「どんな質問をすれば、ちゃんとした話が聞けるんでしょうか」。職業インタビューを控えた方から、いちばん多く受ける相談です。質問例を集めたページを見つけて、100個並んだリストをそのまま印刷し、当日読み上げる。ところが返ってくるのは、「やりがいのある仕事です」「大変ですが楽しいです」といった、どの職業に当てはめても成り立つ答えばかり。持ち時間だけが過ぎていきます。
働く人に話を聞いて記事にする仕事を重ねてきた立場から申し上げると、質問リストの長さと、返ってくる答えの具体さは比例しません。30問用意しても一般論で終わることがあり、7問でその職業の輪郭がはっきり見えることもある。分かれ目は質問の数ではなく、ひとつひとつの質問がいつの、どの場面の話を求めているかを指定できているかどうかにあります。
本記事では、職業インタビューで使える質問例50選を5つのブロックに分けて示したうえで、答えが一般論に戻ってしまうときの直し方、中学生や高校生が学校の課題で取材するときの段取り、質問数と時間配分の目安までを、取材の現場からお伝えします。
- 職業インタビューと社員インタビューで、聞くべき中身がどう変わるか
- そのまま使える質問例50選と、聞く順番の組み立て方
- 一言で終わった答えを、その場で具体的な話に開かせる3つの指定
- 中学生・高校生が職場に取材へ行くときの当日の流れと質問の選び方
- 持ち時間から逆算した質問数の目安と、聞かないほうがよい話題
職業インタビューは、会社の話ではなく職業そのものを聞く
職業インタビューという言葉は、学校のキャリア教育でも、企業の仕事紹介コンテンツでも使われます。共通しているのは、ある職業に就いている人から、その職業を選ぶかどうかを判断できる材料を集める場だという点です。
ここで、よく混同される社員インタビューとの違いを整理しておきます。両者は形式が似ているため同じ質問リストが使い回されがちですが、主語が違います。
社員インタビュー | 職業インタビュー | |
|---|---|---|
主語 | その会社 | その職業 |
読者が判断したいこと | この会社で働くかどうか | この職業に就くかどうか |
聞きどころ | 入社の決め手、社内の制度、上司との距離 | 1日の中身、資格や進路、収入の幅、続けられる条件 |
答えが会社ごとに変わる部分 | ほぼ全部 | 待遇や職場環境など一部 |
使われる場面 | 採用サイト、会社案内 | 学校の職業調べ、職業紹介記事、社内報の他部署紹介 |
違いは、同じ質問を投げたときの着地点に出ます。「やりがいは何ですか」と社員インタビューで聞けば、答えは自然と自社の環境や仲間の話に寄っていく。同じ質問を職業インタビューで投げると、その職業に固有の手応えを引き出したいのに、勤め先の話に流れてしまうことがあります。

そのため、職業インタビューでは勤め先が変わっても残る部分と、勤め先によって変わる部分を分けて聞くことが起点になります。「同じ資格を持っていても、勤め先によって仕事の中身は変わりますか」という一問を入れておくだけで、読み手や聞き手は、目の前の人の話をどこまで一般化してよいか判断できるようになります。
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質問を選ぶ前に、読者・判断させたいこと・持ち時間の3つを決める
質問例のページを開く前に、決めておくと後戻りが減る項目が3つあります。順番に埋めていくと、50問のうちどれを持っていくかが自動的に絞られていきます。
進路を迷っている中学2年生なのか、異業種からの転職を考えている30代なのかで、必要な情報が変わります。前者には資格や進路の話が要りますが、後者には前職の経験がどこまで通用するかの話が要る。「誰が」を曖昧にしたまま質問を選ぶと、どちらにも中途半端な内容になります。
職業インタビューの出口は、たいてい「向いていそうか」「目指すとしたら何から始めるか」のどちらかです。判断してほしいことが決まると、逆算して必要な情報が見えます。向き不向きを判断させたいなら、うまくいかなかった場面の質問が要る。始め方を判断させたいなら、資格と最初の仕事の質問が要ります。
1問に対する答えは、話が乗れば3分から5分続きます。ここから逆算すると、30分の取材なら本題の質問は5問から7問、60分なら8問から12問が上限です。残りの時間は聞き返しと雑談に消えると見ておいてください。
