 1記事で狙う数 | サイト全体の数 | |
|---|---|---|---|
| 単位 | 回・パーセント | 個 | 個 |
| 目安の数字 | 置かない | 1つ | 答える問いの数だけ |
| 実際に見るもの | 読み返したときの不自然さ | 検索結果が重なるか | 答えていない問いの残り |
| 外すと起きること | 文章が読みにくくなる | どの語でも順位が付かない | 記事が増えても流入が伸びない |
3つを並べてみると、同じ「数」でも決め方の根拠がまったく違うとわかります。ここを分けずに話しているかぎり、何個が正解かという問いに答えは出ません。

以降は、成果への影響が大きい順に見ていきます。
1記事で狙うキーワードは1つが基準
1記事で狙う対策キーワードは、1つに絞るのが基準です。ここでいう1つとは語句が1つという意味ではなく、記事が答える検索意図を1つに定めるという意味になります。
意図が1つに定まっていれば、実際に流入する語は1つに限りません。1本の記事が数十から数百の語で表示されることは珍しくなく、記事の中心を1つに決めることと、取れる語が広がることは両立します。狙いを絞ると流入の幅が狭くなると誤解されがちですが、実際の動きは逆です。
では、2つのキーワードを同じ記事にまとめてよいのはどんなときか。判断の材料は書き手の感覚ではなく、検索結果のほうに出ています。
- 両方のキーワードで検索し、上位10件のうち半分以上が同じURLで並ぶ
- 上位ページのタイトルが、2つの語を1本でまとめて扱っている
- 片方の語で書こうとすると、もう片方の説明を省けない
- 分けて書こうとすると、どちらも同じ結論にたどり着いてしまう
逆に、検索結果の顔ぶれが入れ替わるなら、読者が求めている答えが別だと考えて記事を分けます。線引きに迷いやすいケースごとの判断は、1ページ1キーワードの考え方とまとめる・分ける基準で詳しく整理しています。
キーワードを増やしすぎた記事に起きること
1記事に複数のキーワードを詰めても、その分だけ流入が増えるわけではありません。実際に起きるのは、次の3つです。
- どの語でも中途半端になり、どれ1つ上位に入らない
- 同じ意図を狙った自社の記事同士が、検索結果の枠を奪い合う
- 語を入れるために本文が回りくどくなり、最後まで読まれなくなる
とりわけ見落とされがちなのが、2つ目の自社内での競合です。外部の競合には目が向くのに、自分のサイトの記事同士が同じ意図を狙っていることには、公開してからしばらく気づきません。順位が伸びない原因を文章力や文字数に求めてしまい、本当の原因である設計に手が入らないまま時間が過ぎていきます。
順位を上げる目的で同じ語を機械的に繰り返す行為は、Googleがスパムポリシーのなかで「キーワードの乱用」として禁止しています。数を増やす方向の調整は効果が薄いだけでなく、評価を下げる側に振れることもあります。
公式の文書でどう書かれているかは、次のページで直接確認できます。

