「Xで記事が拡散されれば、Googleの検索順位も上がるはず」。自社の記事がXで紹介され、その日のアクセスが普段の何倍にも伸びた経験があると、そう考えたくなるものです。しかし、拡散が落ち着いた数日後にSearch Consoleを開くと、順位は公開したときからほとんど動いていない、ということがよく起こります。
弊社はこれまで多くのSEO記事を制作し、公開後の順位とアクセスの推移を記事ごとに追ってきました。その経験から言えるのは、Xの反応は順位を直接は動かさず、読んだ人の次の行動を通じて検索に効くということです。見るべきは、いいねの数よりも、投稿を見た人が記事にリンクを貼ったか、社名で検索したかのほうです。
本記事では、XがSEOに直接効かない理由から、検索流入につながる3つの経路、記事を届ける投稿の作り方と効果の測り方まで、記事を作って届ける側の視点で順を追ってお伝えします。
- Xで記事が拡散されても、それだけでGoogleの順位が上がることはない
- 検索への効果がいちばん大きく出るのは、記事を読んだ人が自分のサイトでリンクを貼ったとき
- 記事のURLだけの投稿より、本文に結論を書いた投稿のほうが記事を開いてもらえる
- Xからの訪問はGA4で「t.co」や直接のアクセスに紛れるため、URLにUTMパラメータを付けて数える
- X内の検索で上位に出ても、Googleでの自社サイトの順位は上がらない
XにSEOの直接の効果はあるのか
結論から言うと、Xでの反応がGoogleの検索順位を直接押し上げることはありません。理由は、投稿に貼ったリンクの扱いと、いいねやフォロワーの数の性質の2つに分けて説明できます。
投稿のリンクが被リンクに数えられない理由
Xの投稿に貼ったURLは、t.coという短縮URLに置き換えられ、リンクにはnofollowという属性が付きます。nofollowは「このリンク先を評価の対象として扱わないでほしい」と検索エンジンに伝える印です。
Googleは、コメント欄や掲示板のように利用者が自由に書き込める場所のリンクに、ugcやnofollowを付けるよう案内しています。Xの投稿もこの種類に当たるため、投稿のリンクは通常の被リンクのように順位の評価に数えられにくいのです。属性の意味はnofollowの使い方と付ける場所の決め方で詳しく解説しています。

※ 出典:Google 検索セントラル(外部リンクに付ける rel 属性の説明)
いいねやフォロワーの数が順位に入らない理由
いいねやフォロワーの数は、外から操作しやすい数字です。数を買えるサービスまである指標を順位に足せば、検索結果はお金で動かせてしまいます。
では、GoogleはSNSをどう位置づけているのか。Googleの「SEO スターター ガイド」は、サイトを宣伝する方法の1つとしてソーシャル メディアのプロモーションを挙げています。そのうえで「新しいコンテンツを効果的に宣伝すれば、同じテーマに関心を持っているユーザーに発見されるのが早くなります」と説明しています。Xは順位を決める要素ではなく、記事を見つけてもらう手段として扱われているわけです。

※ 出典:Google 検索セントラル「SEO スターター ガイド」の「ウェブサイトを宣伝する」
XがSEOにつながる3つの経路
直接の効果はなくても、Xが検索流入の増加につながる経路は3つあります。どれも、投稿で記事に触れた人が次に取る行動を通じて検索に影響します。