質問数の目安を数字で置くと、次のようになります。予備の質問は、相手が想定より早く答え終わったときの保険で、使わなくても構いません。
- 20分(学校の職場体験など)……本題5問、予備2問
- 30分……本題5問から7問、予備3問
- 60分……本題8問から12問、予備5問
- 90分(記事化を前提とした取材)……本題12問から15問、予備5問
※ 相手が話す速度、写真撮影や職場見学を挟むかどうか、同席者の人数によって上下します。初対面の相手で緊張が残る場合は、上記より1問から2問少なめに見積もると収まりやすくなります。
質問例のリストは見つけたのですが、そのまま持っていって大丈夫でしょうか。
編集部
半分はそのまま使えます。ただ、「やりがいは何ですか」のように範囲を切らずに聞く質問は、どの職業でも似た答えが返ってきます。持っていく前に、いつの話を聞きたいのかを一言足してください。「直近1か月で」「入社1年目に」と時期を付けるだけで、返ってくる内容が実際の出来事に変わります。
関連記事:会社で社員インタビューを行う手順|目的別の質問例と本音を引き出す聞き方
職業インタビューの質問例50選を5つのブロックに分けて用意する
以下の50問は、時期や場面の指定をあらかじめ組み込んだ形で並べています。上から順に使うのではなく、前章で決めた読者と持ち時間に合わせて、各ブロックから1問か2問ずつ選ぶ使い方を想定してください。

仕事の中身と1日の流れを聞く質問10問
最初のブロックは、相手がいちばん答えやすい領域です。事実を淡々と答えられるため、緊張がほどけます。
- 今日ここに来られるまでに、どんな仕事をされていましたか
- 昨日1日の動きを、出社してから帰るまで順番に教えてください
- 1週間のうち、いちばん時間を使っている作業は何ですか
- その作業は、1回あたりどのくらいの時間がかかりますか
- 一人で進める仕事と、誰かと組んで進める仕事の割合はどのくらいですか
- 仕事で使っている道具やソフトを、よく使う順に3つ挙げてください
- 忙しい時期と落ち着く時期は、1年のうちいつ頃ですか
- 同じ資格や肩書きでも、勤め先によって仕事の中身は変わりますか
- 職場には何人いて、そのうち同じ仕事をしている人は何人ですか
- この仕事を知らない人に一言で説明するとしたら、何と言いますか
その職業に就くまでの道のりを聞く質問10問
進路や転職を検討している読者にとって、実行可能性を判断する材料が集まる部分です。資格の有無だけでなく、取得にかかった期間まで踏み込むと使える情報になります。
- この仕事を初めて知ったのは、いくつのときでしたか
- 就こうと決めたのは、何がきっかけでしたか
- 学生のときは、どの学校でどんなことを学んでいましたか
- この仕事に就くために必要な資格や免許はありますか
- その資格は、働きながらだとどのくらいの期間で取れるものですか
- 資格がない状態でも始められる仕事はありますか
- 就職先を選ぶとき、他に迷った職業はありましたか
- 最初に任された仕事は、どんな内容でしたか
- 一人で任せてもらえるようになるまで、どのくらいかかりましたか
- 今からこの仕事を目指す人は、まず何から始めるとよいですか
収入・働く時間・休みを聞く質問10問
聞きにくいと感じる領域ですが、読者がいちばん知りたい部分でもあります。金額を直接尋ねるのではなく、変わり方や幅を聞く形にすると、相手も答えやすくなります。
- 1日の勤務時間は、だいたい何時から何時までですか
- 残業が出るのは、どんな日ですか
- 休みは週に何日あって、どの曜日に取ることが多いですか
- まとまった休みは取れますか。直近ではいつ取られましたか
- この職業の収入は、経験年数でどのくらい変わるものですか
- 収入が上がるのは、何ができるようになったときですか
- 勤め先を変えると、待遇は変わりやすい職業ですか
- 体力的にきついと感じるのは、どんな場面ですか
- 家庭や趣味との両立で、工夫されていることはありますか
- 定年まで続ける方は、周りにどのくらいいらっしゃいますか
このブロックの質問は、相手が答えたくなければ飛ばせる形で置いておくのが実務的です。「差し支えなければ」を頭に付けておくと、相手は断りやすくなるでしょう。断られた場合は、公的な統計で職業ごとの労働時間や賃金を確認する方法が残っています。
うまくいかなかった場面と判断を聞く質問10問