※ 出典: Google 検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」
キーワードの出現回数を数える意味が薄い理由
狙うキーワードを1つに決めたら、次に気になるのは「その語を本文で何回書くか」でしょう。ここは先に答えを書きます。回数にも出現率にも、守るべき目安の数字はありません。
出現率の目安が今も語られる背景
検索エンジンが本文中の語の頻度を手がかりに内容を判断していた時期があり、当時は出現率を調整する作業に意味がありました。その名残がツールの機能として残っていて、競合の平均値と並べて表示されるため、今も守るべき基準があるように見えます。
ただ、現在の検索は語の一致ではなく、そのページが何の問いに答えているかを見ています。出現回数を増やしても、答えていない問いに順位は付きません。
出現率が3パーセントを切っていると言われたのですが、少ないでしょうか。
この質問は、制作の現場でも定期的に受けます。
編集部
少ないかどうかは数字では決まりません。読み返して、その語を使わずに説明したほうが自然な箇所ばかりなら、まだ扱えていない論点が残っている合図です。逆に、言い換えれば済む文まで対策キーワードに直しているなら、そこは戻したほうが読みやすくなります。
数える代わりに確かめている2点
出現率を測る代わりに、入稿前に見ているのは次の2点です。1つ目は、記事タイトルと本文の冒頭で、その記事が何の問いに答えるかを言い切れているかどうか。2つ目は、対策キーワードが一度も出てこない章が残っていないかどうかです。
前者は、読者と検索エンジンの両方に記事の中心を示す役割があります。後者は、その章が記事の中心から外れていないかを確かめる手がかりになります。どちらも回数ではなく、位置と役割の確認です。
出現回数は目標ではなく結果です。答えるべき問いを本文で丁寧に扱えば、対策キーワードは必要な回数だけ自然に登場します。数字が足りないと感じたときは、語を足すのではなく、扱えていない論点がないかを先に疑ってください。
どこからが詰め込みと判断されるのかという境界線は、キーワードスタッフィングの境界線と直し方で細かく扱っています。
関連キーワードと共起語は数より置き場所
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。対策キーワードを1つに決めても、実際の記事には関連キーワードや共起語が入ってきます。「20語から40語を目安に」といった数字を見かけますが、その数を満たしたところで順位は動きません。
比較記事ではほとんど語られないのですが、拾った語で決めるべきなのは個数ではなく、1語ずつの置き場所です。拾った語は数えるのではなく、見出し・本文・不使用に仕分けます。
対策キーワードで検索し、上位ページの見出しに出てくる語、検索窓のサジェスト、関連する質問を書き出します。この段階では絞り込まず、重複もそのままにしておきます。
集めた語を「読者はそれで何を知りたいのか」という問いの文に書き直します。語のままでは判断できませんが、問いに直すと同じことを聞いている語がひとまとまりになります。
問いごとに、見出しに上げる・本文で触れる・使わないのどれかを割り当てます。判断の基準は、このあとの3つの節に書きます。
見出しに上げた問いだけを上から読み、読者が知りたくなる順に並んでいるかを見ます。並びが不自然なら、仕分けの段階に戻ります。
見出しに上げる語の条件
その語が、対策キーワードで検索した読者が次に知りたくなる問いを表しているなら、見出しに上げます。目安は、その問いだけで1つの節を書き切れるかどうか。3行で終わる内容なら見出しにはせず、本文に置いたほうが読みやすくなります。
もう1つの目安が、上位ページの多くがその問いを扱っているかどうかです。半数以上が触れているなら、読者が当然のように期待している内容だと考えて構いません。逆に、1社だけが扱っている論点は、その会社の事情による可能性を疑います。
本文で一度触れれば足りる語
定義の言い換え、同義語、その分野で当たり前に使われる語は、本文で一度触れれば足ります。共起語の多くはここに入るでしょう。無理に見出しへ上げると、中身の薄い節が増えて記事全体の密度が下がってしまいます。
置き方にもコツがあり、単語として置くのではなく、その語が使われる場面ごと書くと自然になります。「出現率」という語を入れたいなら、語を並べるのではなく、出現率をどう扱うかを1文で書けば済む話です。
使わないと決めてよい語
検索意図が別の語、その記事の読者が知る必要のない語は、拾っても使いません。ツールが返す関連語には、対策キーワードと文字が似ているだけの語が必ず混ざります。使わないと決めた語を一覧に残しておくと、執筆中に迷って文章をねじ曲げずに済むのです。

この仕分けを一度きちんと言葉にしておくと、次の記事から同じ判断に時間を取られなくなります。
拾った語をどこに置くかの判断が、毎回ひとりに集まっていませんか
仕分けの基準は、一度言語化すれば書き手が変わっても引き継げます。基準づくりから、書き手が自分で判断できるようになるまでの進め方をまとめています。
キーワードを置く4つの場所
仕分けが終わったら、置く場所を決めます。キーワードを置いて意味があるのは、次の4か所に絞られます。
記事タイトルは、検索結果で読者が最初に目にする場所であり、記事の中心を示す場所でもあります。対策キーワードは左寄りに置き、語を並べるのではなく自然な一文に埋め込みます。
見出しは、記事の構造を示します。記事タイトルとh2の一部に対策キーワードが入っていれば十分で、すべての見出しに入れる必要はありません。むしろ全部に入っているほうが不自然でしょう。
本文の冒頭は、読者が「この記事は探していた答えか」を判断する場所です。リード文のなかで、その記事が答える問いを対策キーワードを含む形で言い切っておくと、読み進めてもらえる確率が上がります。
4か所目が画像の代替テキストです。ここは画像が何を示しているかを説明する欄であって、キーワードを置くための欄ではありません。図の内容を書いた結果として対策キーワードが入るなら、そのままで構いません。

