「順位が急に下がったのは、Googleからペナルティを受けたからではないか」。順位チェックツールで、数日のうちに大きく下がった数字を見ると、Googleに罰を受けたように感じられるためです。ところが、Googleの担当者が違反と判断したときの「手動による対策」は、Search Consoleのレポートを開けば有無がすぐに分かります。対策がなければ、下がった日付と下がり方を画面で照らし合わせて、通常の順位変動の原因を絞り込めます。
本記事では、手動による対策の確かめ方から、対策がないときに下落の原因を絞る順番まで、検索順位の分析と記事制作を手がける制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- ペナルティかどうかは、Search Consoleの「手動による対策」レポートを開けば分かる
- 対策が見つかったら、影響を受けた全ページを直してから再審査をリクエストする
- 対策がなければ、セキュリティ、検索パフォーマンス、インデックス登録、Googleの更新日の順に原因を絞る
- コアアップデートで2位から4位ほど下がっただけなら、成果の出ているページは書き直さない
ペナルティの診断で最初に開くレポート
SEOのペナルティかどうかを診断するとき、最初に開くのはSearch Consoleの「手動による対策」レポートです。手動による対策は、Googleの担当者がページを目視で審査し、スパムに関するポリシーに準拠していないと判断したサイトに行われます。
対策を受けると、サイトの一部またはすべてが、検索結果で順位を下げられたり、表示されなくなったりします。検索結果の画面には対策を示す表示が出ないため、自分で検索して順位を見るだけでは見分けられません。
Googleは、手動による対策を行ったときに、「手動による対策」レポートとSearch Consoleのメッセージ センターで知らせると説明しています。レポートの表示は、次の2通りです。
- 対策なし:緑色のチェックマークとメッセージが出る
- 対策あり:レポートの上部に対策の回数が出る
緑色のチェックマークが出ていれば、手動のペナルティは受けていません。

※ 出典:Search Console ヘルプ「手動による対策」レポート
手動による対策が見つかったときの直し方
手動による対策が見つかったら、レポートに書かれた問題を影響を受けた全ページで直し、Googleに再審査をリクエストします。手順は次の5つです。
レポートの説明のパネルを開き、問題の種類と、影響を受けるページのパターンを確かめます。「すべてのページに影響があります」と書かれていれば、サイト全体が対象です。
影響を受けているすべてのページで問題を直します。一部のページだけを直しても、検索結果は変わりません。対策が複数あるときは、すべてを直します。
直したページが、ログインなしで見られ、有料のコンテンツでなく、robots.txtやnoindexでブロックされていないかを、URL検査ツールで確かめます。
レポートの「審査をリクエスト」から、問題の内容、直した手順、直した結果の3つを書いて送ります。
審査の進み具合はメールで届きます。決定の通知が届くまで、リクエストを送り直しません。
再審査にかかる期間は、ほとんどが数日から数週間です。リンクに関する対策のように、通常より長くかかる場合もあります。
対策の種類ごとの原因と直し方は、Googleペナルティとは?順位下落の原因の切り分け方と解除手順にまとめています。
対策がないときに確かめる4つの画面
手動による対策がない場合は、通常の順位変動として、4つの画面で原因を探します。訪問者に被害が出るセキュリティの問題から先に開き、Googleの更新日は最後に確かめます。

セキュリティの問題レポート
セキュリティの問題レポートには、サイトがハッキングされている場合や、フィッシングやマルウェアで訪問者に危害が及ぶおそれがある場合の問題が出ます。問題のあるページは、検索結果に警告ラベルが付いたり、開こうとした人のブラウザに警告ページが表示されたりします。
警告が出ると、検索からのアクセスが減ることがあります。問題が出ていたら、順位の分析より先にサイトの修復に取りかかります。
検索パフォーマンスレポート
検索パフォーマンスレポートでは、下がった時期と範囲を確かめます。使う設定は次の3つです。
