「アクセス数を聞かれたら、GA4を開いて出てきた数字を答えればいい」。社内の会議や報告書では「アクセス数」の一言で数字がやりとりされるため、どの数字を指すかを気にせずに使っている担当者の方も多いでしょう。
しかし、弊社はこれまで多くの企業のオウンドメディアで記事を制作し、公開後の数字をGA4で追って記事を直してきました。その経験から言えるのは、アクセス数は「何を数えるか」で別の数字になるということです。GA4には訪れた人の数、訪問の回数、開かれたページの数が別々に並び、同じ月でも3つの数字は一致しません。
本記事では、アクセス数が指す3つの数字の違いから、GA4での見方、自社に合う目安の決め方まで、記事の成果を数字で確かめてきた制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- アクセス数は、ユーザー数(訪れた人)・セッション数(訪問の回数)・表示回数(開かれたページの数)のどれかを指す
- 報告や比較では、知りたいことに合わせて1つの指標を選び、数字に指標の名前を添える
- GA4では「ページとスクリーン」で表示回数とユーザー数、「トラフィック獲得」でセッション数を確かめられる
- GA4、サーバーのアクセス解析、Search Consoleは数える範囲が違うため、数字が合わないのが普通
- 目安は他社の数字でなく、問い合わせの目標件数を直近の問い合わせ率で割って決める
アクセス数が指す3つの数字
アクセス数は、Webサイトがどれだけ見られたかを表す言葉で、GA4などの計測ツールでは「ユーザー数」「セッション数」「表示回数(PV数)」のどれかを指します。人を数えるのがユーザー数、訪問を数えるのがセッション数、開かれたページを数えるのが表示回数です。
| 数えるもの | 1人が同じスマートフォンで朝と夜に訪れ、計5ページ見た場合 | |
|---|---|---|
| ユーザー数 | 訪れた人の数 | 1 |
| セッション数 | 訪問の回数 | 2 |
| 表示回数(PV数) | 開かれたページの数 | 5 |

ユーザー数は訪れた人の数
ユーザー数は、期間中にサイトを訪れた人の数です。同じ人が月に何度訪れても、同じ端末の同じブラウザからなら1人と数えます。
GA4は、ブラウザに保存されるCookieの識別子で人を見分けています。同じ人でもパソコンとスマートフォンから訪れると2人、Cookieを消した後に訪れると新しい1人です。会員のログインがあり、会員IDをGA4に送っているサイトでは、端末が違っても1人にまとめられます。
GA4のレポートに並ぶ「アクティブユーザー数」は、初めて訪れた人と、訪問中にページを操作した人の数です。以前に訪れたことのある人が、ほとんど操作せずに10秒未満で離れた場合は数えません。
セッション数は訪問の回数
セッション数は、サイトへの訪問が何回あったかを表す数字です。GA4では、ページを開いた時点でセッションが始まり、操作が30分ないと終わります。表の例で朝と夜が別々に数えられるのは、2つの訪問の間が30分以上空いているためです。
30分は初期設定の値で、GA4の管理画面から変えられます。セッションの長さに上限はなく、操作が続いていれば何時間でも1回の訪問として数えます。

表示回数(PV数)は開かれたページの数
表示回数は、ページが開かれた回数を数えた数字で、一般にPV数(ページビュー数)と呼ばれるものに当たります。同じページを再読み込みしたり、戻って開き直したりした分も1回ずつ数えます。
1回の訪問で何ページも見られるほど増えるため、表示回数は3つの指標の中でふつう最も大きく出ます。
知りたいことで選ぶアクセス数の指標
アクセス数としてどの指標を使うかは、数字で何を確かめたいかで決まります。
上司から「先月のアクセス数を報告して」と言われました。3つのうち、一番大きい表示回数を出しておけばいいでしょうか。
編集部
上司が何を知りたいかで選んでください。何人に見てもらえたかならユーザー数、広告や検索で何回来てもらえたかならセッション数、どのページが読まれたかなら表示回数です。どれを出すときも、数字の横に指標の名前を書き添えます。
指標の名前を添えるのは、先月は表示回数、今月はユーザー数と混ざると、増えたのか減ったのかが読めなくなるからです。
サイト全体の集客が伸びたかを月ごとに追うなら、セッション数を基準にすると施策の効果を分けて見られると考えています。セッション数は検索・広告・SNSといった経路ごとに分けて表示できるため、どの施策で訪問が増えたかまで確かめられます。
GA4で自社サイトのアクセス数を見る手順
GA4では、「ページとスクリーン」のレポートで表示回数とユーザー数を、「トラフィック獲得」のレポートでセッション数を確かめます。数字が残っているのは、計測タグをサイトに入れた日以降の分だけです。
GA4のプロパティを開き、左側のメニューから「レポート」を選びます。
画面右上の日付をクリックし、確かめたい期間を選びます。「比較」をオンにすると、前の期間の数字と並べて表示できます。
「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」を開きます。表のいちばん上の合計がサイト全体の表示回数とアクティブユーザー数で、その下の行がページごとの数字です。
「集客」→「トラフィック獲得」を開くと、自然検索・広告・SNSなど経路ごとのセッション数が並びます。
メニューに「エンゲージメント」や「集客」が見当たらない場合は、「ライフサイクル」の下にまとめられていることがあります。ページごとの表示回数を記事単位で比べる方法は、GA4のPV数の見方で詳しく解説しています。
社内の担当者が自社サイトを開いた分も、そのままアクセス数に入ります。GA4の管理画面で社内のIPアドレスを「内部トラフィック」として除外すると、外から訪れた人の数だけを見られます。除外は設定した後のデータから効き、過去の数字は変わりません。
ツールによってアクセス数が合わない理由
GA4、サーバーのアクセス解析、Search Consoleの数字が合わないのは、3つのツールが数えている範囲が違うためです。
ツール | 数えているもの | GA4と比べたときのずれ方 |
|---|---|---|
GA4 | ブラウザで計測タグが動いた閲覧 | 基準 |
サーバーのアクセス解析 | サーバーに届いた取得の要求 | 人以外の取得やページ以外のファイルを含むと大きく出る |
Search Console | Googleの検索結果で押されたリンク | Google検索以外からの訪問を含まないため小さく出る |
GA4が閲覧を記録するのは、ページに入れた計測タグがブラウザで動いたときだけです。Googleが把握しているボットやクローラーの閲覧は自動で除かれ、Cookieの利用を拒否した人の閲覧は記録されないことがあります。
レンタルサーバーの管理画面にあるアクセス解析は、サーバーに届いた要求を記録したもので、数え方はサーバー会社ごとに違います。画像などページ以外のファイルの取得や、検索エンジンのクローラーの取得まで数える集計では、GA4より大きな数字になります。
Search Consoleの「クリック数」は、Googleの検索結果から自社サイトへのリンクが押された回数です。広告・SNS・メールからの訪問や、Bingなど他の検索エンジンからの訪問は含みません。