向き不向きの判断材料は、順調だった話ではなくつまずいた話から出てきます。良い話ばかりが並ぶ記事や発表は、読み手に広告として処理されるため、ここは意識して厚く聞いてください。
- 直近1か月で、いちばん手こずった仕事は何でしたか
- そのとき、どうやって切り抜けましたか
- 判断に迷ったとき、誰に相談されますか
- これまでで、いちばん失敗したと思っている出来事は何ですか
- その失敗のあと、やり方を変えたところはありますか
- お客様や取引先から厳しい言葉をもらったことはありますか
- 辞めようと思ったことはありますか。それはいつ頃でしたか
- 続けられた理由は何だったと思われますか
- 慣れるまでにいちばん時間がかかったのは、どの作業でしたか
- この仕事が続かない人には、どんな共通点がありますか
これからと、目指す人へのメッセージを聞く質問10問
締めのブロックです。相手が前を向いて話せる内容で終わると、後日の原稿確認や追加の質問にも応じてもらいやすくなります。
- ここ数年で、仕事のやり方が変わったところはありますか
- 機械やソフトに任せられるようになった作業はありますか
- 逆に、人がやらないと成り立たない部分はどこですか
- 5年後、この職業はどう変わっていると思われますか
- ご自身は、これから何ができるようになりたいですか
- 直近1か月で、これはやってよかったと思えた仕事はどれですか
- その仕事のどこがよかったのか、もう少し詳しく教えてください
- この職業に向いているのは、どんなことが得意な人ですか
- 目指している中学生や高校生に、今のうちにやっておいてほしいことはありますか
- 最後に、この仕事を続けている理由を挙げるとしたら何ですか
50問すべてを持っていく必要はありません。むしろ、5つのブロックから1問ずつ選んだ5問のほうが、話は深くなります。ブロックをまたいで選ぶと、仕事の全体像が抜けなく揃うためです。
関連記事:社内インタビューの進め方|社内報で読まれる質問の選び方と記事にする手順
同じ質問でも、時期と場面を指定すると答えの具体度が変わる
ここからが、質問例を集めただけでは越えられない部分です。用意した質問のどこかは、必ず一般論で返ってきます。そのときは、質問を作り直すのではなく、その場で条件を足して聞き直してください。
足せる条件は3つです。時期、場面、数。この3つのどれかを付け加えると、相手の頭の中で検索範囲が絞られ、実際に起きた出来事が思い出されます。
よく見かける質問 | 条件を足した形 | 足した条件 |
|---|---|---|
やりがいは何ですか | 直近1か月で、これはやってよかったと思えた仕事はどれですか | 時期 |
大変なことは何ですか | 昨日1日のうち、いちばん気を遣った場面はどこでしたか | 時期と場面 |
どんなスキルが必要ですか | 新人が最初につまずくのは、どの作業ですか | 場面 |
職場の雰囲気はどうですか | 週に何回くらい、他の人と相談しながら進めますか | 数 |
今後の目標は何ですか | 来年までにできるようにしたいことを1つ挙げるとしたら何ですか | 時期と数 |

なぜ、条件を足すだけで答えが変わるのか。人は「やりがい」のような広い言葉を投げられると、過去の経験を平均した要約を返します。要約は当たり障りがなく、どの職業でも似た形になる。一方で「直近1か月」と時期を切られると、平均を作れないため、実際に起きたことを一つ取り出して答えるしかなくなります。
答えの具体さを決めているのは質問の文言ではなく、指定した範囲の狭さです。この見方を持っておくと、他所で見つけた質問例のリストも、そのまま使えるものと手直しが要るものに仕分けられるようになります。
聞き直すときの言い方も、決めておくと迷いません。「ありがとうございます。そのなかで、直近だと具体的にどんな場面がありましたか」と、感謝を挟んでから条件を足す。責めているように聞こえないため、相手の警戒を招きません。
質問リストを作り直す時間が取れないまま、取材の日程だけが決まっていませんか
質問設計から取材当日の進行、原稿の確認までを一つの流れとしてお引き受けします。すでに用意された質問リストがある場合は、どこに時期と場面を足せば具体的な答えが返るかの整理からご一緒します。
中学生・高校生の職業インタビューは、質問より当日の段取りでつまずく