記事を読んだ書き手がリンクを貼る
SEOへの効果がいちばん大きいのが、この経路です。Xで記事を見たブロガーやメディアの編集者が、自分の記事の中で出典としてリンクを貼れば、X上のリンクとは別に通常の被リンクが生まれます。
X上のリンクは数えられなくても、Xで届いた先の書き手が貼るリンクは被リンクになる。Xを使う価値の中心はここにあると見ています。被リンクが生まれやすい記事の条件はバックリンクとはでまとめています。
社名やサービス名での検索が増える
Xで何度か投稿を目にした人が、後日「社名+サービス名」で検索してサイトを訪れる流れです。社名などで検索する指名検索が増えると、自社のページが検索結果に表示される回数とクリック数が増えます。指名検索の測り方はSEOとブランド認知の関係で解説しています。
Googleの検索結果にXの投稿が表示される
社名や話題の言葉で検索したとき、Googleの検索結果にXのアカウントや投稿がまとめて表示されることがあります。自社サイトとは別の枠に社名や主張が出るため、検索した人の目に自社の情報が入る場所が1つ増えます。ただし、表示するかどうかはGoogleが検索語ごとに決めており、狙って確実に出せる枠ではありません。
「サイテーションで順位が上がる」は本当か
XとSEOの関係を扱う記事では、X上で社名や記事が言及されること(サイテーション)がSEOに効く、という説明がよく見られます。言及が増えるのは歓迎すべきことです。ただ、言及そのものが順位の計算にどう使われるかは、Googleが仕組みを公開していないため、外から確かめる方法がありません。
確かめられるのは、言及を見た人が社名で検索したか、記事にリンクを貼ったかという結果のほうです。社内でSEOとXの運用を兼ねている方からは、こんな質問をよく受けます。
毎日投稿して会社名が話題にのぼる回数を増やしていけば、サイトの検索順位も少しずつ上がっていくのでしょうか。
編集部
話題にのぼる回数が増えれば、記事を読む人は増えます。ただ、順位に影響するのは、その中の誰かがリンクを貼ったり、社名で検索したりしたときです。言及の数より、記事を紹介してくれたサイトの数と、社名での検索の表示回数を追ってみてください。
言及の数を順位のための数字と考えてしまうと、次のような手間のかかる割にSEOにほとんど効かない作業に時間を使いがちです。
- 1つの投稿にハッシュタグを何個も付ける
- 記事のURLだけの投稿を、同じ日に何度も繰り返す
- フォロワーやいいねを購入して数を増やす
- 社名を入れるためだけに、内容の薄い投稿を増やす
フォロワーやいいねの購入は、Xのルールで利用制限の対象になるおそれもあります。数字を増やすことより、記事を読んだ人が紹介したくなるかどうかに手間をかけるほうが、検索にはつながります。
記事を届けるXの投稿の作り方
3つの経路を踏まえると、Xの使い方は、届ける記事を用意するところから決まります。投稿を作る手順は次のとおりです。
Xで届ける先の記事を用意します。検索する人の疑問に答えていない記事は、Xから訪問があってもすぐに閉じられ、リンクも指名検索も生まれません。
投稿を見た人がアカウントを開いたとき、誰が何について発信しているかが一目でわかるようにします。社名の表記は、検索してほしい表記とそろえます。
タイムライン上で読み終える人も多いため、結論や手順の一部を投稿の本文に書きます。表や手順の全体など、続きは記事で読める形にします。
URLを貼ったときに表示される画像とタイトルは、OGPのタグで指定します。Xの表示形式はtwitter:cardというタグで指定でき、大きな画像で見せるならsummary_large_imageを使います。
投稿に貼るURLにUTMパラメータを付け、Xから来た訪問をGA4で分けて数えられるようにします。
とりわけ見落とされがちなのが、3つ目の手順です。記事のタイトルとURLだけの投稿は、読む前に中身がわからないため、よほど興味のある人しか開きません。投稿の本文で結論を示すと、その結論に納得した人や反論したい人が続きを読みに記事を開きます。OGPのタグの書き方はOGPとはで、公開前の確認手順とあわせて解説しています。

ただ、この流れは届ける記事がそろっていて初めて回ります。Xで紹介できる記事が数本しかない状態では、投稿を工夫しても案内する先が足りません。
Xで紹介したい記事が、まだ手元にそろっていませんか
検索されている疑問を調べて構成を決め、Xで結論の一部を紹介しても続きを読みたくなる記事まで制作します。Xで寄せられた質問を、記事のテーマに加えることもできます。
X経由の効果の確かめ方
Xの効果は、フォロワー数ではなく、3つの経路のどれが動いたかで確かめます。注意したいのが、GA4でのXからの訪問の見え方です。Xの活用を扱う記事では、ほとんど触れられない点でしょう。
Xの投稿のリンクは、先に説明したt.coを経由するため、GA4では参照元が「x.com」ではなく「t.co」と表示されることが多くあります。さらに、スマートフォンのXアプリから記事を開いた訪問は、参照元が記録されず、直接のアクセスとして数えられる場合があります。Xからの訪問を取りこぼさないために、投稿するURLにはUTMパラメータを付けておきましょう。