GA4の自然検索(Organic Search)のセッション数には他の検索エンジンからの訪問も入るため、Search Consoleのクリック数とは一致しません。

とりわけ見落とされがちなのが、比べ先のツールを月ごとに変えてしまう読み違いです。先月はGA4、今月はサーバーの管理画面の数字と比べると、増減ではなくツールの違いを見ることになります。増減は同じツールの同じ指標どうしで比べます。
アクセス数の目安の決め方
アクセス数の目安は、他社の数字からではなく、自社の問い合わせ目標と直近の実績から逆算して決めます。扱う商品やページの数、サイトの目的が違えば、同じアクセス数でも問い合わせにつながる割合が違うからです。
では、自社の目安はどう出せばよいのか。問い合わせ率を使う計算は3つの手順で済みます。
直近3か月の問い合わせ件数を、同じ3か月のセッション数で割ります。セッションが9,000回で問い合わせが18件なら、問い合わせ率は0.2%です。
月10件の問い合わせを目標にするなら、10件÷0.2%で、月5,000回のセッションが目安になります。直近の月平均が3,000回なら、増やす訪問は月2,000回です。
前年の同じ月の実績と並べ、目安の数字が季節の増減で届く範囲か、施策で増やす必要がある数字かを見分けます。
問い合わせ件数は、GA4でフォームの送信を「キーイベント」に設定していればレポートで確かめられます。設定していない場合は、社内の受付記録の件数を使います。
逆算した目安は、今と同じ経路で訪問が増えることを前提にした数字です。広告から来た人と検索から来た人では問い合わせ率が違うことがあるため、増やす経路が決まっている場合は、その経路のセッション数だけで問い合わせ率を出します。記事ごとの表示回数の目安を記事数から積み上げる方法は、ページビュー数の目安の決め方で解説しています。

検索からの訪問で差を埋める場合は、自社のページがどの検索語で表示され、どこでクリックを取りこぼしているかを確かめるところから始まります。
逆算した訪問数に、今の検索からの流入では届きそうにありませんか
Writers-hubのSEO・AI検索対策では、検索結果での自社サイトの表示状況を確かめたうえで、逆算で出した不足分をどのページの改善や追加で埋めるかを一緒に決めます。
アクセス数についてよくある質問
アクセス数の数字を扱うときに出やすい4つの質問に答えます。
他社サイトの正確なアクセス数は、運営会社が公開しない限り調べられません。Similarwebやラッコキーワードなどのツールで見られるのは、検索順位や利用データから推計した値です。競合とのおおよその規模の差をつかむ材料にはなりますが、自社の目標件数を割り出す根拠には向きません。
アクセス件数や閲覧数も、アクセス数と同じく、ユーザー数・セッション数・表示回数のどれを指すかが決まっていない言葉です。数字を受け取ったら、どのツールのどの指標かを確かめてから比べます。
ヒット数は、サーバーに届いたファイルの要求の回数です。1ページを開くと、ページ本体に加えて画像などのファイルの数だけ要求が発生するため、ヒット数は表示回数より大きな数字になります。
GA4の数字が急に0になったときは、計測タグがページから外れていないかを最初に確かめます。サイトの改修やテンプレートの変更でタグが消えることがあり、GA4の「リアルタイム」レポートを開いたまま自分でサイトを見て、数字が動くかで確かめられます。
まとめ|アクセス数は何を数えるかを決めてから見る
アクセス数は、ユーザー数・セッション数・表示回数のどれを指すかで別の数字になります。報告や比較の前に、どの指標で数えるかを決めることで、先月との増減もツールごとの差も読み違えずに済みます。
目安は他社の数字でなく、問い合わせの目標件数を直近の問い合わせ率で割って出します。私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作と、どの検索語にどの記事で答えるかの計画づくりを支援しています。
足りない訪問数を、どの検索語の記事で埋めるか決まっていますか
SEOキーワード戦略設計では、検索される言葉を調べ、問い合わせにつながる検索語から記事を作る順番を決めます。逆算で出した訪問数の目安を、何本の記事をどの順番で作るかの計画に落とし込めます。







