「日本語に対応した無料テーマなら、どれを選んでも大きな差はないだろう」。テーマの配布ページには完成見本の画面が並ぶため、見た目の好みで選べば十分と考える方もいるでしょう。
しかし、企業のWordPressへ記事を入稿する仕事を続けてきた弊社の立場から言えるのは、無料テーマは見た目より、作るサイトの種類と更新が続いているかで選ぶということです。テーマ独自の装飾で書いた記事は、テーマを乗り換えると表示が崩れ、1本ずつ開いて直すことになります。
本記事では、無料で使える日本語のテーマ5つから、選ぶ基準、乗り換えで困らない記事の書き方、インストールの手順まで、記事の入稿を請け負う制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- ブログならCocoon、会社のサイトならLightningかEmanon Free、デザインを自分で作り込むならArkheかyStandardが候補
- 日本語のテーマの利点は、説明書と相談先が日本語であること
- 公式サイトで最後の更新日を確かめ、1年以上更新のないテーマは外す
- ふきだしなどテーマ独自の装飾は、テーマを変えると表示が崩れる
無料で使える日本語のWordPressテーマ5選
無料で使える日本語のWordPressテーマで、2026年9月時点でも更新が続き、候補にしやすいのは次の5つです。どれも利用料はかからず、違いは向くサイトと入手先にあります。
| Cocoon | Lightning | Arkhe | yStandard | Emanon Free | |
|---|---|---|---|---|---|
| 向くサイト | ブログ | 会社のサイト・ブログ | デザインを作り込むサイト | デザインを作り込むサイト | 会社のサイト・ネットショップ |
| 入手先 | 公式サイト | 公式ディレクトリ | 公式ディレクトリ | 公式サイト | 公式サイトのフォーム |
| 有料の追加機能 | なし | あり | あり | あり | 上位の有料版あり |
表の「公式ディレクトリ」は、WordPress.orgが運営するテーマの配布場所で、管理画面から検索してそのまま入れられます。

ブログ向けの機能がそろうCocoon
Cocoonは、ブログに使う機能を追加のプラグインなしでそろえたい人に向くテーマです。エックスサーバー株式会社とわいひら氏が共同で開発し、26種類の独自ブロックのほか、ふきだし、ブログカード、アフィリエイトタグの管理、ランキング作成の機能を無料で使えます。
有料版はなく、使い方は公式サイトのマニュアルとフォーラムで調べられます。公式ディレクトリには無いため、公式サイトから親テーマと子テーマをダウンロードして入れます。

会社のサイトに向くLightning
Lightningは、株式会社ベクトルが開発し、公式ディレクトリで配布されている日本製のテーマです。公式ディレクトリでの有効インストール数は10万件以上で、2026年9月にも更新されています。
「サービス」「導入事例」のように投稿の種類を増やしても、テンプレートを編集せずにパンくずリストや一覧ページが整います。ページの種類が多い会社のサイトほど、種類ごとにテンプレートを作る手間が減ります。ヘッダーの作り込みやスマートフォンの固定メニューは、有料の追加機能に含まれます。
制作の土台として使うArkhe
Arkheは、有料テーマSWELLの開発元である株式会社LOOSが、公式ディレクトリで配布しているテーマです。公式サイトでは「Arkheはあくまで、ただの土台でしかありません」と説明されており、初期状態の飾りは控えめです。
CSSやブロックで自分のデザインを足していく人に向き、ブロックを増やす有料の「Arkhe Blocks Pro」なども用意されています。
設定の幅が広いyStandard
yStandardは、公式サイトで「カスタマイズありきの一風変わったWordPressテーマ」と紹介されているテーマです。個人・商用サイトとも制限なく無料で使え、目次、パンくずリスト、広告の管理などの機能を備えています。