※ 出典:アナリティクス ヘルプ「URL 生成ツール: カスタム URL でキャンペーン データを収集する」
UTMパラメータを付けたうえで、毎月見る数字は次のとおりです。
- GA4で、Xからの訪問数と、訪問した人がそのあと読んだページ数
- Search Consoleの検索パフォーマンスで、社名やサービス名を含む検索語の表示回数
- Search Consoleのリンクレポートで、記事にリンクしている外部サイトの数
- 記事をXで紹介した日と、上の3つの数字が動いた時期の重なり
Xでの反応が大きかった月に、社名での検索や被リンクが増えていれば、XがSEOに効いたと判断できます。訪問数しか動いていない場合は、記事が引用されたり再訪問されたりする内容になっているかを見直しましょう。

X内の検索で見つけてもらう設定
「Twitter SEO」という言葉を、Googleではなく、X内の検索で自社のアカウントや投稿を見つけてもらう対策の意味で使う人もいます。X内の検索結果の順番はXが決めており、仕組みは公開されていません。そのため、できるのは検索された言葉がアカウントと投稿に含まれている状態を作るところまでです。
具体的には、アカウント名に社名と扱うテーマの言葉を入れ、自己紹介の文に読者が検索しそうな言葉を1〜2個含めます。投稿の本文にも、読者が実際に使う言い方で言葉を入れます。ハッシュタグは、その話題を追っている人が実際に使っているものを1〜2個に絞るほうが、投稿の本文が読みやすく保てます。
X内の検索とGoogleの検索順位は別の仕組みです。X内で上位に出ても、Googleでの自社サイトの順位は上がりません。両方を狙うなら、X内ではアカウントを見つけてもらい、Googleでは記事で答えるという役割に分けて考えます。
XとSEOに関するよくある質問
XとSEOの関係について、担当者から寄せられやすい質問に回答します。
上がりません。フォロワー数は順位に直接は反映されません。フォロワーが記事を読み、リンクを貼ったり社名で検索したりしたときに、間接的に検索流入が増えます。
順位を上げる効果は期待しないほうがよいでしょう。埋め込んだ投稿はX上の内容で、自社の記事の中身が増えるわけではありません。投稿を根拠として示したい場合は、要点を自分の言葉で本文に書き、投稿は添える程度にします。
あります。リンクによる順位への効果は見込めませんが、投稿を見てアカウントを開いた人がサイトへ移る入口になります。
検索で見つけてほしい記事がまだ少ないなら、SEO記事が先です。記事がそろってからXで届けると、訪問した人に読ませる記事があり、被リンクや指名検索につながります。
まとめ|Xは順位でなく読んだ人の行動で検索に効く
Xのいいねやフォロワーの数、投稿に貼ったリンクは、Googleの検索順位に直接は反映されません。Xが効くのは、記事を読んだ人がリンクを貼る、社名で検索する、検索結果に投稿が表示されるという3つの経路を通じてです。
だからこそ、最初に用意するのは、検索の疑問に答えていて、読んだ人が紹介したくなる記事です。Xではその記事の結論を投稿で示し、効果はUTMパラメータを付けたうえで、社名での検索と被リンクの数で確かめましょう。
私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作と、公開後に検索流入を増やすための改善を支援しています。Xで届ける記事の選び方から相談したい方は、現在の記事と運用の状況をお聞かせください。
Xから来た人を、検索でも選ばれる記事につなげたい方へ
Search Consoleの数字と公開済みの記事を拝見し、Xで紹介する記事と、先に順位を上げる記事の分け方を一緒に整理します。