学校の職場体験やキャリア教育の課題で職業インタビューを行う場合、質問そのものよりも、当日の進め方でつまずく例が目立ちます。緊張して質問を読み上げるだけになり、相手の答えを書き取れないまま時間が終わる、という形です。
先に済ませておきたいのが、調べれば分かることの確認です。仕事内容の概要や必要な資格は、厚生労働省が運営する職業情報提供サイトで職業ごとに公開されています。事前に目を通しておけば、当日の質問は「調べても分からないこと」に集中させられるでしょう。

※ 出典:厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」
そのうえで、当日は次の順番で進めます。所要20分を想定した流れです。
学校名、学年、名前、そして聞いた内容をどう使うのか(クラスでの発表、新聞にまとめる、など)を最初に伝えます。使い道が分かると、相手は答える深さを調整できます。
「あとで聞き返したいので、録音してもよいでしょうか」と一言。断られた場合はメモに切り替えます。写真を撮る予定があれば、この時点で合わせて確認しておきましょう。
いきなり将来の展望や失敗談を聞かず、昨日の1日の流れなど答えやすい事実から入ります。相手の口が動き始めてから、深い話に移ります。
「もう少し詳しく」ではなく、「直近だとどんな場面がありましたか」と範囲を狭めて聞きます。相手が思い出しやすくなります。
発表や新聞に載せる前に内容を確認してもらうため、連絡方法を教えていただきます。後日の訂正が一往復で済みます。
持ち時間20分なら、質問は5問が上限です。前章の50問から選ぶなら、「昨日1日の動きを順番に」「この仕事に就くために必要な資格」「直近1か月でいちばん手こずった仕事」「この仕事が続かない人の共通点」「今のうちにやっておいてほしいこと」の5問が、発表用の材料として過不足のない組み合わせでしょう。学校の課題で職業について調べる取り組み自体の位置づけは、文部科学省のキャリア教育に関するページでも整理されています。
面白い質問は、聞きにくいことを答えやすい形に直した質問
「面白い質問を入れたい」という相談もよく受けます。ここでいう面白さは、奇をてらった質問という意味ではありません。その職業の人しか答えられず、しかも答えるのが楽しい質問が、結果として面白い答えを連れてきます。
面白い質問を作る手がかりは、「外の人には見えていないが、中の人には当たり前になっていること」を探すことです。専門知識ではなく、習慣や癖の側にあります。
実際に場が動きやすい質問を挙げておきます。持ち時間に余裕があるとき、最後の1問として使うと締まります。
- この仕事をしている人にしか分からない、季節の変化はありますか
- 仕事で使う言葉で、外の人には通じないものはありますか
- 職場で暗黙の了解になっている決まりごとはありますか
- 1日のなかで、いちばん気が抜ける瞬間はいつですか
- この仕事を始めてから、私生活で変わった癖はありますか
- 街を歩いていて、つい職業目線で見てしまうものはありますか
- 同じ職業の人と会ったとき、まず何の話をしますか
- ご家族にこの仕事の何を説明するのが、いちばん難しいですか
これらは記事や発表の冒頭に置くと効きます。読み手が知らない事実から始まると、その先の説明を読む理由が生まれるためです。
聞かないほうがよい質問と、扱いを決めておく話題
避けたい質問には、相手を困らせるものと、聞いても情報が増えないものの2種類があります。混ざりやすいので、分けて見ておきます。
- 年収はいくらですかと、金額を直接尋ねる
- 結婚や子どもの有無、家族の職業や住まいを尋ねる
- 他社や同業者の悪いところを言わせる
- 会社案内や求人票に書いてあることを、そのまま尋ねる
- はいかいいえで終わり、その先が続かない質問を並べる
- 相手が持っていない業界全体の統計や平均を尋ねる
上4つは相手を困らせる側、下2つは時間を減らす側です。とくに最後の項目は見落とされがちで、「この業界の平均年収はどのくらいですか」と聞かれても、目の前の一人が答えられる範囲を超えています。統計は公的資料に当たり、取材ではその人の経験でしか答えられないことに絞ってください。
採用サイトや求人に関わる取材では、尋ねる内容そのものへの配慮が欠かせません。本籍地、家族の職業や収入、住宅状況、思想信条などは、採用選考の場で把握すること自体が適切でないとされています。職業インタビューは選考ではありませんが、掲載された内容は読み手から見れば会社の姿勢そのものです。