- 日付:「過去16か月」にして、前の年の同じ時期にも同じように下がっていないかを見る
- 比較:「過去3か月を前期と比較」か「過去3か月の前年比」にして、クエリ・ページ・国・デバイス・検索での見え方のタブで、どこが下がったかを見る
- 検索タイプ:Web・画像・動画・ニュースを切り替えて、どの検索で下がったかを見る
比較の後に「ページ」の表を「クリック数の違い」で並べると、クリック数が大きく減ったページから順に見られます。
前の年の同じ時期にも下がっていれば、季節による需要の変化です。季節かどうか見当が付かないときは、クエリを1つに絞り、Googleトレンドで、絞ったクエリの検索が世の中全体で減っているかを調べます。
Search Consoleのデータ異常のページも開き、集計の変更や記録の誤りで数字が下がって見えていないかを確かめます。
ページのインデックス登録レポート
下落がサイト全体に及んでいるときは、ページのインデックス登録レポートとクロールの統計情報レポートで、エラーが急に増えていないかを見ます。サーバーが応答しない、robots.txtを取得できない、ページが見つからないといった技術的な問題があると、Googleがページをクロールしたり検索結果に出したりできなくなることがあります。
一部のページだけが下がっているときは、URL検査ツールで下がったページを調べます。noindexタグの入れ間違いは、Googleが各ページをクロールし直すたびに影響が出るため、アクセスは緩やかに減ります。
Google検索ステータスダッシュボード
Google検索ステータスダッシュボードでは、コアアップデートやスパムアップデートの開始日と期間を確かめます。ダッシュボードには、多くのサイトや利用者に影響する障害と、サイトの運営者に関わるランキングの更新が載り、過去5年分の履歴を見られます。
下がった日付が更新の期間に入っていれば、更新による評価の変化を疑います。どの更新とも重ならず、障害も出ていなければ、検索結果の入れ替わりによる変動として扱います。
下がり方から分かる順位下落の原因
順位下落の原因は、どの数字が、どの範囲で、どう下がったかで見当が付きます。Googleの説明をもとに、下がり方ごとに疑う原因と次に開く画面を並べたのが次の表です。
下がり方 | 疑う原因 | 次に開く画面 |
|---|---|---|
表示回数は変わらず、クリック数だけが減った | タイトルやスニペットが内容を伝えていない、ほかのサイトのリッチリザルト | 自分で検索した検索結果の画面 |
掲載順位が2位から4位のように少し下がった | 通常の順位変動 | 数週間後の検索パフォーマンスレポート |
多くのクエリで4位から29位のように大きく下がった | アルゴリズムの更新による評価の変化 | Google検索ステータスダッシュボード |
前の年の同じ時期にも下がっていた | 季節による需要の変化 | Googleトレンド |
サイト全体でエラーとともに急に減った | サーバーやrobots.txtの技術的な問題 | ページのインデックス登録レポート、クロールの統計情報レポート |
一部のページだけが緩やかに減った | noindexの入れ間違いなどページ単位の問題 | URL検査ツール |
とりわけ見落とされがちなのが、表示回数が変わらないままクリック数だけが減る下がり方です。Googleも、2位から4位のような小さな下落では、表示回数が大きく変わらなくてもクリック数が大きく減ることがあると説明しています。
クリック数だけを見て、ペナルティや大きな下落と決めつけません。Googleは、掲載順位の数字そのものより、表示回数とクリック数がサイトの成果の指標になると説明しています。

表の下がり方に当てはめても原因が1つに絞れないときは、同じ時期に複数の原因が重なっている場合があります。日付ごとに、更新の期間とエラーの増えた日を書き出して並べると、どれが先に起きたかが分かります。
順位の下落と重なる2種類の更新
下がった日付がGoogleの更新の期間と重なるときは、更新の種類で対応が分かれます。コアアップデートなら下がった幅を測ってから直すかを決め、スパムアップデートなら自分のサイトをスパムに関するポリシーと照らし合わせます。
コアアップデート