見出しのデザインを変える機能やアニメーション付きのブロックは、有料のプラグイン「yStandard Toolbox」「yStandard Blocks」で足せます。
ネットショップも作れるEmanon Free
Emanon Freeは、有料テーマEmanon Pro・Emanon Businessの無料版です。WooCommerce(WordPressでネットショップを作るプラグイン)に対応し、会社情報やパンくずリストの構造化データ(検索エンジンにページの中身を伝えるための記述)を、プラグインなしで出力できます。
公式サイトのフォームにメールアドレスを送ると、ダウンロード用のURLが届きます。動かすにはWordPress 6.9以上とPHP 8.3以上が必要なため、契約しているサーバーのPHPの版を先に確かめてください。有料版へ移るときは、テーマの設定をやり直す必要があります。
日本語のテーマと海外製テーマの違い
日本語のテーマと海外製テーマの違いは、画面に日本語を表示できるかではなく、説明書と相談先が日本語かどうかにあります。WordPress本体が日本語に翻訳されているため、海外製のテーマやWordPress公式のTwenty Twenty-Fiveでも、本文やメニューは日本語で表示されます。
海外製のテーマは、テーマ独自の設定項目や説明書が英語のままのことがあります。表示の崩れや設定の迷いが出たとき、日本語のテーマなら公式サイトのマニュアルやフォーラムを日本語で検索でき、同じ症状を書いた利用者の記事も見つけやすくなります。日本語のテーマを選ぶ利点は、困ったときに日本語で答えを探せることです。
裏を返せば、英語の説明を読める人や、制作会社にサイトの構築を任せる場合は、海外製のテーマを外す理由はありません。日本語のテーマには、ふきだしやブログカードのように日本のブログで使われる装飾が最初から入っているものも多く、プラグインを足さずに記事を書き始められます。
無料テーマを選ぶ3つの基準
無料テーマを選ぶ基準は、作るサイトの種類に合うか、更新が続いているか、無料の範囲で足りるかの3つです。見本画面の好みは、3つを満たした候補の中で比べれば間に合います。
作るサイトの種類に合うか
ブログと会社のサイトでは、テーマに求める機能が違います。ブログでは記事ページの装飾と広告の管理を多く使い、会社のサイトではトップページの組み立てと、サービスや事例などのページの一覧を多く使います。
ブログ向けのテーマで会社のサイトを作ると、トップページを記事の一覧以外の形にするために、追加のプラグインやCSSが必要になることがあります。
更新が続いているか
WordPress本体とPHPは毎年更新されるため、テーマも合わせて直され続ける必要があります。更新が止まったテーマは、本体の新しい版で表示や管理画面に不具合が出ても、弱点が見つかっても、直されません。
最後の更新日は、公式ディレクトリのテーマなら配布ページの「最終更新」欄、それ以外は公式サイトのお知らせや更新履歴で確かめます。たとえば無料テーマの紹介記事でよく挙がるLuxeritasは、公式サイトに載る最新版が2023年11月の3.25.0で、2026年9月時点でそれ以降の更新の告知はありません。1年以上更新のないテーマは、候補から外すのが安全と見ています。
無料の範囲で足りるか
Lightning、Arkhe、yStandardには有料の追加機能があり、紹介記事の画面例に有料の機能が含まれていることもあります。入れる前に、公式サイトで無料の範囲にどの機能が入るかを確かめておくと、入れた後に「見本と同じ見た目にならない」と迷わずに済みます。
テーマを乗り換えると記事の装飾が崩れる理由
テーマを乗り換えると記事の装飾が崩れるのは、ふきだしや囲み枠などテーマ独自の装飾が、そのテーマを有効にしているときだけ表示される仕組みだからです。テーマ独自のショートコード(角括弧で囲んだ短い命令文)は、別のテーマでは角括弧の文字列のまま本文に出ます。テーマ独自のブロックは、色や枠のない表示になったり、編集画面で壊れたブロックとして扱われたりします。

記事を入稿する立場で困るのは、直す手間が記事の本数だけ増えることです。100本の記事でふきだしを使っていれば、乗り換えのときに100本を開いて直すことになります。