※ 出典:厚生労働省「公正な採用選考の基本」
聞いた話を職業紹介の記事にするときにつまずくところ
取材そのものはうまくいったのに、記事の形にする段階で止まる。相談として持ち込まれる案件の多くが、この状態です。つまずきどころは、だいたい次の4つに集約されます。
- 一問一答のまま出してしまい、読み手が話の筋を追えない
- 話し言葉をそのまま文字にして、繰り返しや言い直しが残る
- 資格名、年数、社名、地名など、確認が必要な固有名詞を裏取りしていない
- 本人確認の範囲を決めずに原稿を送り、全面的な書き直しが返ってくる
一問一答は、Q&A形式として成立する場合もあります。ただ、職業紹介として読ませるなら、聞いた順番と読ませる順番は別に組み直したほうがよいでしょう。取材では答えやすい現在の話から入りますが、読み手が知りたい順は、その人が誰なのか、なぜその職業を選んだのか、今どんな1日を送っているのか、という並びです。
原稿確認の依頼も、範囲を指定してから出してください。「ご確認ください」とだけ添えると、相手は文章表現まで直す責任を負わされたと感じ、全体を書き換えて返してきます。「事実関係の誤りと、社外に出せない情報がないかだけをご確認ください」と範囲を切ると、確認の往復は一度で終わります。
直しの往復が増える原因は、原稿の出来ではなく依頼文の書き方にあります。ここは一度形を決めてしまえば、次回以降そのまま使い回せる部分です。
録音は溜まっているのに、記事の形にする工程で止まっていませんか
文字起こしの整文、構成の組み直し、固有名詞の裏取り、本人確認の進め方まで、公開できる状態までの工程をお引き受けします。取材はご自身で行い、執筆から先だけを外に出す形にも対応しています。
職業インタビューについてよくある質問
30分の取材なら5問から7問が上限です。1問に対する答えは、話が乗れば3分から5分続くためです。用意した質問を全部消化することより、返ってきた答えに聞き返しを重ねるほうが、内容は濃くなります。予備の質問を3問ほど別に持っておくと、早く終わったときに困りません。
渡したほうが答えは具体的になります。とくに数字(年数、人数、時間)を含む質問は、その場では正確に答えられないことが多いためです。ただし全問を渡すと回答が用意された文章になりがちなので、事実を確認する質問だけ先に送り、失敗談や本音に関わる質問は当日に取っておく形をおすすめします。
記事や新聞にまとめる予定があるなら、録音してください。メモだけだと、言い回しの細かい部分が再現できません。録音を始める前に許可を取り、断られた場合はメモに切り替えます。学校の課題であっても、この手順は同じです。
相手の了承があれば問題ありません。ただ、メールだと聞き返しができないため、答えが一往復で終わりやすくなります。可能であれば対面かオンライン通話を選び、難しい場合はメールで基礎的な事実を確認したうえで、短い時間の通話をお願いする形が現実的です。
金額を直接尋ねるのは避け、「経験年数でどのくらい変わるものですか」「収入が上がるのは何ができるようになったときですか」と、変わり方を聞く形に置き換えてください。読み手が判断に使いたいのは絶対額よりも上がり方なので、情報としてもこちらのほうが役に立ちます。
まとめ|質問例は、時期と場面を足してから持っていく
職業インタビューの質問例を50問挙げてきましたが、成果を分けるのはリストの長さではありませんでした。同じ質問でも、いつの、どの場面の話かを指定した瞬間に、相手の答えは要約から出来事へ変わります。
- 職業インタビューは、勤め先の話ではなくその職業に残る部分を聞く場
- 質問数は持ち時間から逆算し、30分なら本題5問から7問に絞る
- 一言で終わった答えには、時期・場面・数のどれかを足して聞き直す
準備の段階では、5つのブロックから1問ずつ選ぶところから始めてみてください。仕事の中身、就くまでの道のり、収入と働く時間、うまくいかなかった場面、これから。この5つが揃っていれば、聞き漏らしはほとんど起きません。
私たち合同会社Writers-hubは、企業の仕事紹介や職業紹介のコンテンツについて、質問設計から取材、執筆、原稿確認までを引き受けています。取材の日程だけが先に決まってしまった、録音は溜まっているが記事にできていない、といった段階からのご相談も承っています。