よく質問を受けるメタディスクリプションは、この4か所には入れていません。順位を直接動かす要素ではないためです。ただ、検索結果に表示されたときのクリックには関わるので、対策キーワードを含む自然な文で書いておく価値はあります。
サイト全体のキーワード数は記事本数と別物
最後に、サイト全体へ視点を移します。「まず50語」「最低100記事」といった数字が語られることがありますが、必要な数はサイトごとに違います。サイト全体のキーワード数は、記事本数ではなく答える問いの数で決まります。
キーワードツールから抜き出した語の一覧は、そのまま記事の本数にはなりません。1,000語の候補があっても、問いの形に直して重複をまとめると、200から300のかたまりに収まることがよくあります。記事の本数に近いのは、候補の語数ではなくこのかたまりの数です。
候補の語数をそのまま記事本数として見積もると、必要な制作量を実際より多く見積もることになります。着手前に問いの形へ直してまとめる工程を挟むと、本数も費用も現実的な数字に落ち着きます。
どこから着手するかは、検索数の大きさではなく、問い合わせに近い問いから決めます。検索数の大きい語から埋めたくなりますが、相談や購入の直前に検索される語のほうが、本数が少なくても成果につながります。検索数の小さい多数のキーワードは、その後で面として押さえていく順番です。

ここまで来ると、最初の「何個入れればいいのか」という問いが、実は本数と順番の話だったとわかります。
候補の語は集まったのに、どの問いから記事にするか決めかねているなら
候補を問いのかたまりに直し、相談や購入に近い順へ並べ替えるところまでを設計として引き受けています。すでにお持ちのキーワード一覧からでも始められます。
SEOのキーワード数についてよくある質問
キーワード数をめぐって繰り返し届く質問に、まとめて答えます。
中心に据える対策キーワードは1つです。関連キーワードや共起語は記事のなかに含めて構いませんが、個数を目標にする必要はありません。狙う語を2つ以上にしてよいのは、両方の検索結果に同じURLが半分以上並ぶときだけです。
目安の数字はありません。答えるべき問いを本文で扱えば、必要な回数は自然に決まります。数字が低いと感じたときは語を足すのではなく、扱えていない論点を探してください。
順位操作を目的とした機械的な繰り返しは、Googleがスパムポリシーで禁止しています。ただ、実際に多いのは罰則ではなく、原因に気づかないまま順位が伸びない状態のほうです。
1つの検索意図に丁寧に答えた記事は、言い回しの違う多数の語で表示されます。狙いを1つに絞ることと、取れる語が増えることは矛盾しません。
必要ありません。Googleは検索順位の判断にメタキーワードタグを使っていないと公表しています。設定しても害はありませんが、手間をかける価値はほとんどないと考えています。
まとめ|数えるより、答える問いを1つに
SEOのキーワード数という問いは、1語の出現回数、1記事で狙う数、サイト全体の数の3つに分かれます。このうち成果を左右するのは2つ目で、1記事が答える問いを1つに定められているかどうかで、順位はおおよそ決まります。
出現回数に目安の数字は要りません。関連キーワードや共起語は、数えるのではなく、見出しに上げる・本文で触れる・使わないの3つに仕分けます。サイト全体の数も、候補の語数ではなく問いのかたまりの数から出しましょう。数を増やす作業より、問いを1つに定める作業のほうが順位を動かすのです。
私たち合同会社Writers-hubは、キーワードの設計から記事制作、社内で書ける体制づくりまでを支援しています。手元のキーワード一覧をどう記事に落とすかで止まっているなら、並べ直すところからご一緒できます。
いま公開している記事が、いくつの問いに答えているか分かりますか
公開済みの記事でも、狙いが重なっている組み合わせを見つけて整理し直せます。何本あるかを数えるところからで構いません。