では、テーマ独自の装飾は使わないほうがよいのか。答えは、使う場所を決めて絞ることです。見出し・段落・リスト・表・引用・画像はWordPress標準のブロックで書けば、テーマを変えても中身はそのまま残ります。テーマ独自の装飾は、なくても記事の意味が通る場所だけに使うと、乗り換えで直す箇所を減らせます。
ふきだしや囲み枠を使わないと、記事が読みにくくなりませんか。
編集部
読みやすさの多くは、見出しの直後で答えを書くことと、段落を短く切ることで決まります。装飾は、手順の一覧や注意書きのように、目で探す場所を示したい箇所に絞っても十分です。記事を外注するなら、どの装飾をどこに使うかを指示書に書いておくと、書き手ごとの使い方がそろいます。
記事を外部に任せる場合、使っているテーマ名と、使ってよい装飾を最初に伝えておくと、入稿後に装飾を付け直す作業が減ります。
テーマを決めた後、記事を書いて入稿する人手は足りていますか
Writers-hubのSEO記事コンテンツ作成は、キーワードの選定から原稿の執筆、貴社のCMSへの装飾付きの入稿までを請け負います。お使いのテーマで使う装飾を決めたうえで入稿するため、担当者の方は下書きを確かめて公開するだけで済みます。
無料テーマをインストールする手順
無料テーマのインストールは、公式ディレクトリにあるテーマなら管理画面から検索して入れ、公式サイトで配布されているテーマならzipファイルをアップロードして入れます。

5つのうちLightningとArkheは公式ディレクトリ、Cocoon・yStandard・Emanon Freeは公式サイトから入手します。
管理画面の「外観」から「テーマ」を開き、「新しいテーマを追加」でテーマ名を検索して「インストール」を押します。
公式サイトからzipファイルをダウンロードし、「新しいテーマを追加」の「テーマのアップロード」から選んで「今すぐインストール」を押します。Cocoonは親テーマと子テーマを両方入れ、子テーマを有効化するよう公式サイトが案内しています。
「ライブプレビュー」でトップページと記事ページの表示を確かめてから「有効化」を押します。
Macでは、ダウンロードしたzipファイルが自動で展開されることがあります。Cocoonの公式サイトは、展開されたフォルダを圧縮し直してからアップロードするよう案内しています。
すでに記事があるサイトでテーマを変えるときは、サーバーやプラグインでサイト全体のバックアップを取ってから有効化してください。前のテーマ独自の装飾は、有効化した時点で表示が変わります。
無料の日本語テーマに関するよくある質問
無料の日本語テーマは、商用のサイトにも使え、有料テーマへ移る必要が出るのは無料の範囲にない機能が要るときです。
問題ありません。公式ディレクトリのテーマは、GPLと互換性のあるライセンスであることが掲載の条件です。CocoonとyStandardも公式サイトで100%GPLと示しており、yStandardは個人・商用サイトとも制限なく無料で使えると明記しています。
無料の範囲にない機能が必要になったときです。移ると前のテーマ独自の装飾は崩れるため、記事が増える前に決めるほど直す手間は少なくなります。
管理画面の「設定」から「一般」を開き、「サイトの言語」を日本語にします。テーマ独自の設定項目は、テーマ側に日本語の翻訳がなければ英語のまま表示されます。
CSSやテンプレートを自分で書き換えるなら必要です。子テーマに変更を書いておけば、親テーマを更新しても変更が消えません。
まとめ|無料テーマは見た目より更新日で選ぶ
無料で使える日本語のWordPressテーマは、ブログならCocoon、会社のサイトならLightningかEmanon Free、デザインを作り込むならArkheかyStandardが候補です。見本画面の好みで決める前に、公式サイトで最後の更新日と無料の範囲を確かめてください。
テーマ独自の装飾は、別のテーマに移ると崩れます。標準のブロックで記事を書き、独自の装飾は使う場所を絞ると、乗り換えのときに直す記事を減らせます。
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