コアアップデートは特定のサイトを狙った変更ではなく、順位が下がったページが悪いとは限らないとGoogleは説明しています。下がった幅は、更新の完了から1週間以上待ち、更新の開始前の1週間と現在の週を比べて測ります。
比べた結果で、次の対応が変わります。
- 2位から4位のような小さな下落:抜本的な対策は要らず、成果の出ているページは変えない
- 4位から29位のような大きな下落:サイト全体が有用で信頼できる、利用者を第一にした内容になっているかを自己評価する
大きく落ちた記事が多いので、古い記事をまとめて削除しようかと考えています。
編集部
削除は、直しようがないと判断した記事だけにしてください。Googleも、コンテンツの削除は最後の手段だと説明しています。大きく落ちた記事から、同じ検索語で上位に出ているページと見比べ、読者の疑問に答え切れていない所を書き直します。
直した効果が検索結果に出るまでには、数日から数か月かかることがあり、効果が出ない場合もあります。数週間待ってから、検索パフォーマンスレポートで同じ比べ方をして確かめます。コアアップデートの仕組みは、コアアップデートの仕組みと影響|順位が落ちたときの確かめ方と直し方で扱っています。
スパムアップデート
スパムアップデートの期間と重なるときは、スパムに関するポリシーの項目と自分のサイトを照らし合わせます。Googleはポリシーへの違反を自動のシステムでも検出しており、手動による対策の通知がないまま、順位が下がったり表示されなくなったりすることがあります。
スパムアップデートと重なる下落は、手動による対策がなくても違反がないかを確かめます。順位を上げるために買ったリンクや、読む人に役立たないまま大量に作ったページがあれば、ポリシーの「リンクスパム」や「大量生成されたコンテンツの不正使用」の項目と見比べます。
自分で診断するか相談するかの分かれ目
自分で診断を進められるかは、Search Consoleの画面を見比べる時間があるかと、結果から直すページを決められるかで分かれます。次の3つに当てはまれば、自分で進められます。
- Search Consoleにサイトを登録していて、検索パフォーマンスレポートを開ける
- 下がった日付を、Google検索ステータスダッシュボードの更新の期間と照らし合わせられる
- 下がったページを、同じ検索語で上位に出ているページと見比べて直せる
当てはまらないものがあるときは、現状の分析から外部に任せる方法もあります。相談の前に、下がり始めた日付と、下がったページのURLを書き出しておくと、どの画面から確かめるかをすぐに決められます。
ペナルティの診断でよくある質問
ペナルティの診断について、よく聞かれる質問に3つ答えます。
外部の診断ツールでもペナルティは分かる?
ペナルティのうち手動による対策の有無は、Search Consoleの「手動による対策」レポートで確かめるものです。外部のツールは、順位の推移をGoogleの更新日と重ねて見るときに使います。
買ったサイトに対策が付いていたら?
買ったサイトに手動による対策が付いていても、買う前からの違反なら、レポートに書かれた問題を直してから再審査をリクエストします。リクエストには、サイトを最近取得したことを書きます。あわせて、ポリシーに違反しなくなったことも伝えます。
サイトの移転の後に順位が落ちたら?
URLを変えたサイトの移転の後は、Googleがサイトをクロールし直し、インデックスに登録し直すまで、順位が動くことがあります。Googleが変更に気づくまでには、中規模のサイトで数週間、大規模なサイトではさらに長くかかる場合があります。数週間を過ぎても戻らないときは、移転の手順に誤りがないかを確かめます。
まとめ|診断は手動による対策の確認から始める
SEOのペナルティの診断は、Search Consoleの「手動による対策」レポートを開くことから始めます。対策があれば影響を受けた全ページを直して再審査をリクエストし、なければ通常の順位変動として原因を探します。
通常の順位変動の原因は、4つの画面で下がった日付と範囲を確かめ、Googleの更新日と照らし合わせると絞り込めます。直すかどうかは、下がった幅と範囲を測ってから決めます。
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